子供の想像力を培うシュタイナー教育。シュタイナー幼稚園での取り組みを活かした、おうちで出来る遊びとは?
小さなお子さまをお持ちのお母さんの子育てって、
保育士さん以外はいきなりやって来る大仕事だなぁと常々に感じます。
ルールもなく、子育ての柱となるような育児法は、
母親である自分がその都度決めて、実践していかなければいけなりません。
私も、夢のような妊婦生活からいきなりハードな子育てに取り掛かった時は、
世の中の「お母さん」はみんなこれをやって来たのかとえらく感心しました。
そして、保育園や幼稚園選びも大変です。
2019年10月から行われるという幼児教育無償化に向けてか、
私の住む地域ではあちこちで幼稚園が出来ています。
私は昨年、仕事を本格的にするには下の1歳の娘をどこかに預けなければいけないと、
色々と園を探しましたが、私が思うような預け場所はなく断念しました。
それぞれの園の特色としてアピールしている事は、早期教育がやはり多いです。
今は何でも早い内に取り掛かる方が良いとされているのですが、果たして本当に?
現実、知的な事を知っている若者はたくさん居るけれど、
健康な心の状態の人が溢れているかと言えば、そうであるとは言い切れません。
幼児期にしか感じ取れない事、年齢に沿ったその時に本当に必要なことがあると思うのです。
それをすっ飛ばしてしまうと、大人になってから支障をきたすこともあるのです。
では、幼児期に合った事とは、何なのでしょうか?
シュタイナー幼児教育では、大人が出来る事として、
この幼児期には衝撃的な事や知的なことは遠ざけるようにします。
また、子どもの想像力を発揮できるような遊びに、導いてあげられる環境に整えてあげたり、
毎日のリズムや四季のリズムも大切にします。
すぐに真似をする子どもにとって、
大人自身も言葉使いや朗らかな環境や日々の暮らしが重要になってきます。
そして、小さい頃に培った想像力は、
その子が大人になって何かの壁にぶつかった時に湧いてくるアイデアにつながるというのです!
私には、もうすぐシュタイナー幼稚園を卒園する息子がいるのですが、
この3年間に学べた事がとても多く、
一緒に暮らしを楽しむ事が出来、本当に良かったなぁと感じます。
今回は、幼稚園での遊びを真似て、家で遊んできた事などを紹介します。
現代を生きる人の心の状態は?
ストレス社会と言われる現代人の心は健康でいられているのでしょうか?健康な心の状態とは、「生き生きと自分らしく生きる」ということです。
しかし、現代社会では、この目標を設定できない人は大勢います。
中には、「自分らしく」ということさえ、分からなくなってしまう人もいるほどです。
では、自分らしく生きるとは?
・自分の人生の目的や意義を見出し、自ら自分の人生に積極的に関わろうとすることが出来るか?
・失敗を次に活かせる意欲があるか?
・自分の感情に正直に反応し、素直に表現できるか?
本当は泣きたいのに笑顔でごまかしたりするなど、
自分の気持ちを素直に表現できない場面が多くなると、私たちの心は疲れてしまいます
・社会でのコミュニケーションが出来るか?
集団の中で自分の居場所を築けることが重要となってきています。
自分が誰かを必要とし、そして誰かも自分を必要としてくれるように良好な人間関係が築けると、
社会的な健康状態を保つことが出来ます。
参考: 『こころのこくばん』
これらの状態は自己肯定感が高まると、
自然と「生き生きと自分らしく生きる」ということに繋がっていくのではないのでしょうか?
シュタイナー幼児教育とは?
シュタイナーは、「人間は本来どのような存在で、どのように生きるべきなのか」について考え、ひとつの世界観を構築した哲学者であり思想家です。
シュタイナー教育とは、発達期に応じた身体と心の調和によって社会における自己実現を可能にする教育です。
子どもの活力を呼び起こし、
健全な身体、健全な魂にやどる個性の誕生の準備を整えてあげることが大切と考えます。
参考文献: 『家庭でできるシュタイナーの幼児教育』ほんの木「子どもたちの幸せな未来」編
参考文献: 『シュタイナー幼児教育手帖 復刻版vol .1』日本シュタイナー幼児教育協会
シュタイナー教育と聞けば、テレビを見せないなど厳格な何かイメージがあると思います。
ですが、私は生きるにあたって、
本当に必要な事を教えてもらっているのだと、息子を幼稚園に行かせながら感じていました。
今は世の中に情報や物がたくさんありすぎて、
シュタイナー幼児教育の考え方に沿うのは、毎日の自分を少し正していけなければ難しいのかも知れません。
だけど、人間誰しも成長していかなければならず、
人間本来がすべき事として、子どもを通じて暮らしの中で分かりやく学べているのではないかと思います。
幼児期について
この時期の子どもは、外見上は完成されていますがこの肉体に不完全な所がたくさんあります。
どの内臓器官もまだその特徴的なフォルムに形づくられていません。
体の動きに関しても、まだ大雑把で、混沌とした無意識な動きが見られます。
また、神経―感覚器官の領域は大きく開かれています。
子どもの課題は、これからの6~7年間で自分の体を内側からつくりあげ、
学齢期までに細部にわたるまで形成することです。
つまり「身体の器官の形成が完全に終わり成長力だけが残ったときに、
身体を役に立つ道具として使えるようにする」のです。
参考文献: 『シュタイナー幼稚園の遊びと手仕事』
0歳から7歳までは体の中の臓器をまだ作っているというのです。
お母さんのお腹の中にいる間だけ体を作っているのではなく、生まれてからもそれは続いていて、
体作りのエネルギーが頭の方に向くと、幼児期の体作りがきちんと行われなくなるというのです。
この時期、衝撃的なものも避けます。
例えば、テーマパークは大変楽しい場所ではありますが、
0歳から7歳まではまだふさわしくないと考えます。
視覚的にも、衝撃的な物を早い段階から受け取ってしまうと、
この世界の微細なものを受け取れにくくなってしまうからです。
例えば、散歩の道中で見つける自然のかけらや、
そこに住む小さな生き物などは、子どもの方が大人よりいち早く見つけたりします。
まずは、微細なもの充分受け取ってからと考えます。
シュタイナー幼稚園での取り組み
幼稚園は大きな家族
幼稚園は大きな家族のような存在になります。誰かがお熱で休むとみんなで心配し、
誰かの弟や妹が産まれてくるとなると、みんなでその事を心待ちにし、
子ども達にとって、園は家族の次にとても近い存在のようです。
自由遊び
◎遊び紐、色んな色の布息子が通うシュタイナー幼稚園では「遊び紐」といって、
綿糸を編んだ2cm×3mくらいの長い紐が何本も置いてあります。
これを色んな用具にくくりつけたり、布を縛って服やドレスに見立てたりします。
◎木のついたてや板
すのこのように裏に引っ掛かる所がある板やついたてがいくつもあって、
これを子ども達はお家にしたり、すべり台にしたり、船になったりと自分たちで毎日変化させ遊んでいます。
初めてその光景を目にした時は「子どもたち自身が遊ぶ遊具を作れるなんて!」と、驚きでした。
◎自然素材の道具や木の実など
自然素材のおもちゃは、子どもの器官の形成力を強める働きがあるそうです。
松ぼっくりやどんぐり、とちの実、くるみなどは色んな物に変化させて遊びます。
外遊び
園内ではお砂場、丸太に板を乗せたシーソー、縄跳びや、竹ぽっくりなどで遊びます。たまに綱引きなどをすると園児みんなで盛り上がります。
外遊びはお散歩に出かけ、四季折々の草花や虫たちを見つけて喜んでいます。
給食
有機野菜や無農薬野菜など、素材に気をつけて給食を作って下さっています。息子が通う園では、お味噌汁は昆布やしいたけの出汁さえもない、
野菜だけでの旨味を活かしたお味噌汁なのです!
野菜を小さく切り、お鍋の中で蒸し煮してから水を入れます。
この野菜を切る作業も、したい子はお手伝いにやってきます。
これがまた本当に美味しい。
お味噌汁があまり好きでなかった息子が園では食べてくるのです。
昆布もしいたけも使わない野菜スープのようなお味噌汁。
元気いっぱいの子どもには良いのかもしれませんね!
おやつ
果物やレーズンなど、素朴なものをみんなで分け合って、少しずついただいているようです。お祭りの時などは、先生や子どもたち、お母さんがクッキーなどを作ったりもします。
家での遊び
テレビを見ない
テレビを見ないという事は、ひとつの大きなハードルのように思います。家の中で当たり前に点けてあったら子どもは見たがるし、こちらも用事が進みます。
でも、テレビの画像を受け取る時間が、子ども自身が行う自分発信の遊ぶ時間に変わったら…
毎日あらゆる想像を働かせて遊びを考え出します。
小さい頃に培った想像力は、その子が大人になって、
何かの壁にぶつかった時に湧いてくるアイデアにつながるというのです!
いろいろなおもちゃ
◎色んな色の布やで遊ぶ木綿や絹の自然素材の布を置いておくと、色んなものに変身させてよく遊んでいます。
丈夫そうな紐を見つけたら即、何かにつなげて遊んでいます。
椅子と椅子の間を紐でくくりつけて布をかけ、お家や乗り物に見立てて遊んでいます。
◎自然素材の小物で遊ぶ
お散歩の道中で拾った木の実や石、お友達からもらった貝殻や家にある豆などがあります。
本物の自然素材はお台所遊びに活躍します。
◎いらなくなったキッチン用品を使う
いらなくなったキッチン用品を少し手直ししたり、
スプーンやお箸などを使ったりして子どものおままごとに使っています。
わざわざ買う必要はなく、少しずつ増えていきます。
◎お人形
坊主人形といって、柔らかいガーゼの布で簡単に作ったお顔のないお人形は、どんな表情も想像出来ます。
◎お裁縫
お裁縫を始めたら、すぐにうちの息子は「僕もする」と、寄ってきます。
自分で出来るお裁縫のひとつで、園で教えてもらった「小さいフェルト通し」があります。
私は、子どもが3歳くらいの頃は毛糸のとじ針くらい太い針でさせていましたが、
今は刺し子の針でさせています。
どんな色の組み合わせでも楽しいものが仕上がります。
大人が子供にしてあげられること
リズムを感じさせる
シュタイナー学校の先生が教えて下さる事の中に、特に気をつける事として「リズム」があります。毎日の暮らしのリズム、季節のリズム。
朝起きて、ごはん、遊び、お風呂など、
毎日決まった時間にリズムある暮らしをすると、子どもは安心するといいます。
春、夏、秋、冬の季節を一緒に感じられるように、
家の飾りを変えたり、一緒に草花を積みに行ったりもします。
こういう行為は、子どもと自分自身にも新鮮な気持ちを与え、
四季のリズムも感じさせるので良いなと思っています。
また、呼吸もリズムですが、
自分が感情的になってしまって呼吸が乱れてきたら、穏やかな呼吸を意識します。
この穏やかな呼吸が子どもにとって、とっても重要なのだそうです。
子どもを包み込むような優しさで
子どもは模倣して、大人のしている事をすぐに真似ます。ほうきで掃く、洗濯物を干す、アイロンかけ、木を切ったりかなづちで叩いたり…。
大人がいろんなことを繰り返すだけで、
子どもたちは自分の成長のために無意識に探している模倣の対象を見つけます。
参考文献: 『シュタイナー幼稚園の遊びと手仕事』
この間、下の娘が上の息子の頭を桶で叩いた時に、「このお手てダメです!」と言って、
娘の手をピシャリと叩いてしまいました。
が、すぐに幼稚園の先生が言ってらっしゃった事を思い出しました。
それは、以前手を出してしまった息子に先生が優しく息子の手を触り、
「優しいお手てになってね」とさすってくれていた時の出来事を。
荒々しい感情になっていても、優しく触れられると感情も落ち着いてくる。
大人である自分に置き換えても、穏やかな気持ちになっていくことが分かります。
「怒られて怖いからその行為をしない」ではなく、
そうなってしまう事もあると認めてもらっているような、包んでもらっているような感覚。
そうして私はその出来事を思い出したけれども、
もう遅くて上の息子は下の娘が何かするたびに、手をピシャリと叩くようになってしまったのです。
子どもにこういう事を植えつけてしまった!と、反省したのでした。
まとめ
これは、自分自身にも言い聞かせるまとめとして…・子どもを包むような気持ちで見守る。
・一緒に自然を通して触れ合いがら四季を感じる。
・暮らしを一緒に体験する。
(食べ物の良し悪しも子どもに影響します。子どもこそ敏感に感じ取ります。)
・真似されてもいいような自分になる。
・そして、子どもの想像力を発揮できるような環境を作る
このような事の積み重ねが健康な心の状態の基盤となるのではないでしょうか。
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