「減塩」ブーム、意外と知られていない塩分不足の盲点と注意点。
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日本人は塩分の取りすぎって、よく聞きますよね?
健康に関心がある人がない人も、若干意識しているであろう「塩」の摂取。
以前、IN YOUでは下記の記事で減塩についてお伝えしました。
「塩をとると高血圧になる」のウソ。徹底的な減塩指導でも高血圧は治らなかった!間違った減塩健康法に終止符を。
減塩習慣を推奨する雑誌や、商品もちまたに並んでいますね。
「塩の摂り過ぎはよくない」
なんとなく、塩分はどこかで摂りすぎない方が良いと思っている方が多いのでは?
その根底にあるのは、塩分を摂りすぎると血圧が上がる
という理論ではないでしょうか。
はたまた、塩分を摂りすぎるとむくんでしまうから、というイメージでしょうか。
しかし、塩分は私たちの身体を維持するために非常に大切なものでもあります。
皆さんもご存知かもしれませんが、
すべての塩=悪ではありません。
ところでそもそも、塩分を私たちはどれくらい毎日摂取しているものなのでしょう?
1.日本人は他民族に比べ塩分摂取量が多いその理由とは?
平成25年国民栄養調査によれば、日本人の成人の塩分摂取量は1日平均10.2g(男性11.1g、女性9.4g)となっています。
これに対して、日本人の摂取目安量を定めた「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
では、男性1日8.0g未満、女性7.0g未満を目標と定めています。
つまり2gから3gほどオーバーしているというわけです。
さらに厳しい制限を定めているのが、日本高血圧学会で、
高血圧を予防するために、男女ともに塩分摂取量1日平均6.0g未満を目標としています。
ちなみに、塩分量はナトリウム量とは違います。
商品によっては、ナトリウム量しか書いてないこともあるので混乱しないようにしましょう。
ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
もし、ナトリウム量しか書いてない場合には次の換算式で食塩量を算出できます。
ナトリウム量(g)×2.54=食塩相当量(g)
1-1.日本人は塩を料理によく使う
なぜ日本人が塩分摂取量が多いのでしょうか?和食はよく塩を料理に使います。
和食の基本である調味料の「醤油」「味噌」はいずれも塩分を含んでいます。
日本のスーパーフードである梅干しも塩をたっぷり使って漬け込みますね。
古いデータではありますが、90年代に行われた調査(INERTMAP)では、
1日に摂取する塩分の約20%を醤油、約10%を味噌汁から摂っているという結果が出ています。国立がん研究センター
1-2. 日本が島国であることが起因している
日本はまわりを海で囲まれた島国であり、昔から塩がよく採れ、生活に馴染んでいます。そして、海産物を多く食べるのも特徴です。
でも、天然の海産物から摂取する天然塩は本来はあまり問題にはなりません。
もちろん干物、塩辛などの塩分量の高い保存食を食べすぎる場合は例外ですが、
生のお魚や、海藻類などに含まれる天然塩にはナトリウム以外にもミネラルが含まれていて
塩分をそのまま摂取するのとは体内での作用が異なります。
1-3.現代人は加工食品を取りすぎている
加工食品は思っている以上に塩分を摂取してしまう原因です。昔ながらの保存食である、梅干し、漬物、干物、味噌などもそうですが、
さらに問題なのは、ハム、ソーセージなどの加工食品です。
これらは保存を高めるために塩分濃度が高くなっているだけでなく、
調理する過程で塩分(ナトリウム)を排泄する作用があるカリウムを失ってしまっています。
また、化学調味料(うま味調味料)も、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの
ナトリウムを含有しています。加工食品には多くの場合で含まれています。
グルタミン酸ナトリウムは、チェーン店の安価な料理や安価なラーメン店、インスタント食品、
居酒屋、ファミレス、コンビニ飯、低品質な中華料理、デリバリー、冷凍食品、デパ地下の食料品売り場・・・・
など、いたるところに隠れています。
塩分(ナトリウム)がダイレクトに体に入ってくるため、
魚や海藻などのカリウムなどの他のミネラルも合わせて摂取できる天然塩を含む食品を食べるのとは
体へ取り込まれる量や作用が異なるということです。
でき合いのお惣菜なども注意が必要です。
保存を高めるために、塩分を多く使用しており、
さらには調理してから時間が経っているので塩分が全体に均一に染み込んでいます。
人間は塩体さが均一なものを食べていると塩辛さを感じにくいので、
つい食べすぎてしまうのです。
市販かまぼこも注意ですね。
塩分が高いけど全体にムラなく含まれるから、しょっぱさを感じにくいと言えます。
逆に、外食や加工食品、調味料などの活用には注意しておきたいものです。
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¥ 11,100 (税込)1-3.こんな外食メニューは食塩が多いので注意。
ラーメン 5gから6g
ラーメンはやっぱり塩分が高いです。スープは飲み干さないように・・・
握り寿司一人前(醤油を含む) 5.0g
時々食べる程度なら問題ありませんが、結構塩分が多いメニュー。
お醤油のつけ過ぎに注意。
焼き魚定食 4gから6g
ヘルシーな印象が強い定食メニューも塩分が高いことも。
味噌汁を飲み干さないなど、外食時には気をつけよう。
天丼 4g
脂っこさと塩分の高さでは、危険なメニューです。
天丼を食べた前後は野菜中心にするなどバランスをとって。
ハンバーガー 3.5g
最近人気のハンバーガーも、塩分高めのメニュー。
塩分いっぱいのポテトフライと一緒に食べたら・・・かなり塩分過多に。
カレーライス 3.3g
カレーは塩分が高め。一緒に野菜を食べるように心がけて。
1-4. こんな加工食品は塩分が多い!
インスタントラーメン 5.5g
塩分が高い食品の代表格。万が一食べる場合もスープは残そう。
ハム3枚(60g) 2.0g
ハムなどの加工食品は塩分量が高めな上に、添加物も多めなので要注意。
インスタントカップポタージュスープ1杯 1.2g
ちょっと夜にお腹が空いたからといって飲んでしまうと、翌朝顔がむくんでしまうかも?
食パン 6枚切り1枚 0.8g
パンは意外と塩分が高めの食品。パン食の回数を減らしてお米中心にした方が
塩分を抑えられます。
そうめん 2束 1.9g
さっぱりとしていてヘルシーなイメージがある食品ですが、案外塩分が多め。
1-5.日本の調味料は塩分が多い
濃口醤油 大さじ1 2.6g
薄口醤油 大さじ1 2.9g
醤油は和食に欠かせませんが、塩分を摂取しすぎる原因にも。全体にかけて食べるより、小皿にとって少しつけて食べる方が摂取を抑えられることも。
信州みそ 大さじ1 2.4g
味噌汁はヘルシーな食べ物で、ぜひ毎日でも飲みたいところですが塩分摂り過ぎには要注意。
出汁をきかせて、味噌の量は控えめに。
チキンコンソメ 1個 2.3g
コンソメは結構塩分が高い。料理に使うときは塩を控えめに。
ウスターソース 大さじ1 1.5g
ソースなどの上からかける調味料は塩分摂り過ぎになる落とし穴。
少しずつつけて食べて、全体にかけすぎないようにしよう。
1-6. 塩分を適度にとりつつも過剰に摂取してしまうのを控えるには?
塩分を抑えるために、毎回塩を計量して料理するのは大変。そこで塩分を控えめにするには、次のような工夫を取り入れてみましょう。
・カリウムを含む食品を摂取する
野菜、果物、魚介類など生で食べられるものはカリウムが豊富です。また、マグネシウムやカルシウムにもナトリウムを排泄する作用があります。
・カリウムを含む食品その1 大豆ヨーグルト
・カリウムを含む食品その2 ワカメ
・カリウムを含む食品その3 にぼし出汁
・インスタント、加工食品を控える
加工し、保存性を高めた食品は塩分が多くなりがちです。便利ではあっても、添加物も多く身体にとってはマイナスな面が多い食品なので要注意。
・出汁を取り、うまみを活かす
塩っけだけで味をつけようとすると、味付けが濃くなりがち。味に深みをだす、出汁を活用して塩分を控えめにしましょう。
酸味やスパイスなどを活用するのも効果的です。
☆オススメの美味しい天然だし
・最後に塩、しょうゆをつける
全体に醤油をかけると、つい醤油を使いすぎることになりがちです。小皿でちょこっと醤油をつけるようにすると、塩味を感じやすく、少量でも満足できます。
☆オススメの有機醤油
同じく塩も全体の塩味を強くするよりも、最後に少し塩をかけて食べた方が
人の舌は塩っけを最初に感じる事で満足しやすいといいます。
2.塩の働きを理解して、食生活を見直そう
そもそも、塩を摂りすぎると、どうして体に悪いのでしょうか?まず塩の正体である 塩化ナトリウム(NaCl)はナトリウムイオンと塩素イオンに分かれます。
ナトリウムイオンは、小腸で栄養の吸収を助けたり、神経伝達の信号を伝えたり、
細胞が膨らみすぎたり萎みすぎたりしないように体液組成を保つために必要です。
血液1リットル中には、約9gの塩がとけています。
大人で体重の0.3~0.4%が塩分が占めています。
体重50kgであれば約150g くらい塩を含んでいるのです。
2-1.塩の摂りすぎによって起きる病気
塩分を摂りすぎることによって、かかりうる病気はさまざまで、高血圧だけではありません。
・高血圧
・心血管疾患、脳血管疾患
・腎機能低下
・尿路結石
・胃がん
・骨粗鬆症 など
・心血管疾患、脳血管疾患
・腎機能低下
・尿路結石
・胃がん
・骨粗鬆症 など
血圧の上昇は最もよく心配される問題でしょう。
日本は「脳卒中」での死亡率が高い国だといわれています。
この背景として、日本古来の伝統食である、漬物、塩辛、梅干し、味噌や醤油などの摂り過ぎが関係していると考える医師もいます。
参考:小林診療所
http://www.kobayashi-shinryosho.com/column/090203.htm
2-2.塩の不足によって起きる問題
逆に塩を取らないことによるリスクとはなんなのでしょうか。
一番身近な塩分不足による問題といえば、「脱水症状」です。
脱水症状といいますが、水分を失うだけでなく、同時に身体の塩分も失うことが問題です。
通常、塩分は腎臓にて調整されています。
ナトリウムが不足していればナトリウムの排泄を抑え、ナトリウムが足りていれば、
外に尿として排泄するようにします。
ナトリウムと水分は一緒に動くので、ナトリウムが体内に溜まっているとむくみをおこします。
逆に、ナトリウムを外に出してくれるのが、カリウムです。
カリウムとナトリウムは対になって
体内の電解質レベルを一定に保つようにできています。
2-3. 塩自体が問題なのではなく、精製された塩に問題があった!?
塩は塩でも、とくに、精製塩のとり過ぎが問題になると一般的に言われています。精製塩は、イオン交換樹脂膜電気透析法(イオン交換膜法)により化学的に作られた塩のことで、
自然には存在していない形の塩です。
精製塩は、身体に良いとされているミネラル分(カリウム、カルシウム、マグネシウム等)や、
ニガリが殆ど取り除かれ、塩化ナトリウムが99.5%以上にまで精製されているのです。
精製塩は雑味がなく、かなり舐めるとしょっぱく感じますが、
これに対して、自然塩は舐めてもそれほどしょっぱくなく、少し甘みを感じることもあります。
精製塩の取り過ぎは、ダイレクトに塩(塩化ナトリウム)を摂取してしまうことになります。
2-4. 自然塩でも摂りすぎは不調を招く
天然塩、自然塩などの宣伝、うたい文句には、「天然の海の恵みから得られた塩だから、やさしい味で、身体にも安心」
「天然のミネラルがたっぷり含まれています」
というような事が書かれていて、
あたかも自然塩ならば摂取しても安心かのような印象を与えていることがあります。
天然塩から塩分を摂取すれば問題ないのかというと、そうとは言い切れません。
自然塩だからといっても塩は塩です。
特に、自然塩に含まれるマグネシウムは、腎臓に負担をかけることもあるので、
自然塩だからといって摂取しすぎは健康によくありませんので、あくまでも適量に留めることが大切。
たしかに、精製塩よりは天然塩の方がベターではあるでしょう。
しかし、現時点で、残念ながら自然塩と精製塩を比べて血圧への影響を検討した
明確なデータがあるわけではありません。
「自然界に存在しなかった不自然なものを避ける」という考え方から、
化学的な精製塩ではなく、自然塩を選ぶことをお勧めしたいと思いますが、
自然塩とはいっても塩分には変わりないため、
過剰に摂り過ぎることはいずれにしても避けていただくのがよいでしょう。
では現在、流行している「減塩生活」についてはいかがでしょうか。
特定の疾患のせいでどうしても減塩しなければならない方は別にしても、
すべての食事において塩をとにかくカットされている方がいらっしゃいますが、
逆に、減塩すれば良いかというと、減塩のしすぎも注意が必要です。
若杉ばあちゃんの呼び名で知られる、若杉友子さんも、ご自身の著書の中で、
減塩しすぎの世の中の風潮について注意換気しています。
特に、
あまり肉食をしていない方は、減塩する必要はない
さらに、塩分を控えた結果として、
冷えを招いているケースもあるといいます。
海水から天日干しで作られた天然塩には、自然のミネラルが豊富に含まれています。
特に、マグネシウムは代謝にも深く関係し、不足すると冷えを引き起こします。
血圧の維持にも関わることから、不足すると低血圧を起こす場合もあります。
全身の血流が悪くなる事で、冷えを引き起こす可能性が考えられるのです。
「塩抜きダイエット」という方法もあるようですが、
人間の身体にとって必要な塩を極度に控えたダイエット法は危険が伴います。
自然塩はマクロビオティックの世界でも陽性の食品であり、体を温める作用がある食品です。
適度な摂取は体のバランスを整えてくれます。
ただし、特にマクロビオティックを実践されている方の中には中途半端に
「陰性はダメ、陽性よりの食品ならいい」という偏った考え方をされてしまう傾向がありますから、
知らず知らずのうちに味噌、醤油、梅干し、塩麹など
塩分濃度が高い調味料を使うことで陽性のものばかりをとっているケースもあります。
自分の食生活や知識を過信しすぎず、体の状態を観察しながら、
日々食べているものを見直し、陽性に偏り過ぎないように注意しましょう。
普段から自炊して、手作りのものを食べるように心がけていれば、
基本的には塩分が過剰になりすぎることは考えにくいでしょう。
結論:塩分は自然塩を適量に摂って、身体の声を感じよう
塩分は生命を維持するために非常に大切なもの。
我々人類の祖先は海の中で生まれ、その進化の先にある人間も塩分がなくては
生きていけない細胞でできています。
塩分を摂り過ぎれば、塩っからいと感じ、水を欲するように人間の身体はできています。
翌朝の顔がむくんだり、足のむくみがひどくなったり、身体は塩分にわかりやすく反応します。
そんな身体のサインをよく受け取って、塩分量を調整することが大切です。
塩分は悪いものではありません、むしろ身体にとって最も大切なミネラル成分です。
塩分を悪にするか善にするかは、
あなたの日々の食生活次第だということができるでしょう。
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参考:からだごはんラボ
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