なぜバターこそグラスフェッド・オーガニックを選ぶべき驚愕の背景。本来草を与える牛。しかし日本の牛のほとんどが大豆・トウモロコシを与えられている。
皆さんは日頃、どんな乳製品、肉を食べていますか?
IN YOUの愛読者なら動物性のものを食べない方もいると思います。
食べる方でも「グラスフェッド(牧草牛)・オーガニック」を選ぶ方は多いのではないでしょうか?
本来『グラスフェッド=草を与える』べき牛。
ところが安く、短期間で出荷することを追求した”先進的畜産”。
近年「いかに無駄を省いて合理化し、品質を均一化する」ということがもてはやされてきました。
季節やその年の気象による”自然環境の差”は、”規格のブレ”とされ排除されてしまいます。
それは畜産に限らず農業全般に言えます。
この日本でも、まるで工業製品を生産するようなシステムが確立されました。
企業からすると「消費者が望むからそれを供給する」という理論。
しかしそれは、”先進的な病”です。
丹精込めて育てた牛を買ってもらえなくては、農家さんの生活も成り立たないので必死です。
しかし現実は出荷までに時間がかかるわけです。
すると、どうなるでしょうか。
餌代・人件費・牛舎維持費・ワクチン代などの経費が長い期間かかる
↓
その費用は全て販売価格に上乗せされる
↓
高いことは悪。
↓
経費節減努力のない農家とは取引しない
つまりこの現代社会は、「高いものは悪」「高いものは売れない」とされる、社会構造になっているのです。
消費者も流通者も「安いもの」を求めます。
生後半年の子牛の体重は230㎏くらい
そこから草だけで出荷可能な成牛500㎏に育てるには約2年
本来牛は草を食べて生きる生き物です。
しかし、草だけを食ベる牛を出荷するまでにかかる時間はなんと2年です。
約2年間で、牛は四つの胃をフルに使い、必要な消化・吸収を経て全身の骨・筋肉・内臓などを作り上げていきます。動物にとって消化が難しい植物の固い食物繊維を分解するため、草食動物は複数の胃を持ち、そこに大量の微生物を飼っています。
しかも植物の分解を終えた微生物たちは、最後に自身も消化され、重要なタンパク源になるのです。
草だけを食べてあの巨体を維持しているのは、微生物のおかげ
牛に限らず、馬などの草食動物のお腹が膨れているのは、”メタボ”なのではなく、草を消化するための微生物が共生している証です。牛にとって”2年”という歳月は、体重を”2倍”にする必要不可欠な期間。
しかし大豆・トウモロコシを中心とする高栄養飼料を与えると、4か月で600㎏を超える巨体に
2年という時間ががあってこそ、骨・筋肉・内蔵機能は健全に育つのです。
人間の成長期でも、骨や筋肉が成長スピードに追い付かない時、一時的に”成長痛”が出る場合があります。
内臓機能が十分に出来上がってない時期に、飲酒や喫煙、過度なカフェイン摂取をすると全身機能に大きな負担がかかります。
牛だって同じです。
さらに牛の場合、運動によって体重の増え方が鈍ったり、肉質が固くなると困るのでできるだけ運動を制限します。
しかし海外などから安く仕入れた大豆やトウモロコシなどを中心とする飼料の場合はどうでしょうか。
これが日本でも今、一般的な育てられ方です。
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> 商品の詳細はこちら草だけで食べた場合よりも大豆やトウモロコシの方が7倍以上も生産量が上がる=効率重視。
なんと、
草だけで育てた場合に比べると1/6の時間で、体重は1.2倍になります。
このぺースで出荷できれば、農家当たりの生産量は単純計算でこれまでの7.2倍にも伸びました。
(・・・実際、牛は皮や骨などが大きく重いので、食肉部が7.2倍になったわけではありませんが)
業界としては『画期的』と言われた状況も、消費者にとって小売り価格が下がったくらいしかメリットはありません。
確かに日本でも消費者は一円でも安いものを、といって安いものに飛びつく習性があります。
しかし、それは本当の意味でのメリットではないでしょう。
それどころか、価格を下げたいがためにしたことが、大きな脅威となって跳ね返ってきました。
季節を問わず問題になっている病原性大腸炎O-157と牛の飼料との関係
『大腸菌』と聞くと、「汚い!」と言うイメージはあるのではないでしょうか。
しかしO-157にあえて”病原性”と付くことで分かるように、大腸菌は本来重大な病原になることはないのです。
では何故、時には命さえ奪う原因ともなる強い病原性を持つことになったのでしょうか?
それに”高栄養飼料”が深く関わっています。
高栄養飼料に含まれるトウモロコシは糖質が高い
↓
牛の胃腸内の酸性度が上がる
↓
腸内細菌叢はより強い酸性環境でも生きられるよう適応する
この結果、人間の胃酸(pH1~1.5)でも死滅しない強力な大腸菌が誕生したのです。
ちなみにO-157は、牛が感染しても特に症状が出ません。
人間でも人によっては、ほとんど無症状や軽い下痢程度の場合もあり、感染に気付かないケースもあります。
そのため普通に仕事へ行ったり、日常生活は問題なく送れますが、排泄物には当然O-157が存在します。
そして排泄されたO-157は、土中でも水中でも生きられます。
特に水中では数か月生きていたケースもあります。
O-157がやっかいなのは、ベロ毒素を出すことです。
この毒素が、尿毒症や脳症といった重篤な症状を引き起こす原因となるのです。
そして近年の遺伝子解析によって、非常に興味深い事実が判明しました。
病原性大腸菌O-157のベロ毒素に、あの強力な病原菌の遺伝子が?
日本でも昔から何度も流行し、非常に恐れられていた赤痢。
戦後の高度成長期(1955年~)以降、10万人もの罹患者を出してきました。
そのうち2万人が亡くなっており、誰もが恐れていた感染症でした。
10個~100個というわずかな菌量でも感染するので、二次感染も非常に起こりやすい菌です。
しかし1965年頃から栄養状態も上向きになり、上下水道などのインフラも整備され、
生活全般の衛生状態が改善されてくると、感染者は急激に減ってきています。
それでも現在、年間200~300人程度の感染者がいます。
(注:感染症法の下での届け出人数)
赤痢菌の感染は、手指や食品、水、ハエなども媒介するケースがあり、大腸菌の感染経路と似ています。
そもそも赤痢菌も遺伝学的に大腸菌の仲間なので、双方にとって受け入れやすい存在であったのは間違いありません。
そして赤痢菌もまた大腸菌と同じように、世界的な衛生環境の向上によって、居場所が少なくなっていた菌です。
そのため耐性菌を作ったり、免疫がない若い世代(=生まれた時から清潔な環境にいる世代)に感染することでしぶとく生き残っていました。
そんな時に大腸菌とのコラボが実現し、新たな活路を見出したのです。
つまりO-157を生み出した原因の一端は、安定した生産量とより安い価格を求めた消費者にも
O-157について一時、安全な有機肥料を使う農家や循環型農業に取り組んでいる方々が非難を浴びたことがあります。
『肥料に使用している牛糞が原因。有機栽培にはリスクがある』
『衛生的な環境で生産される合成肥料の方が安全』
などという空気が、農業生産の場にも漂いました。
高栄養飼料を食べた牛の糞には、O-157が存在する可能性があります。
しかし草だけを食べている牛の胃のpHは、極端に下がることはありません。
なぜなら下がりすぎれば微生物数が減り、草の消化ができなくなるからです。
それは同時に重要なタンパク源(=微生物群)も減ることになり、たちまちあの巨体を維持できなくなる事を意味します。
そうして消化したものを吸収し、動物の成長・健康維持に必要な栄養を全身に送り届けているものは何でしょう?
・・・・・・・・そう血液です。
彼らは、母牛のお腹にいる時から血液に乗った酸素・栄養を、胎盤を通じてもらい受けます。
そして生まれてからは、牛乳を飲んで育ちます。
牛乳は、乳房を通る直前まで血液
つまり安全な肉と安全な牛乳を得るには、健康な状態の血液が絶対条件なのです。
そのためには牛本来の飼料の下、生物的に適正な成長スピードで育てることは必須です。特にバターは、脂質が凝縮したものです。
肉や牛乳より、バターの質がより重要な理由
1.農薬や化学肥料などは、脂溶性のものが多い。
それは水に溶けやすいと、農作物や土壌に一定期間留まることが難しいからです。そのため水になじみにくい”脂溶性”の化学物質が使用されます。
これらは生体内に入った場合、尿や呼気(人の場合汗も)からは排出しにくい性質があります。
2.重金属類は、脂に蓄積されやすい傾向がある。
これも尿から排出されにくいため、いつまでも体内に残るリスクがあります。3.ステロイドホルモン、甲状腺ホルモンも脂溶性
ステロイド(副腎皮質)ホルモンの原料は”コレステロール”そのためこういったホルモン類も脂になじみやすい性質を持っています
つまり脂質には、その生物が摂取したものが凝縮します。
それが良質であろうが、問題がある物質であろうが関係なく蓄積されます。乳脂肪は、食用油脂類の中でもトップレベルの消化率(97%~99%)を誇ります。
その消化率だからこそ、バターは特に慎重に選ぶべき脂質べきなのです。
最後に
農薬の大量に使われた野菜、穀物を与えられた牛。
これらには全て何か共通点がありますね。安さを最大限重視し、効率化を意識しすぎた現代の日本。
失っているものはあまりにも大きいです。
今一度何を選ぶか。何を選ばないか。
考え直すきっかけにしていただけると幸いです。
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