陰陽学説の男女関係は日本社会にも影響を与えていた|薬膳アドバイザーが考える日本の光と影のバランス
明治時代に太陰暦から太陽暦になった日本は
今では「暦」から程遠い生活をしているといわれています。
女性は月のサイクルでそれまで生きていたといわれています。
生理も月の満ち欠け通りに起こる人がほとんどだった時代から今は生活スタイルが大きく変わり、
人によって生理が来るタイミングも異なります。
薬膳には陰陽という言葉がありますが、これはバランスという意味の他にも、
「女性性と男性性」という意味もあります。
私達が太陽暦で過ごすようになって変わっていったものは何だったのか、
今回は陰陽を元にして考えていきたいと思います。
陰陽学説と人間の陰陽
陰陽学説という言葉があります。これは中医学の基本になっている古代の中国手地学を指しています。
世の中に存在するすべてのものは陰と陽という
対立しながらも互いに影響し合う2つの要素から成り立っていると考えれられます。
月が陰、太陽が陽。女性が陰、男性が陽。
光が有るから影がある、昼が有るから夜がある、
というように陰陽はそれぞれ両極のことを指しているとも言えます。
陰と陽が釣り合っている季節とはどの季節だと思いますか?
正解は「春分」です。
春分を境にして陽が極まり、秋分を境に陰が極まります。
陰陽学では陽が減ってきて、陰が増え始めることを「陽が陰へ転化する」といいます。
身体の面と裏にも陰陽がある
皆さんは身体の表と裏にも陰陽があるということを知っていましたか?
私は薬膳の勉強をするまでこのことを知らなかったのですが、
内蔵はじめ、体内は「陰」の性質があります。
しかし、体内でも更に陰陽をわけることができ、
五臓は陰
更に五臓の肝脾腎は陰
心肺は陽の役割があるといいます。
六腑は陽に分類されます。
体内でも陰陽を分けて考えるということはとても興味深いですよね。
内臓は陰であるということは体表は陽なのですが、
体表も、体幹と手足に分けて考えて更に陰陽で分けます。
体幹の腹部は陰。背中は陽。これは四足の動物を考えてみればわかりやすいようです。
「お腹」を下にして四足で歩行するということを考えてみると、
上でおひさまの光を浴びているのは「背中」です。
手足は、内側が陰、外側が陽です。たとえば内ももは陰、外ももは陽に分類分けされます。
こうして考えてみるととてもおもしろいですよね。
身体のあらゆる部分で私達は陰陽を兼ね備えて生きているということでもあります。
陰陽のバランスと男女の関係
女性という言葉を聞いたときに、勘違いしやすいのは、
女性は女性性しか無いと考えてしまうということです。
女性、というのはあくまでもジェンダーの区分けであって、
私達の性には、男性性も女性性もあるのです。
女性はホルモンバランスを気にしている人も多いでしょう。
女性のホルモングラフをみてみると、エストロゲンと、プロゲステロンがそれぞれ
波になって増えたり減ったりして生理がおこります。
このバランスが保たれておらず、不規則だと心にも身体にも影響がでます。
男性性と女性性のバランスは太陰暦で暦に従って生きていた時代はほとんどずれることは無く、
月の満ち欠けによって女性のホルモンバランスも保たれていたと考えられています。
当時の女性たちは生理をコントロールすることができたともいわれていますが、
それは自分の女性性と男性性のバランスを意識して生活していたからでしょう。
もちろん、当時は「ホルモン」という言葉すらもなかった時代でしょう。
しかし、それでも、なんだか今日はこんな気分だわ、とか、
なんだか今日は足が冷たいからあのお茶がいいかしら、とか、
心身の変化にとても敏感に生きていた時代だったのだろうと思います。
これは女性だけの話ではありません。
男性も、男性性と女性性の両方を持ち合わせています。
陰陽の関係と社会環境
女性のリズムに合わせて男性も自分の生活をコントロールしていたということを考えると、
今日の社会との乖離を感じませんか。
今の社会は男性が主体となって、
男性に合わせる生活が当たり前のような風潮が未だに強い傾向にあります。
女性進出とはいうものの、未だに会社では「生理でつらい」ということが言えなかったり、
「女性はお茶くみ」というジェンダーによって判断されてしまうような問題が残っています。
太陽暦で生活するようになって日本の女性の心身に起こった変化は男性にまで影響しているのではないかと
私は感じています。
以前は女性が月の満ち欠けに素直に生き、
男性もそれを感じ取るという「女性性」がとても発達していたのだと思います。
江戸時代は大きな戦争がなかった時代だともいわれていますが、
どうして大きな争いが起こらなかったのかといえば、
陰陽のバランスが取れていたからではないかと私は感じます。
現在は、こうした陰陽のバランスなど無視した生活が当たり前になってしまい、
いつの間にか男性性が有利になってしまうような生活をするようになりました。
これは「男性」が優位になったということよりも、「男性性」が優位になったということです。
確かに、男性性優位の時代に日本では近代的な文明が栄え、便利なものであふれ、
生活するには困らない日常ができあがりました。それは男性性の産物だといえ、
日本社会の「光」になったことでしょう。
しかし、女性も男性も男性性過多の状態で生きることで、肝の働きが弱くなり、
ストレスをたくさん抱え込むようになりました。
そして、ワークホリックといわれるほどに働き、鬱になったり、命を絶つ人まででてきました。
男性性(陽)が過多になり、女性性(陰)が抑圧されたことで多くの問題が起こっています。
これは今の日本社会の「闇」の側面です。
本来、程よい光の中であれば、「影」は「闇」にまでならずに、
木陰として存在できます。しかし、光が強すぎて、木が枯れてしまえば、
光に地は熱くなりすぎ、焼け焦げ、闇が広がるでしょう。
今はまさにそんな時代なのだと思います。
男性性も女性性も支え合う調和の時代
男性性が過多になったからといって男性性が「悪い」のかといえば決してそうではありません。
昼があって夜が有るように、それぞれ、両方がバランスよく支え合っているからこそ、
意味があるのです。
薬膳や自然療法などは特に、陰陽の役割を潜在的に感じ取っていた先人たちが
見出し、次世代に語り継いできた大切な知識です。
私達がそれを学び、多くの人に伝えていくということはとても意味があることなのです。
今、こういった薬膳や、自然療法、という言葉を出すと、
「そんなものまやかしだ」「効くわけない」という声も聞かれます。
こうした声は、「男性性」優位になってしまった
現代社会を考えると出てきても当然のものだろうとも思います。
バランスの欠いた生活が「当たり前」になってしまっていると、
拒否反応が出るのは至極当然のことだからです。
ようやく近年、自然療法やオーガニックという言葉がよく聞こえるようになってきて、
関心のある人が増えてきました。
これは少しずつ、社会がバランスを取り戻そうとしているということでもあるでしょう。
まさに「陽が陰へ転化する」というのはこのこと。
「男性性」過多の時代から「女性性」の時代に移ろうとしているのだなと感じます。
食べ物をバランスよく、気をつけて食べているという人は特に女性性と男性性のバランスも取れていて、
心身ともに健康であるという人が多いです。
これからの薬膳や自然療法を始めようと考えている方はぜひ自分の中の陰陽のバランスを感じながら、
日本社会や世界に視野を向けて生活してみてはいかがでしょうか。
何一つ、変わることはなく、すべての物事は繋がっているということを感じられることでしょう。
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