世界各地で止まらない森林火災が「第6の大量絶滅期」の引き金に？誕生日に地球へのギフトとして植樹を贈る「バースデーツリー」のすすめ

年々、増加している森林火災。

最近では、日本でも足利市の山火事が大きな話題となりましたが、日本各地の森林火災に限らず、2019年から5ヶ月間ずっと燃え続けたオーストラリア火災を連想する方も多いのではないでしょうか？

「どんどん燃えてゆく森に対して何もできないのが、もどかしい。」

「なぜ森林火災が起こり、大量の水を撒いても火が消えないのか？」

「自分にできることはあるのか？」

と遠い地で燃える木々や、逃げ惑う動物たちの映像をニュースで見る度に思います。

毎年約500万ヘクタールずつ減少している地球の森林。

今回は、森林火災にフォーカスして原因や被害、私たちにできることは何かを解説します。

森林火災の対策からポジティブな貢献まで、今から自分にできることをピックアップしました。

私たちが住む地球。

1人1人が森林資源を使っているのと同時に、1人1人が森林を守ることもできます。

森林火災について知り、自然の恵みを受けている1人として何ができるか考えるきっかけとなれば幸いです。

森林伐採や森林火災などにより、森林面積は毎年約500万ヘクタールずつ消えている

500万ヘクタールというと想像しにくいですが、だいたい日本国土の約14%が毎年地球から消えていることになります。

森林破壊とは「自然の回復力を超えて、伐採などで森林が減少または存在しなくなること」です。

世界資源研究所によると、地球の森林面積は約40億ヘクタールで陸地の約30%を占めますが、その森林面積の中で原生林のまま残っているのはたったの15%といわれています。

森林が減少する主な原因としては以下のとおりです。

・農地、畜産開発
・木材調達のための森林伐採
・施設建設のための森林伐採
・森林火災

様々な需要が折り重なって生産される作物や木材、紙などは、日本をはじめとする世界中の国々で使われていますよね。

このままのスピードで減少し続ければ、残りの天然林も近い未来なくなっていくでしょう。

1本の木が育つ年月は、少なくとも40年はかかります。

そう考えると、一瞬で森を焼き尽くす山火事は恐ろしいです。

それでは森林減少の原因の1つである、森林火災について深掘りしていきます。

森林火災の原因は？なぜ止まらない？

森林火災の主な原因は主に2つあります。

１、自然発火
２、人為的な原因

日本の山火事のほとんどは人為的な原因だとされ、自然発火はごく稀です。

１、自然発火

自然発火は「乾燥」が大きな要因です。

高温かつ空気が乾燥していると、枯れ葉や枯れ草が摩擦を起こし火がつき、周りの木々に燃え広がって火災につながります。

さらに近年の地球温暖化や気候変動により、異常少雨や干ばつが起こりやすく乾燥することも要因です。

２、人為的な原因

森林火災の多くは人為的な原因で起こっているといわれています。

日本を例にすると、主な人為的な森林火災の要因としては、

・焚き火：約30%
・火入れ（焼畑農業）：約17%
・放火：約8%
・たばこ：約5%
・火遊び：約2%

と、森林火災の約70%が人の活動によって発生していることが分かります。

参考：林野庁

森林火災はなぜ止まらない？

ヘリコプターで大量に放水しても火が止まらないのは「風」が大きな要因とされています。

天候や火災状況によっては火災旋風が発生することがあり、その風によって次から次へと飛び火するスピードが上がったり広範囲に広がったりして、新しい森林火災が生まれて止まりにくくなるということです。

乾燥した熱風が吹くフェーン現象がよく起こるアメリカのカリフォルニアでは、強風によって大規模火災が頻発しています。

2018年の火災では、カリフォルニア州のパラダイスという町が森林火災の影響で完全に焼け野原となりました。

森林火災が与える被害とは

森林火災による被害は、動植物から私たち人間、そして地球にも悪影響をもたらします。

生態系の破壊、動植物の絶滅

野生生物は食物連鎖の関係で、他の野生生物とつながりがあります。

ある1種の生物がいなくなることで、他の生物も生きられなくなるという悪循環になる可能性が高くなるのです。

木材や薬の材料、農作物の種などの消失

木材や農作物など私たちの生活に不可欠なものや、森で暮らす人々にも被害を与えます。

森のない場所では、人もまた生きていけないのです。

異常気象

異常気象と森林火災についても密接な関係があります。

「人の活動で排出された二酸化炭素のうち約30%が森林によって吸収されている」

といわれています。

伐採や森林火災によって木の中に蓄えられていた二酸化炭素が一斉に放出されることで、さらに地球温暖化（異常気象）や森林火災の長期化を助長しているのです。

参考：IPCC

海外の事例：オーストラリア

過去最悪と言われるオーストラリアの大規模火災は、記憶に新しいですよね。

10億匹以上の野生動物、1000万ヘクタール以上の森林などが犠牲となった大惨事。

ヤケドに苦しむコアラの姿は、今でも心が痛みます。

煙が都市部に流れて呼吸困難を訴える人が続出し、人体にも影響を及ぼしました。

世界中で起こる森林火災により計り知れないほどの生物種が消え、今後回復できるかはハッキリとしていません。

科学者たちは一斉に「第6の大量絶滅」の危機的状況であるとし、世界の生物多様性はすでに深刻な問題を抱えていると示唆しています。


実は当時オーストラリアに滞在中だった私は、木々が真っ黒に焼けて枯れ果てた様子や、延焼中の森林近くで煙を吸い込むなど間近で経験をしました。

1番最初に思ったのは「怖い」という身体防衛心。

そしてハイキングや公園でよく見た、カンガルーやワラビーなどの野生動物のことを思う「悲しみ」です。

自然発火でも、気候変動でも、森林火災や動植物の絶滅は私たち人間の活動によるもの。

私たち1人1人が変わらない限り、森林火災が減ることはありません。

では、私たちにできることはどんなことなのでしょうか。

森林火災を防ぐために自分にできることは？

植樹の寄付『バースデーツリー』をしてみよう！

植樹の寄付を通して地球に貢献するのは、今からできることです。

自然保護活動を行う各団体のホームページから簡単に寄付することができます。

『植樹　寄付』と検索すると様々な団体があることに気がつかれると思います。

中にはクリックして募金になる団体や、アプリを使ってワンタップで募金できる団体もあるようです。

植樹のボランティア活動もあるので、興味のある方は参加してみてください。


そして私が最もおすすめしたいのは、
「バースデーツリー」という概念です！



バースデーツリーは木を本当にプレゼントするということではありません。

「誕生日に自分や人々、地球へのギフトとして、植樹を贈る」

という取り組みで、海外ではよく行われているんです。

SNSで#birthdaytreeと検索すると、時々「自分や知り合いの誕生日に植樹の募金をした」という内容の投稿が見られます。

誕生日というと、私たちは「何か相手にプレゼントを渡すもの」と思い込んでいますが、このように地球にも優しい誕生日の祝い方って素敵ですよね！

誕生日に限らず、気軽に植樹に寄付ができる団体はたくさんあるので、自分にあった団体を探してみるとポジティブに貢献ができるのではないでしょうか。

森林近くにいる時は火を使わない

森林のある公園や、ハイキング先、または道端など「草木がある場所では火を使わない」ことが鉄則でしょう。

特に風が強い時は、火が移りやすいです。

先に述べたように、森林火災の1番の要因は人によるもの。

キャンプ場でよく見る焚き火やガスバーナーなどの調理器具は、実は1番リスクが高いんだということを念頭に置きましょう。

引用：鶴岡市HP

紙類の使用を減らす

紙類の原料は木材です。

「なぜ紙類を減らすことが、森林火災の改善につながるのか？」

と思いますが、地球温暖化と森林火災は関連付いているからなのです。

伐採や火災で木の中の二酸化炭素が放出されるなど、紙類を作る過程で地球温暖化や森林火災がさらに悪化します。

日本の木材輸入量は世界トップ3と言われており、そこから他国で違法伐採が発生している現状です。

紙コップ・包装紙・紙袋・コピー用紙など、紙の消費を少しずつ減らしたり、再生紙や森林認証されている製品を選んだりして、消費に責任をもっていきましょう。

世界の森林火災状況を知ってシェアする

世界資源研究所（WRI）が取り扱う、世界中の森林火災状況を知れる素晴らしいサイトがあります。
参考：Global Forest Watch

ほとんどリアルタイムで確認することができ、今どの国のどこで火災が起きているかがわかります。

森林火災が深刻であるかを知るだけでなく、シェアをすることで人々の意識が変わるきっかけとなるでしょう。

森林火災は他人事ではない！私たちは未来を変えられる

以上のことをお伝えしてきましたが、皆様はどうお考えになるでしょうか？

森林火災は山間部でよく発生するので、近くに住んでいなければあまり身近に感じないかもしれません。

しかし森林火災によって木々や動植物が消えてしまえば、二酸化炭素の量は増え地球温暖化はさらに加速し、私たちの生活も最終的には困窮していきます。

そして森林火災と地球温暖化は相互作用しているので、地球温暖化が進むと森林火災も増えるという悪循環があるのです。

「オーストラリア火災は地球の未来を予言している」ともいわれていますが、深刻な森林減少と地球温暖化が続いている現状を考えると、私も同意せずにはいられません。

しかし未来はまだ確定している訳ではなく、今が未来をつくりだします。

1人1人が現状や原因を理解し、それをもとに正しいと思う選択を重ねていくことで、着実に未来は変わっていくことでしょう。

「できそうかも」と思うことから少しずつ、ポジティブに始めていきましょう。

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