食用のきのこでも生食は危険!農薬にも注意。安全なきのこを選び、安心して美味しく食べるために知っておきたい4つのこと
食用のきのこでも生食は危険!農薬にも注意。安全なきのこを選び、安心して美味しく食べるために知っておきたい4つのこと
菜食中心の食生活をしている方にとっては便利な食材、きのこ。
・風味がよくて美味しい
・様々なお料理に使える
・カロリーゼロで栄養価も高い
・お手頃価格で購入できる
このようにとても便利な食材きのこですが、実は危険な面もあるということをご存知でしょうか。
多くの方にとっては意外かもしれませんが、海外で禁止されている農薬を使用していることや、生で食べると本当に危険であることはほとんど知られていません。
今回は、きのこの安全性の話、そして安心して食べるために知っておきたいことをお伝えしたいと思います。
意外にも使用されている、きのこへの農薬
手軽に購入できるきのこですが、国内で流通しているきのこのほとんどが人工栽培された物であることはご存知だと思います。
栽培の方法は、大きく分けると「菌床栽培」と「原木栽培」の二つです。
菌床栽培は、培地といって米糠やふすま、おがくずなどを混ぜたものできのこを栽培する方法。
原木栽培はナラやクヌギなどの木を使い、きのこが育ちやすい条件を整え、自然に近い状態で栽培する方法です。
菌床栽培は、衛生管理された工場で、きのこに適した温度と湿度で栽培するため、通年きのこを供給することが可能です。
一方の原木栽培は、きのこの種類によって育つ環境が異なるため、供給できる時期が限られていますが、自然に近い状態で栽培するため、味や風味が良いという利点があります。
しかし、雑菌や害虫からきのこを守るため、やむを得ず殺菌剤を原木に使用している事があるのです。
きのこ栽培には、欧米で使用の禁止が進む類の殺菌剤を使用することも!
日本できのこに使用を認められている殺菌剤は以下のものです。
◆ベノミル剤
◆チアベンタゾール剤
海外では使用を禁止している国もあるほどのもので、ベノミル剤は胎児への先天性異常の報告が数多くあります。
チアベンタゾールは血液や肝臓への障害が発生するリスクが報告されており、アメリカ環境保護庁では発がん性のある農薬として挙げられています。
以下の記事も参考にしてみてください。
★えっ、きのこに農薬!?欧米では発がん性物質として禁止される農薬が使用される、野菜だけじゃない危険な国内のきのこの実態。
また、これらの殺菌剤は、一見無農薬栽培と思われがちな菌床栽培のきのこにも使われている場合があるため、信頼できる生産者さんを探して美味しく安心して食べられるものを、自分自身できちんと選び購入する必要があります。
生食は危険!きのこは加熱した方が断然美味しく安心して食べられる
きのこは火を通す事で独特の臭みが消え、旨味が凝縮され美味しくなりますが、火を通す事には、もうひとつ大切な役割があります。
きのこは菌類であるため、食用として栽培されたものであっても、生で食べると食中毒やアレルギー反応を引き起こすことがあるからです。
きのこを生食した場合の危険性
◆しいたけ生で食べると喉がイガイガして、全身にミミズ腫れのような湿疹が出る(しいたけ皮膚炎)。(※)
◆ヒラタケ
腹痛や下痢といった症状を引き起こす可能性がある。(※)
◆エノキ
ヘモグロビンを流出させ、貧血を引き起こす原因となる。
リステリア菌による食中毒の危険性がある(重症の場合、敗血症や細菌性髄膜炎、流産などが起こる)(※)
◆エリンギ
微量ではあるがシアンという猛毒が含まれ、腹痛などを起こす恐れがある。(※)
時間が経つにつれ濃度が濃くなるため注意が必要です。
生焼けや生煮えであっても同じですので、きのこはきちんと加熱して食べる必要があります。
安全なきのこを選び、安心して食べるために知っておきたい4つのこと
1、きのこを安心して食べるために必要な加熱時間
では、安心してきのこを食べるためには、どのくらい加熱する必要があるのでしょうか?
きのこの菌を分解するためには長時間加熱する必要はなく、2~3分で問題ありません。
逆に加熱しすぎると風味や食感を損ねてしまい、栄養価も下がってしまいます。
マッシュルームは条件付きで生食できる
因みに、人気のあるヴィーガンメニューの一つに、マッシュルームを生で食すサラダがありますが、果たしてこれは安全なのでしょうか?
実はきのこの中で唯一、マッシュルームだけが生で食べる事ができるきのこなのです。
ただし、どのようなものでも良いわけではありません。
冷蔵保存で、収穫から3〜4日以内の鮮度が良く、かさが開いていないものに限ります。
かさが開いてきているものは、加熱して食べる必要があります。
新鮮なマッシュルームが手に入ったら、是非サラダで試してみてくださいね!
上質なオリーブオイルと天然塩と酢で作ったドレッシングを纏わせれば、とびきり美味しいサラダが簡単に楽しめますよ。
★乾燥マッシュルーム|農薬不使用!あらゆる料理に使いまわせる便利きのこ!
2、美味しいきのこを選ぶポイント
きのこを選ぶときのポイントは色々とあり、そのひとつにかさが閉じていてギュッとしまっている物が良いのですが、パック詰めされているきのこでは見えないことも多いですよね。そのようなときは、しなびている物やパックに水滴がついている物は避け、かさの表面が固そうでハリがある物を選ぶようにして下さい。
更に詳しく種類別のワンポイントを以下にまとめておきます。
◆しいたけ
肉厚でうぶ毛があり、軸は太くて短い物。
◆しめじ
かさに丸みがあり軸はふっくらしていて、株にまとまりがある物。
◆舞茸
かさの色は濃く光沢があり、軸は白く弾力がある物。
◆えのき
色が白くて、軸が太くシャキッとした物。鮮度が落ちると黄色っぽくなっている。
◆エリンギ
かさが薄茶色で縁が内側に巻き込んでいて、軸は太く弾力がある物。
肉厚でうぶ毛があり、軸は太くて短い物。
◆しめじ
かさに丸みがあり軸はふっくらしていて、株にまとまりがある物。
◆舞茸
かさの色は濃く光沢があり、軸は白く弾力がある物。
◆えのき
色が白くて、軸が太くシャキッとした物。鮮度が落ちると黄色っぽくなっている。
◆エリンギ
かさが薄茶色で縁が内側に巻き込んでいて、軸は太く弾力がある物。
★ジュワッと美味しい特大ステーキが作れる!最強のオーガニックジャンボマッシュルーム【選べる2種3個セット】
3、きのこに最適な保存方法
きのこは常温では劣化するのが早まるため、冷蔵保存する事で日持ちします。
冷蔵庫の野菜室で保存するのが最適でですが、鮮度が落ちると、ハリがなくなり水っぽくなってきますので、そうなる前の美味しいうちに食べるようにしましょう。
また、微かにでも異臭がするものは腐っている証拠ですので、食べないようにしてくださいね。
4、新鮮なきのこを更に美味しく食べるためのひと工夫
安心して食べられる贅沢なきのこが手に入ったなら、美味しさを最大限生かせる調理をしたいものですよね。ここでは、最適な火加減や合わせると良い調味料などを紹介していきます。
調理に入る前に、ほとんどのきのこは洗わずに使うのが大前提です。
洗ってしまうと風味や旨味を損ねるだけではなく、きのこの栄養素であるビタミンB群やカリウムが水溶性のため、水に溶け出してしまうからです。
それだけではなく、水に濡れてしまう事で劣化が早くなってしまうので、汚れは固く絞った清潔な布巾などで拭き取るようにしましょう。
きのこはあまり日持ちしないので、買ってきたら、早めに美味しいうちに食べてしまう方が安心です。
鮮度があるうちに常備菜にしてしまうのもおすすめです。
えのきであれば、小さく刻んで醤油と酒を大さじ1ずつ加えたものと一緒に、鍋に入れてかき混ぜながら煮立てると、あっという間に自家製のなめたけが出来上がります。
ご飯のお供の他、お料理のソースにしたり、冷たいお蕎麦で食べても美味しいですよ。
煮沸した瓶に保存して、美味しく食べるためには3日を目安に使い切ってください。
予め使いたいレシピを想定しておくと、無駄なく使いきれますよ。
また、数種類のきのこを食べやすい大きさに切って、鍋に入れて天然塩、オリーブオイル、にんにく、唐辛子などと一緒に弱火でじっくり煮立てれば、アヒージョの完成です。
パンに乗せたり、パスタに入れたりしてその日のうちに食べてしまうのがおすすめですが、保存する場合は、こちらも煮沸した瓶などに密閉し冷蔵庫で保存します。
オリーブオイルは酸化しやすいので、2日くらいで使い切ります。
白ワインのおつまみにもぴったりですよ!
きのこの特性を理解し、上手に食生活に取り入れる
最後に、これはどの食材にも言える事ですが、食材について正しく知り、適切な食材を選ぶ事は、豊な食生活を送る上で欠かせない事です。
特にきのこは、先に述べたように、いくつか気をつけなければならない注意点がある食材です。
今回の記事が良いきのこを選び、美味しくいただくためのお役に立てたなら幸いです。
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