美味しそうな「こんがりきつね色」は老化へ進む階段です。恐ろしいAGE(エージーイー)を作り出す糖化メカニズムとは
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美味しそうな「こんがりきつね色」は老化へ進む階段です。恐ろしいAGE(エージーイー)を作り出す糖化メカニズムとは
「年とったな」と思う瞬間はありますか?
筆者は肌のくすみや、寝ても体の疲れがとれにくい時に感じております。
20歳ごろと同じ肉体ならいいですが、実際は誰しも同じように年を重ねていき、老化しますよね。
IN YOU読者の皆さんは日頃かオーガニックにこだわっていると思うので、
オーガニックの力も借りてできればいつまでも年相応よりも若いと言われたいものではないでしょうか。
今回はご自分や家族のために老化のメカニズムを知り、10年後、20年後への食生活改善の一助になればと思います。
老化って何でしてしまうの?AGEと糖化の仕組み
人の老化について2009年に発表された研究によると老化の75%は環境的な要因によるものであり、
遺伝子的な要因は25%に過ぎないこと、さらに見た目年齢の若い人ほど、寿命が長いこともわかっています。
これによると私たちは環境と生活習慣を改善すれば老化(糖化)を食い止められることがわかります。
糖化とは血液中のブドウ糖が細胞や組織のたんぱく質と結びついて変化・劣化させてしまう現象のことをいいます。
この糖化について初めて着目したのはフランスのメイラード博士で、博士の名前をとって「メイラード反応」とも呼ばれています。
彼が1912年にアミノ酸(たんぱく質)とブドウ糖を混ぜて加熱すると2つが結合し褐色に変化することを証明しました。
「糖化」=たんぱく質×糖質×熱
さらにこの現象は「こんがりときつね色」に焼きあがったホットケーキに似ています。
フライパンで加熱することによって、材料の砂糖が小麦粉や卵のたんぱく質と結びつき「こんがり」「もっちり」変質することです。
まさに体内でも同じ理論が起きています。
美味しそうに感じるかもしれませんが、これこそが糖化であり、老化をまねく現象なのです。
人間の主要な組織はたんぱく質で構成されていますし、人間は毎日ごはんやパンをはじめとする糖質を摂取しています。
よって生きているかぎり、糖化は免れません。
悪玉物質AGE(エージーイー終末糖化物質)は40歳をさかいに恐ろしさを増す
ここまでの糖化については健康意識の高いIN YOU読者のみなさまならご存知の方も多いかもしれませんが
ここからは糖化のメカニズムの中で発生する「AGE」(エージーイー)と呼ばれる恐ろしい悪玉物質についてふれていきます。
AGE(エージーイー)とは
体温と血液中のブドウ糖によって人体の中のたんぱく質がじわじわ劣化・糖化していき、最終的には「AGE=Advansed Glycation End Product(終末糖化物質)が発生します。
AGE(エージーイー)は「終末」という名前のとおり一度出来上がるともうそれ以上分解はされません。
さらにAGEはそれ自体毒素を持ち、長期間体内に居座る恐ろしい悪玉物質なのです。
大半は尿とともに体外に排出されますが、特に40歳頃をさかいに蓄積されやすくなると言われています。
血液中にブドウ糖はある以、上AGEは体内でつくりだされ、細胞内のDNAを傷つけていきます。
加えてたんぱく質はそれぞれの臓器や組織で必要な形につくりかえていく役割をしていますが、その工程にもAGEは邪魔をしてくるのです。
AGEがもたらす体への悪影響
コラーゲンへの破壊
体内の組織の弾力や柔軟性を維持するための組織に「コラーゲン線維」があります。
コラーゲン線維は新陳代謝のテンポがゆっくりですべて入れ替わるのに十数年かかるといわれています。
そのためコラーゲン組織にAGEが発生するとなかなか排せつされず、多量に蓄積していきます。
コラーゲン線維同士は生理的架橋と呼ばれるものでつながっているために弾力やハリを保つことができています。
そこへAGEが入り込むとコラーゲン線維の新陳代謝がストップしてしまい肌の弾力やハリが失われてしまう原因になっているんです。
ほかにもしわやたるみ、ほうれい線などの原因もこの現象によるものです。
変形性関節症(リュウマチ)、動脈硬化、心筋梗塞、がんにも深く影響している
コラーゲン線維は骨の内部にも張り巡っており骨の粘り強さを保つ役目を果たしています。
これがAGEによって劣化すると骨が弱くなります。
骨のカルシウム吸収と新陳代謝をさまたげて骨粗しょう症を悪化させたり、関節軟骨に蓄積すると膝や股関節が痛んで「変形性関節症」(リュウマチ)を引き起こしたりします。
さらにコラーゲン線維は血管の働きも支えています。血管は酸素と栄養を届けるために全身にくまなく張りめぐらされた器官なのでAGEによる血管の劣化は多くの影響があります。
血管そのものがもろくなったり、血液中のLDLコレストロールを運搬するたんぱく質の糖化も招いたりします。
この2つが合わさると「動脈硬化」を引き起こします。
この他にも免疫細胞の糖化による免疫機能低下、歯周病、白内障、アルツハイマー等々もこのAGEが深く関係がある可能性があるといわれています。
もうここまでくるとこのAGEが憎くてたまりませんね。
でもこれだけではありません。
食品自体にもこのAGEが含まれていたり、調理法によってAGEが増加することも知っておきましょう。
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AGE値が高い食品と低い食品
摂取を控えたい食品と調理法
食品別のAGEの摂取量としては、肉が最も高く、その次に、植物油、チーズ、魚が続きまます。
穀物、卵、果物、豆類、牛乳、ナッツ、イモ類、野菜などの食品は、一般的にAGEの含有量が低いと分かりました。
魚より肉のほうがAGEの含有量が高く、さらにソーセージなどの加工食品にも多い傾向があることがわかっています。
調理法でもAGE含有量が変化します。普通なら食欲をそそる「こんがりきつね色」の食品が一番危険です。
生の鶏肉のAGE含有量を1とすると、
煮る=1.46倍
焼く=7.5倍
揚げる=9.6倍
とこんなにも変化していきます。
調理法による結果の差の研究は比較的最近のものなで、残念ながら病気を予防する目安となる、安全で最適なAGE摂取量は公式にはまだ定義されていませんがですが
炒めたベーコンは1日の目安AGE摂取量を超えるとも言われています。
『Journal of The American Dietetic Association. 104. 1287-91, 2004』
高温でのこんがりがよくないので、ステーキよりしゃぶしゃぶ、鶏のからあげより蒸し鶏にして食べる習慣をつけたいですね。
「煮る」「蒸す」、「茹でる」といった加熱法や短時間の加熱、低温での加熱、レモン汁や酢などの酸性成分の使用で抑制されることもわかっています。
AGEは口から入ると約10%が吸収され、そのうち6~7%が体内に蓄積していきます。
微量とはいえ20年、30年経てば老化の差になってあらわれるでしょう。
記載した高AGE含有食品と調理法の組み合わせに気をつけて食生活を送りたいものです。
糖化・老化防止のためにとりたい食品
糖化を防ぐ食生活の基本は血糖値を必要以上に上げないこと。
血液中の過剰なブドウ糖は次々とたんぱく質と結びついてしまいます。
ですから無理のない範囲で糖質は制限したいところです。
またブドウ糖がエネルギーに消費されるように代謝を高める「ビタミンB1」を積極的に摂取することも大切です。
※ビタミンB1は豚肉、きな粉、大豆食品、うなぎ、ごまに多く含まれます。
「ビタミンB6」には体内のAGEを低減したという研究結果もあります。※ビタミンB6は牛肉、鶏肉。かつお、にんにく、赤ピーマン、くるみ等に多く含まれます。
さらに日本茶に含まれるポリフェノールの一つ「カテキン」にもAGE低減効果があることがわかっています。
ということで、AGE低減効果のある「ビタミンB1」・「ビタミンB6」・「カテキン」の組み合わせで一つレシピをご紹介です。
有機豆乳200mlに粉状にした有機の茶葉をスプーン1杯かきまぜるだけの「カテキン豆乳」
有機粉茶はスーパーでもたくさんありますので簡単に手に入りますし、手順も簡単なので毎日でも飲めそうです。
この手軽さで老化・糖化予防できるのであれば嬉しいですね。
筆者も試しましたが少し苦味がありますが飲みやすいです。
ちなみにこの季節は寒いので、有機豆乳を人肌に温めてから粉茶をいれて飲むと体も温まってオススメです。
苦いからといって「砂糖」加えて飲んでしまっては本末転倒ですので気をつけてくださいね。
血糖値を下げる意外な飲み物
さらに血糖値をさげるといわれるワインは意外にもAGE低減に効果があるといわれています。
これはワイン愛飲家の筆者としては嬉しいかぎりです。もちろんお酒なので過度な摂取は禁物。飲むにしても少量、月に数回にとどめましょう。
AGEを低減させる生活
ここまで老化の原因である糖化、さらにAGEについてかきましたが、いかがでしたでしょうか?
今流行の、美容整形クリニックでのコラーゲン注入で若返りすることも可能かもしれません。
ただしそれはあくまでも一時的な対処。
根本改善ではないことがお分かりいただけましたでしょうか。
一瞬にして変化があるけれども同じ生活習慣や食生活を送ればまた元に戻ってしまうのです。
老化のメカニズムを知り食生活に改善を取り入れれば、時間はかかるかもしれませんが10年後、20年後の自分自身やご家族がきっと変化しているでしょう。
また「運動」も「食」と同様にAGE低減に非常に効果的ですので、週1~2回 30分~60分程度一汗かく程度の運動を習慣にすることも大切ですね。
IN YOU読者の皆様は日頃から健康に気をつけていると思いますが、それでも、グルメ雑誌やネット、そしてリアル店舗などで、
ついつい「美味しそう!」という誘惑に負けて焼き菓子や揚げた食品などを食べてしまうこともあると思います。
しかし制御が効かなくならないうちに、そんな時はこの記事を思い出してご自身でこんがりしたものをほどほどに、コントロールいただくといいでしょう。
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