子どもの化学物質曝露は一生の健康を左右する!環境ホルモン・内分泌かく乱物質の危険性とその予防策
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これまでIN YOUでは、様々な化学物質の危険性について多くの記事が警鐘を鳴らしてきました。
自分や大切な人には健康でいてほしい。
特にまだ生まれていない命を含め、次世代を担う子どもたちには、
健やかに成長してほしいと切に願う方々は多いはずです。
化学物質の曝露については、身体が出来上がっている大人よりも、
まだ発達段階にある子どもに対して特に注意すべきものです。
子どもの頃の曝露の度合いが、
ゆくゆくは大人になってからの健康状態に大きくつながってくるからです。
何らかの化学物質について、
「欧米では禁止されているのに日本では禁止されていない」
「日本は海外に比べて基準値が甘い」
「〇〇という症状との関連があると言われている」
などの指摘がなされますが、
それが国と国との比較であったりどこかの団体からの二次情報であったり、
根拠はあるのか、具体的にどのような影響が出るのか、
などについてははっきりしないまま、
ただやみくもに「誰かがこう言っていたから…」と、
化学物質を避けているという方もおられると思います。
大切なことは、
できるだけ根拠に基づいた情報を集め、
その中でそれぞれの価値観に合わせて自分自身で選択をしていくということです。
今回は、私たちの身の回りに溢れる化学物質の中でも、
内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の危険性について、エビデンスを用いて具体的にお伝えし、
これらを避ける方法について考えてみたいと思います。
体内でホルモンのような働きをする化学物質「内分泌かく乱物質」とは
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IN YOU読者の皆さんであれば、
環境ホルモン、という言葉をご存知の方も多いと思います。
ただ、海外ではこういった言い方はあまりされず、
英語ではEndocrine disrupters、
日本語では内分泌かく乱物質といいます。
簡単に言うと、体内でホルモンに似た働きをする化学物質のこと、になります。
それでは、そもそもホルモンとは何かを始めにお伝えします。
身体の環境を整えて維持する分子『ホルモン』
ヒトの身体は様々な環境の変化にさらされています。その環境の変化に影響されずに、体内を一定の状態に保つことで健康な生活が送れるのです。
例えば、冬になると寒くなって、気温が氷点下になったりしますね。
その時、体温も一緒に氷点下にならずに一定に保たれるように代謝を調節しています。
そのメカニズムを担う分子の一つがホルモンです。
(焼肉で出てくるホルモンとはちがいますよ~!)
ホルモンは、体内にある内分泌腺から分泌され、
血液に乗って体内を循環し、目的の器官にたどり着いて作用します。
ホルモンの種類とその機能
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ホルモンには、成長ホルモンや、
エストロゲンなどの性ホルモン、
インスリンなどの血糖を調節するホルモンなど、
たくさんの種類があります。
ホルモンの優れた点は、
①血液に乗って、内分泌腺から遠く離れた器官に作用できる
②作用する器官を選んで、その器官に合った働きをする
③ごくわずかな量で作用する
といったところにあります。
性ホルモン『エストロゲン』の特徴と働き
それでは、よく聞かれる性ホルモンの1つエストロゲンを例に挙げて、この3つに注目してみましょう。
女性の性周期と妊娠
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エストロゲンとは、性ホルモンの一種で、
ステロイドホルモンに分類されます。
卵巣や胎盤から分泌され、
女性の二次性徴や性周期、妊娠の維持に大切な役割を果たしています。
赤ちゃんの発生に大切な役割を果たす
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このエストロゲン、胎児期にお母さんのお腹の中で、
赤ちゃんの性腺や生殖器、脳が作られるときにも大切な役割を果たしています。
赤ちゃんがお腹の中で成長するときには細胞がどんどん増殖し、
適切な場所に移動し、分化し、成長します。
しかし、それぞれの細胞が好き勝手に動いたり増えたりすると、
ちゃんとした形にならなかったり機能を持たなかったりします。
その調節をしている大切な分子の一つがエストロゲンです。
エストロゲンの異常は、
内外の生殖腺や脳に先天的な異常が起きたり、
発達障害に関わったりしている可能性があります。
しかし、まだその役割やメカニズムについては分かっていないことも多く、世界中で最先端の研究が行われています。
内分泌かく乱物質の作用と影響とは
内分泌かく乱物質は体内でエストロゲン様の作用を起こす
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ここで、先ほどの内分泌かく乱物質の話に戻ります。
この化学物質はその名前の通りホルモン様の作用を持ち、
本当のホルモンによる調節機能をかく乱してしまうのです。
つまり、エストロゲンではないのにエストロゲンのように働いてしまうということです。
ホルモンはわずかな量で劇的に作用するため、
分泌される量やタイミングは体内で厳密に制御されています。
にも拘わらず、例えば食事を介して内分泌かく乱物質が体内に取り込まれてしまうと、
本来働くべきではないタイミングでエストロゲンによる反応を引き起こしてしまいます。
内分泌かく乱物質は赤ちゃんや子供に移行する!
この化学物質は、妊娠中のお母さんが食事によって体内に取り込むと、胎盤や母乳を介して赤ちゃんの体内に移行してしまいます。
そうなると、本来働くべきではない場所やタイミングでエストロゲンの反応を引き起こしてしまい、
生殖器や脳の発生にいろいろな異常を引き起こす可能性があります。
化学物質に対して脆弱な子供たち
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一般的にお腹の中の赤ちゃんや子供たちは、
大人に比べて化学物質による影響を受けやすいと言われています。
それは、大きく分けて3つの理由が考えられています。
身体に入った化学物質を「無毒化」して「排出」する「肝臓」と「腎臓」
食べ物と一緒に身体に入った多くの化学物質は、胃や腸で消化、吸収されます。吸収されると血管の中に入り、血流に乗って身体全体にまわります。
その前に、胃や腸の周りを流れている血液はまず肝臓に運ばれます。
肝臓では腸で吸収された物質の『代謝』(分解されたり、他の物質に変えられたりすること)が行われます。
ここで、身体に良くない物質は処理されて無毒化されます。
(だから、お酒をよく飲む人は「休肝日」が必要なんですね!)
そして、大切なのは肝臓だけではありません。
身体にとって不要なもの、良くないものは、
一刻も早く尿として外に出してしまわないといけません。
つまり肝臓で無毒化された物質は、腎臓で尿にされて体外へと排出されるのです。
これが、身体の中に入ってしまった化学物質が外に出される一連の流れです。
ところが発達途中の子供たちは、この肝臓や腎臓の機能が未熟です。
だから、化学物質を無毒化することも、排出することもできず、
身体の中にとどまってしまうのです。
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子供たちの身体の成長は細胞の増殖と成長。
それに影響する化学物質
発達途中の子供たちの身体は、細胞が盛んに増殖し大きくなることで、成長しています。
活発に活動している細胞は、
周りの影響を受けやすいので化学物質も取り込んでしまい、
それで元気がなくなってしまったり、
死んでしまったりすることさえありえます。
そうすると、こころや身体の成長に影響が出る恐れがあります。
ヒトらしさの源の「脳」。
子供たちの未発達な脳にも化学物質は影響する
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脳は、呼吸したり、心拍を整えたり、身体を動かしたりするいわば生命維持の中枢でもあり、
思考・学習・記憶といった、人が人らしく生きていくための中枢です。
脳はとても大切な器官なので、特にしっかり守る必要があります。
だから、硬い頭蓋骨に包まれているし、
脳に入ってくる血管にはバリア機能があって、
不要、あるいは危険な物質が血管から脳の中に入ってこないようになっています。
ところが、子どもたちはそのバリア機能も未発達なので、
化学物質が血管から出てきてしまうのです。
そして子供たちの脳はたくさんのことを経験して、勉強して、発達している真っ最中なので、化学物質の影響を受けやすいのです。
つまり、
子供たちは、元気に、すくすく成長しているからこそ、化学物質の影響に敏感なのです。
化学物質を取り巻く社会と健康の問題
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気づかないうちに体内に取り込まれている化学物質
『現代社会の生活は化学物質暴露のパンデミック状態にある』と、有名な医学雑誌のLANCETに総説として提言されています。(※1)
我々は意識しない、知らないうちに多くの化学物質に暴露している状況にあるのです。
子供たちへの化学物質の影響を防ぐことは喫緊の課題
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特に発生、発達、成熟中の子供たちへの影響は深刻です。
子供たちの場合は「急性」の毒性ではなく「遅発性」の影響が懸念されています。
化学物質を摂取することによって、発生、発達期の異常が蓄積し、
先天異常や発達障害という形で表出するだけでなく、
成熟した後、つまり大人になってからの精神疾患や生活習慣病、癌の発症率を高めている可能性が示唆されているのです。
化学物質、ビスフェノールAが子供たちに及ぼす影響
では、さらに具体的に内分泌かく乱物質の例を挙げて、どうすればいいのかを考えていきたいと思います。
ビスフェノールAの特徴と危険性
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ビスフェノールA(BPA)はポリカーボネートの可塑剤、安定剤として用いられている化学物質です。
BPAは、エストロゲンのような作用を持つ内分泌かく乱物質の一つで、
実験動物を使った研究でも、胎児期や新生児期に摂取すると生殖器や脳の発生に異常が生じることが分かっています。(※2)
ヒトでも、母乳や胎盤中にBPAは存在し、
赤ちゃんの体内に移行し蓄積していることが報告されています。(※3)
ビスフェノールAを取り巻く現状
欧米では子供が口にする可能性のあるおもちゃや食器などにBPAを使用することを禁止していますが、
日本ではそのような厳しい規制は取られていません。
これは一体なぜでしょうか?
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世界中の研究者がビスフェノールAの毒性について研究しているのですが、
まだその影響がはっきりとわかっていないからです。
はっきりとわからないものについては予防策として規制をかける国が存在する一方、
「わかっていないからまだ規制しなくてもよい」と考える国もあるのです。
その道の専門家である研究者にもはっきりとはその影響が分かっていない。
国は現在、規制をかけることはしていない。
そういった場合、
私たちは自分自身や子供をどのように守っていけばよいのでしょうか。
化学物質から子供たちを守るために必要なこと
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化学物質に関する必要な情報を正確に知って、適切に対応する
まず一つに、その物質の特徴を知って、適切な対応をとることが大切だという意識を持つことです。
BPAは安定な物質なので、食品の梱包材や歯科材料から流出してくることはほとんどないと考えられています。
しかし、ホルモンは微量でも作用することができる物質ですので、
わずかでも流出することがあれば、影響する可能性は否定できません。
近年、低用量のBPA暴露による胎児や新生児への影響に対する研究の重要性が注目されています。
・BPAの食品梱包材や食器からの流出が気になる場合、レンジなどで温めるときには、耐熱のガラス、あるいは陶器製のものに移し替えると良いでしょう。
・小さな子供が使うおもちゃも、なめたり噛んだりすることがあるので、意識的に木製の加工の少ないおもちゃを使うようにすることも効果的です。
・子供が使う食器や哺乳瓶にBPAが使用されていないか確認することも重要です。
今、自分が食べているもの、子供が口にしているものは、
どんなものでできているのか、誰がどこで作ったのかを意識することが大切です。
化学物質の摂取を意識して避けること
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食品はオーガニックなものを使い、地産地消を心がけて、
新鮮なものを美味しくいただくという基本に立ち返ることで、
・自然の食べ物の美味しさをそのままいただく。
・化学物質に触れる機会を極力減らす
ことができます。
妊娠中、子育て中の方々は特に子供たちが化学物質に触れる機会を減らすように心がけるとよいでしょう。
妊娠中の10か月がその後の子供の健康な人生に繋がっているという考え方が、
近年の予防医学の高まりとともに注目されてきています。
そして、なぜ、なにが危険なのかを理解することができれば、
それほど危険ではない可能性や間違った情報を自分で見分けることができるようになります。
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自分で必要かつ正確な情報を集め、
子供たちと、家族と、友人と一緒に、
自然のものをそのままおいしくいただくことが、
化学物質をあなたから遠ざけ、こころと身体の健康を保ち、
豊かな生活へとつなげてくれることでしょう。
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【参考】
※1:Neurobehavioral effects of developmental toxicity, Philippe G et al, THE LANCET Neurology, 2014
※2:Newborn mice exposed prenatally to bisphenol A show hyperactivity and defective neocortical development, Komada M et al, Toxicology, 2014,
※3:Determination of bisphenol A concentrations in human biological fluids reveals significant early prenatal exposure, Ikezuki Y et al, 2002,
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