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「口内フローラ」を整えてカラダもココロも健康になる方法| あなたを万病から守る“唾液力”の上げ方5選

「口内フローラ」を整えて
カラダもココロも健康になる方法
あなたを万病から守る“唾液力”の上げ方5選

近年、歯周病が、心臓病や鬱病、アルツハイマー型認知症、関節リウマチ、大腸ガンなど、
全身疾患の誘因となることが分かってきました。

皆さんが気になっている、コロナを始めとした感染症も口腔ケアを意識することで、
予防効果がかなり高まるといわれています。

また、ココロの状態が、まるで“お知らせ”のように口腔トラブルとして現れることを
ご存知でしょうか。

そこで今回は、口腔内のコンディションがどのように皆さんの体と心に影響をするのか、
そして、そのケアについても、すぐに実践できる方法をお伝えしていきます。

衝撃! 口にはお尻よりも細菌が多いという事実


これは例え話ではなく、事実です。

唾液1ml中には1億~100億個の細菌が、
歯の表面に付着する歯垢1g中には、約1000億~2500億個の細菌が存在します。
そして便にも、1gあたり同等数の細菌が存在しています。

腸内にも「腸内細菌叢」=腸内フローラがありますよね。
人の腸には1000種1000兆個以上の細菌が棲んでいて、
たくさんの仕事をしてくれています。

そして口腔内にも「口腔内常在菌叢」=口内フローラがあります。

腸内環境を整えるために、いわゆる「腸活」を意識して生活されている方は
多いと思いますが、実は健康のためは、この腸を意識するだけでなく、
口腔内の常在菌の多様性もアップさせることが、
健康なココロとカラダを作る上で欠かせないことを皆さんはご存知でしょうか。

この口内フローラには、(腸内フローラ同様に)
善玉菌、悪玉菌、日和見菌が混在し、
およそ100種類の悪玉菌が歯周病や虫歯の原因になっています。
そして、この口腔内フローラを構成する3種の細菌のバランスを整える
(口腔内の細菌を多様にし、そのバランスを整える)ことが
口腔内を含めた、全身の健康に繋がるのですが、
そのためにはどのようなことをすると良いのでしょうか。

口内フローラを整えるために
「唾液力」を上げよう!


口内フローラを整え、良くするため必要なことはとてもシンプルで、
それは「唾液力」を上げること。

“よだれが多い赤ちゃんは健康
口の中が唾液で潤っていれば虫歯にならない”

こんな話はよく聞きますよね。

つまり、「『唾液力』が高い」ということは、ひとつに
「唾液の分泌量が十分である」ということなのです。

この唾液には、歯周病菌などの細菌やウイルスに対する
抗菌・殺菌作用をはじめ、次のようなたくさんの働きがあります。
・抗菌・殺菌作用
…歯周病菌などの細菌(悪玉菌など)やウイルスが増えるのを抑え、
口から入るそれらに対抗する。
・再石灰化(歯の修復・抗脱灰)作用
…歯から溶け出したリン酸やカルシウムを、再び歯に沈着させる。・緩衝作用
…口腔の酸を中和し、pHを中性にして虫歯を予防する。・洗浄作用
…歯の表面や舌の上、粘膜に付着した汚れを洗い流す。・味覚作用
…食べ物に含まれる物質と溶け合い、下の「味蕾(みらい)」という
味を感じる組織に届ける。・粘膜保護・潤滑作用
…粘膜に付着して、乾燥を防いで保湿し、咀嚼や会話を円滑にして怪我や傷を防ぐ。・嚥下作用
…消化、咀嚼した食べ物を飲み込みしやすくする。

・粘膜修復作用
…粘膜の創傷を治す。

・消化作用
…唾液に含まれる消化酵素が食べ物を消化する。

・消臭作用
…サラサラの唾液は口臭の原因となる細菌を閉じ込めて胃に送り、
臭いを防ぐ。

・排泄作用
…血中濃度が高くなった薬物、化学物質などの異物を排除する。

・発がん・変異原性抑制効果
…活性酸素の活動を抑止し、炎症による細胞障害を抑制する。

どうでしょう。これだけ唾液には働きがあります。

ですから逆に、唾液の分泌量が少なくなれば、

虫歯になりやすくなったり、その症状が進行したり、
歯の表面や舌に汚れが付きやすくなったりします。

また細菌(悪玉菌など)やウイルスが口腔内で増殖して
歯周病や虫歯になりやすくなったり、
味が感じづらくなり、口の中は常にパサパサ、
口内に出来た傷がいつまでも治らない、
食べ物の消化が悪くなる、口が臭くなり、
薬害の影響を受けやすくなり、癌になりやすい

というような状態に陥ってしまいます。

この唾液はその99%以上が水分で、
残りの1%に消化・抗菌・免疫などに関わる成分が含まれます。

量については、通常、一日に1リットル~1.5リットルほどの唾液が分泌されますが、

もし唾液の量が少ないと口腔内で唾液に期待される
消化・抗菌・免疫などの働きが十分でなくなります。

そして消化が不十分になったり、
歯周病菌などの有害な菌を殺しきれずに
体内にそれが大量に入ってしまったり、
免疫が発揮できなかったりすれば、
様々な病気が引き起こされることは、
容易に想像がつくと思います。

それだけ、唾液の働きは私達の健康にとって
とても重要なものなのです。

自律神経が乱れると唾液の量が減り、「唾液力」は下がる


ありとあらゆる体の仕組みに関係する「自律神経」は
唾液の分泌にも関係しています。

体には以下の三大唾液腺があります。
①耳下腺…「サラサラした唾液」を分泌する
②唾液腺(舌の付け根の部分)…「ネバネバした唾液」を分泌する
③顎下線…「サラサラした唾液とネバネバした唾液」の両方を分泌する
そして、副交感神経が優位のリラックスしている時にはサラサラした唾液が、
交感神経が優位のアクティブな時にはネバネバした唾液が、
交感神経と副交感神経のバランスが取れている時には、
サラサラした唾液が分泌されるのです。

また、サラサラした唾液は水分とイオン、アミラーゼを多く含みます。
ネバネバタした唾液は、糖とたんぱく質の複合体で粘膜を保護するムチンを含みます。

そのため、サラサラもネバネバもどちらのタイプの唾液も重要なのですが、

ネバネバした唾液が多くなるということは、
交感神経が常に優位に働いていることを意味し、
自律神経が乱れている証拠です。

そして、自律神経が乱れていると、
口臭が発生する・虫歯になりやすくなる・口内が乾燥しやすいと
いう状態になりやすくなってしまいます。

つまり、唾液がサラサラとしており、
しかも十分に分泌されていることが「唾液力がある」
ということであり、
良い口腔環境の実現には必要です。
そして、ストレスはその妨げとなるのです。

自律神経が乱れているかどうかを自力で判断することは
本格的な体の不調が現れてこない限り、なかなか難しいものですが、

唾液の少なさや、口腔内の状態で自律神経の乱れが分かれば、
とても分かりやすい目安だとは思いませんか?

唾液分泌の減少(「唾液力」の減退)の原因は、
ストレス以外にもある


既にご説明した通り、
ストレスは唾液分泌を少なくすることが大きな原因のひとつですが、
唾液量の減少には、他にも以下のような原因があります。
①加齢 ②疲労 ③緊張・興奮 ④栄養不足 ⑤睡眠不足
⑥口呼吸 ⑦会話が少ない ⑧歯のくいしばり ⑨食事の回数が少ない ⑩喫煙
⑪唾液腺の炎症 ⑫薬の副作用 ⑬口腔の病気 ⑭糖尿病などの病気 ⑮放射線治療
当たり前ではありますが、健康的な生活を送ることは
口腔環境とも繋がっているのだな、ということが
改めて実感できると思います。

鎮痛剤風邪薬鼻炎の薬花粉症などのアレルギーの薬
抗うつ剤などは唾液分泌を抑えるので注意してください。

そしてそのことが、後述の通り、全身の病気にまで繋がりかねませんので、
薬を使用する際は細心の払うようにしてくださいね。

唾液の分泌量低下による歯周病菌の増殖は万病の元!


一時期、TVでも取り上げられていたので、
糖尿病と歯周病が関係があるという話を聞いたことがある方も
多いと思います。
歯周病は糖尿病の第六の合併症と言いれています。
血糖値が高いと尿量が増えるので体内の水分が減少してしまい、
それとともに唾液の分泌量が減る事がわかっています。

糖尿病だけでなく、歯周病は
鬱や癌、認知症などとも関係があることが
解明されてきました。
どのように関係しているのか見ていきたいと思います。

①歯周病と大腸ガンの関係

2018年6月に横浜市立大学学術医学群の研究グループが
「大腸がんの発生に歯周病が関与している」という研究結果を報告しています。
「フソバクテリウム・ヌクレアタム」という歯周病菌が免疫細胞の作用を邪魔して
大腸がんを悪化させること、口腔ケアが大腸がん予防につながる可能性を示唆しています。
口から入った口腔内常在菌は胃酸で殺菌されると言われていましたが、
腸まで到達するものもあるようです

②歯周病と認知症の関係

アルツハイマー型認知症の人の脳では歯周病菌が多く検出されることが分かってきました。
歯周病菌が血管を通じて脳へ届き、炎症を引き起こしてしまうのです。
また、歯の数が少なくなると、噛む力が少なくなったり、唾液分泌の量が少なくなり、
「脳血管性認知症」になる可能性も高くなります。

③歯周病とインフルエンザの関係

インフルエンザなどのウイルスは鼻やのどの粘膜から入ってきます。

普段、粘膜は、唾液などの粘液でウィルスや細菌から守られていますが、
歯周病菌が放出するタンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」などが
その粘膜を溶かし、ウイルスや細菌が入りやすくしてしまいます。

その証拠に、介護施設で口腔ケアを受けていた人は、インフルエンザの発症率が
大幅に減少したという事実があるそう。
インフルエンザやその他の感染症は、ワクチンだけに頼るのではなく、
毎日の口腔ケアで細菌の数を減らすこと、口腔内を清潔に保つことが大切なようです。

④歯周病と誤嚥性肺炎の関係

歯周病菌が気管支から肺に入り、炎症を起こします。

高齢になると、気道と食道の通り道を分ける「蓋」の動きが悪くなり、
食べ物を食べたのに気道の方へ食べ物を通してしまう事があります。
最近では、若者にも誤嚥性肺炎が増加してきているようなので、
若い世代も注意が必要です。

その他にも歯周病原菌による、心筋梗塞・骨粗鬆層・関節リウマチ・
妊婦さんの場合は低体重児や早産のリスク増加などがあります。

ガン・心筋梗塞・誤嚥性肺炎などは日本人の
死因の上位を占めています。
認知症も5人に一人が認知症になる可能性があるといわれています。

日本人の多くが関係するこれらの病気も
元を辿ると唾液分泌量の低下(=唾液力の低下)に由来する
「歯周病原菌」が原因という事実に私は驚きました。

昨今、「免疫を高めるために腸内環境を整える」
合言葉のようになっていますが、
実は、
腸内環境を整える前に、口腔内を整えることが
先決なのです。


(参考文献 「すべての不調は口から始まる」 江上一郎著 集英社新書)

「唾液力」を上げて、
口内フローラを整えるのに必要な5つのこと


先ほどご説明したサラサラとした唾液の分泌量を増やし、
「唾液力」を高めて健康を実現するには、
どのようなことに気をつけて生活をすればいいのでしょうか。

以下は簡単にできる、その5つの方法です。

①根菜類などよく噛まなくてはいけない食材を増やす

よく噛むことが唾液の分泌には不可欠です。
脳の血流もよくなり、アルツハイマー型認知症の予防も期待できます。

②睡眠をしっかりとる

睡眠をしっかりとる事で、自律神経を整えることが出来ると、
サラサラとした唾液が豊富に分泌されるようになります。

③ストレスケアを行う

ストレスはサラサラとした唾液の分泌量を減らす最大の原因です。

④「発泡剤」「研磨剤」「香料」が含まれる歯磨き粉は使用しない

口臭の予防やスッキリ感を求めて、
「発泡剤」「研磨剤」「香料」入りの歯磨き粉を使用される方は多いですが、
これらが口腔内の常在菌まで流してしまい、口内フローラを乱します。

⑤寝る前の歯磨き、朝起きてすぐのうがいを徹底する

寝る前に歯磨きはすると思いますが、
朝起きてすぐにうがいはしていますか?
朝起きて真っ先に白湯を飲むことを習慣にしている方も多いと思いますが、
白湯を飲むのはうがいをした後にしましょう。

アーユルヴェーダでも、朝一番のうがいによる舌のクリーニングを推奨しています。
私も、朝起きて真っ先にうがいと舌のクリーニングをしています。
舌のクリーニングには、専用の舌ブラシか、柔らかい布などを使い、
舌の舌苔を取るようにブラッシングしましょう。

口内フローラが整っているというこは、
入り口が整っているのだから、繋がっている腸内環境も
整っていると考えられますよね。

悪い菌を体内に入れないように、口腔内でしっかり食い止めることが
大切なのです。

口腔内のケアに気を配り、
日々の健康を自分の力で創り出そう!


私は、「心の状態が身体の不調として現れる」ということを常々発信しています。
口腔内のトラブルは何を私達に教えてくれているのでしょうか?

口は消化システムの入り口です。
ここにトラブルがある場合は、何か新しい考えを受け入れられなかったり、
自分の中で健全ではない思いが沸き上がりそれを表に出さないよう、
心に蓋をしている場合に起こります。
口の内側を噛んで口内炎ができてしまう人は、
人には知られたくない何か自分を苦しめる物があり、
それを我慢して人に言えない状態です。

また歯にトラブルがある人は口のトラブルと同じように、
新しい事が受け入れられなかったり、
または、人生に自信をなくしてしまい、戦えない状態です。

さらに歯の場合は、抱えている問題の内容によって
トラブルが出る場所が違ってきます。

自分は気づいていない隠された深層心理が
体の症状となり「お知らせ」してくれるのです。

いつまでも健康でいるために、
心を健康に、そして、口内フローラを意識した
生活を毎日送るよう心掛けてみてくださいね。

(参考文献 「自分を愛して」 リズブルボー著 ハート出版)

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