体にいい安全な油の選び方と体に悪い油の見分け方。オリーブオイルや、植物油を選ぶ時にチェックすべきこと。
良い油・悪い油って何?
毎日の食卓に欠かせない油。油っこいものは好きではない、という人もおうちに1本は調理用の油があると思います。
ちなみに私は色々な油を試すのが好きで、オリーブオイルやごま油などの定番ものから
亜麻仁油、ココナッツオイル、ピーナッツオイルといったものまで使っています。
「油=不健康」ではなく、
「悪い油=不健康」
健康的な食生活の話になると、一般的に「油っこいものは控えましょう」と言われることがあります。
油は肥満や生活習慣病の原因として悪者扱いされることが多いですね。
油は生命の維持に必要不可欠なもの。
しかし、ここで覚えておいてほしいのは、良い油は体にとって必要であるが、悪い油はむしろ健康への悪影響がある
ということ。油はエネルギー源としての役割が注目されがちですが、
細胞膜やホルモンの材料でもあり、人体にとって必要不可欠なもの。
ただ、野菜やお米などの食材と比べると摂取する量がとても少ないので、
質にはあまりこだわったことがないという方もいるかもしれませんね。
油と一口に言っても様々なものがあります。
原材料だけでなく、抽出方法やボトルの材質など、油を選ぶ時に注目すべきポイントはたくさん。
今回は食卓に欠かせない良い植物油の選び方をまとめました。
植物油を選ぶときのポイント
遺伝子組み換えでないか
油は遺伝子組み換え原材料を使用していても表示ラベルに記載しなくて良いことになっているため、
表示からは遺伝子組み換えかそうでないかということはわかりません。
実際植物油の原料のほとんどは輸入に頼っているため、
遺伝子組み換え原材料を使用している可能性が非常に高いです。
500ml1000円以下で買えるような安価な油には特に注意しましょう。
現在遺伝子組み換えが認められている作物は
大豆・とうもろこし・じゃがいも・菜種・綿実・てんさい・アルファルファ・パパイヤの8種類。
そのうち油の原料として利用されているのは大豆・とうもろこし・菜種・綿実。
特にコーン油・菜種油(菜種の中でもキャノーラ品種から作られたキャノーラ油)は
みなさんにとってもなじみ深い定番の油だと思います。
昔から慣れ親しんだものだから・・・
と特に気にせず使っている人が多いと思いますが、
現在はかつて存在しなかった遺伝子組み換え原材料のオンパレード。
これらの原材料が含まれる油を買う時は、
遺伝子組み換え原材料の使用が認められていない有機(オーガニック)の認定マークが付いたものを選ぶと良いでしょう。
以前執筆したこちらの記事で遺伝子組み換え表示についてまとめていますのでご参照ください。
「えっ、それ遺伝子組み換えだったの!?」買い物をする時に気を付けたい食品表示のカラクリとワナ。
オリーブオイルにも注意。
じゃあオリーブオイルならいいんじゃない?
使い慣れてるし、遺伝子組み換えの心配もないし・・・と思いますよね。
実はオリーブオイルの中でも本当に品質が良いものは一握り。
収穫されてから時間が経った実や、はたまた腐った実まで一緒に使っているものまであります。
オリープオイル以外に水素添加した油を混ぜ、トランス脂肪酸を含んでいることも!
オリーブオイル=安全、ヘルシーというイメージが強いですが、
きちんと選ばなければ逆に健康を害することもあるのです。
オリーブオイルに関しては偽装がとても多いため、たとえオーガニックでも100%安全とは言い切れません。
値段は張りますが、オリーブの栽培・収穫方法や製造過程を明らかにしているメーカーのものを買う方が安心です。
☆ミシュランシェフも愛用。家庭の料理がプロの味に早変わり!最高級ギリシャ産エクストラバージンオリーブオイル
☆オリーブオイル好きでもビックリ!1970年代から完全自然栽培!最高品質オーガニックエクストラバージンオリーブオイル
容器の材質は何か
油の容器としては主に「ガラス瓶」「プラスチックボトル」「缶」が利用されていますが、
その中でも特に気を付けてほしいのがプラスチックボトル。
プラスチックボトルにはしばしばBPA(ビスフェノールA)という物質が含まれています。
これは環境ホルモンとして女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を示し、
乳がんなどの原因と考えられている物質です。
厚生労働省では以下のような見解を述べています。
「ビスフェノールAについては、近年、動物の胎児や産仔に対し、
これまでの毒性試験では有害な影響が認められなかった量より、
極めて低い用量の投与により影響が認められたことが報告されたことから、
妊娠されている方(これらの方の胎児)や乳幼児がこの物質を摂取すると影響があるのではないかという懸念が持たれています」
「公衆衛生の見地から、ビスフェノールAの摂取をできるだけ減らすことが適当と考えられる」
出典:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html
日本のプラスチックボトルはほとんどのものにBPAフリー表示がありません。
そのため、BPAフリー表示がなく安価な油のボトルにはBPAが含まれていると考えた方が良いでしょう。
BPAは油分の多い食品に溶け出しやすい性質があるため要注意です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
その缶詰、ラップ、弁当箱、大丈夫ですか?乳がんの原因にもなる有害な環境ホルモン・BPA(ビスフェノールA)の影響と対策方法。
また、BPAはプラスチックボトルだけでなく缶にも使用されるので、
缶入りの油を選ぶ時もBPAフリーかどうかチェックするようにしましょう。
ガラス瓶も透明なものはNG。
また、ガラス瓶でも透明なものだと光を通してしまいます。
光は油の酸化の原因となるため、遮光性のある濃い緑色や褐色の瓶のものを選びましょう。
抽出方法
<化学溶剤による抽出>
出典:http://www.udos-oil.jp
多くの油は化学溶剤であるヘキサンを利用して抽出されます。
油を抽出した後ヘキサンは蒸留により取り除かれると言われていますが、
完全に除去されている保証はありません。
ヘキサンは慢性毒性として神経を冒す可能性があるため、
使用していないものの方が安心です。
この方法では多くの工程を経て製造されるため、とても不自然なものであることは確かです。
また、抽出後の脱臭の過程では高温にさらされるため、
酸化され、栄養素が破壊され、トランス脂肪酸が生成してしまいます。
出典:http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/#3
最近ではトランス脂肪酸の害が知られるようになり、
マーガリンやショートニングはあまり買わなくなったという人も多いでしょう。
ただトランス脂肪酸はマーガリンやショートニングだけでなく、
植物油にも含まれていることがあるということは忘れられがち。
「低温圧搾(コールドプレス)」と書かれていないものはまず化学溶剤で抽出していると考えましょう。
<低温圧搾(コールドプレス)による抽出>
油の原料となる果実や種子に熱を加えずに圧力をかけて抽出する方法。短時間で圧力をかけると摩擦熱で温度が上がってしまうため、抽出に時間がかかるのが難点です。
生産効率も悪いため、値段も高くなりがち。
ただ、化学溶剤を使用していない、高温で栄養素が破壊されることがない、
化学溶剤による抽出よりも処理工程が少なくより自然であるという大きなメリットがあります。
健康のためには低温圧搾(コールドプレス)で製造された油を選ぶと良いでしょう。
出典:http://www.udos-oil.jp/cat127/oil.html
酸化しやすい油かどうか
油は「光」「熱」「空気」により酸化します。せっかく質の良い油を買っても酸化してしまったものは健康に悪影響を及ぼしてしまいます。
中でも酸化しやすい油は、オメガ3系脂肪酸が多く含まれるえごま油・亜麻仁油など。
酸化しやすい油を買う時は、なるべく容量の小さいものを選び短期間で使い切ることをおすすめします。
オメガ3系の油を意識して摂る
オメガ6系脂肪酸:オメガ3系脂肪酸=4:1の割合で摂取するのが望ましいとされていますが、
一般的に使われることの多い油(ごま油、べにばな油、グレープシードオイルなど)はオメガ6系脂肪酸の割合が多く、
意識せずに過ごしていると自然とオメガ6系脂肪酸過多となってしまいます。
現代人ではオメガ6系脂肪酸:オメガ3系脂肪酸=10:1、極端な場合だと50:1にもなると言われています。
オメガ6系脂肪酸の摂り過ぎは炎症・アレルギーの原因となるため注意しましょう。
オメガ6系脂肪酸は意識せずとも不足することはまずないので、
普段の生活ではオメガ3系脂肪酸を意識して摂ることが大切です。
オメガ3系脂肪酸にはアレルギーの改善・中性脂肪を減らす・
認知症予防・美肌効果・便秘解消など嬉しい効果がたくさん。
ただし、上記でご紹介したように酸化しやすいため、なるべく短期で使い切りましょう。
酸化に弱いため、加熱調理ではなく生で摂るのもポイントです。
詳しくはこちら2つの記事をご参照ください。
その油、あなたに合っていますか?知らなかった、正しい油の選び方。オーガニック食品は非オーガニック食品より最大70%抗酸化物質が多いことが判明! 安全性だけでなく、栄養面からも価値あるオーガニック。
油っこい料理が好きな人こそ質にこだわってほしい。
レストランで油控えめのものを食べるよりも、自宅で良い油を使って揚げ物をする方がよほど健康的。
質の悪い油は健康を害しますが、質の良い油はむしろ体にとって必要不可欠。揚げ物など油っこいものは健康に悪そうだから控えよう、と思っていた方も多いと思いますが、
油の質にこだわれば我慢してさっぱりしたものばかり食べる必要もありません。
飲食店で油控えめのものを我慢して食べるより、自宅で良い油をたっぷり使った揚げ物を食べる方がはるかに健康的。
以前レストランで食事をした際、ベジバーガーとフライドポテトのセットを注文しました。
最初はおいしく食べていたのですが、半分ほど食べたところで胸焼けが。
あまりにも気持ち悪くて、残りは食べられませんでした。
おそらく料理に使われていたキャノーラオイルが原因と思われます。
すべてのキャノーラオイルが悪いというわけではありませんが、
業務用のキャノーラオイルはコスト重視のため基本的に遺伝子組み換え不分別、
スーパーで売られている家庭用のものと異なり消泡剤(シリコン)などの食品添加物も使われています。
おまけにその時私が注文したメニューはベジタリアンパテ(フライパンで焼く)、自家製マヨネーズ(油が主原料)、
そしてフライドポテト(大量の油で揚げる、油は使い回し)と
油を使用するものが多く含まれていたため余計に胸焼けしてしまったのだと思います。
油そのものは「安かろう悪かろう」がほぼ当てはまりますが、飲食店の価格はそうとは限りません。
飲食店はいかに材料のコストを下げるかということを重要視しているため、
高級料理店でもチェーンのファストフード店でも同じ安い油を使っていることがほとんどです。
さらに、フライヤーの油は1週間ほど同じものを使い続けることもあります。
見た目が汚れているだけでなく、
「光」「熱」「空気」に長期間さらされることで酸化が進み、トランス脂肪酸が生成。
たとえその場では胸焼けしなかったとしても、お世辞にも体に良いものとは言えませんよね。
私は自宅で使う油は最低限「低温圧搾」「遺伝子組み換え作物不使用」
「遮光瓶に入っているもの」「安すぎないもの」を選ぶようにしています。
また、酸化しやすい油や使用頻度の低い油はなるべく容量が小さいものを購入し、
短期間で使い切るよう心がけています。
普段何気なく使っている油。
細胞膜やホルモンの材料になる重要なものなので、是非質にこだわってほしい食材のひとつです。
次回お買い物の際には是非油コーナーをチェックしてみてくださいね!
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