どんな塩使ってる?天然の海塩にはなんと約50種類以上のミネラルが含まれていた!現代人のミネラル不足を補うたった一つのシンプルな方法。
輸入で支えられる日本の調味料、塩。
私たちの生活に欠かせない塩の消費量は、現在、工業用も合わせて年間およそ900万トン。
けれども、自給率は15%程度でほとんど輸入に頼っています。
海に囲まれた日本なのに、輸入量は世界一なのです。
輸入が始まったのは明治末頃、塩の需要が増え、国内産だけでは不足したためでした。
1938年当時で250万トンの需要、自給率は20%。
塩の消費のされ方
塩の消費の8割は、その性質から用途が幅広く、医薬用から融雪剤まで直接的間接的に使われています。
一般工業用としては、染料や合成ゴム、家畜用の塩や、生理食塩水として。
ソーダ工業用には、か性ソーダ、ソーダ灰、塩素などの基礎原料として使われ、多分野で工業製品を作るために利用されています。
紙やアルミ、せっけんなどの製品、ガラス、ホーロー製品のうわぐすりなど、消毒薬やコンパクトディスクなど、姿を変えて私たちの生活に役立っています。
日本の味の基礎になる味噌や醤油にも塩が使われます。
この低い自給率の中で、国内の製塩工場でつくられる塩は、食用を中心に使われています。
本来なら、塩田で作られた自然塩を使った調味料が、私たち日本人の伝統の味です。
しかし、私たちの食卓にのぼる塩が、工業製品と同じように扱われるとしたら抵抗を感じますね。
普段から調味料や食品加工として使われている塩も、もっとこだわりを持って選んでもいいのではないでしょうか。
私たちは、日々の料理に塩を使います。
例えば、小麦粉に塩を加えて、パンやうどんを作る時に必ず使います。
おひたしの青菜を茹でる時はお湯にひとつまみの塩を入れると、キリッと緑が冴えます。
キュウリの板摺りで色よく水分を絞り、魚を焼く時は旨味を引き立て、尻尾やヒレの飾り塩は形よく焦げすぎないように。
漬物では、梅干しやぬか床にはもちろん、一夜漬けでも、その塩加減は濃すぎず、薄すぎず、いい塩梅がありますね。
おにぎりも、塩加減で米本来の甘みが引き立ち、これだけあれば日本人はパワフルに動いてきたのです。
当たり前に使っていますが、塩の出番がこれだけ多いのは、塩が殺菌・防腐作用、発酵調整作用、脱水作用、
たんぱく質の変性や溶解、柔らかくする作用など、さまざまな役割を担っているからですね。
日本が誇る発酵調味料である味噌や醤油を作るにも、伝統製法なら塩の発酵調整作用を利用しています。
メーカーが大量生産する場合は、添加物で発酵を止めて売り出しているため、カビの一つも生えませんが。
塩田の復活で私たちの文化が守られる
私たちの食生活に欠かせない塩が、工業用と同じ扱いの塩化ナトリウムだけでなく、いろいろな自然塩が店頭に並ぶようになったのは、ほんの15年前のことです。1905年 専売制が施行
1952年 流下式塩田の成功
1971年 塩業近代化臨時措置法
イオン交換膜法で塩を作るようになる
1997年 塩専売法 廃止 海水からの直接製塩
2002年 塩の自由化 輸入規制緩和
日本でもかつては、自然塩を生産していましたが、戦後の工業化に伴って、塩の需要が増え、大量に生産する必要が出てきました。
1971年は大きな変化でした。
それでも、塩田を復活させて海洋汚染を止めようとした人がいました。
以下は、1999年5月発刊『地球のーと』からの引用です。
「イオン交換樹脂被膜電気透析法」は、天候に左右されず、低コストで常に一定量の塩を供給できる技術だった。
明治以来、専売制度下に置かれていた塩業は1971年から大々的に近代化が推し進められた。イオン交換膜法を利用した会社だけが残され、古来の塩田による塩の製造は禁止された。だが、この製塩法によってできる精製塩は、99%が塩化ナトリウム。これは、塩の文化さえ奪うものだった。
この流れに対抗すべく、翌年の72年から、伊豆大島で自然塩運動が始まった。
「試験研究」という名目で「自然海塩」(現在の海の精)を作り始めたのだ。立ち上げに参加した阪本章裕さんは言う。
「日本だけなんだ、塩を科学的方法で作っているのは。このぐるり周囲が海だという国でですよ。
塩田を捨てるのか、じゃあ拾おう! そう思ったね」
それから25年、規制緩和の流れでの中で、1997年には塩の専売制度が廃止される。
以来、自然塩の生産も日本各地でぽつぽつと広がり始めている。
日本の海塩はミネラルたっぷり!
規制緩和を受けて、私たちは、料理によって自由に塩を選んで買うことができるようになりました。
今スーパーで売られている塩は、産地もいろいろです。
世界で生産されている塩は、年間約1億8000万トン。
そのうち、3/4は岩塩で、海水で生産される海塩は1/4しかありません。
岩塩はちょっと目新しいのと、直接、料理の仕上げに使うとアクセントになるため、使う人も多いと思います。
しかし、溶解採鉱の岩塩は、岩塩の性質がなくなった精製塩と同じ特徴を持つ塩になっています。
ミネラルを多く含む日本の海塩は、煮炊きする料理にも軟らかくよく溶け、塩からいだけでなく複雑な味わいがあります。
天然の塩にはなんと50種類以上のミネラルが含まれている!
天然の塩は海水中に存在する50種類以上のミネラルが含まれています。
その代表的なものに、塩素、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ニッケルがあります。
塩の旨みは、このミネラルで決まります。味わい深い自然塩は、ミネラルがたっぷりということです。
ナトリウム しょっぱい味
カルシウム 苦い味、しょっぱい味
マグネシウム 苦い味
カリウム 酸っぱい味
精製塩は化学物質の塩化ナトリウムだけなので、味は単にしょっぱいだけです。
自然塩も作り方によって微妙に味が変わってきます。
海水から作った濃い塩水が原料でも、蒸発させて引き上げた時に出現した成分で味わいも変わるようです。
海水が蒸発していくと、ミネラルはカルシウム、ナトリウム、並行してカリウム、マグネシウムの順番で出現してきます。
時間をかけて丁寧にミネラルを引き出すことで、美味しい塩ができるのですね。
日本の海塩は、伝統的な手法を使いながら研究を重ねて、工業用のNaClとは全く違う食用の塩を守り続けてきたのです。
日本の海水を使い、日本で造られた塩は、それなりのお値段はします。
けれども、それだけ大切にしてきたものを、日本人が使わないのはあまりにもったいないことです。
これまで精製塩を使っていた方が、自然塩に切り替えると、はじめは物足りない感じがするかもしれません。
でも、使っているうちに、私たちの体が求めているのは自然塩だということがわかってくるでしょう。
現代人のほとんどはミネラル不足
現代の食生活は、ミネラル分を摂取しにくい状態です。現代人のほとんどがミネラル不足と言っても過言ではありません。
精米することでマグネシウムやカリウムの半分は失われるし、精白された小麦やでんぷんにもほとんど含まれていません。
ですから、塩はミネラルの大切な補給源になります。
また、塩分もミネラルも体の中で合成することはできませんが、生きていくために必須の成分とされています。
特に、人間の体液と海水とは、ミネラル分が一致するので、海水からとった塩でミネラルを補給することは意味があるのです。
以下の引用を見てください。
自然の産物である海塩の必要性がわかることと思います。
日本食用塩研究会の、あさり貝の実験によると、天然海塩の塩水の中では、
あさりは元気に口を開き、塩を吹き上げる。しかし、高純度の市販の公社塩の塩水の中では、アサリはめったに口を開こうとしない。
それはもっともな話だ。天然海塩の塩水は、アサリの住処である海水に、最も近いものだからだ。
生物は30億年前、海で発生したという。その生物が陸に上がってきて動植物となったのは、つい5億年前のことだ。生命は長い長い時間、海水の中で育まれてきた。
人間の胎児も、母胎の羊水の中で生育する。この羊水の無機成分(ミネラル)の比率は、海水の成分とそっくりなのだ。それだけではない。人間の血液も「血潮」と言われるように、海水とそっくりの成分のバランスを持っているという(もちろん、塩分、ナトリウムは人間の血液より濃い)。
このように、塩は単なる調味料としてではなく、われわれの生命を維持するための、大切な食べ物として、空気、水、についで重要視されなければならないものだ。
引用 『自然食』現代書館
動物性の食材ばかりを食べ続けてきた方こそ、注意したいこと
塩鮭をやめて高血圧が治った!!体に残存しやすい動物性のNa
私は東北の出身なので、味噌汁は濃いめが好きですし、すまし汁も色が濃かったと思います。
寒い地方では、それなりの塩分が必要だったのだと納得しています。
今は、関西で暮らしているため、うどんの汁もほとんど透明で麺の形が見えます。
ポン酢の文化にも慣れました。確かに、暖かい気候では柑橘系が入った汁も美味しいものですが、東北ではそれほど必要性を感じないだろうと思います。
脳卒中や心筋梗塞、高血圧症は寒い地方に多く、その原因は塩分の取りすぎと言われてきましたが、本当にそうでしょうか。
私がマクロビオティックと出会ってから、病気治しの講座に参加するようになりました。
その時の話ですが、あるおばあちゃんが高血圧で困っていました。お医者さんなら降圧剤を処方して、「塩分を控えるように」というところでしょう。
しかし、毎朝味噌汁は欠かせないし、塩鮭やお漬物も定番でした。
そこで、塩鮭を止めてみることを提案すると、それっきり血圧は平常値に収まったということです。
つまり、動物性食品に含まれるNaは体に残りやすく、高血圧を引き起こしやすいのです。
自然塩を使った味噌汁やお漬物の塩分は、体に溶け込み必要以上のものは排泄されます。ですから、塩分量を気にして控えるより、動物性食品の塩鮭をやめるほうが効果的だったわけです。
現代人のミネラル不足を自然に補うなら自然塩で
「現代の野菜はミネラル不足になっているから特別な健康食品やサプリが必要」というのは、健康食品やサプリメーカー側の論調ではないかとも取れます。
(ただ、一部の方は体に不調があり食品のみでは改善が難しい場合に、代替療法としてサプリを利用する必要がある方もいますが)
野菜が栽培方法によって、そのミネラル分も変わってくるように、塩も工業製品のNaClと時間をかけて作られた自然塩では全く違ってくるのです。
私がマクロビオティックを始める時、思い切って調味料をすべて純正のものに切り替えました。
それまで市販品を使っていて何の疑問も持っていなかった私でしたが、味を比べた時、市販品には作られた甘さや、わざとらしい風味付けがあることがわかったのです。
大根の干葉湯を使って腰湯をする場合も、自然塩を一掴み入れます。夏野菜や冷たいものを食べて冷えた体が、芯から温まり、塩気が体に入ることで体がシャンとしたのを覚えています。自然塩を使った手当ても、調味料の塩分は悪さをしないことと、動物性食品に含まれるNaの影響を、自分の体で知りました。
私たちも加工食品や外食にばかり頼っていると、ミネラル不足になるでしょう。
でも、まずはご自身の食生活を、根本的に見直してみませんか?
現在、国内での塩の消費は、4人家族で年間2.5kg程度。
命の元をたどれば、「塩」を取り戻すことの大切さが見えてきます。
美味しい自然塩でミネラル補給をしながら、本来の健康を取り戻せるなら、少々高い自然塩を使うことも意味があると思います。
体に必要な自然塩を毎日の台所で使ってみませんか?
人によってちょうど良い塩梅はあるでしょう。
ただ、日本人の場合、米や麦を主食とし、豆や野菜、海藻を合わせて常食していたことは明らかです。
魚は毎日食べられたわけではないでしょう。となると、カリウムが多くなり、バランスをとるためにも適当なナトリウムが必要になってきます。
そのため、日本では海から汲み上げた海水で塩を作り、取り入れてきたのだと思います。
いま世界では、ベジタリアン人口7億人と言われています。
ヘルシーな和食が注目される中、日本人が海塩を使ってベストバランスをとることは、世界をリードすることにもなるのではないでしょうか。
日本人の誇りを持って、厳選された塩を選んでいきたいものです。
オススメの海塩と日本の塩で作られたふりかけセットをチェックしてみよう!
暖流と寒流が出会う地、奥能登のきれいな海水だけを原材料に独自の特許製法「非直火式低温製法」で製塩した塩。
マクロビオティックの第一人者、故・久司道夫氏認定のまろやかなお塩です。
そして、そのお塩と国産の原材料にこだわった、安心、安全で美味しい無添加のわかめふりかけとごまふりかけ。
市販のふりかけは塩分が多いか甘みがたっぷりなものが多いですが、このふりかけは自然な味が楽しめます。
奥能登には、美しく豊かな海の恵みがあります。
清らかで滋養に富んだ海水を一滴一滴丁寧に心を込めて製塩した、ミネラル豊富で味わい豊かなお塩。
シンプルで素朴だけど、不思議と食卓が豊かになる優しい海の塩です。
高品質の安全な食品を選んでいる人には、健康を支える調味料には気を配っていることと思います。
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