玄米の効果は健康に良いだけではなかった!私たちが自然栽培の玄米を選ぶべき本当の理由
前回の記事でご紹介した木村式の酵素玄米粉。
お味噌汁に入れると旨味が増し、カレーに入れるとコクが出て、
とても美味しく食べられるものです。
自然栽培だからこそのパワーを感じました。
しかし、自然栽培の玄米は、ただ栄養価が高くて美味しいだけではありません。
実は、日本の水田には秘められたすごい力があるのです。
今回は、里山だけではなく、海の環境までも守っている日本の農業についてお伝えします。
自然栽培の玄米粉を通じて考える日本の農業
味がとても濃い!木村式自然栽培の酵素玄米粉。
その秘密とは?
酵素玄米粉の使い道が分からないという方におススメなのが
「迷ったら出汁として使う」という方法です。
日本の米は、短粒種と呼ばれるもので特にうまみが強い米です。
白米にしてしまうとあまり感じませんが、
玄米はうまみ成分であるグルタミン酸や、
人の体に必要な必須アミノ酸が多く含まれているのです。
古来、稲の栽培は東南アジアおよび東アジアのモンスーン地域を中心に行われてきた。
米に含まれる栄養素は主に炭水化物であるが、リジンが少ないことを除くと
必須アミノ酸のバランスのよい蛋白質を8~10%含むので、
稲作地帯 の人々の重要なエネルギー源であると共に重要な蛋白源でもある。
「だ し ・うま味再発 見」
この資料に書かれている通り、
唯一少ない必須アミノ酸はリジンですね。
これは味噌などの大豆製品で補うことができます。
うまみの強い米を作る条件として「分けつ」というものがあります。
稲の苗の根本は幾本かに分かれて太くなります。
根をしっかり張った稲は分けつをしっかりして増え、
茎が太くなり、重い実を支えられるようになるのです。
肥料をやりすぎると徒長し、風に弱くひょろひょろとした稲になってしまい、十分に実に栄養が行きません。
落ち葉や枯れ草がある里山や湿地帯、豆類を漉き込んだ土には、
土を耕すミミズや微生物が多くいて十分に栄養があり、
空気も含まれていますので、耕したり堆肥をやったりしなくとも、稲が生育できるのです。
GABAは玄米の83倍、白米の167倍!木村式自然栽培の酵素玄米粉
日本の食生活に大きな影響を与えた玄米
前項でお伝えしたように、米にはリジン以外の必須アミノ酸が含まれます。
また、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンD以外のすべてのビタミンも含まれています。
ただ、これらは副菜を組み合わせれば補えるものです。
特に必須アミノ酸のリジンは大豆に含まれています。
栄養が満遍なく含まれる玄米を食べることで得られるものはいくつかあります。
◆仏教による肉食禁止に対応した菜食中心の食事が可能になる
(菜食だと摂取しづらいビタミンB12ですが、昔は魚類やスッポンなど水生生物は食べていたようです)
◆小麦と違って製粉の必要がない
◆納豆等わらを使った副食の発展
日本の伝統的な食事を思い出してみましょう。
魚類、海藻、大豆などが多いですね。生野菜は香の物位です。
米の栄養で足りない部分を補うようにおかずが構成されたのです。
国家の面積と水資源(日本は本来人が使える水の量が少ない)の量からいうと、
あまり生産性が高くない国が様々な文化を発展させられたのは、
大豆などと組み合わせれば完全食に近い玄米があったからです。
そんなお米や玄米を食べないのは勿体ない話ですよね。
☆湧き水で作られた自然栽培玄米
アジア特有の農業『水田』が持つメリットは?
浮稲農法など、稲を育てる手法は、つもありますが、
日本の水田は非常に優れた属性を持っています。
・微生物が生息しやすく、富栄養化が起こりにくい
・水の浄化作用がある
・里山を構成し、周辺の生物多様性に寄与する
特に注目したいのは、水の浄化機能です。
近年、畑地では肥料成分による環境負荷が問題となっている。
一方、水田のもつ重要な機能の一つに水質浄化機能があることが知られている。
水田にかんがいされた水の窒素は除去され、pH は中性に保たれる。
本プロジェクトでは、このような水田の水質浄化能力を積極的に活用し、
模式図のように上流から流れてくる水を水田を使って浄化し、
河川に入る水の水質を保全する技術を検討した。
畑地は台地上に位置することが多く、
台地直下にある棚田は水質浄化の場として特に重要である。
そこで棚田の水収支を調査したところ、
作付期間中の用水のうち、水尻から排水された割合は 10%であり、
残りの水は蒸発散か地下へ浸透していることが明らかとなった。
調査地付近の平坦地水田では水尻から排出される水の割合は 75%であり(戸田 ,1995 、
棚田では地下への浸透割合が高いことが示唆される。
また、棚田の窒素濃度を調査したところ、
地下浸透する水の中の窒素濃度は極めて低く、
地下への浸透割合が高い棚田では窒素の浄化率が高い可能性が示された。
「水田の水質浄化能力と棚田の特徴 ― 水田の水質浄化機能 ―」
田舎の方に行ったときに、田んぼの畔や林の際に塩ビパイプや竹の樋が通されて、
だれでも飲料水や生活用水として使えるようにしてある場所に出会うことがあります。
これは里山や、田の土壌がろ過した水が、地下を通って出てきているものです。
島国、しかも火山島という特性から、
日本では質の良い飲料水がなかなか入手できなかったという経緯があります。
水田が浄化してくれる水が生活用水だったのです。
水田はただ、栄養を取るための食糧を作る場所というだけではなく、
上下水道が成り立つ前からの水循環システムでもあります。
自然栽培の水田が増えることで富栄養化した沼沢の水をろ過できるようになっていけば、環境の悪化も防げるはずです。
二極化する日本の農業。
オーガニックvs.効率重視の「工場」農業
なぜ自然農法の稲作が日本で注目されるようになったのでしょうか。
昔の日本の稲作というと、
家族総出の田植え、稲刈りというのが普通だったのですが、
今は機械化、化学化されている部分が多くあります。
化成肥料の登場による肥料の変化
それまでは、カラスノエンドウなど豆の仲間を植えて土に漉き込むことで、栄養を保っていました。しかし、化成肥料を使うことで株を早く大きくすることが出来るようになったのです。
品種改良、遺伝子操作
適応する気候条件、地質を多くする、収量を増やす、栄養価を増すなど様々なことが可能になりました。ドローンの導入で、無人で農薬が散布できる
普通の農家でも手が出せる値段で除草剤や除虫薬を撒くことが出来るようになり、病害虫に対応できるようになりました。農薬散布の人件費などは農家にはかなりの負担がかかるものです。
これらは便利な反面、
生態系破壊、人体への影響があるなど、多くの問題が指摘されています。
特にドローンによる農薬散布は、
学校近くの農地等で大きな不安を住民の間に生じさせています。
衆議院の質問でネオニコチノイドの話が出たことが数度あります。
また、栽培方法が変わって旬というものが無くなりつつあるのも日本の現状です。
例えばシイタケは雨子(雨の日に収穫したもの)等細かく名前が付くのですが、
今は菌床栽培で、気温や湿度や室内の環境等は人間がすべて管理するようになりました。
機械化で日本の食文化が崩壊していく、
安全が担保されていない、
このような不安が自然農法NPOが設立されるきっかけになっています。
無農薬・無肥料の自然栽培の商品を選ぶメリットは?
あまりに少ない自然栽培や有機農法の作付面積。
日本の有機稲作農家が抱える問題は?
自然栽培の玄米粉を食べる前に、有機農法全体の作付け面積の比率を知っておきましょう。
全体の0.4パーセントです。
そもそも、日本の稲作農家自体が減っています。
日本農業は現在も「農家」という家族経営によって支えられているが,農家戸数は減少しており,その一方で土地持ち非農家が増加している。
経営面積に占める借地面積の割合は3割近くになり農地の賃貸借が増加しているが,販売農家1戸当たりの経営耕地面積は2ha程度に過ぎず,日本農業は依して零細である。
農業就業人口の高齢化が進んでいるが,兼業従事者も含めた農業従事者の年齢は農業就業人口より若い。
2010年の稲作農家戸数は134万戸であり,1戸当たりの平均稲作付面積は1haである。
稲作農家の8割は経営耕地面積2ha未満であり,経営面積 4ha以上の稲作農家は9万戸に過ぎない。
稲作に占める主業農家の割合は小さく,主業農家の割合が 1 割足らずのところも多くある。
小規模な稲作農家の多くは農業機械を所有しておらず作業を委託しているが,集落営農の組織化等により作業受委託面積は減少している。
零細な稲作農家は,稲作の作業を高齢者と休日の労働に依存している。
稲作の労働時間は10a当たり27時間であり,
10haの稲作であっても勤労者並みの労働時間にはならない。
小規模な稲作農家の生産コストは高く収益性は低いが,
農家はわずかな所得を頼りに稲作を継続している。
規模が大きくなると稲作所得は高くなるが,
稲作だけで生計を立てるのは難しい。
日本の稲作の現状と政策課題
自然農法自体は、農薬や肥料を使った農業に比べてどうしても収量が少なくなってしまいます。
日本では等級米制度があるので、虫に食われて変色した米は値が安くなります。
野菜もゆがんだりしたものは流通の過程で梱包の邪魔になるのではねられていきます。
そのために、有機農法や自然農法を行う農家が必要とするものは、経営手腕なのです。
◆流通ルートの開拓
◆取り扱いをしてくれる店舗を探す
◆少ない収量を補える土地と人員の確保
◆資金の獲得
◆化学的、生物学的な病害虫防除の知識
これらをそろえないと、長期の就農は難しいです。
そのため、法人として農業を行う人が、自然栽培の農家には多いですね。
木村式自然栽培の酵素玄米粉でお腹もお肌もきれいに!
農家が減少すると自然の生き物も減る?
農林水産業は,人間の生存に必要な食料や生活物資などを供給する必要不可欠な活動であるとともに,多くの生きものにとって,貴重な生息・生育環境の提供,特有の生態系の形成・維持などに貢献している。
しかしながら,「不適切な農薬・肥料の使用,経済性や効率性を優先した農地や水路の整備,生活排水などによる水質の悪化や埋め立てなどによる藻場・干潟の減少,過剰な漁獲,外来種の導入による生態系破壊など生物多様性に配慮しない人間の活動が生物の生息環境を劣化させ,生物多様性に大きな影響を与えてきた」農林水産省(2007)
第1章 農業生産における生物多様性保全の取組と生きものマーク農産物
この資料からわかる通り、農業には二つの側面があります。
【メリット】
◆里山の下草刈り、下枝うちなどの作業を農家(林業と兼業するケースも多い)が行うことで、森林の植生が保たれる
◆田畑の周辺に自然の植物や動物が住み着き、生物多様性が保たれる
◆人目があるため外来生物の侵入がしにくくなる
【デメリット】
◆農薬や肥料による生物被害が大きい
◆水質汚染が起きやすい
肥料は有機肥料でもダメです。
窒素やリンが過剰になって、水の富栄養化が起きてしまいます。
地域によっては、農家が家屋敷を風から守るために屋敷林というものを作ることがあります。
北海道などでは塩害、風害から水田や畑を守るために、
長い防風林を作っている地域も多く見られます。
そういった林は、鳥類やモモンガ等の恰好の住処なのです。
人間がいれば、外敵に襲われにくくなりますから好んで巣を作ります。
また、家を守るための屋敷林を切る人は少ないので
動物たちにとっては安心して暮らせる場所の一つです。
コリドーといって森と森を渡るための通路にもなります。
余談ですが、自然栽培とよく似たものにアグロフォレストリー(森林農法)というものがあります。
植林した木の間に作物を植え、そこで農薬や肥料をやらずに農業を行います。
木が育つまでは農業で生計を立て、木が再生したら林業も行える、森を再生するための農業です。
アマゾンの森林などで行われますが、
里山を利用してのシイタケ原木栽培等日本でもよく似た試みがなされています。
自然栽培と生物多様性の関係
「自然栽培を行い、農地を増やすことで、生物多様性を保とう」
という取り組みが全国各地でなされています。
自然栽培のNPOのいくつかは、
里山保護にも熱心で清流にしか住めない蛍が戻ってきたという報告があります。
その環境が生物学的にどれぐらい豊かを評価する生物多様性の指標となる生き物は、
幾つかあるのですが、耕作地環境においては、
カヤネズミという生き物がいるかどうかが、重要視され始めています。
非常に愛らしい小型のネズミで、雑草の種子や、害虫を食べる種です。
彼らは、キツネ、猛禽類、蛇、雑食性のタヌキ、猫などの餌になります。
ネズミの類がいなくなると、肉食の日本固有の天然記念物が絶滅する恐れがあり、
昔のように駆除するどころか保護しないといけない状態にまで追い込まれています。
カヤ原や休耕田や、田植えをする前の田んぼが好きなネズミですが、今や住処がないのです。
他に、オニヤンマ、ギンヤンマなども重要な生き物です。
都会地では、スズメバチの発生が問題になっていますが、
これは天敵であるこうした大型のトンボがいないということや、
蜂球(集まって熱を発し天敵を蒸し焼きにして倒す戦法)が作れる日本ミツバチの減少などが理由として挙げられます。
自然農法では水を汚しませんし、殺虫剤を撒くこともありません。
茅原を不必要に切り開きません。
それどころか雑草を抜かず、クローバーなど益虫が好む植物を植えますので、
ネズミやトンボが暮らせる場所が増えていくと考えられています。
里山保全が海洋、河川への資源循環を生み出す
里山の概念の反対側にあるものは何でしょう。
あまり知られていませんが、里海という言葉もあるのです。
里山や水田が里海に対して担う役割は次のようなものです。
◆土砂流出の歯止めとなる
◆水質を浄化し、酸素や栄養分を海まで運ぶ
逆に水田で使われた肥料から窒素やリン等が流れ出して、
藻類が増え、アオコや赤潮が発生してしまうこともあります。
私は海のそばで育ちましたが、
藻類が増えすぎたり、動物プランクトンが増えすぎた海は、
地獄絵図のようになります。
酸欠になった死に掛けの魚がぷかぷかういて、
川には匂いがする海水が逆流して色が変わってしまうのです。
水田やそれに付随する森林が無くなったために、
赤土が流れ出て、台風の度に海が茶色くなる様も目の当たりにしました。
農林水産省や漁協も里山に注目していて、農家と一緒に植樹をしたりしています。
自然栽培では、富栄養化を引き起こすものは使いません。
周囲の植生を最大限利用しますので、里山も維持されます。
産業の垣根を越えて環境資源保全をするためのアプローチの一つですね。
日本の農業と環境保全、自分の健康のために出来ることは?
農業が行われる里山保全の活動に参加してみよう
機会があったら、農作業の体験やフィールドワークに参加してみて下さい。
実際の水源や湿地を見ることで里山の働きが分かります。
植林やカヤ原の保全活動、蛍の観察会などもおすすめですよ。
見た目にこだわる農業から、味や安全性にこだわる農業へのシフトに何ができるか考える
自然栽培では、農薬や肥料の使用、品種改良などを利用しません。
ネオニコチノイド系農薬に関しては、
消費者がカメムシによる斑点米の購入を嫌がらなければ解消する部分があります。
斑点米は商品価値は下がるのですが、食べても問題がないものです。
また、消費者が見た目にこだわらなければ、品種改良もする必然性が薄れます。
農薬や、品種改良による健康被害が嫌ならば、
姿の良い食品はどうやって作られているのか、
ぜひ一度考えてみてください。
☆自然栽培の玄米お試しセット
自然栽培の書籍など、農業に関わる情報を自分で集めて考えよう!
農業や自然栽培に興味がある方は書籍やホームページ(消費者庁、農林水産省などがおすすめ。他に、国会の答弁書も目を通すと何が起きているか分かりやすい)を幾つか見てみると良いでしょう。
気になる文言があるページをコピーしたり、プリントアウトしたりしてファイリングして、
付箋に感想や疑問点を書き込んでおきましょう。
ファイリングをすることで自分が農業の何に興味を持っているのか、はっきりします。
他に、勉強したことをブログ(自然農法を個人でやっている方は持っていることが多い)等で発信したり、親
しい人と読書会を行うなどの行動も、知識や人とのつながりを増やすために必要なことです。
ただ、今こういうことが起きているという情報だけ読んで終わらせるのではなく、
自分の意見をもって、生産者側や政府にニーズを伝えられるところまで消費者が育たないと、食の安全は守られません。
よい作物を作る農家と契約、もしくは商品購入をして、経済的に下支え!
自然栽培に限らず、就農希望者のハードルになるのが費用面です。
収入を理由に農業をあきらめてしまう人は多くいます。
定期的な商品購入などで農家の経済を支えていかないと、自然栽培の国産品は広まりません。
里山の自然環境を守るのは農家です。
商品選びを通じて私たちも一緒に環境保全をしよう!
自然栽培の玄米粉を農家育ちの母に食べさせた時、
里山や農作業(機械化されない、肥料もない昔ながらの)の話をしてくれました。
日本は代々水田で稲作が行われてきたから豊かな生態系や水が保たれてきた国です。
ただ健康のために良いという理由だけではなく、
農家の人と一緒に里山や里海を守るための食材として
自然栽培の農産物を生活に取り入れていきましょう!
IN YOU Marketは自然栽培農家を全力応援しています!
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野菜にありがとうと言っていますか?オーガニック野菜よりも安全?生産者が語る自然栽培の実際
【参考】
「カ.地域を特徴づける生態系の環境単位区分 」
「玄米の栄養について」
里海ネット
自然環境局 里地里山の保全・活用
「水稲の分げつ性」
「’稲作付け面積’」
「防風林の多面的機能と造成管理のための解説書」
「持続可能な農法「アグロフォレストリー」の普及による環境保全+所得向上のおいしい連鎖 —草の根技術協力による支援を合意—」
「きのこ王国とっとりの実現を目指して 鳥取県きのこビジョン」
「生物多様性が 生態系(環境)を守る -微生物が守る環境-」
「お魚殖やす植樹運動」
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