手術をしても再発が多い潰瘍性大腸炎|起こしやすい体質と対策を東洋医学から考える
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・潰瘍性大腸炎と診断されてから良い時悪い時を繰り返す。
・下痢と腹痛を繰り返す。
・微熱が続いて身体がだるい。
このような症状に思い当たりはありますか?
国から難病指定もされている潰瘍性大腸炎は、
投薬などの治療を開始しても思うように治らないのが特徴です。
また、ずっと悪いわけでなくマシになる時もある為、油断しやすくもあります。
こちらでは潰瘍性大腸炎の根本的な改善を目指して、
東洋医学から見た原因と対処法について書いています。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は結腸から直腸粘膜にかけて、慢性的に炎症が起こる難病です。
粘膜には炎症の特徴である
◆ 発赤
◆ 出血
◆ 潰瘍
などが見られます。
潰瘍性大腸炎の主な症状は、
下痢と血便ですが軽症では下痢は回数も少なくなります。
重症化すると、
◆ 下痢の回数は非常に多い
◆ 水様で血便
◆ 発熱
◆ 食欲不振
◆ 体重減少
・・・などの症状があります。
下痢の回数は1日に3回以上になると多い方で、
夜間就寝してからも排便のため、目が覚めるようなら重症と言えます。
腹痛は比較的軽く、排便の前は強い痛みも排便後は軽快します。
潰瘍性大腸炎は病変範囲および重症度に応じた内科的治療が中心となるため、
発症早期の的確な診断および病態把握は非常に重要である.
~潰瘍性大腸炎の診断~ 久部 高司、他2名
基本的には内視鏡などで目視できますが、どの程度の状態なのかを把握することが重要です。
また調子のいい日だと、
強い症状は見られず軽症と判断されることもあります。
診察を受けるときには胃腸科などの専門性の高い診療科目があるか、
ホームページなどで潰瘍性大腸炎の説明を書いている病院を選びましょう。
西洋医学での潰瘍性大腸炎の治療法
現在主流の治療法
現在の潰瘍性大腸炎の内科的治療はサラゾピリン(炎症を抑える)
副腎皮質ステロイド
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
を主体とする投薬が中心となります。
安静を心がけて、ストレスを減らすために精神面のゆとりをもつことや、
大腸の負担となる線維の多い食事や牛乳を避けることが指導された方も多いのではないでしょうか?
重症度が上がってくると
投薬治療では効果が薄く
癌化
大出血
穿孔
などが認められる場合には緊急手術となります。
手術では問題となっている部分を切るので一時的にはマシになりますが、
再発しやすいのが潰瘍性大腸炎の特徴です。
炎症を主体とする病気は全般的に言えることですが、原因を解消しないことには何度でも再発します。
外科手術はそれなりの効果があったとしても再発を予防することはできません。
東洋医学での潰瘍性大腸炎の対処法
東洋医学から見れば潰瘍性大腸炎による同じ症状でも原因は別にあると考えます。例えば、同じ下痢症状でもいくつかの要因が複雑に絡み合って生み出されているものだと考えます。
そもそも下痢を起こすということは大腸が弱っているとは限らずに、
大腸に過大な負担をかけている可能性があるからです。
潰瘍性大腸炎を起こしやすい「脾胃気虚」とは
特に大腸に負担をかける病的状態が東洋医学で「脾胃気虚(ひいききょ)」と呼ばれるタイプです。脾胃とは消化器機能全般を指しますが、
それら消化器系の機能が弱まっている状態が「脾胃気虚」です。
この場合は下痢以外にも、
食欲がない
お腹が張る
胃もたれする
などの不調も現れます。
逆を言えば、
もともと胃腸が弱い人は潰瘍性大腸炎を患いやすいと言えます。
東洋医学では、軟便や下痢が何回も続くという症状は脾胃気虚の代表的な症状です。
ここでポイントとなるのですが、
脾胃気虚には、激しい炎症や腹痛は見られないということ。
つまり、胃腸が弱いだけでは潰瘍性大腸炎にはならないのです。
根本的な原因「湿熱」
あくまで炎症や腹痛などの激しい症状は多くの場合、湿熱が加わっています。
湿とは排泄されない老廃物で余分な水分です。
脾胃気虚などによって生み出されやすい病的物質と考えられていますので、
健康な身体であれば湿は排泄されます。
ですが、
◆ 暴飲暴食
◆ ストレス
◆ 水分不足
などによって湿が熱を帯びて湿熱となるのです。
湿熱が溜まってくると朝起きたときに、
◆ 口の中の粘り
◆ 口の中の苦み
◆ 身体の重だるさ
などが現れます。
身体に老廃物が溜まっていると色々なところから排泄されだすので、
体臭や口臭なども身体に溜まった老廃物が排泄されているからと考えられています。
さらに熱が身体に溜まると出血も起こります。
老廃物の多くは尿や便から排泄されるので、
熱が溜まっている状態だと粘血便の症状が現れます。
そして熱の発散は主に汗や呼気から行われます。
そのため潰瘍性大腸炎の改善には炎症を抑えることも重要ですが、
炎症の原因となる老廃物や熱の発散を行うことが重要です。
熱や等廃物を排泄して潰瘍性大腸炎の根治を
基本的には症状が激しく出ている場合はそれらを抑えることが重要ですが、ある程度は症状が鎮まってきた段階で根治療法を開始しましょう。
潰瘍性大腸炎の根治療法は
脾胃気虚の解消
↓
老廃物の排泄
↓
熱の発散
の順番になります。
そもそも消化器系の機能が高ければ湿(老廃物)は溜まりませんし、
湿がきちんと排泄されていれば湿熱は起こりません。
さらに熱だけでも発散されていれば炎症は起こらないからです。
消化機能を高めるためには甘みのある野菜が欠かせません。
甘味は悪者のように言われることも多いですが、
でんぷん質が分解されて引き出される甘味は胃腸の機能を高めるのです。
キャベツなどでも越冬キャベツというブランドではイチゴと同じくらいの甘味があると言われますね。
ジャガイモでもインカの恵みなどの種類は強い甘味があり胃腸の機能を回復します。
基本的にでんぷん質の多い
ジャガイモ
トウモロコシ
かぼちゃ
サツマイモ
などが胃腸の機能を回復します。
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おすすめの漢方薬
次に身体に湿が溜まってしまった時にはハト麦
が漢方でも用いられます。
ハト麦茶は有名になってきましたが、最近ではハト麦ごはんなども人気です。
炎症が強い時には一時的にステロイドも検討する必要がありますが、使いたくない人には漢方薬もおすすめです。
黄連解毒湯
普段から刺激物・脂っこいもの・甘いものをとり過ぎる傾向があり、
口内炎や赤みのある皮膚炎、鼻血などがある人には
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)がおすすめです。
身体を冷やして熱をとることで炎症を鎮めます。
半夏厚朴湯
また、熱の原因に精神的ストレスが思い当たる方には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)がおすすめです。
炎症の症状は認められるが病院での検査では異常が見つからない人にはおすすめです。
特に
・喉に何かつまった感じがする方
・乾いた咳が多い方
・運動不足
・ストレスが溜まりやすい方
などにおすすめです。
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炎症が治まってきてから
また、炎症が治まってきてからの根治療法として重要なのは湿熱の発散です。
基本的には汗をかいて水を飲み尿を出すのが鉄板で、
一日に七回は尿を出せるように水分を摂りましょう。
カフェインなどの利尿作用があるものを飲んでも構いませんが、
尿を出した以上に水分を摂らないと身体が水分不足になるので気をつけましょう。
最新の論文ではコーヒーの老廃物を排泄する作用に注目が集まっており、
炎症を鎮める作用も報告されています。
そのため、一日に3~4杯までのコーヒーは老廃物の排泄に有効とされます。
ですが、妊婦の方や医師から制限を受けている人は注意されてください。
汗は流れるほどの汗をかかなくても、うっすらと汗ばむ程度で十分です。
そのため、普段の歩きを早足にするだけでも効果がありますよ。
可能ならサウナなどで汗をかくよりも全身を動かして汗をかくとより効果的です。
まとめ
潰瘍性大腸炎は何度も大腸に炎症が起きて腹痛や下痢を起こします。炎症を鎮めるだけなら投薬でもある程度の効果は上がりますが、根本的な解決にはなりません。
潰瘍性大腸炎を再発させないためには湿熱の原因を取り除き炎症が起こりにくい身体にしましょう。
基本的には老廃物の排泄を促し熱を発散させるために、水分をとって汗をかくのが基本です。
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