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もはや「遠い国の出来事」では済まされない。飢餓の本当の理由と、半径1メートルから今すぐできる飢餓問題への対策とは?

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肉だけではなかった!飢餓と貧困の本当の理由

日本でもこどもの飢餓!?


どうも薬膳料理人のzezeです。
12月に入り、かなり寒くなってきました。お師匠さんが走ると書いて師走の時期です。

それだけ世間も忙しいのですが、こんな時期、ネットやテレビで悲しいニュースをよく耳にするようになってきますね。
年配の方だと、自分で命を失われたり。あるいは子供に対する親のネグレクトであったり。この時期にはなぜかそんな悲しい出来事が多くなる気がします。

中でも、飢餓についてのニュースを見かけるとこの寒い時期ですから、心配になります。

数年に一度、親子で食べ物がなく命が失われた、などのニュースを聞いたりしますが、貧困の中でも、飢餓は全く別枠と考えて差し支えないでしょう。
この飽食とまで言われる日本ですら餓死する子供が出ていることをご存知でしょうか?
食に携わるものとしてやりきれない気持ちになるものです。

私は料理人として、オーガニックの体に優しい食材や、体をいたわる食べ方などを発信しているのですが、食べ物を得る自由すらないという状況が飢餓状態なわけです。
そもそも、選択する自由がありません。食べることそのものがままならないのですから。

食と命に関わるものとして、飢餓が発生してしまうシステムについてIN YOU読者の皆様にお伝えしていきます。


別の国では、豆と野菜のシンプルなスープが38000円!?


分かりやすい例が、WFP公式のホームページに出ていたので紹介させていただきます。
貧困の状態を示す指標のなかに、毎日の平均的な収入に対しての、物価率の高さなどを織り込んだ方法があります。

その数字を最貧国のひとつである南スーダンに当てはめたとき、恐ろしいことになっていました。

豆と野菜の最低限の栄養が取れるだけの、本当にシンプルなスープにかかる値段が、あり得ないほど高価なのです。
我々の感覚での38000円相当にもなるんです。


しかも日本円で何万円という単純な話ではありませんでした。
これだけシンプルなスープであれば、アメリカや日本では100円から200円の間で作れます。

その貧しい地域の平均的1日の収入で、どれだけの食べ物を買えるか、という数字です。
平均的かどうかは別として、日本の最低賃金で働いた場合、およそ日給は7000円ほどです。

これをもとに考えたとき5.5日分の給料です。

日給7000円という金額はどうでもよく、5.5日分の給料というのが重要になります。

こんなにシンプルなスープ一杯を買うために、一週間分もの給料に当たる金額が必要という状況ではどんなに高い能力があっても話になりません。



どんなに切り詰めて努力しても生活をするどころの話ではなく、命をつなぐのすら、無理な経済状態です。
そんな状態の国がこの21世紀の世の中にまだまだ存在することを実感したとき、大量生産大量消費の経済に大きな闇が見えてきます。

日本では添加物や農薬はゆるいのに、賞味期限や消費期限はやたらと厳しい


実は日本の法律では農薬や添加物の緩さに比べて、賞味期限や消費期限、衛生管理などばかりが、やたらと厳しいです。

衛生管理は絶対必要です。

しかし、そのハードルの高さによって、ロスを減らす方向でのフードバンクなどの食料支援事業というのが浸透しづらい部分も大きくあるように感じます。
しかも、添加物天国なので期限を伸ばすための保存料はやたらと幅をきかせています。

そんな日本とは裏腹に、世界に目を向けると数知れぬ飢餓があります。
国連機関のWFPの試算によると、およそ700万人の子供たちが毎年餓死しているのです。


料理人として命と向き合うとき、こんなに悲しいことはありません。

出典:WFP

延命しすぎて畳の上で死ねない日本。不自然な延命治療に疑問を感じませんか?


命の値段が安い国がある中で、我々の日本はとても命を大事にする国になっています。
それはそれでとてもすばらしいことですが、長い付き合いになる看護師さんから聞かせていただいエピソードがひとつあります。

看護師さんのおばあちゃんが、もう90いくつなんだそうです。
年齢のため、食欲も薄くなり、喉が渇くという感覚も鈍ってくる時がたまにあるそうで、
彼女はそんな時、本当の人間の寿命の終わり方について深く考えると言います。


本来野生の動物は、食欲などが衰えてきて、だんだん自発的に呼吸も浅くなってきて、枯れ木が燃え尽きるように、命が燃え尽きる。

栄養も水分も体から失われて、乾ききって命が終わる、というのが自然な流れなのだそうです。
しかし日本では、高齢者の方の体調が少しでも悪くなると病院に走ります。

家族としたら心配で、病院に連れて行くのは当たり前ですが、現代の日本の医療は、まだまだ延命第一なのが現状です。
何の変哲もない老衰の症状でも、点滴一本で水分と栄養文を入れてあげると、食べる元気が出てくる。

食べられるようになると、そこからまた半年一年と寿命が伸びる。

嬉しいけれど、その看護婦さんは少し複雑な気分になってしまうそうです。

生きていて欲しい。
しかし、これは本当に正しいのかと、毎回思うそうです。
本当に複雑な顔でお話ししてくださいました。

フォアグラではありませんが、胃袋に直接流動食を入れる胃ろうという延命措置もあります。

私が出会ったことのある、全身まひの方などには、延命とは違う有効な方法と感じましたが、意識もなくなった高齢者の方にするのはただの延命でしかないとの考えもあります。
そういう方法ではないにしろ、日本の現代医療は人間が自然に命を終わるという形から遠ざかってしまっているかもしれません。

なかなか難しい問題です。

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フェアでないトレードで浮いたお金が高度すぎる医療に……


さらに、ご存知の通り、日本の医療費には多額の税金が投入されています。
命を永らえさせるために、税金が使われるという状況になってしまっているのです。

もちろん家族としては1秒でも長く生きていて欲しい。
お医者様もそれになるべく応えたい、という思いがあるのは当たり前のことです。

しかし税金は、もともと元は日本の企業や私たち個人が稼いだお金です。
世界中と交易して儲かったお金も含まれます。

政府がそれらを税金として集めて再分配しているだけです。
貿易に関しては最近ようやくフェアトレードという言葉が聞かれるようになりました。

しかしまだまだ、弱い国から安く買い、高く売りさばく。

そんなやり方が基本になっています。
当然、日本のように経済力の強い国は買い叩く側になりがちなのです。



少し飛躍した見方をすれば、 飢餓のある国々から搾取したフェアではないトレードによって儲かったお金によって我々の高度医療が、支えられている。
このように言っても過言ではない悲しい状況なのです。

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飢餓と聞いて何を思い浮かべますか?遠い国の出来事?

世界では8億人が飢餓状態


はじめに、わかりやすい事例を出しましたが、「飢餓」という言葉を聞いた時皆さんはどんな状態を思い浮かべるでしょう?

アフリカの子供達でしょうか?
あるいは東南アジアの難民でしょうか?


どちらにせよ、どこか遠い国の話というようなイメージがあるかもしれません。

もしかすると自己責任という声もあるかもしれませ。

しかし、貧困のなかでも、飢餓に限っては自己責任を超えているケースが多いのです。
確かに、貧困だけに関して言えば、ある程度自己責任な部分はあります。

しかし飢餓は食べ物を手に入れることすら難しい、つまり命をつなぐことすら難しい状態を指します。

これはもう自己責任を超えてきます。
例えば天候のために干ばつが起こり、農作物が取れないこともあります。



飢えた子供を食い物にするギャングたちも小さい頃は……

今回は飢餓に関連して、世界のストリートチルドレンに関する資料も調べました。
臓器売買などの目を背けたくなる話も含めて、子供たちを食い物にする商売が横行しています。
しかし、それを取り仕切っているギャングたちも元々ストリートチルドレンであったという抜け出せない貧困飢餓の連鎖がありました。

福祉職でインドにも何度か行っている友人に話を聞いても、やはりその話は本当だとのこと。
このように分かりやすい理由の場合もありますが、複雑な事情が絡む場合もあります。

よくあるのは、貧困から脱出するために、お金になる作物ばかり栽培して、自分たちが食べるためのものを栽培できないケースです。
こういった、国際関係における問題が理由の場合もすくなくありません。

細かい理由は上げだすとキリがないので書きませんが、国連機関であるWFPが発表した試算によると、世界のうち約12%ほどに当たる8億人が飢餓状態にあるのだそう。
この12%と言う数字は9人か8人に1人ぐらいの割合で、学校のクラスなら4~5人も飢餓状態の人がいる計算、相当な数です。

出典:WFP

世界では年間700万人近くの子供たちが餓死している!


皆さん、お肉は好きでしょうか?

私はお店で肉も魚も扱いますし、食べるのも好きです。
IN YOUをご覧になっていただいている読者の皆さんであれば、健康意識から、肉を食べない方も多いと思います。

とはいえ、全く食べないというわけには、なかなかいきません。
また成長期のお子さんなどがおられる場合、肉や魚からのタンパク質はとても重要で必要な栄養源になります。

そのため多くのママさん方の食卓から全くなくすというのも難しいでしょう。

農産物だけ食べていれば、牛一頭を食べる7分の1のコストで済むという説。



ビーガンの方がよくされる指摘があります。
牛一頭から得られる栄養やカロリーを農作物で得たならば、牛を育てる1/7のコストで済むという指摘です。

また牛や豚を育てるための穀物というのは、貧困国から安く買い叩いて輸入しているとも言われます。
先ほど売れる作物を作って、飢餓が起こることもあると書きましたが、まさにこのことです。

その国の人々や子供達が食べるための農地を削って、お金持ちの国で食べる牛や豚のエサを作っているという現状は確かにあると言えるでしょう。
弱い国から強い国が奪い取って肉を食べているというような言われ方をする場合もあります。

数字や言葉の細かいところはさておき、正しい部分も、あります。

しかし果たしてそれだけが、貧困や飢餓の原因なのでしょうか?

日本でも最近、フードボランティアなどが少しずつではありますが、浸透しつつあります。
それでも飽食の国といわれる「日本の食べ物のロス問題」というのはなかなか無くなりません。

全てをオーガニックで生産したとしても、本来世界規模で見たら、食糧は足りている!?



現在の世界の食物生産量をカロリーベースで考えるだけでも、世界人口200億人まで賄える、という試算もあります。
逆に全てオーガニックにして生産量が下がることを想定しても、少なくとも今の人口をまかなうだけの食料は生産できるそうです。

なのに行き渡らない、その原因は一体何なのか?


やはりフェアじゃないトレードが横行しているためなのではないかと思います。
歴史を眺めてみてもこれ以外に根本的な原因が見つかるはずもありません。

農薬も戦争も飢餓も根っこはひとつ



人は農業を初めて間もない頃から、土地の奪い合いで戦い続けてきました。
産業革命のあとは国をあげて大量生産で大量消費の添加物まみれ農薬まみれの食糧。

化石燃料の垂れ流し。
それほどまでに懸命にやっても生産性を上げていく技術力のない国は取り残されていきます。

そんな無理な発展の仕方をし続けてきたから今のような歪んだ形の貿易体制になってしまっているのです。


ではどうしたらいいのか?「遠い国の話」で終わらせない、半径1メートルから変えられる行動とは?


今すぐに100パーセントの改善は、難しいかもしれませんが、
私たちができる半径1メートルから変えられる行動はいくらでもあります。

私たち一人一人が自然に作り出せる生産量のものを作る


しかし少しずつでもいいから、私たちひとりひとりが、自然に作り出せる生産量のものをつくることが大事だと考えます。
そして数や量をだけを求めることをやめ本質的なものに目を向ける。

安さだけを求めない。正当な評価をし、それなりの対価を支払う必要があることを消費者が理解する



何か物を買う時でも、安さだけを求めるのを止めて、品質を見極めそれに対してフェアな対価を支払う。
そういう小さな習慣を少しずつ身につけ広げていく。

むやみやたらに、食べ物を捨てない



小さなことからでもいいのです。
この日本の中であっても、本当の意味で、フェアトレードしようという考え方が浸透していけば、少しずつ世界は変わっていくはずです。

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