子どもに食べさせたくない!発がん性物質「アクリルアミド」を含む食べ物TOP3と解毒のために食べたいもの
子どもに食べさせたくない!発がん性物質「アクリルアミド」を含む食べ物TOP3と解毒のために食べたいもの
市販に並ぶ安くて手軽な食品にはさまざまな化学物質から出来ている、というのは既に多くの方がご存知だと思います。
化学物質は長期保存、美味しく感じるための手段、など意図的に調理の過程で添加されます。
その調理の過程に施される成分は原材料欄を見れば、私たちの目で確認はでき避けるべきものが判断できます。
ところが調理の過程で生成される物質までもは記載されません。
それが今回ご紹介する「アクリルアミド」という発がんリスクのある物質。
アクリルアミドが発生する食品は私たちの身近に存在し、手軽に安く時短調理さえ叶えてしまう商品たちばかりです。
ご紹介する食品は特に子どもたちが手を伸ばしたくなるような食品も含まれます。
農林水産省でも「長期に摂り続けると人の健康に悪影響が生じる可能性がある」と紹介され、極力摂らないようにと警告しています。
今回はアクリルアミドを摂取することで起こり得る健康へのリスク、またアクリルアミドを摂取したと気がついた際に体内から排出するために私たちができることをご紹介します。
発がん性物質「アクリルアミド」とは?
調理することは、加熱することで殺菌になったり、消化がよくなったりするというメリットがありますが、その逆でかえって健康に悪影響を与える物質が発生するケースもあります。
「アクリルアミド」とは、炭水化物を120℃以上で焼く、揚げるなどの高温調理をした際に発生する物質で、猛毒の物質として人に害を与えてしまうということがわかってきています。
アクリルアミドは、かつて紙力増強剤、合成樹脂、合成繊維、排水中等の沈殿物凝集剤、土壌改良剤、接着剤、塗料、土壌安定剤らの原料として用いられてきました。
立派な化学物質ですね。
発がん性物質アクリルアミドが注目されたきっかけとは
アクリルアミドは、1997年スウェーデンで発見されました。
きっかけは、トンネル建設工事現場付近の河川で魚が大量死していること、また河川の水を飲んだ牛が全身麻痺の中毒症状を起こしたことでした。
当時の建設現場では、充填材の原料にアクリルアミドモノマーという化学物質を使用し、それが河川に流出していたのです。
その翌年には工事現場で使用禁止となったアクリルアミドですが、規制されたにも関わらず、まったく工場現場とは無関係のヒトの体内から、アクリルアミドが検出されたのです。
調査の結果、高温調理された炭水化物の食品に含まれることが判明したのです。
IARC(国際がん研究機関)の発がん性物質に指定されているアクリルアミド
アクリルアミドは遺伝毒性発がん物質として判断されています。
遺伝毒性とは遺伝子(DNA)を傷つけて細胞を破壊する物質です。
IARCは発がん性リスクを下記のようにレベル別に分類しています。
◆グループ1
「発がん性がある」
◆グループ2A
「発がん性がおそらくある」
◆グループ2B
「発がん性があるかもしれない」
◆グループ3
「発がん性が分類できない」
◆グループ4
「発がん性がおそらくない」
アクリルアミドは発がん性分類で「グループ2A」とリスク上位に分類されているのです。
2016年4月に公表された内容では、食品由来のアクリルアミドの摂取は発がんリスクについてはヒトにおける健康影響は明確ではないものの、動物実験の結果、公衆衛生上の観点から懸念がないとはいえない、と記載されています。(※)
ほかにもアクリルアミドを摂取し続けることにより生殖毒性も認められています。
ラットを使った実験によると、アクリルアミドを摂取した母体ラットから生まれた児は発達に影響を及ぼすとされています。
また、精巣機能にも影響が出たという報告もあります。(※)
発がん性分類でも示される通り、基本的には体に良くないとされるアクリルアミド。
明確な答えが出ることを待つのではなく、アクリルアミドが生成される食品を極力選ばないという選択が懸命です。
アクリルアミド曝露について
そうは言っても「実際のところ、過去に発がん性リスクは報告されているの?」と疑問を感じる方もいると思います。結論から申し上げると、腎臓がんの関連が報告されています。
2014年9月に公開された論文では、アクリルアミドは腎臓など臓器に対する危険性に加えて、神経毒素、生殖毒性、発がん性物質であることが確認されている、とあります。(※)
日本国内でのアクリルアミド規制状況
アクリルアミドは日本国内での基準値は設定されていない、というのが現状です。
農林水産省では、
普段の食生活において、アクリルアミドの摂取量を低減するためには、バランスのよい食生活を送ることが重要である。
その上で、食材の準備段階では、調理段階でアクリルアミドに変わる成分を増やさないこと、加熱調理の段階では、アクリルアミドを出来るだけ増やさないよう調理の仕方を工夫することがポイントとなる
と公表しています。(※)
上記は2015年に公表されたもので、明確な基準値は設けられていません。
アクリルアミドは各個人で低減に努めるというものになっています。
諸外国と比べて明確な規制がなされていない背景には、おそらく日頃の食生活が関わっているのではないかと推測します。
諸外国と比べた推定摂取量(μg/kg 体重/日)
・オーストラリア、ニュージーランド 1〜4
・EU 0.5〜1.9
・カナダ 0.157〜0.609
・日本 0.240
このように日本では推定摂取量は比較的少ないとされるアクリルアミドですが、そうは言っても発がん性物質であることには変わりありません。
知らず知らずのうちに体内に蓄積すると本当に危険な物質です。
では、どのような食品にアクリルアミドは含まれるのでしょうか。
絶対に避けたい!アクリルアミドを多く含む身近な食品TOP3
代表的な食品を上から含有量の多い順にTOP3をご紹介します。(※)
(食品名:アクリルアミド最大値mg/kg)
1位 ポテトチップス 2300
2位 フライドポテト 1100
3位 ビスケット類(乳幼児用菓子含む) 650
上記の食品を見た際に感じることは、
子どもたちが好んで口にしたくなる食品ばかりだということです。
ポテトチップスは油と糖質の塊、依存性も高く満腹感が得られない、肥満まっしぐら食品ワースト1であることはご承知の通りです。
酸化した油を摂ることがよくない、というのは言うまでもありません。
その上に発がん性リスクも存在するのであれば、いっそう避けるべきものということがわかります。
だからこそ、子どもたちのために大人が知っておかなければならない知識なのです。
最近はレンジでチンすれば食べられる揚げ物の冷凍食品がスーパーに行けばたくさん並んでいます。
すでに調理済みと書かれた高温調理の冷凍食品は便利で手軽です。
美味しいもの、依存性の多いものには必ず裏があります。
発がん物質、アクリルアミドを解毒する方法
アクリルアミドの存在を知らずに今まで摂取していた、と不安になるかもしれません。
しかし私たちの体にはもともと除去できるシステムを持ち合わせています。
アクリルアミドは私たちの体内に入ると、ほとんどはグルタチオンという物質がアクリルアミドを捕まえて、マグネシウムイオンの働きによって尿として排出(グルタチオン抱合という)させます。
その他一部のアクリルアミドはグリシドアミドという毒を作ります。
この毒も、グルタチオンが捕まえ尿で排出させます。
では、気にしなくてもいいのではないか?
そう思われるかもしれません。
しかし、危険なのは、摂取するアクリルアミドの量が多すぎた場合、グルタチオンではまかないきれなくなることです。
そうなった場合に、発がん性物質となるのです。
重要物質「グルタチオン」を増やすことがカギ
グルタチオンはアクリルアミドのみならず、体内に入った様々な異物を外へ排出する重要な役割を担っています。
他にも、
・生体恒常性の維持
・細胞内還元剤
・過酸化水素の還元(無毒化)
・酸化型アスコルビン酸の還元
・薬物・異物の解毒作用
・酵素の補酵素
を担い、私たちの体内に欠かせない要素なのです。(※)
よって、日頃からグルタチオンを増やす栄養素を意識的に摂取する必要があるのです。
まずグルタチオンを合成を促進させる最重要要素は「タンパク質・マグネシウム・ビタミンB群」です。
食品でいうと、
・緑茶
・ザクロ
・アボカド
・アブラナ科野菜
などです。
それでもアクリルアミド過剰摂取によってグルタチオンが間に合わない場合があると述べました。
そうした場合、アクリルアミドを体内で低減させる下記の栄養素が必要となります。
アクリルアミドを低減させる栄養素
アクリルアミドの毒素を体内で低減させる栄養素は、兼ねてから探求し続けられてきました。調査によると、
・ビタミンC
・クルクミン
・EGCG
などの超強力な抗酸化物質が有効だと判明したのです。(※)
特にEGCGは緑茶に多く含まれるカテキンの一種で、トップレベルの抗酸化物質です。
EGCGの働きは、最近ウイルス対策にも非常に効果的と発表されました。(※)
アクリルアミドをはじめ、健康に悪影響を及ぼすものは日頃から摂らない。常に賢い選択を!
私たちの体は、簡単には壊れないような仕組みになっています。
しかしながら、そうした体内の仕組みに頼り切ることで、実は大きな負担がかかっていることを忘れてはなりません。
体に蓄積することで悪影響を及ぼす物質は、日頃から摂らないということが賢い選択です。
では負担のかからない食生活とは何でしょうか。
当然ではありますが、
・偏った食事をしないこと
・添加物を避けること
になります。
避けるべき添加物を学び、買わない、寄せ付けないことはもちろん、時には断る勇気も必要になります。
子どもたちの食生活は、大人たちが持つ知識によって良くも悪くも左右される傾向があります。
もちろん、食生活を100%完璧にコントロールすることは難しいことです。
しかし、ふとしたときに「あの時、親が自分に言い聞かせていたことはこういうことだったのか」「理由があったのか」
と気がつく時が来るものです。
現に、学生時代からの私の友人は、大人になった今では、幼い頃から親の食生活のこだわりの理由を今十分に理解している、感謝していると話してくれました。
食生活に対する軸を持ち、勇気を持って続けることが大切ですね。
私たちは軸を持つことさえできれば、そんなに弱い生き物ではありません!
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