種苗法と種子法、最近問題になってるけど、どう違うの?それぞれの問題点と、2つの法律の関係性。日本の農業にまつわる法律の最新情報を伝えます。
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
種苗法と種子法についてまだ知らないという人に・・・これまでのまとめ
今年4月に廃止になった種子法。全国で種子法に代わる条例案が提案されていることを、ご存知ですか?知らない間に決定していた「種子法廃止」で種の私有化がエスカレート!今後加ますます加速が心配なF1種子と遺伝子組み換え種子の危険性。
日本の種を守れ!種子法廃止による日本固有の品種絶滅を食い止められるのはわたしたち消費者だけ
家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円の日本をあなたは想像できますか?今まで登録品種のみ禁止されていた種採りや脇芽挿しが原則禁止の方向に・・?
種苗法と種子法、最近問題になってるけど、ぶっちゃけどう違う?2つの法律の関係性。日本の農業にまつわる法律の最新情報を伝えます。
こんにちは。新年もあっという間、1月が過ぎ2月に入りましたね。長野県南部も、昨日は久しぶりに大雪が降り、畑も雪に覆われています。
最近は、農政が大きく変化するなかで、今後の農業の先行きに不安も抱えつつ、ハウスで苗を起こす準備を進めています。
農閑期であるこの時期も、農業や食の安全を守るための取り組みや学習会が全国で活発に行われています。
種苗法と種子法の違いって?
昨年から目まぐるしく変化している農業に関わる法律のなかで、
特に注目を集めているものが、昨年廃止された主要農産物種子法と種苗法。
IN YOU読者の皆様ならすでにこれらの問題点をご認識のことと思います。
種苗法と種子法・・
名前が似ているだけにこの二つ、混同しやすいですよね。
私も、知人に話をする時に、つい混同しそうになる時があります。
今回はこの種子法 と種苗法の違いをおさらいしつつ、最新情報をチェックしていきたいと思います。
主要農産物種子法の目的や役割は?廃止による影響は?
主要農作物種子法
米、麦、大豆などの主要農産物を安定的に供給していくために、国の責任のもとで都道府県が種子の生産や管理を義務付けてきたのが「主要農作物種子法」です。種子法私たちの主食であるお米や麦、醤油や味噌などの調味料となる大豆などの優良品種を都道府県が公共財産として予算を開発・管理していくための法律です。
民間企業の参入を阻害するとして突然廃止。
種子法は、1952年に戦後の食糧難を解消する目的で制定され、66年間に渡り都道府県が予算をあて公的機関による安定的な種子の供給や管理を行ってきました。ところが、この主要農産物種子が昨年の4月に「民間企業の参入を阻害している」として、突如廃止されてしまいました。
種子法廃止による影響は、米、麦、大豆などの供給や、品質維持の不安定化、価格高騰などが考えられます。
こうした種子法廃止による懸念の声は、今、全国に広がっています。
私の住む長野県でも昨年、山田正彦さんや安田節子さんを講師に招いた学習会が行われ、約520もの人が参加しました。
こうした市民の関心の高まりを受けて、昨年国会では、種子法復活法案が提出され、都道府県でも独自条例制定の動きが広がりました。
全国の市町村議会では国や県への要望書や意見書の提出が相次いでいます。
> 商品の詳細はこちら
これまで進められてきた種子法廃止を受けての都道府県独自の種子条例制定は以下のようになっています。
種子条例制定済み:山形県 埼玉県 新潟県 富山県 兵庫県
種子条例制定準備中:北海道 福井県 長野県 岐阜県 宮崎県
都道府県独自の種子条例制定については、既に岐阜県、福井県、宮崎県が条例の骨子をまとめ、県民からの意見募集を終えました。
出典:2019年01月25日 日本農業新聞「種子法廃止に危機感 条例化・準備 10道県 市町村議会 制定へ意見書続々 本紙調べ」
https://www.agrinews.co.jp/p46536.html
続いて、種苗法について見ていきましょう。
作物の知的財産権保護を目的とした種苗法。昨年の改正により、何が変わった?
種苗法は、野菜や果樹などの品種登録制度により、第3者が品種育成者の許可なしに種や苗を生産利用することを禁じたものです。種苗法による育成者権と罰金は以下のようになっています。
育成者権の存続期間:果樹 25年 それ以外の作物 30年
罰則:個人 懲役10年以下及び罰金1000万円以下 法人 罰金3億円以下
出典:農林水産省 種苗法の一部改正について
http://www.maff.go.jp/j/council/sizai/syubyou/07/pdf/data05.pdf
品種登録制度と育成者権
http://www.hinshu2.maff.go.jp/pvr/pamphlet/seido.pdf
種苗法で品種登録の対象となる作物は年々増加し、トマトやナス、大根といった私たちの身近な野菜の自家増殖(種採りや脇芽差し)が出来なくなりつつあります。
ただし、種苗法により保護された育成者権には例外があり、以下に関しては例外的に自家増殖が認められていました。
- 家庭菜園や農家の自給自足で登録品種の種採りを行うこと。
- 契約で制限されている場合を除き、農家による自家増殖は原則自由
この法改正により、今後誕生した新品種の農家における自家増殖は原則的に禁止となったのです。
ただし在来種や固定種、既に登録済みの品種は自家採種が可能です。また家庭菜園では他人への種や苗の譲渡、販売を行わない限り、種採りができます。
参照:現代農業2018年2月号
現代農業2019年2月号
では、特に大きな問題はないのでしょうか?
問題点をおさらいしましょう。
種苗法と種子法の問題点
気候や風土にあった品種が消えてしまうかも!?
種苗会社により開発されたF1の種であっても、実は種採りを繰り返すことにより、原種がもっていた性質を取り戻していきます。またその土地にあった性質の野菜や果樹を生産することが可能になります。
種苗法自家増殖の原則禁止によりF1品種の種採りや、地域気候の風土にあった丈夫な作物の育成を行うことは難しくなります。
良質な農家による種とりが困難になる
種苗法は、2018年以前から法改正を繰り返し、品種登録の対象となる作物は年々増加しています。
以前は比較的マイナーな作物が対象となっていましたが、2017年以降は、トマトやナス、大根など、私たちの身近な野菜についても、品種登録が拡大し、農家による種採りや脇芽差しができなくなりつつあるのです。これにより農家は種苗メーカーから種を購入せざる得なくなります。
また種苗法に登録されている作物には、昨年まで種子法で保護されてきた米、麦、大豆が含まれます。
今後、品種登録が拡大されれば、私たちの食卓に欠かせない農産物にも影響が及ぶかもしれません。
特に、生産量が25%まで落ち込んでいる特に国産大豆へ影響は深刻です。
農民の種採りの権利や、主要農産物を守るにはどうすればいい?
種子法と種苗法の主な違いや問題点が、お分かり頂けたでしょうか。農薬や遺伝子組み換え、減反などが日本の農業のあり方を大きく変えたように、
種子法や種苗法も日本における農業のあり方を大きく変化させることに繋がってしまいます。
それだけ私たち消費者にとっても大きなインパクトのある法律なのです。
誰一人としてひとごとではありません。
こうした流れを食い止め食い止める為に、私たちに今すぐできることはなんでしょうか?
大切な日本のタネを守り抜くために今あなたができること
F1種の野菜も種採りしよう
現在、自家採種を行う方の大半は、在来種や固定種の種から種採りを行っていると思います。貴重な在来種や固定種の種採りは、とても大切です。
在来種や固定種を守ることができればそれに越したことはないでしょう。
でも、元はと言えば、F1種の種も自然から生まれた種のはず。
もし固定種が入手できない場合でも、私たちの手でF1種の種採りを行いより、より自然に近く、自分たちの住む気候風土にあった種をこれから育てていくことが大切です。
詳しい種とりのルールや品種の選び方、栽培方法などは、以下の本などを、参考にしてください。
- 現代農業 2018年2月号 今さら聞けないタネと品種のはなし。
- 現代農業 2019年2月号 タネの大交換会
- 1㎡からはじめる自然菜園 竹内孝効著
- 農文協 農家が教える品種選び読本
オーガニックを応援するIN YOUMarket
全国で進められている種子条例制定を後押ししよう!
最近は、ずっとパブコメのご提案が続いていますが、皆さん正直、そろそろ「パブコメ疲れ」していませんか?農業の法改正がされるたびに、パブコメを送るのは大変ですよね。
でも、私たちの意見を届ける為にとっても大事な仕組みなので、無駄だとは考えずに是非活用していきましょう。
大切なことは一人一人が諦めないこと。
先程もお伝えした通り、全国の都道府県で種子法に変わる条例の制定が進められています。
種子条例の制定は、今後も私たちが、大豆やお米を安心して食べる為に必要なもの。
条例制定を進めている都道府県では、県民によるパブコメを募集しています。
既にパブコメの募集を終えた県もありますが、まだ準備段階の地域では、これから意見募集を行われる予定です。
ちなみに現在は、長野県で種子法に代わる条例の制定へのパブコメが募集されています。長野県主要農作物等種子
条例の骨子では、米、麦、大豆以外にも蕎麦や、伝統野菜が含まれています。
■「長野県主要農作物等種子条例(仮称)」の骨子(案)についての説明会を開催するとともに、意見募集を行います。
https://www.pref.nagano.lg.jp/nogi/happyou/shushi.html
全国の条例制定に向けた動きは、以下のホームページでチェックしてください。
■日本の種子(タネ)を守る会
https://www.taneomamorukai.com/action
チェルノブイリ原発事故を経験したロシアの科学者が開発!
【特別プレゼントキャンペーン中!】硝酸塩量や空気中放射線量を測る「有害物質チェックマシーン」 有害物質チェック機ミニ★くだもの洗いパウダーをもれなくプレゼント!★
¥ 12,960 (税込)> 商品の詳細はこちら
日本の食糧生産、私たちも主体性を持って考えよう!
今回は、種子法や種苗法の違いや最新情報についてお伝えいたしました。今回は、種子法や種苗法の違いや最新情報についてお伝え致しました。
種子法廃止や種苗法改正は、ゲノム編集などと同様に、私たちの食料生産を経済競争や市場原理にさらす可能性が高いことがお分かり頂けましたか?
種子法は、主要農産物の安定供給に寄与してきた反面、農家や消費者よりも国や県、公共機関の意向が強く反映されてきた部分もあります。
今後、都道府県で制定される種子条例や、種苗法は、私たち消費者も注意深く見守り、自ら食の主権について考え、
よりよい制度にしていくことが大切ではないでしょうか?
あなたも、日本の農家が、自らの畑で種を採り、自然の循環にそった農業を行っていくことの大切さを改めて考えてみませんか。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Marketあなたの手で日本の未来を守ろう!「買い物は投票。」安全性の高い食材や商品を入手してみませんか?
オススメの記事今年4月に廃止になった種子法。全国で種子法に代わる条例案が提案されていることを、ご存知ですか?
知らない間に決定していた「種子法廃止」で種の私有化がエスカレート!今後加ますます加速が心配なF1種子と遺伝子組み換え種子の危険性。
日本の種を守れ!種子法廃止による日本固有の品種絶滅を食い止められるのはわたしたち消費者だけ
家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円の日本をあなたは想像できますか?今まで登録品種のみ禁止されていた種採りや脇芽挿しが原則禁止の方向に・・?
この記事が気に入ったら
いいね!しよう