そのお餅は、本物の“もち米”で作られたものですか? |お餅の栄養から製造の実態、歴史文化までを詳しくお話しします。
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そのお餅は本物の“もち米”で作られたものですか?
お餅の栄養面から製造の実態、歴史文化までを詳しくお話しします。
こんにちは。
皆さん、お正月用のお餅は毎年どうされていますか?
つく派でしょうか?
買う派でしょうか?
また丸餅派、
それとも角餅(切り餅)派でしょうか?
お正月にはこたつでお雑煮、なんて方も多いかと思いますが、
そもそもなぜ、お正月にはお餅を食べるのでしょう?
また、お餅には世界の貿易事情との関わりがあることをご存知ですか?
今回は、お餅の歴史が分かり、現代の社会の矛盾まで分かってしまう、
美味しくてためになるお話をご紹介しようと思います。
お餅を食べること=「力」を食べること
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まずは、『稲魂』という言葉を聞かれたことはありますか?
これは、“いなたま”と読めば、稲に宿るとされる精霊を意味し、
“ウケノミタマ”と読めば、穀物の神様のことになります。
その字が示す通り、古代の日本人にとって稲は、神聖で、大切なものでした。
そして、その力をつき込んだ餅は更に霊力が高いと考えられ、
とりわけ特別な食べ物となりました。
食べることで、そのパワーをいただく、というイメージでしょうか。
そのため、お正月のようなおめでたい日、特別な日にはお餅をつくようになりました。
奈良時代に編纂された、地方の歴史や文化、地理などの記録である『風土記』に
記述があるほど、古い昔から、お餅は日本人にとって身近なものであり続けています。
またお正月とは本来、一年の豊作をもたらしてくれる年神様が各家庭に来られる時期です。
お正月の間、年神様は鏡餅に宿ると考えられたため、
お正月にお餅は必須のものとなったのです。
そしてお餅の入ったうどんのことを、通称「力うどん」と呼ぶように、
餅を「力」と呼ぶことがありますよね。
これには餅が腹持ち良く、食べた人の力が持続するという意味もありますが、
日本人にとってお餅を食べることは本来、特別な「力」を食べることでもあったのです。
“餅を食べると太る”は本当か?
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“正月太り”という言葉がありますが、お餅を食べると太るというイメージはありませんか?
実際のところ、お餅は太りやすい食材なのでしょうか。
一度に食べる平均的な量で、カロリーや栄養素などを白ご飯やトーストと比べてみましょう。
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上の表を見てみると、カロリー、タンパク質など、すべての面でトーストや白ご飯に比べた時に、
餅が特別に太りやすいとは言えません。
GI値が高い点、タンパク質が少ない点は気になりますが、
これは、白米やトーストでも同じことです。
むしろ、餅に含まれるアミロペクチンの影響で腹持ちが良く、
次の食事まで空腹を感じにくいという点、脂質が少ないという点では、
ダイエットに向いているとも考えられます。
朝食にこそお餅を!
そこで、腹持ちが良いお餅を普段の朝食に取り入れてみるのはいかがでしょう。野菜と煮込んでみる、きなこをかけてみるといったように、
他の食べ物で足りない栄養素を補えば、栄養バランスが良くなります。
腹持ちもよいので、朝食から昼食まで時間が空いてしまう方には、特にうってつけです。
この時期なら、手に入りやすい大根をすりおろして一緒に食べるのもさっぱりしていいですね。
とは言え、食べ過ぎは当然カロリーの取り過ぎになりますので、禁物ですよ。
そのお餅は何から作られていますか?
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お餅には、どのような種類があるのでしょうか。
よもぎを入れた草餅、大豆を入れた豆餅、雑穀の粟が入った粟餅。
干し芋をいれた“かんころもち”や、私の住む地域では、“ねりくり”といわれる
さつまいも餅などがあります。
これらの調理法にはもともと、混ぜものをすることでお餅の量を増やすとか、
見た目を鮮やかにするなどの効果が期待されていたのではないでしょうか。
餅米から作られないお餅もある
とはいえ、一般的なお餅といえば、混ぜものをしない白いお餅です。ところで、そのお餅は、何からできいるのか?
例えば成分表示などを見て確認されたことはありますでしょうか。
「そんなの、当然もち米だろ」と思われるかもしれません。
しかし、購入される時に、試しに表示をみて下さい。
見慣れない内容はありませんか?
原料に「水稲もち米」と記載のあるお餅は、
その名の通り、もち米から作られています。
もち米は国産のものを使っているも場合も、外国産のものを使っている場合もあります。
ところが、ここにある某メーカーの「〇〇の切り餅」という、
個包装のお餅の原材料を見てみると、
もち米粉調製品(もち米粉)(タイ産)、もち米(日本産)/加工でんぷん、PH調整剤、グリシン
とあります。
この「もち米粉調製品(もち米粉)」とは何でしょうか。
これを理解するためには、米を巡る貿易政策について知らなければなりません。
「ミニマムアクセス米」を覚えていますか?
2008年、M社による『事故米不正転売事件』が世間を騒がせました。その時に、「ミニマムアクセス米」という言葉が出てきましたが、
皆さんは覚えていらっしゃいますでしょうか?
日本は自国の稲作を保護するために、高い関税をかけて、
安い外国産の米が流通しないようにしています。
しかし、貿易のルール上、一定量については安い関税で輸入すること、となっており、
こうして輸入される米が「ミニマムアクセス米」です。
そしてこれらの「ミニマムアクセス米」は、
味噌や米菓などの加工用、(海外の国の)援助用、飼料用に使われています。
(下の表の「MA米」の事項を参照)
そして、このミニマムアクセス以外の枠で米粉を含めた米を輸入すると、
高い関税がかかります。
そこで米粉に、でん粉や砂糖、油脂などを15%以上混ぜて、「米粉調製品」とするのです。
なぜならば、米粉調製品は、TPPによる関税の引き下げ対象品に含まれているからです。
お餅の原料、米粉調整品はコメ輸入の隠れ蓑
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さらにこれを、輸入後、そのまま分離せずに使用したり、ふるいにかけたり、
比重の差を利用して分離したりもします。
これが、先程のお餅の原材料なのです。
そして、米粉調整品にはもち米だけでなく、うるち米も使われています。
国産米の生産を抑える一方で、
海外からの米輸入を続けることの違和感
ここで思い出していただきたいのが、日本政府は、自国の米の生産をセーブしているということです。
生産を抑えるために減反政策をしたり、減反政策がなくなった今は
転作奨励金を出したりしています。この補助金は皆さんの税金です。
その一方で、このように、海外から形を変えた米を輸入しているという事実もあります。
なんとも矛盾していると思われませんか?
また、米粉にするようなお米は、そのままでは商品にならないお米であることがほとんどです。
そして、米粉の品質自体も混ぜ物の中身も気になるところです。
ちなみに、米粉で作ったお餅は、米から作ったものとは食感が違います。
溶けやすいという特徴もあります。
お餅本来の歯ごたえを楽しみたい方は、そのような観点からも、
米から作られたお餅を選びましょう。
餅つきは、我が家の年末恒例行事
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お餅は、自宅で簡単につけます。
餅つきに使う道具は杵と臼が定番ですが、さすがに個人の家では保管場所に困るでしょう。
杵と臼の替わりにすりこ木でやる方法もあるようですが、
我が家は毎回、「餅つき機」を使っています。
我が家での「餅つき」の流れ
前日の準備
米を研いで、水に十分浸しておきます。木製の杵と臼を使うなら、これも合わせて浸水しておきます。
当日行うこと
「餅米を蒸す」→「つく」→「ちぎって丸める」とてもシンプルな作業ですね。
つきの作業は、米の粒が見えなくなってなめらかになるまで行います。
つきあがった餅は、餅とり粉(上新粉や片栗粉など)をたくさん入れた、
たらいの中でひっくり返します。それをちぎって丸めます。
ちぎる際には、ビヨーンと伸び過ぎないように親指と人差指の根本で挟みながらちぎっていくのがコツです。
つきたてのお餅は、こねこねしなくても、切り口を中に入れるようにまとめてやれば、
自然と綺麗な形になりますよ。
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ちなみに、今の「餅つき機」には蒸し機能や、ちぎり機能が付いたものまでありますので、
適宜ご活用ください。
それはさておき、小さい子どもから大人まで、ワイワイやるのが我が家の年末恒例行事。
あんこもちも簡単に作れます。是非、できたての美味しさを味わいつつ、師走の雰囲気を楽しんで下さいね。
また1月の「大寒の日(2021年は、1月20日水曜日)」に餅をつくと、腐りにくく、
またそれを食べることで一年間病気をしないと言われています。
年末は忙しい方も、年が明けてからゆっくりやってみるのもいいですね。
購入するなら、有機のお餅や玄米のお餅がオススメ
お餅を作るのは大変だとお考えでしたら、国産のお米で作ったお餅を購入するのがおすすめです。有機のものであれば原料と製造工程に信頼が持てます。
また、GI値が気になる方は、玄米で作られたお餅を購入されるとよいですね。
身近なお餅も、こうして掘り下げてみると伝統的な側面や、
現代日本の米を取り巻く政策の矛盾など、色々な発見があります。
それを理解したところで、お餅のパワーをお腹に収め、新しい年のために
英気を養いましょう!。
お餅を元気に頬張れる、そんな平和なお正月を迎えられますように。
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