うつ病は栄養不足でも起こることがある?予防のために積極的に摂りたい2つの栄養素
うつ病は栄養不足でも起こることがある?予防のために積極的に摂りたい2つの栄養素
「自分はうつ病にはならないから大丈夫」と話す人を見たことはありませんか?
このように、うつ病を自分事として捉える人が少ないのは一体どうしてでしょうか。
私が思うに、うつ病はストレスだけが原因で発症すると思い込んでいる人が多いからだと思います。(自分がストレスを感じているという事すら気づいていないというのが前提です)
しかし、実際はストレスだけが原因ではありません。今回ご紹介する栄養素が不足してもうつを引き起こす可能性があります。
そこで今回は「私はうつ病とは無関係だ」と思っている方に、うつ病は栄養不足でも引き起こされるという事実を知っていただき、さらにうつ病を予防するために積極的に摂りたい栄養素をご紹介します。
うつ病は3種類に分けられる
さっそく摂るべき栄養素を紹介したい所ですが、うつ病の種類によって対策方法も変わってきます。
ですので、まずは「うつ病」の種類から見ていきましょう。
「完全復職率の医師が教えるうつが治る食べ方、考え方、すごし方」の著者である廣瀬久益氏はうつ病が治癒するまでの時間を基準にして3つに分類しています。
その3分類とは、
◆短時間治癒型うつ病
◆脳機能障害型うつ病
◆脳機能不全型うつ病
になります。
1つずつ、わかりやすく説明していきます。
1 短時間治癒型うつ病(一過性のうつ病)
短時間治癒型うつ病とは、大きなストレスがかかる事によって引き起こる一過性のうつ病で、短時間で治癒する場合が多いです。ストレス源を取り除くために、ストレスをなるべく感じないようにするための環境作り、少量の抗不安剤の使用、精神療法を行って改善を試みます。
2 脳機能障害型うつ病
脳機能障害型うつ病は、数ヶ月で治癒する場合が多く、神経伝達物質の減少によって起こるうつ病と、これから紹介する栄養素不足によるうつ病もこれに分類されます。治療法としては、神経伝達物質を増やすための抗うつ薬の投与や、栄養不足によるうつ病であれば、これから紹介する栄養素を積極的に摂る事が勧められます。
ちなみに栄養素の欠乏は単純に摂取不足でもありますが、遺伝的要因も関係していると言われています。
3 脳機能不全型うつ病
脳機能不全型うつ病とは、長期的なストレスによって引き起こされるうつ病で、治癒するまでに数年かかります。人はストレスを感じると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。
このコルチゾールは、ストレスが引き起こす害から私達の身を守る働きをしています。
しかし長期的にストレスにさらされると、コルチゾールが脳内に入りダメージを与えます。その結果、うつ病が起こるのです。
今回は2に分類される、栄養素不足によって引き起こる脳機能障害型うつ病について詳しく解説していきます。
不足するとうつ病を引き起こす栄養素
不足するとうつ病を引き起こす栄養素は、「鉄」と「タンパク質」です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
不足するとうつ病を引き起こす栄養素 その1 鉄
不足するとうつ病を引き起こす栄養素1つ目は「鉄」です。
「鉄不足=貧血や目眩が起こる」という事実に関しては、皆さんすでにご存知だと思いますが、じつは鉄不足はうつ病にも繋がるのです。
ではなぜ鉄不足はうつ病を引き起こす可能性があるのでしょうか?
鉄欠乏がうつ病を引き起こすわけ
鉄は多くの機能の維持に関わっており、その働きは様々です。
例えば、鉄の働きは以下の通りです。
- 皮膚や粘膜の維持
- 免疫機能の維持
- 酸素の運搬、エネルギーの産生
- 神経伝達物質の合成
前述した鉄の働きのうち、うつ病と深く関わりがあるのは「神経伝達物質の合成」です。
なぜなら、通常うつ病は「セロトニン」と「ノルアドレナリン」が不足しがちであるからです。
セロトニンは、感情の安定、気分を一定に保ってくれる働きがあり、幸福感や安心感、充足感等を人々にもたらします。
ノルアドレナリンに関しては、集中力の向上、人々の行動を促すなどの役割があります。
不安・怒り・緊張と関係している神経伝達物質でもあります。
これらの神経伝達物質と心の健康は深い関係がある事がお分かりいただけたと思います。
つまり、神経伝達物質の合成の役割を担う鉄が不足すると、こころの健康には欠かせない神経伝達物質が十分に合成されないため、うつ病を引き起こすというメカニズムになります。
うつ病を予防するためには、早い段階で鉄が欠乏しているか確認する事が大事です。
しかし「定期的に血液検査をするのは面倒」と感じる方は多いのではないでしょうか。
そこでこれから、自分でできる鉄欠乏を調べる方法をご紹介します。
鉄欠乏を確かめる2つの方法
1つ目の方法が、「鉄欠乏により起こる症状をチェックリストとして使う」です。
廣瀬久益氏によると、鉄欠乏は以下の症状が起こる可能性があります。
・肌荒れ
・寝つきが悪い、夜中や朝方に目覚めて眠れない
・皮膚によくアザができる
・立ちくらみ、めまいがよく起こる
・筋力が低下し、階段の上り下り、荷物の持ち運びがつらい
・夕方〜夜に疲れが出て動けなくなる事がある
・(女性)月経量が多い
引用:「完全復職率の医師が教えるうつが治る食べ方、考え方、すごし方」
これらの症状をメモして、「◯曜日の寝る前に振り返る」とルールを設けると習慣化でき、早期に鉄欠乏が気づく事ができます。
2つ目の方法が、「目と下まぶたの境目の色を確認する」です。その場所が白っぽいと、鉄欠乏の疑いがあります。赤色だと健康な状態です。
鉄の摂取に関しては以下の記事が詳しく書かれているのでご参照ください。
マクロビ・菜食の人ほど要注意!「鉄不足」が引き起こす健康問題と悪影響を及ぼす鉄サプリの実態。安全に鉄を補給する唯一の方法とは。
不足するとうつ病を引き起こす栄養素 その2 タンパク質
不足するとうつ病を引き起こす可能性のある栄養素、2つ目は「タンパク質」です。
タンパク質が不足すると、必須アミノ酸であるフェニルアラニンとトリプトファンが不足します。
フェニルアラニンとは、ノルアドレナリンが合成される際の材料の1つです。
前述したようにうつ病では「ノルアドレナリン」が不足しています。
つまり、ノルアドレナリンの材料であるフェニルアラニンが不足すると、ノルアドレナリンもたくさん合成される事がなくなり、うつ病に繋がるという事です。
次に、トリプトファンとはメラトニンが合成される際の材料の1つです。
材料であるトリプトファンが不足すると、メラトニンもたくさん合成されなくなります。
メラトニン不足は、うつ病と不眠をもたらします。
ここまで、タンパク質不足がうつ病を引き起こすことをお伝えしました。
しかし、タンパク質不足は鉄不足のようにセルフチェックする事は難しいのです。
なぜならタンパク質不足によって起こる症状は、他の栄養素が不足しても起こりうるからです。
では、どのようにタンパク質不足をチェックすると良いのでしょうか?
タンパク質不足を確認する方法
タンパク質が不足しているかどうかを確認するには血液検査が有効です。
血液検査の結果のうち「血清総タンパク」と「血清アルブミン」の2つに注目してください。
血清とは、血液から赤血球や白血球などの血球成分を除いたものの事を言います。
総タンパク質とは、血液中に含まれる全てのタンパク質を総称したものの事を言い、アルブミンは、その総タンパクの67%を占めているものの事です。
少しむずかしい話をしましたが、下記の数字を見てタンパク質不足かどうかをチェックするだけで問題ないです。
- 総タンパク7.0g/dL 以下
- アルブミン4.5g/dL 以下
しかし「タンパク質不足」と言っても、1日にどのくらい摂れば不足しないのかと悩む方も多いと思います。
次に、1日にどのくらい摂るべきなのかを紹介していきます。
タンパク質の摂取目安量
タンパク質は、年齢・性別・普段の運動量によって摂るべき量が変わってきます。
普段の運動量を厚生労働省は身体活動レベルと定義しており、以下の3つに分類されています。
◆身体活動レベル 低い(Ⅰ)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
◆身体活動レベル ふつう(Ⅱ)
座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合
◆身体活動レベル 高い(Ⅲ)
移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 P76より
この身体活動レベルを基に、下記のタンパク質の摂取量を参考にしてください。
身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)
男性
18~29(歳)
75~115g Ⅱ 86~133g Ⅲ 99~153g
30~49(歳)
75~115g Ⅱ 86~135g Ⅲ 99~153g
女性 ※非妊婦、非授乳婦
18~29(歳)
Ⅰ 57~88g Ⅱ 65~100g Ⅲ 75~115g
30~49(歳)
Ⅰ 57~88g Ⅱ 67~103g Ⅲ 76~118g
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
タンパク質の摂取目安量を知ることも大事ですが、それよりも大事な事は、どんな食品からタンパク質を摂取するかです。
なぜなら、食品によってタンパク質のレベルが違うからです。
どうせなら効率よくタンパク質を摂取したくありませんか?
その方法をこれからご紹介します。
タンパク質を摂る際の2つのポイント
タンパク質は「アミノ酸スコア」によってレベル分けされています。
アミノ酸スコアが高い数値であるほど質の高いタンパク質とみなされます。
ですので、効率よくタンパク質を摂るための1つ目のポイントは、アミノ酸スコアの高い食品を摂る事です。
ちなみにアミノ酸スコアは、その食品に含まれるタンパク質中の各必須アミノ酸量をある基準(アミノ酸評点パターン)と比較して評価しています。
アミノ酸スコアが高い食品は、肉類・魚類・乳製品・豆類です。それに比べ、私達がよく口にする精白米や食パンはスコアが低いです。
しかしここで1つ注意点があります。
アミノ酸スコアが100だからといって、吸収率も100%かというかとそうではありません。
加熱調理により吸収率は減る場合もあるので、ご注意ください。
うつは他人事と思わずに日々の食生活を見直してみよう
今回は栄養の面からうつ病を予防する方法として、鉄とタンパク質を積極的に摂る事をオススメしました。
うつ病は誰にでもかかる可能性があります。
決して他人事と思わず、日々の食生活を見直してみてくださいね!
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