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インフルエンザの本番前に備えておきたい「血管力」の鍛え方|本当に怖いのは、血液のドロドロではなく、スカスカだった!

インフルエンザの本番前に備えておきたい
「血管力」の鍛え方
本当に怖いのは、血液のドロドロではなく、
スカスカだった!

東洋医学(中医学)には、
血液や血液に含まれる栄養素、
正常に血液が流れるかどうかなどを意味する
「血(けつ)」という概念があります。

女性はなにかと、この血に関するトラブルにさらされがち。

「血の道症」という言葉にもあるように、東洋医学の世界では、
月経トラブルや、出産前後の周産期トラブル、更年期障害、不眠やイライラ・・・
こうした症状にはすべて「血」が関わると考えられてきました。

そして、「血」の状態が良いと
肌ツヤや顔色も良くなり、髪もつややかになります。

このように、私たちの健康や美容にかかわりの深い「血」ですが
冬に入り本格的な感染症の季節になる前に整えておくと良いことをご存じでしょうか。

日本人の4人に1人は
血管のトラブルで亡くなっている!


毎年、日本人の死因のベスト5にランクインしている心疾患や脳血管疾患は、
いずれも血管の老化によるトラブル。その数は亡くなる方全体のおよそ1/4に相当します。
厚生労働省/人口動態調査

つまり、日本人の4人に1人が血管によるトラブルで亡くなっているといっても
過言ではありません。

これは後でもご説明しますが、
実は年齢を問わず、若い人でも、現代社会を生きる私たちは常に、
つねに血管(血液)の健康が損われるリスクにさらされています。


そして、これから冬にかけて、
新型コロナウイルスやインフルエンザといった
感染症の重症化予防に注意を払いたい今こそが、
血管や血液のコンディションを整えるべきタイミングなのです

新型コロナウイルスと血栓症

今年(2020年)、世界中を席捲した新型コロナウイルス。

このウイルスは、呼吸器の病気(肺炎など)だけでなく、
血栓症との関連も指摘されています。


実際に厚生労働省『新型コロナウイルス診療の手引き 第2版』を確認してみると、
新型コロナ感染により血栓症がおこる要因として、
①サイトカインストーム
②血管内皮障害
の二つが挙げられています。

これらをごく簡単にご説明すると、
新型コロナウイルスに感染したことによって、
サイトカインが血管内で量産され、
血液凝固に影響を与えて促進させてしまう可能性や
ウイルスそのものが血管の内皮細胞を傷つけ、
その結果、血栓が生じる可能性が指摘されているのです。

新型コロナウイルスは、高齢者の方を中心に重症化が危険視されていますが
このことと、血栓が生じる要因になる糖尿病や動脈硬化がそもそも高齢者に
起こりやすいことには関連があるように感じられてなりません。

(参考)
https://www.clinicfor.life/articles/covid-036/
https://www.fnn.jp/articles/-/42176

インフルエンザと血栓症

毎年秋から冬の間に、
猛威を振るうインフルエンザ。

実は、インフルエンザに罹患しても
血栓症をおこすリスクが高くなる
といいます。

インフルエンザにかかると
高熱によって脱水をおこしやすく、
その結果、血がドロドロした状態になりがちです。

それに加えて、血管内の炎症によって内皮細胞に傷がつき、
血栓ができやすい状態にもなるといわれています。

(参考)
https://brain-gr.com/tokinaika_clinic/blog/health/why-flu-causes-cerebral-infarction-myocardial-infarction-and-dementia/#i

血管のコンディションが
感染症重症化のリスク因子になる

このように、新型コロナウイルスにしても
インフルエンザにしても
罹患した後の重症化のリスクの要因として
血管の状態が大きく関わっていることがうかがい知れます。

withコロナの時代とも呼ばれる、これからの私たちの暮らし。

感染症に100%かからないようにすることは現実的な策でないため、
万が一感染したとしても、重症化することなく回復ができる
身体の状態を保っておきたいものです。


なお、血栓症が起きやすくなる因子には、
高齢に伴う動脈硬化や糖尿病のほかに、
喫煙習慣や運動不足(災害や旅行時の長時間座位)、肥満、
ピルの服用
なども該当します。

特に今年は自粛生活に伴って運動する機会が減り、
長時間寝ころんだまま、座ったままといった、
血流を阻害してしまうような生活をされる方も
日本人一般に多くなっていることから
高齢者のみならず、全ての世代の人が今こそ、
血(血管や血液)  を整えることを
意識すべきタイミングではないかと感じています。

東洋医学から見た、
よくある血管や血液のトラブル


東洋医学では昔から、血(血液、血液中の栄養など)は身体を構成する
非常に重要な要素であると考えられてきました。

血は全身を巡ることで、内臓や皮膚、筋肉に養分を与え、
潤しています。
又、血は精神的安定にも影響を与えていると考えられています。

血が整うと、全身に栄養がいきわたるのと同時に
身体中にエネルギーが満ち足りた状態になります。
体温や免疫力、ホルモンバランスや自律神経系も整い、
健康を保つことができるのです。

女性が特に気をつけたい血の二大トラブル
「血虚」と「血瘀」とは?

血に関するトラブルは、
血虚(けっきょ)、血熱(けつねつ)、
血瘀(けつお)、血寒(けつかん)
等が挙げられますが、

この中でも、脾(消化器官)の機能低下や栄養不足等から
血液の絶対量が不足する「血虚」という状態に対しては、
月経によって血液がそもそも足りなくなりがちな女性は
特に注意すする必要があります。


そして、血液の量が不足すると血流自体にも滞りが生じ
もう一つの要注意事項である「血瘀」という状態にまで
発展する可能性があるのです。

血流が停滞すれば血液の質が低下して、
血栓症を引き起こすこともあり、
その対策には血液の「絶対量」を確保することがとても重要です。

「血虚」や「血瘀」が引き起こす様々な不調

「血虚」によって血液が不足すると、
目の霞みや渇き、視力低下、
動悸、月経不順、不眠や健忘等が生じます。


あなたは、大丈夫でしょうか??

さらに血の流れが滞って「血瘀」に発展すると。
目の下のクマやくすみ、
体の刺すような痛み(痛みの部分に触れるとさらに痛くなる)、
便秘
といった症状が現れます。
舌の裏にある静脈が黒ずんで蛇行しているなら、
注意が必要です。

そして、一般的に「血管力を高める」というと
ドロドロの血をサラサラにするイメージを抱きがちですが
女性の場合、まずは、スカスカの血をたっぷり潤おしてあげる、
血流を整えることから始める必要があるのです。



「血虚」や「血瘀」の原因は様々ですが
先天的な脾(消化器官)の虚弱や
ストレス、過労、喫煙、運動不足、
月経過多、出血
等が挙げられます。

こうした原因を見てみても、
たとえ若くても「血虚」や「血瘀」といった状態に陥る可能性は
多いにあることをご理解いただけるでしょう。

実際に30代前半の筆者も、
産後1~2年は冬になると血流停滞から「血瘀」の状態に陥り
しもやけや目の下のクマ、疲労感、便秘などに悩まされました。

血液の量を増やし、血流を整えて
感染症の重症化を防ぐのにおススメの食材

東洋医学の知識を活用した「薬膳」の世界では、
食材一つ一つに効能があり
自身の体調に合わせて組み合わせることで
根本的な体質改善につながると考えられています。


今回は、血栓症などといった感染症の重症化を予防するのにも役立つ、
血液の量を増やしたり血流を整えるのに役立つ食材をご紹介しましょう。

血液の量を増やす「補血」に役立つ食材

不足している血液を補うならレバー類がおススメです。
牛、豚、鳥レバーそれぞれ細かな効能は異なりますが、
どれも血を補ってくれます。

ひじき、黒ゴマ、黒きくらげといった黒い食材も血を補ってくれる代表格です。
更に、牛肉や卵、ウナギといったパワー食材や
魚介類なら、たこ、マグロ、ブリ等がよいでしょう。

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血流の改善に役立つ食材

野菜なら
ニラ、玉ねぎ、パセリ、青梗菜がおススメ。
どれも血を巡らせる作用があるとされています。

魚介類ならまいわし、ししゃも、ウナギ
更に、これからの季節には
酒かすも血流改善に役立ちます。

血を整えることは美と健康にも繋がる!

長引く自粛生活で
「血(血管や血液)」に関する不調が既に現れている方もいらっしゃることでしょう。 

ご紹介した食材はでいずれも手に入る身近なものばかりですので
楽しみながら取り入れて頂けると幸いです。

そもそも血液の量が十分になり、そこに含まれる栄養素も豊富になれば、
体のすみずみの細胞にまで酸素や養分がしっかりと行き渡るようになるため、
美容や健康上のメリットが必ず得られます。

またそれが、感染症に対抗するための免疫力を整えることに繋がりますし、
万が一、インフルエンザやコロナウイルスといった感染症に罹ったとしても
血栓症などの重篤な症状を予防することに役立つはずです。

皆様が、血管や血液にケアをしっかりと行われて、
この秋以降を健康に乗り切られることを心から願っています。

(参考)
『漢方レシピ便利帳/いつもの食材が漢方に変わる神レシピ』株式会社晋遊舎発行

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