今世界で最もホットな食生活べジセントリックとは?オックスフォード大学も健康・環境にプラスの効果を実証した食事法に迫る!
先日(2019年11月26日)国連環境計画(UNEP) が発表した報告書によると、
世界中で去年1年間に排出された温室効果ガスは、
なんと553億トン。
統計を取り始めてから最悪の多さになったそうです。
世界の平均気温上昇を2度以下に抑えるためには、
温室効果ガスを2030年までに150億トン減らす必要があります。
温室効果ガスと言うと、
火力発電や、自動車、飛行機などが主な排出源と思うでしょうが、
実は食糧生産の過程からも多く排出されているんです!
私たち一人一人が毎日の食事をちょっと変えるだけで、
地球温暖化対策になるとしたら…?
今回はそんな一つの考え方、
「ベジセントリック」なダイエットについてご紹介します。
いま欧米で大注目!
「ベジセントリック」な食生活がおすすめ!
アメリカの食業界も注目の「ベジセントリック」な食生活のコンセプトは?
ベジセントリックとは、
Vegetable(ベジタブル=野菜)
Centric (セントリック=中心にある)
この2つを組み合わせた造語で、
文字通り、野菜がメインになる料理のことです。
欧米では近年のフードトレンドキーワードとして毎年挙がっており、
ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなど、
グルメな都市のシェフたちもこぞってメニューに取り入れています。
ベジタブル・フォワードとも言われ、
レストランの格付けで有名なミシュランガイド2018年の
注目すべきウェルネス・フードトレンドのベスト1にも挙げられています。(※1)
アメリカのオーガニックスーパー大手Whole Foodsが
毎年秋に予測する翌年のフードトレンドベスト10にも、
プラントベースフードや100%ベジではないものの、
ベジの割合を多くしたバーガーミートなど、
ここ数年は毎年ベジタブル・フォワードなキーワードがランクインしています。
このトレンドは、
欧米の人々の健康やサステイナビリティ(持続可能性)への意識が高くなるに伴い、
消費者も「よりヘルシーで環境にも優しいベジセントリックな選択をするようになってきた」
ということを示しています。
ベジセントリックとベジタリアン、ビーガンの食生活の違いは?
■ベジタリアン
肉、魚は使わない。出汁やゼラチンなど、肉魚から出来た食材も一切使わない。
■ビーガン
肉、魚に加え、乳製品、卵製品などの動物性食材は一切使わない。
はちみつも使わない場合もある。
ベジセントリックの流れの大きなポイントは、メニューやレシピの選択肢が広いことです。
上記のベジタリアン、ビーガンに対して、
ベジセントリックメニューでは、
野菜がメインではあるものの、
旨味を出すためにベーコンやアンチョビなどの動物性食材は使えますし、
出汁やストックは動物性のものが使われています。
アメリカのフードサービスコンサルタント大手、
Gordon Food Serviceのレポートによると、
ベジタリアンメニューに魅力を感じる消費者10%以下なのに対し、
ベジセントリックなメニューに魅力を感じる消費者は90%以上。(※2)
ベジセントリックなメニューはより広い層にアピールすることがわかります。
ベジセントリックな食生活は健康にいいだけじゃない!
温暖化対策の切り札にもなる?
動物性食品に頼る食生活は、牧畜による環境リスクが大きい
引用:EPA (United States Environmental Protection Agency)
日本で畜産に関する環境問題といえば、
家畜の排泄物による悪臭や水質汚染が中心でした。
特に不適切な排泄物処理によって飲み水が汚染されることも問題ですが、
土壌や水の富栄養化によるプランクトンの発生や、生態系への影響も問題になっています。
しかし、近年欧米では、
食肉生産で消費する水の量や発生するCO2に対する問題意識が大きくなっています。
例えば、野菜1キロを生産するのに必要な水は322リットル。
これに対して、
牛肉は15,415リットル
豚肉が5,988リットル
鶏肉が4,325リットル
多くの水が必要だというデータがあります。(※3)
人間の活動で排出される温室効果ガスのうち26%が食糧生産からのもので、
さらにそのうちの約58%が動物性食品の生産から発生しているという研究データもあります。
つまり人間の活動で出る温室効果ガスの約15%が肉や乳製品の生産から発生していることになります。
また、発展途上国においては、家畜を育てる土地開拓や飼料の穀物栽培のための森林伐採も問題になっています。
森林や自然の植生のある土地はCO2を吸収するため、土地の行き過ぎた開発も、温暖化の原因になるのです。
食生活の中で肉を減らす=CO2削減になる?
食肉生産で発生するCO2の問題を考える
今年8月に発表された、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告でも、
牧畜は土地の生態系を破壊し、
砂漠化の原因となったり、
生物多様性を失わせるリスクファクターとなっているとしています。
そしてこのレポートでは、
先進国での肉や乳製品大量消費が地球温暖化の原因の一つになっているとしています。
またIPCCは、現在も増え続ける世界の人口を支えるだけの食料の安定供給と気候変動対策を両立させるためには、持続可能な土地管理をしなければならないと警鐘を鳴らしています。(※4)
それでは、肉食はなぜ温暖化の原因の一つと言われているのでしょうか?
牛などが出すメタンガスも温室効果ガスの一つですし、
牧畜のための土地開発や飼料穀物を育てる農地開発、
飼料や食肉の輸送でも温室効果ガスが発生しています。
肉や乳製品の生産は野菜や果物、穀物よりも資源効率が悪いのです。
IPCCのレポート作成に関わった科学者たちの提案には
・赤身肉(牛肉など)を食べる量を減らし、植物性の食品を多く食べる
・育てる作物の種類を増やす(生物の多様性)
・アグロフォレストリー(自然の森林と農地を混在させる)
といったものが挙げられています。
オックスフォード大学の研究でも再確認!
ベジセントリックの食生活は環境にも健康にも効果的
オックスフォード大学では、
食生活指導を以下の3パターンで行い、
それぞれ生活習慣病や体重増加への影響、
そして環境問題への影響を調べた研究が行われています。
1.プラントベースダイエット(動物性食品を全て植物性に置き換える)
2.カロリーのみ調整
3.植物性食品を中心にバランスの取れたダイエットにする(ベジセントリック)
この結果、2のパターンの指導を受けた人たちは、
体重や生活習慣病リスクに対しては良い結果が出たものの、
温室効果ガスの排出量や食糧生産のための水利用など、
環境リスクファクターに関して改善が見られませんでした。
それに対し、1と3のパターンでは、
生活習慣病リスクの軽減、栄養不良状態の改善、
食糧生産や輸送に伴う温室効果ガスの排出の減少、
土壌の窒素含有率の低下、
使用する水の量の減少など、
地球環境にも良い影響があることが明らかになりました。
特に先進国では、
1と3の方法でダイエットを実施した場合、
生活習慣病リスクを大幅な低下と温室効果ガスの排出削減が大きく、
細かく見ると、ペスカトリアン(植物性を中心とし、魚を取り入れる)ダイエットがもっとも健康にも環境にも良いという結果が報告されています。
今日からでも始められる!ベジセントリックな食生活
日本はもともとベジセントリックな食生活の国
野菜を中心として魚を取り入れる食事といえば、伝統的な和食です。
和食といえば、
ご飯を主食として味噌汁、季節の野菜おかず、焼き魚の一汁三菜が典型的な献立です。
世界的にも和食は生活習慣病リスクを下げる長寿食として注目されてきましたが、和食は実は温暖化対策にも良いのです。
まずは朝ごはんを牛乳とトースト、ハムエッグから、味噌汁とご飯、納豆に変える。
毎日が難しければ週末だけでも和朝食にすることからでも良いですね。
また、一週間のうち、
お肉を食べる回数を減らす、あるいは一回に食べるお肉の量を減らすなど、
ちょっとしたことでも、一人ひとりが実践すれば、
確実に世界での食肉消費量は減り、温暖化ガスの削減に繋がります。
週に1回お肉を食べない日を作ろう!ミートレスマンデームーブメントとは
ミートレスマンデー(月曜日はお肉をやめよう!)の動きは、
2003年にジョンズホプキンス大学主導のもとアメリカで始まり、
現在では世界38カ国で実施と、国際的に広がったムーブメントです。
当初は動物性食品の摂取を減らすことで心臓病などのリスクを減らすことが目的でしたが、
次第に環境のためにミートレスマンデーに参加する人が増えてきています。
海外を見ると、学校給食や社食、レストランでもミートレスマンデーを実施するところが増え、
ニューヨークでは全学校でミートレスマンデーが実施されていたり、
学校のカフェテリアでもベジタリアンメニューを提供するなど肉食を減らす動きが広がっています。(※6)
日本でも東京大学や京都大学、一橋大学など、
ベジタリアンメニューが学食に導入されるなどの動きが広がっています。
アメリカで人気のベジセントリックメニューとは?
ベジタリアンでなくても、
肉なしで見た目もお腹も満足できるメニューは色々あります。
良質なタンパク質の取れる豆料理や豆腐料理も人気ですが、
近年アメリカで人気なのが野菜のステーキやロースト。
大きく切ったバターナッツかぼちゃのステーキや、カリフラワーステーキ、
ポートベロマッシュルームのステーキなどはメインディッシュとして人気ですし、
丸ごとカリフラワーのローストは、簡単でインスタ映えもすると大人気になりました。
それでは、日本でも今が旬のカリフラワーを使ったローストをご紹介します!
丸ごとカリフラワーのスパイスローストの作り方
材料
作り方
1 オーブンを180度に予熱し、オリーブオイルからソースまでの材料を混ぜておく。
2 カリフラワーを鍋に入れ塩を軽く振り、3cmほど水を入れて蒸し茹でにする。(大きさによるが7−8分、竹串がやっと刺さるくらいの硬さが目安)
3 蒸し茹でのカリフラワーを耐熱皿に入れ、1のペーストを全体に塗り、ナッツを乗せて予熱したオーブンで15分〜20分ローストする。
ローストしたカリフラワーはホクホクで甘く旨味があり、ナッツの香ばしさがアクセントになります。
カリフラワーは11月から2月が旬!
簡単でメインディッシュにもなるベジセントリックなローストカリフラワーはやみつきになること間違いなしです!
健康にも環境にもいいことだらけ!べジセントリックな食生活を始めてみよう!
温室効果ガス削減は、地球に生きる私たち一人ひとりが取り組まなくてはいけない緊急の課題です。
日々の食事で肉食を減らし、野菜中心に変えることは、私たちが今すぐに出来る温暖化対策になります。
環境にも健康にも良い食事を楽しく!それがベジセントリックなダイエット。
ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market
べジセントリックなダイエットの強い味方!IN YOUイチ押しサプリメント
抗酸化に注目したオーガニックサプリ「アロエビタミンCミックスラテ」【単品】|豆乳やアーモンドミルクに溶かして飲む美味しい健康習慣!Minery ミネリーラテシリーズ
¥ 10,500 (税込)
アルカリ性食品に特化したオーガニックサプリ「スーパーアルカリグリーンエナジーラテ」【単品】|豆乳やアーモンドミルクに溶かすだけの美味しい健康習慣!Minery ミネリーラテシリーズ
¥ 11,100 (税込)
薬膳キノコの力に特化したオーガニックサプリ「スーパーマッシュルームチョコラテ」【単品】|豆乳やアーモンドミルクに溶かすだけの美味しい健康習慣!Minery ミネリーラテシリーズ
¥ 9,300 (税込)
<1日200円の健康習慣!>ミネラルならこれ1つ。あなたの毎日が輝き始める無味無臭「飲むミネラル」 by Minery(ミネリー)カナダ原生林から誕生!重金属・農薬テスト済|たっぷり2.5-3.5ヶ月分でお得!【3個セット】
¥ 53,361 (税込)
こちらの記事もおすすめです!
日本は窒素で溢れかえっている!過剰な食糧輸入と肥料の投入で将来取り返しのつかない影響が出る?乳がんリスクも懸念される市販牛肉の裏側。毎日何気なく食べている肉に潜む恐ろしい真実とは
2019令和トレンドはこれ! いま欧米で大注目を集めるヴィーガンとパレオのいいとこどりのピーガンダイエットとは?
【参考】
※1:ミシュランガイド ”5 Wellness Food Trends To Watch”
※2:Vege-Centric:Year Three & Still on the Rise
※3:Water Footprint Network “Water footprint of crop and animal products: a comparison”
※4:IPCC “ Climate Change and Land”
※5:University of Oxford “Balanced plant-based diet improve our health and the health of the planet”
※6:Meatless Monday
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう