美しい花には危険な農薬が大量に使われている事実|15年以上お花の仕事をした私が初めて知った衝撃の実態
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はじめまして。はなnote.フラワーデザイナーの聖水です。
私は15年以上お花の仕事をしています。
数年前から《体は食べ物でできている》という実感が強くなり、食についての勉強をしています。
農作物の栽培での農薬や化学肥料の使用について学んだとき、
「あれ?お花の栽培ってどうなってるんだっけ?」と疑問に思いました。
そう、それまで私は、何万本ものお花を使っておきながら、お花の栽培方法なんて気にも留めていなかったんです。!
というわけで、調べてみました!
お花の栽培に農薬や化学肥料は欠かせない?
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観賞用のお花は、いわゆる慣行栽培(一般的な栽培方法)で、農薬や化学肥料を使用して栽培されています。
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お花の栽培で、農薬はどのくらい使われている?
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お花の栽培には、どのくらいの農薬が使われているのでしょうか。
農薬の使用回数などの規制はない
お花は農作物に分類されていて、食べられるお花も観賞用のお花も、農作物です。
農林水産省に問い合わせてみたところ、
・お花は他の農作物と同じように、登録されている使用可能な農薬の中から、それぞれの農家さんが選んで購入し、その使用方法にしたがって使用している
・どのお花にどのくらい散布するかは、その農家さん次第
・お花の有機栽培についての資料はない
以上のことがわかりました。
食べるものではないので、なかなか調査も研究もされないのかもしれません。
おすすめの記事:スーパーに並ぶ9割の野菜の農薬散布は、驚くべき回数だった!|一般消費者が意識すべき3つの注意点。
生産量一位の菊は、農薬が必須
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国内のお花の生産量で1位のお花は、菊です。(平成31年時点)
菊は特に虫がついたり病気になりやすいお花です。
従来の慣行栽培から有機栽培に切り替えた、神奈川県川崎市の吉垣花園さんにお話を伺いました。
以前、慣行栽培をしていた頃に小菊を栽培されていたとき、
農薬を週1〜2回、それを3ヶ月。出荷までに合計15回、散布していたそうです。
吉垣花園さんは、様々な季節のお花やハーブ、樹木を無農薬で育てていらっしゃいます。
先日、畑にお手伝いに行かせていただきました。
そこには、自然の中で太陽を浴びて、自然らしく育っている植物たちがいました。
私の心が、喜ぶ喜ぶ!
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無農薬の栽培に切り替えてからの初年度に、小菊の栽培に挑戦したそうなのですが、大失敗。
しかしその後、野菊の栽培に挑戦した際は、成功したそうです。!
野生の野菊は品種改良された小菊よりも強く、無農薬でも育つことができるようです。
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菊のように、農薬がないと無事に育てられないお花がほとんどです。
お花屋さんのお花の代表のような、薔薇もそうです。
「見た目が綺麗であることが第一」とされるお花。
食べ物の栽培よりも濃度の濃い農薬や、多くの種類、回数も多く農薬を使用して、虫や病気を避けることの努力をされているかもしれない、と想像できます。
農薬や化学肥料を使う主な理由
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病気を防ぐため。除草剤のため。害虫駆除のため。
除草剤を使えば、草むしりの手間が省けます。
お花に虫がついていたり、虫食いだらけでは市場が扱ってくれません。
虫の発生時期も病気の時期も、その植物によります。
農薬の使用で虫を駆除することにより、活躍してくれる虫まで殺してしまって、他の虫を寄せてしまったり、それをまた農薬で駆除したりもします。
これはとてもかなしい悪循環です。
お花を大きくしたり、茎を太くしたりするため
野菜と同じように、それ以上に、見た目が綺麗で形や大きさ、長さが揃っていることが、市場の規格になっています。
ピシッと立派で真っ直ぐが扱いやすく、梱包もしやすいのです。
一年中咲かせたり、必要な時期に合わせて咲かせるため
・結婚式やパーティー
・お葬式
・季節先取りのお仕事
・いつもお花屋さんに豊富にお花を並べるため
こういった場面には欠かせない要素となっています。
お花の栽培での農薬はどんな影響があるの?
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ここで疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
お花は飾るだけで食べないのだから、農薬が使われようが使われまいが別にどっちでも良いのでは?と。
正直、私もお花を15年以上扱っていながら、農薬のせいで手が荒れた!とか、体調が悪いかも・・という実感は、全くありません。
もしかしたら体内に何か起きているのかも知れませんが、今のところわかりません。
例えば、
バラを沢山もらったからといって、花びらをお風呂に浮かべて薔薇風呂にするのは、お湯に農薬が混ざってしまうのでお勧めしませんが、
お花が農薬まみれだとしても、私たちの日常生活には、ほとんど支障がないように思います。
しかし、次のようなところに影響があるようです。
人への影響
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お花を育てている農家さん、そのご家族、畑のある地域の人たち
農薬を撒いている農家さん自身、そばにいる奥さんやお子さん、地域の方は、直接、または風に乗って飛んだ農薬を吸い込むことになります。一番影響を受けるのが、農家さん自身なのです。
おすすめの記事:
「だから農薬を使っているんです。」農薬の最大の被害者は農家自身|日本の農業の実態と、有機農業を育てる5つの方法
お花屋さんやお客さん。
体の弱い方や子供、高齢の方、化学物質に過敏な方
農薬を多く使用しているお花を扱うと手が荒れるというお花屋さんもいらっしゃいます。
お花の香りを嗅ごうとして、花に顔を近づけて、思いきり吸い込むこともあるかもしれません。
私はいつも薔薇の香りを嗅ぐのを楽しみにしていました・・・!
健康な方なら、目に見えて影響はないようですが、そうではない方もいらっしゃいます。
化学物質に過敏な方は、お花屋さんには入れない、結婚式やお葬式などにも出席できないそうです。
お花がいっぱい飾られる空間に入ると、呼吸が苦しくなったりするなどの症状が出るようです。
環境への影響
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大気汚染、土壌汚染→水の汚染
農薬は気化し、大気汚染になります。
土に染み込み、土壌汚染。
また、雨で流れたり土壌から滲み出て、水の汚染にもつながります。
ミツバチの減少→農作物の減少
「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」
と国連環境計画(UNEP)アヒム・シュタイナー事務局長が2011年に報告しています。
参考: グリーンピースジャパン ミツバチがいなくなったら、いったいどうなるの?
ミツバチがいなくなったら農作物が7割も減ることになります。
想像しただけで恐ろしいですよね。!
ネオニコチノイド系農薬とは
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ネオニコチノイド系農薬は、現在最も多く使われている殺虫剤のひとつです。
殺虫剤は、虫の脳神経系を標的にして作られているので、人間の脳神経系に影響を及ぼします。
虫にも人間にも脳があって、胴体があって、手足がある。
全く別物ではなくて、同じ地球に住んでいる似た者同士なんですよね。
おすすめの記事:
脳や神経、胎児にも。人体に悪影響がある「ネオニコチノイド系農薬」って?まだよく知らない…という方へ。実は身の回りに溢れている?!恐ろしい危険性をご紹介します。~ネオニコチノイド系農薬入門 中級編~
あなたはどう思いますか?世界と逆行して次々進む日本のネオニコチノイド農薬規制緩和。
全国のお花の農家さんの約0.0003%しか栽培していない?《オーガニックフラワー》とは
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お花って、こんなにも農薬まみれなのか・・環境に良くないのか・・とショックを受けた私は、無農薬で栽培されているお花を探し始めました。
そして《オーガニックフラワー》に出逢ったのです。
しかし、《オーガニックフラワー》の「オーガニック」の定義は、まだ確立されていないと言えます。
現時点での《オーガニックフラワー》
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現時点では、「化学農薬や化学肥料を使用せずに栽培されたお花」を『オーガニックフラワー』と呼んでいることが多いようです。
しかし、本来の「オーガニック」には、様々な定義があります。
お花は農産物。
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お花は、食べる物と同じく農作物に分類されます。
農作物の有機農業の定義として、
は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しないことなどが挙げられます。
参考:
農林水産省ホームページ「有機農業をめぐる実情」
オーガニックのお花も、本来であれば同じような定義になるのでしょう。
しかし、観賞用のお花は食べません。
そのため、これは私の考えになってしまいますが・・
食べる農作物と同じ条件で考えるよりも、今まで農薬や化学肥料を使用していても、これから使用をやめたり、
少しずつでも使用を減らしたりして、人や環境に配慮して栽培してくれる農家さんが増えることの方が、ずっと有意義に思います。
無農薬栽培のお花の農家の数はどれくらい?
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・お花の販売農家の数: 58,000戸
参考:農林水産省 花きの現状について
・無農薬栽培のお花の販売農家の数: 20戸くらい
(Organic Flower Japan 調べ)
農林水産省に問い合わせましたが、お花を有機栽培している農家さんの数の把握はしていないそうです。
そこで、無農薬栽培のお花の情報サイト「Organic Flower Japan」代表の大沢智香さんにお話をお聞きしました。
「今のところ把握できている数は、20戸くらいですね。
インターネットを利用されていなかったり、サイトへの掲載を希望されない農家さんもいらっしゃいます。
また、オーガニックの考え方や花の栽培方法は、非常に多岐にわたるため、《オーガニックフラワー》の定義自体も難しいところがあります。」
とお答えくださいました。
《オーガニックフラワー》を生活に取り入れるには
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オーガニックフラワーという宝物探しをしよう
稀少なオーガニックのお花を手に入れたいと思った時、どうしたら良いのでしょうか。
オーガニックフラワーを扱っているお花屋さんを探してみる
オーガニックフラワーを扱っているお花屋さんは、まだごくわずかです。
ごくわずかですが、いらっしゃいます。
是非、探してみてください。
また、無農薬のお花の他に、低農薬、減農薬の栽培で育てたお花も出回っています。
数は無農薬よりもずっと多いので、近くのお花屋さんにもあるかもしれません。
「オーガニックのお花はありますか?」とお花屋さんに聞いてみる
農薬が使われているお花か? 無農薬か?
という選択があることがまだお花を扱っている人たちにも浸透していないのです。
消費者が求めれば、市場に伝わり、農家さんも増えるでしょう。
これは真面目に大きな近道です。
自宅の庭で栽培してみる
無農薬でお花を育てるための方法は、インターネットや書籍などで知ることができます。
今までは当たり前のように化学肥料、殺虫剤、除草剤を使ったかもしれません。
今一度、栽培方法をより自分や家族、自然に優しい方法を考えてみませんか。
食べないお花をオーガニック?私が《オーガニックフラワー》を選ぶ理由
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ここまで読んでくださった方は、お花に対してどんな気持ちを抱かれたでしょうか。
お花屋さんに並んでいるお花たちが、今すぐ私たちの健康に影響があるということではないです。
ですから、お花の危険を伝えたくてこの記事を書こうを思ったのではありません。
思いきり空気を吸い込んで、お花に触れて、
《自然って良いなぁ》と心から思うことができたら素敵ですよね。
今すぐ全てを無農薬にすることは難しいです。
すこしずつ。すこしずつ。
お花や食べ物に限らず、他のどんな物でも、作り出す時には何かと引き換えにしているのだと思います。
しかし、お花という自然を生み出すために、自然を壊しているかもしれないことを少し想像してみてください。
たとえ食べなくても。
ひとつ先のオーガニック生活に向かって。本当の自然のこと、環境のことを一緒に考えていきましょう。
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Organic Flower Japan ホームページ 花生産者リスト 吉垣花園さん
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