信じられない。原発事故で発生した放射性廃棄物を一般ゴミとして処分？放射性廃棄物の深刻な影響。未来の子どもたちに負の遺産を残さないために今、向き合うべき現実。

５月も下旬となり、田植えの季節となりました。最近は、夜になると水田から蛙の鳴き声が聴こえてきます。
先日、２０代の１人暮らしをしている親戚に自家製の味噌を差し入れました。

とても喜んでくれたのですが、その時ふと、福島第一原発事故のことを思い出してしまいました。

低線量でも危険な放射性物質。意外と知られていないこの事実

原発事故から７年。
徐々に記憶も薄らいでいき、放射性物質への危機感が麻痺しても、ふとしたことが切っ掛けで、健康被害が心配となることがあります。

自分の健康は勿論ですが、特に若い人への身体の影響がとても心配です。
健康に気を使っている人でもない限り、被ばくを防ぐ努力をしている人は少ないでしょう・・・。

　

被ばくの影響については、自然放射線と比較されて影響が説明されることが多いですが、
原発から発生した放射性物質では自然のものとは毒性が異なるということや、低線量であって危険だということ。意外と若い人には知られていません。

　

原発事故の翌年私は、ジャーナリスト堀潤さんが撮影したドキュメンタリー映画「変身」の上映会に行きました。
上映会では、実際に福島原発事故処理の現場で働いていた人の話を直接聞くことが出来ました。

　その方の話では、東日本大震災で仕事を失った福島の若者が危険な原発事故処理の仕事に就いているということでした。
その話を聞いて、思わず２０代の親戚の顔が思い浮かび、他人事とは思えませんでした。
　

全国に拡散された放射性廃棄物

現在も目処立たず。

福島第一原発は、現在も事故収束の目途がついていません。

東京電力は、昨年８月、原子力規制委員会から原発安全確保に関する基本姿勢について対応を問われたのに対し、文書で回答しました。
この文書では、原発事故の教訓を踏まえた対策を示す一方で、増え続ける汚染水や放射性廃棄物へ具体策は記されていませんでした。

　昨年１０月、東京電力に対し、原子力規制委員会は新潟・柏崎刈羽原子力発電所再稼働の為の安全審査を「合格」としました。柏崎刈羽原発は福島第一原発と同じ沸騰水型。柏崎刈羽原発の安全審査合格により、今後も同じ型の原発の安全審査が加速していく恐れがあります。

2017/10/4 日本経済新聞　柏崎原発、「合格」でも遠い再稼働


　

再び原発事故が起きることにより深刻な事態が引き起こされる可能性がありますが、更に問題となるのが放射性廃棄物です。

原発事故後、大幅に引き上げられた基準値。

既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、福島第一原発事故後、環境省は放射性廃棄物の基準値を、1キロ当たり１００ベクレルから８０００ベクレルへと引き上げました。

これにより原発事故で発生した８０００ベクレル以下の焼却灰や汚泥などの放射性廃棄物は、一般ゴミとして処分されることになりました。

この基準を元に愛知や神奈川、大阪、九州などで震災がれき受け入れの話が持ち上がったのです。

放射性廃棄物の受け入れは本当の、絆なの？　「絆」キャンペーンに投入された莫大な税金

全国に放射性廃棄物の受け入れを求めたキャンペーン。

国は、がれきが発生した被災東北３県を助けるという名目で「絆キャンペーン」を展開し、全国に放射性廃棄物の受け入れを求めました。

その広告宣伝費として投入された税金は、２０１１年からの１年間で約２４億円にも上ります。
また受け入れに積極的な自治体は、ゴミ処理施設の更新や新規建設を必要としていました。

多くの自治体災害廃棄物処理事業の１兆円近い予算を目当てに、震災がれきを受け入れたのです。

震災がれきの焼却が行われた北九州市では２０１３年、市民が３か所の清掃工場付近で地上に落ちた粉塵などを採取し、
京大原子炉実験所に分析を依頼しました。その結果、粉塵からは大気圏核実験の影響レベル相当のセシウム１３７が検出されました。

参照：沢田嵐著　日本が“核のゴミ捨て場”になる日

放射性物質が不妊症を引き起こす！？

セシウムが検出されたというニュースが水面下では相次いでいますが、具体的にどのような影響があるのでしょうか。

セシウム１３７は、筋肉や心臓に蓄積されやすいと言われていますが、女性の身体にも重大な影響を及ぼすことが、ベラルーシの医師ユーリ・I・バンダジェフスキーにより指摘されています。

セシウム137濃度が40Bq／kgを超えると、女性ホルモンの異常や生殖器の病気、
不妊症などを引き起こすと言われています。またDNAを損傷することも明らかとなっています。


セシウム137が母親ー胎児系に与える影響　ユーリ・Ｉ・バンダジェフスキー

その他にも、これらの有害物質による心疾患やがんなど、目には見えない放射性物質による数々の不安な影響は否定できません。



　現在も８０００ベクレル以上の放射性廃棄物が現在も関東・東北地方が保管され、
これらの処理施設を受注しているのは、大手ゼネコンです。

以下が今年、東北で放射性廃棄物の試験焼却が行われる地域です。

・福島県大熊町
・宮城県大和町
・宮城県大崎市


2018.4.17毎日新聞福島第１原発事故　汚染廃棄物処理　夏にも試験焼却　当選一夜明け、大崎市長が意向　／宮城
2018.5.17川北新報　＜汚染廃＞２２日から試験焼却　半年で最大３０トン　黒川

環境総合研究所の池田こみちさんは、これらの地域で行われる試験焼却により、セシウム拡散の恐れがあることを指摘しています。

東北の女性や若者、子どもたちは現在でも、放射能汚染が深刻な地域で生活していますが、それに追い打ちをかけるような事態が、すぐ目前まで迫っています。

また馬追いで有名な南相馬市では、もう既に焼却が始まっています。
　

では、私たちは今何ができるのでしょうか？

一度原点にもどって、できることを考えてみましょう。

環境省に意見をしよう。

深刻な健康被害をもたらす可能性がある放射性廃棄物。
安全で適切に処分する為には、どうしたらいいのでしょうか？

残念ながら、放射性廃棄物を無毒化する技術は、研究されているようですが、公には発表されておらず確立されていないのが現状です。

ですが、これ以上汚染を広げない為の努力はできます。

あなたも、被災地での焼却処分や地方への受け入れをストップするよう、環境省に意見してみませんか？

友人や家族にもこのことを広めましょう。

環境省の意見窓口

署名でストップさせよう。

以前、ご紹介したガス化溶融炉というごみ焼却施設の記事を覚えていらっしゃいますか？

世界のゴミ焼却場の約７割が日本に存在していた！生活の中で出すゴミの行方とゴミ焼却場がもたらす健康被害と環境への影響。

この施設が建設された場所は、生活クラブのお米の産地です。
実は私の住む地域にはもう一か所、お米の産地となっている地域があります。

その村が人口約９０００人の長野県宮田村です。実は、この宮田村にも放射性廃棄物処分場建設が持ち上がっているのです。

建設予定地は天竜川に流れ込む川の近くであり、稼働すれば、汚染水が天竜川下流域の静岡県まで流れていく可能性があります。

また予定地に隣接する施設では１００名近い障害者の方たちが生活し、野菜や薪の生産も行われています。

農業が盛んな宮田村では、自治体を挙げて受け入れに反対し、現在工事がストップされ、近隣住民による学習会や署名集めが行われています。

賛同して頂ける方は、是非ご協力をお願いいたします。

放射性物質を含む廃棄物最終処分場建設に断固反対する10万人署名のお願い

放射性物質に対する対策をし、自己管理をする。

また、今自分や自分の大切な人たちの身を守るための知恵を身に付けることも大事です。
これ以上事態を悪化させない為に情報を広めたり、署名を行なったりなど、できることをすることはもちろん、今自分自身の健康を守って行きましょう。

IN YOU でもいくつかの対策方法に関して、記事を出しています。

放射性物質、有害物質や添加物から自分と大切な人の身を守るために私が実践している【12のセルフ・デトックス方法】

２０１８年今、原発事故から7年。放射性物質からあなたとあなたの家族を守るために、今すぐできる対策。

隠蔽は当たり前。放射性物質や発がん性物質が含まれても平気で出荷している人達がいる。農家になって初めてわかった日本の農産物の裏側と危機。これを知れば、今日から買い物の仕方が変わります。

新潟県知事選の動向をチェックしよう。

　ここまで読んで頂ければ、放射性廃棄物がいかに危険か、十分にお分かり頂けたかと思います。
　

　
もう二度と福島のような原発事故は繰り返したくないですよね。
だからこそ「終わったこと」だと思わず、今からでもできることを行なってください。

その為には、現在稼働している原発を停止すること、停止している原発は、二度と稼働させないことが肝心です。

原発が稼働することにより発生する使用済み核燃料もまた、放射性廃棄物として処分が必要となってしまいます。

　

安全審査に合格した柏崎刈羽原発。この刈羽原発がある新潟では、６月に知事選が行われます。

安全審査に合格しても、県知事が認めなければ、再稼働はできません。

その為、今回の知事選で、再稼働を認めない政治家が当選すれば、放射性廃棄物の発生を少しでも食い止めることができるのです。


だからこそ国民の意見や投票は大事です。

ツイッターでは既に「＃新潟県知事選」というハッシュタグが出来ています。

　あなたも是非、チェックしてみてください。
　

原発がない長野県に住みながら思うこと。

　今、私の手元には、この記事を書くために読んだ一冊の本があります。
原発事故が起きた翌年、坂本龍一さんを始めとするミュージシャンや漫画家、小出裕章さんなどの専門家により書かれた本です。
その中には原発事故後も福島で生活を続けた女性の詩が綴られています。

以下がその一節です。

たとえば、わたしたちの日常が誰かの犠牲と努力によって保たれている薄氷のような「安全」の上に成り立っているという当たりまえの現実を、
毎朝腹の底から理解するということ。

引用：NO　NUKES　2012　ぼくらの未来ガイドブック吉田麻里香「二〇一二年一月一二日　私がふくしまに暮らすということ」　
　
私の住む長野県には、原発はありません。

長年、生活に必要な電力は新潟と静岡の原発により供給されてきました。
多量の放射性廃棄物を出し続ける原発。

それは原発立地県とそこで暮らす人達、特に子ども達の未来を脅かすものであったということ。

その現実を目の当たりにして、私たちに今すぐ出来ることはなにか？

今からでもできることは、あります。

ぜひ立ち止まって、考えてみてください。

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