アルプスの少女ハイジから見る最高峰の栄養学と健康食とは。元気なハイジと暗いクララの食生活はどう違ったのか?
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昭和49年、クララを立たせた「ナチュラルハイジ」の食生活を徹底検証
予防医療、栄養学、東洋医学、西洋医学。
専門家たちが追及すればするほど神格化されて行く。
健康になるために体の細部に渡る難しい情報を学び、
体内で起こっている難しい化学プロセスを熟知しないと健康になれない?
それでは、子供は健康になれないじゃないか!
心地の良い、まるで、ジブリの映画でも見たような爽快感のある食育。
今日は、そんな健康法をご指南いたしましょう。
食の危機を伝えるためのに書き換えられたストーリー
原作、アルプスの少女はハイジは1880年に、作家ヨハンナ・シュピリの作品です。
皆さんがご存知の日本の「アルプス少女のハイジ」のストーリーでは、原作と異なる部分があります。
原作のテーマ
キリスト教文学と信仰の大切さ。日本アニメのテーマ
夢や希望を持った時の人のチカラ強さ。実際に、日本の作品はヨーロッパでも大ヒットしたわけですが、原作を知る知識人や、
スイスの人々には、信仰の大切さなど宗教色が削られた内容に、耐えがたい作品であったと言われています。
スイスの人々にとっての原作アルプスの少女ハイジは、キリスト教信仰の聖域的作品で、
原作の持つキリスト教信仰の重要性を過小評価した駄作であると皮肉ったようです。
しかし、日本アニメ「アルプスの少女ハイジ」の制作に携わった高畑勲氏と宮崎駿氏の盟友を含むグループは、
スイス、ドイツに滞在してロケを行いました。
いつ起きて、いつ寝ているか?
どんな仕事?どんな教育?
何を食べているのか?
制作者たちなりに、原作を忠実に再現するために、
当時のアニメとしては異例の労力と時間を懸けたのです。
その懸命な調査は「日常生活」「食生活」といったところに重点が置かれました。
その結果として、宗教観を置き去りにして、時代背景や民族性や食の違いが浮き彫りとなったのでは無いでしょうか。
もしかして、アルプスの少女ハイジは、当時の日本人の食生活に世評を博したのでは?
これは、有吉佐和子さんが公害問題がやげて人々を不幸にすると記した長編小説「複合汚染」と同じように、
当時の日本の環境汚染と欧米食化に、角度を変えて警告を発信したのではと、筆者は感じてならないわけです。
そして、偶然にも「複合汚染」「アルプスの少女ハイジ」は、いづれも1974年に公開されたのです。
必然的に備わった「食育」
1955年から1973年の18年で間で、経済成長率は欧米の2~4倍にあたる年平均10%超えの好景気にあった日本人の食生活は大きく変化していきます。輸入食品の推移
食糧用の小麦だけでも、1974年には4倍以上の量を輸入している。
これが、日本人の食卓に入ってきたわけです。
アトピー激増と製薬の濫用期
1962年に朝日新聞によって初めて「アトピー性皮膚炎」という言葉が公開されます。
それまでの日本では、アトピー性皮膚炎という病名は、一般的な病院に浸透しておらず、蕁麻疹やカブレとして処方されていたのです。
1970年以前は、ほとんど目にすることのなかったアレルギーでしたが、
特に、アトピー性皮膚炎が70年代に激増します。この時、ステロイド外用薬が開発されています。
皮膚科では、このステロイドを特効薬とばかりに自信満々にもてはやし、
更には、薬局薬店でもステロイド外用薬が簡単に手に入る異常な時代でした。
このほかにも様々な製薬が日本に登場し、薬のつまった救急箱が一般家庭に休息に普及。
この頃、化学的に合成された淡黄色の粉末薬品「キノホルム」を創面・火傷やけど・腸内異常発酵
・細菌性腸疾患・下痢の治療に用いて濫用されていたが、ついに、スモン(悪性急性脳脊髄視神経炎)が、
そのキノホルムによるものと厚生省が発表、薬害の恐怖が一般に浸透したのです。
環境汚染、食生活の乱れ、化学製品の発達
そんな時代の潮流を体験してきたアルプスの少女ハイジ制作メンバーが、スイス、ドイツの食生活や日常を調査する中で、当時の日本に食やライフスタイルを改めるように、
必然的に警告をしたためるべきと考えるのは必然ではないでしょうか。
ストーリにのせて「好奇心」を煽る栄養学
さて、こっからが本題です。
実際に、アルプスの少女ハイジを検証してみましょう。
「元気なエネルギーの塊」と「沈んだエネルギー」
スト―リーは、一目瞭然、語る必要のない対象的なキャラを設定していて、すごく解りやすい。主人公のハイジは「元気なエネルギーの塊」
孤児のハイジ(5歳)は、大人たちの間を散々たらいまわしにされたあげく、叔母に引き取られます。更に、唯一の親族である叔母にも、アルムの山に連れていかれて、恐ろしく怖そうな”おんじ”と暮らすようにと放り出されてしまいます。
大人たちに着せられたブクブクの服を脱ぎ捨てて、下着一枚で駆けまわる
大人たちに着せられた服を脱ぎ捨てるハイジの演出。
大人たちのしがらみから解放され、好奇心旺盛なありのままの少女の姿が印象的です。
大人たち=社会通念
その通念を脱ぎ捨てた時に「心も体も元気になるよ」という
メッセージを含んでいるように思います。
昨今、子供たちのADHD(発達障害)が問題になっています。
・三歳になっても食事中にイスにじっと座っていられず立ち歩く。
・音がする方に注意がそがれて、集中しない。
・ショッピングセンターなどで気になるもののところへ走ってしまう
・スーパーで食材を指で押したり、包装に穴をあけてしまう。
など、何百というバカげた項目があり、これに当てはまる三歳児に対し、発達障害という病名をつけるわけですが、
どうか皆さんも、そんなレッテルは脱ぎ捨てて、子供たちの特徴や個性を解放させてあげてくださいませと筆者も思うわけです。
とにかく元気なハイジですが、好奇心旺盛で、じっとできない子供らしさが印象的です。
しかし、残念なことに現在の大人目線、医学目線では、元気なハイジも発達障害というレッテルを貼られてしまうのではないでしょうか。
対象的なクララは「沈んだエネルギー」
一方、お金持ちのお嬢様であるクララには、辛い過去があります。
大人の事情で、母親が出て行ってしまうのです。
家から出ていく母を追うクララは、転んでしまいます。
そして、叫びます。「ママー」
しかし、振り向くことなく去っていく母親を見てショックで、立ち上がれなくなります。
転換性障害という精神疾患
転換性障害は「声が出なくなる」「歩けなくなる」など、カラダの部分的な麻痺など、
症状は様々で、心理的欲求や葛藤によって引き起こす症状なのです。
12歳のクララを襲った精神病は、大人の行いによって患っていたのです。
これは、子供の病気には大人の生活が関与しているということを示唆しています。
たとえ、先天性の疾患であったとしてもです。
しかし、制作メンバーたちは、見事にクララを健康に導きます。
そのストーリーに、ちりばめられた「単純」「明快」「矛盾なし」な栄養学が、
今から44年前に展開されていたという驚愕の事実を説明していきます。
ハイジの食卓は身土不二の完全食「黒パン」ってな~に?
・黒パン(ライ麦)
・ヤギのお乳
・干し肉
・チーズ
(ライ麦)
硬くて重いライ麦粉でできた黒パンは、水でこねてもグルテンができない。黒パンは、ライ麦の全てが含まれるため寒冷な山中では貴重なビタミン源となる。
3日経っても風味は損なわれず、また、硬くはなるが3日目が一番食べごろとされる。
(ヤギのお乳)
ヤギミルクは人間の母乳と類似する豊富な栄養が含まれている。母乳と同様の組成を有する複数のオリゴ糖に、亜鉛、セレン、リン、カルシウムも豊富。
必須脂肪酸(リノール酸およびアラキドン)は牛乳よりも多く含む。
中鎖脂肪酸C6~C14などの脂肪酸は、体脂肪として貯蔵されず総コレステロールを低減し、
速やかにエネルギー源となる。
また、トリグリセリドとトランスアミナーゼの適切なレベルを維持する優れた食品である。
(干し肉)
家畜を殺してしまえば一頭分の肉にしか残らない。ハイジ達は、めったに肉は食べませんが、燻製、塩漬け、乾燥などで貯蔵しておいたものを少しづつ食べていた。
(天然のチーズ)
先ほども言いましたが、家畜は殺さず、餌を与え共生することで、乳が採れます。冷蔵庫が無い時代の知恵で、ミルクを発酵させて貯蔵していました。
チーズの脂肪は燃焼しやすく、カルシウムは牛乳の5~12倍程度多く含まれています。
豊富なビタミンA、ビタミンB2が含まれ、美容や疲労回復にも効果的
クララの食卓はブルジョワ新型栄養失調食!? 「白パン」ってな~に?
・白パン(小麦)
・ミルク(牛のお乳+砂糖)
・牛肉ステーキ?
・ポテト?
(白パン)
小麦粉を原料に水で練ると、餅のように弾力のあるグルテンが出来上がる。ビタミンや食物繊維を豊富に含むはい芽やフスマは、ふるい分けられて胚乳部分だけを使用するため、
栄養ではライ麦に敵わないが、綿のように軽くて口当たりの良い柔らかな食感。
カビが生えやすく風味が落ちるのが早い白パンには、砂糖なども添加されていた。
クララのような都市のブルジョワたちは、常に白パンを食べていた。
(牛乳)
温めた牛乳に、砂糖を溶かしたものを飲んでいた。牛乳そのものの有害説も耳にしますが、実際にはどうでしょう?
(牛肉)
明確に説明されているわけでは無いのですが、セバスチャン(召使)が運ぶシーン、また、ロッテンマイヤさんがフォークとナイフで切っているシーンが何度か出てきます。
(ポテト)
絵なのでなんとも言えませんが、牛肉のステーキのお皿に一緒に盛られているシーンでおそらくポテト。
白パンとミルク以外は、明確さにかけますが、食卓のイメージは、いかにも上流階級的な鮮やかな食卓です。
ハイジの食卓と比較すれば、アニメ映像でもハッキリとその違いを訴えていることが想像できます。
ハイジがクララと同じ病気に?拒食症、夢遊病・・・。
ハイジは、クララのお屋敷ゼーゼマン家で暮らす中で、精神が病んでいきます。
夢遊病、拒食症であることは明確に表現され、口数は減り、笑顔が消え、部屋に閉じこもったりと
うつ病をイメージさせるようなストーリーが描かれています。
その原因は!?
・厳しい教育
・拘束時間
・食卓の雰囲気
・食事内容
正に、生活習慣そのものが原因であることは明確です。
子供向けのアニメであり、その理由を詳しく説明しているわけでは無いのですが、
アニメを観ている時の感情で自然と理解できます。
それは、筆者が子供の頃に見ていた時も同じ感情が湧いていたように思います。
クララがハイジと同じ健康優良児へ
ハイジの異変に気付いたゼーゼマン(クララの父)は、ハイジを山に返します。
後に、クララがハイジの元で一時を過ごすことになります。
山の自然に触れて暮らすのびのびとした日々。
ここでの食事は、黒パン、ヤギのミルクが中心で、質素ではあるが栄養価の高い食事です。
そして、このアニメ一番の名シーン!
クララが立った!クララが立つプロセスが、アニメの日常に隠されていた!
このストーリーのすべては、クララが立つことに向けられていたのです。
ハイジがゼーゼマン家で過ごすストーリーは、幼いころのクララを創造させるためだったのでは無いでしょうか。
クララが虚弱だった理由
・日照不足
・栄養不足
・グルテン過多、砂糖過多
・拘束時間
・運動不足
成長期に必要な全てを遮断されてきたことによるストレスや、
贅沢ではあるが栄養の乏しい食事とクララの虚弱体質を連想させています。
クララが立った理由まとめ
・ほどよい日光浴
・心土不二な食事
・ほぼグルテンフリー、シュガーレス
・自由でのびのび
・好奇心の解放
・適度な運動
おんじとハイジは、クララの足をマッサージ、ペーターがリハビリ(肩を組んで立たせて歩く)など、
お屋敷では車椅子から降りることのなかった臆病なクララの行動が変わり、日常が変わりました。
これまでの日常生活とは真逆の環境で、カラダと脳のエラーが修復されることが描かれていました。
40年以上も前に・・・
当時の日本では、砂糖は脳に良いとされていました。牛乳も、牛肉も、強いカラダを作るために沢山摂取するべきというのが社会通念となるような
情報が流されていたわけですが、このアルプスの少女ハイジは、そこに警告を鳴らすかのようなストーリー展開でした。
戦後、学校給食に一斉に注がれた小麦(パン)と牛乳。
現ジブリのキーパーソンたちは、アルプスの少女ハイジに細やかに警告をしたためたのではないか?
筆者は、そう思ったわけであります。
虚弱なクララのライフスタイルに合わすとハイジが病になり、
健康なハイジのライフスタイルに合わすとクララも健康になる・・・・。
前回、記事にさせていただいた
余命を繰り返すだけの医師たちの説明をよそに、欺くように健康になって行く賢者たち
でも紹介したように、病気をつくりあげた生活を理解すれば、難病を克服し健康なカラダをつくることができます。
分子レベルの難しい専門用語を使った最新の栄養学を知らなくても、ハイジ(5)、クララ(12)や、
前回の結月ちゃん(5)のように健康になれるということです。
しかし、分子レベルで解析された現代の栄養学と同じ結果を言い当ててるわけです。
現代解っていきたグルテン過多による健康被害。
砂糖の有害性や牛肉の摂り過ぎによる健康被害。
追及された難しい話で、子供は納得させるのは逆にストレスです。
みんなでアルプスの少女ハイジを観ながら、見た目質素でも贅沢な大自然のオーガニックで、楽しく実践されてはどうでしょうか。
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