子育て成功のヒントがここに! 注目のシュタイナー教育流「子供の4気質」と気質別・育児の重要ポイント
子育て成功のヒントがここに!
注目のシュタイナー教育流「子供の4気質」と
気質別・育児の重要ポイント
主流または伝統とは異なる教育“オルタナティブ教育”の一つとして近年よく知られるようになった、「シュタイナー教育」。
IN YOUの読者の方であればご存知の方も多いと思います。
1997年の国連のユネスコ報告書で「21世紀の教育のあるべき姿を示す実践教育である」と
推奨された事で、一躍、世界中から注目が集まりました。
知識偏重の学校教育とは一線を画し、
幼少期から子供の想像力や感受性を育てることに重点を置いた教育方法で、
その目的は自己判断ができる人間を育てることにあります。
子供の成長ペースに合わせて育てることを主旨とし、
のびのびと自由に、そして自分で考え、感じ、行動できるようになることを目指すこの教育は、
まさに私が自分の息子に提供したい教育で、実際にスクールに通わせることに決めました。
シュタイナー教育とは?
オーストリア生まれの哲学者であるルドルフ・シュタイナー(1861〜1925)が提唱した教育方法です。
彼の思想体系は、教育学のみならず、社会学、経済学、医学、建築学、農業など、様々な分野に及びました。
シュタイナーは23歳の時に11歳半になる水頭症の男の子の家庭教師を依頼されました。
その少年は全く学習活動を受け付けられませんでしたが、シュタイナーは彼を編み物などの手仕事に取り組ませ、
手足を使った意志活動に集中した結果、わずか1年半で少年の頭は小さくなり、学校に受け入れられます。
その後、その少年は医者になりました。
シュタイナーはこのような経験と独自の人間洞察から、知的な経路を通じた学習は教育のほんの一部に過ぎないと考え、
感情や意志に働きかける総合芸術としての教育を構想していきました。
参考:日本シュタイナー学校協会 https://waldorf.jp/education/
1919年にドイツ南部のシュトゥットガルトに初めての学校を設立してからこの100年で、
現在世界中に1300校の学校が開かれており、特に多いのがドイツとアメリカ。
日本でも50を超える幼児教育施設があり、全日制の学校も7校あります。
私の住んでいるオーストラリアでも、50校を超える学校があり、うち6校は公立の学校となっています。
シュタイナー教育といえば、早期教育をさせない、テレビを見せない、キャラクターものを持たせない、
プラスチックではなく木のおもちゃを、等、色々と表面的なことが一般的によく語られていますが、
今回はシュタイナーが重視した4つの気質について取り上げてみたいと思います。
シュタイナー教育の基本となる、
子供の4つの気質
「4つの気質」という人間の見方は、医学の父と言われる
古代ギリシャのヒポクラテスまで遡ります。
ヒポクラテスは、「人間の中には、4つの異なった液体の流れがある」と考え、
それぞれの液体が、体の特別な部分と関係している事を見出しました。
同時期に活躍した高名な医者であるエンペドクレス唱えた四元素論に注目した、
ヒポクラテスは、この四元素を気質と結びつけました。
この4つの気質を教育論に持ち込み、教育において大切な基本は子供を理解する事であり、
そのためには気質の理解が大いに役にたつ、としたのがシュタイナーです。
シュタイナー教育では、
気質は人間が生まれながらに持っている個性と親からの遺伝との混合によって作られる、としています。
大人になると、特に教育者は、全ての気質をバランスよく併せ持つことが理想的ですが、
子供の場合は元々生まれ持った気質がストレートに現れます。
シュタイナーは、教育においては、気質を均一にすることが重要なのではなく、
発展しつつある気質を正しい軌道に乗せる事が大切であるとしています。
親や先生など子供の教育に関わる全ての人にとって、
子供の気質を理解する事は、子供を育てる上できっと参考になると思います。
あなたのお子さんに当てはまるのは? 子供の4つの気質の特徴
それでは、4つの気質それぞれの特徴をそれぞれの子供たちの
朝の登校風景を例にご紹介して見ましょう。
最初の子供がやってきました。
元気よく、早足で廊下を突き抜けます。力強い足音が響き渡ります。
先生の目を射るように見つめ、はっきりと大きな声で挨拶します。
「胆汁質(火)」の子供です。
二人目の子供が、落ち着いた足取りでやってきます。
のんびり歩いてきます。まどろんでいるような穏やかな表情で、
先生がいることに気がつかない事さえあります。
「粘液質(水)」の子供です。
次の子供がやってきました。
軽やかな春風の様な足取りです。いつも友達と一緒で楽しそうに話しています。
「あっ先生だ!」切り替え早く、爽やかに先生に挨拶をします。
キラキラした目でキョロキョロしながら目ざとく新しいものを発見します。
「先生、昨日髪切ったでしょう」
多血質(風)の子供です。
最後の子供がやってきました。
遠くから、教室の入り口の様子をじっと観察しながら、慎重な足取りで歩いてきます。
いつも何か考え込んでいるのですが、それを周りに気づかれない様気を配る、とても繊細な子です。
注意深く、慎重に先生に挨拶します。
憂鬱質(土)の子供です。
「胆汁質ー火」の子供の特徴
・怒りっぽい
・しょっちゅう雷を落とす
・燃える炎のように勢いよく行動する
・最悪の場合は火山を爆発させて周りの人に当たり散らす
・好き嫌いが激しい
・言いたい事ややりたい事は押し通す
・声が太くて力がある
・革命家のような人
・わがままでやんちゃでガキ大将タイプ
「多血質ー風」の子供の特徴
・朗らか
・人懐っこく、誰にでも愛嬌を振りまく
・じっとしていることが苦手
・好奇心が強く、あちこち動き回って、片時も一箇所に止まろうとしない
・パーティや宴会の盛り上げ上手なお調子者
・部屋を片付けるのが苦手
・おっちょこちょいで軽はずみなところがある
「粘液質ー水」の子供の特徴
・のんびり
・いつも穏やかで静か
・平穏な状態を好みむ
・湖岸に寄せては返す波のように、いつも同じ状態でいたがる
・大好きな事は毎日繰り返しても飽きない
・長い時間かけてする事が好き
・外との関係がゆっくり
・外から入ってくるものは楽しいけれど、ゆっくりじっくり味わう
・体型は下に向かって丸みを帯びた涙型が多い
「憂鬱質ー土」の子供の特徴
・生真面目
・よく考え、石橋を叩いて渡るように行動する
・安心して仕事を任せられる
・いつも几帳面で整理整頓を心がける
・約束した事は必ず守る
・体を硬く重く感じる事が多い
・深く感じ、深く考える事についてはこの気質が一番向いている
・昔あった事をよく覚えている
・数に強い
・物事をコツコツやる
・何かあると傷つきやすい
・外の世界から自分の世界へ入ってくるものをあまり楽しいとは感じない
4つの気質の関係性
「多血質(風)」と「憂鬱質(土)」は向かい合っている対極のものです。
「胆汁質(火)」と粘液質(水)も対極です。
たいていの人は、一つの気質のみを有しているのではなく、隣り合っている気質は合わせ持っています。
ですが、対極にある気質はない傾向にあるのだそうです。
気質が病的に偏ると、
例えば胆汁質の人の場合は青年期に自分を抑制できずに、怒り狂って自我を刻みつけるという等の危険があり、
多血質は気まぐれになり、ひいては感性の波が打ち寄せ、狂気になる危険性があります。
粘液質は外の世界に無関心になり、ひいては愚鈍、白痴になる可能性を秘めており、
憂鬱質は自分の内面に立ち上る暗い気分を乗り越えられずに、狂気に陥る可能性があります。
参考:『人間の四つの気質』 ルドルフ・シュタイナー
参考:『4つの気質と個性のしくみ』ヘルムート・エラー
シュタイナー教育による、
子供の気質別、家庭で出来る「子供の導き方」のヒント
それでは、この気質をどのようにしたら正しい軌道に乗せることができると
シュタイナー教育では考えているのでしょうか。
基本的には、その子の気質をまず、そのまま受け入れることが大切です。
つまり、抑えたり、変えようとするのではなく、その気質を十分に放出させ、満足させることです。
放出すると収まって落ち着いてくるとされています。
また、親や教師は子供の気質を見抜き、その子と同じ気質になって接する事がいいとしています。
例えば、憂鬱質の子供には優しく接し、胆汁質の子供には時に権威的に接する事が必要だと
シュタイナーは伝えています。
以下に、家庭で出来る具体的な方法を挙げていきます。
①胆汁質の子供の場合−尊敬出来る親になる
胆汁質の子供は尊敬できる人を求めています。「先生や親は、物事を理解している」と信頼していることが大切です。
大人は色々な事が出来ることを示し、
子供の前で父親が母親の料理の腕を褒めたり、母親が父親の修理の腕前を褒めたりして、
両親が互いに認め合う姿を見せると、子供の中に両親に対する尊敬の念が生まれます。
胆汁質の子供は、エネルギーを持て余している傾向にあるので、体をたくさん動かすようなことをさせましょう。
②多血質の子供の場合−飽きさせない工夫をする
いつも朗らかで笑いの絶えない家庭が理想的。その子に何が欠けているのかではなく、何を持っているのかに焦点を当てましょう。
飽きっぽいので、飽きさせない工夫をしましょう。
子供を立派な人物と一緒にいさせると、その人への興味を通じて、長続きする興味が湧きます。
興味を持つものを子供の周りに置き、それを一旦取り上げて、欲しがるようにしてから、再度与えてみましょう。
また、色々なものを見るのが好きですがすぐに飽きてしまうので、
例えば一つの絵をしっかり見せたら何が見えたか聞いて見ましょう。
子供は、自分が特に興味があるものを見つけて話し始めます。
全部見た、と子供が言っても見落としているものを指摘し、もっとじっくり観察するように誘導しましょう。
これを繰り返し練習することによって、新しい興味を見いだす事ができるようになります。
③粘液質の子供の場合−マイペースさを理解する
粘液質の子供にとっては特に、遊び友達がいることが重要です。ゆっくりした歩みであっても、着実に成長を続ける子供であることを信じましょう。
日常的な取り組みとして、粘液質の子供は朝できるだけ早く起こして、マイペースに支度ができるようにします。
「早くしなさい」と急かす事がないように時間をたっぷりとってあげましょう。
また、朝はお湯よりも冷たい水で顔を洗わせます。新鮮な冷たい水が
のんびりした粘液質の子供の目覚めを助けてくれるでしょう。
④憂鬱質の子供の場合ー広い世界に目を向けさせる
まず親自身が辛さや悲しみ、苦しみを自分のこととして体験している事が大事です。子供が悲しみや痛みを訴えてきたら、子供の身になって受け止めます。
でも、十分なぐさめてあげた後には、この世にはもっと大きな苦しみがある事を心を込めて話して聞かせ、
外の世界に目を向けさせましょう。
シュタイナーは、授業で取り上げた様々な出来事や状況についてどう思うか、
特に憂鬱質の子供に聞いて見ることを勧めています。
じっくり考える事ができる小さな哲学者。
年齢に合わせた色々な出来事について彼に尋ねてみましょう。
この取り組みを続けると自分の殻に閉じこもって一人で悩み続けたりせず、
周りに興味を持ち、自分を開くきっかけになります。
思春期を迎えたら、偉大な人物の生涯について学ばせます。
参考:『4つの気質と個性のしくみ』ヘルムート・エラー
参考:『人間の四つの気質』ルドルフ・シュタイナー
子供の気質を理解し、正しく導いてあげれば
子育ては成功する!
我が家の場合、息子はかなりの割合で「多血質」を持っていて、とにかく新しい人との出会いが好きそうです。
怖気付く事なく、話しかけていく性格です。
そこに最近、「胆汁質」的な傾向も出てきているかなあと思っています。
私自身も恐らく「多血質」的な傾向が強く、子育て上での相性としてはとても良さそうですが、
飽き性であることは間違いなさそうなので、まずは私自身が彼の考える立派な人物となれるよう、
そして、今のところ大好きである音楽を習い始めながら、細部に注意を払うよう促していこうと思っています。
日本ではシュタイナー教育を行うスクールは、学校法人として認められていない場合もあるので、
教育上の選択肢から外してしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。
いい学校を出て、いい点数を取って、いい大学に入って、いい会社に就職する。
そのために小さなうちから詰め込み教育を行う。
そういう方法もあるかもしれません。
でも、それだけが本当に幸せな道でしょうか?
今はそうでないとに気がついている人も沢山いるのではないでしょうか。
子供自身の生まれ持った個性を見抜き、
それをのびのびと自由に最大限に伸ばしてあげる。
私は、その為にはシュタイナー教育は最適な教育方法だと思っています。
「とらわれない自由な精神を持った人間を育成する」
これがひいては健康な社会を作る事ができるとシュタイナーは考えていました。
誰もが健全に過ごすことが出来る社会を作り上げていくためにも、
大切なお子さんの個性を潰してしまうことがないよう、
皆さんもご自身の気質、そしてお子さんの気質を参考にしながら
大事に導いてあげてくださいね。
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