あなたは今、何が食べたいですか?鍼灸師が教える、東洋医学から見た「今食べたい食べ物からわかる五臓の疲れ」。
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あなたは今、何が食べたいですか?
体はその時の状態によって、欲しているものが違います。
しっかりと体の声に耳を澄ませてみましょう。
あなたは今、酸っぱいものが食べたいですか?
それとも辛いもの?塩辛いもの?
「疲れたから、甘いもの食べよう」とステレオタイプに考えることは止めて、今のあなたの体に合った食べものを摂りましょう。
それが一番の健康への近道となるのですから。
この記事では、東洋医学から観た五味とそれを欲する体の状態について解説しました。
五味を知って、あなたの毎日に役立ててくださいね。
東洋医学的な診断術
東洋医学的な診断の際は、高度な医療器具を用いることはできません。
医療従事者の五感をフルに使うことが求められます。
東洋医学で重要なのは、「望聞問切」(ぼうぶんもんせつ)と呼ばれる診断法です。
望診(ぼうしん)
望診とは望んで見ること、即ち相手の全体を見て、どこに病があるのかを見極める方法です。
聞診(ぶんしん)
聞診とは相手の声の状態や相手の発する匂いから、病の状態を判断する方法です。
問診(もんしん)
問診とは、相手の具合の悪いところを直接尋ねて問う方法です。
切診(せっしん)
切診とは相手に直接触れ、皮膚や筋肉・内臓の状態を確かめる方法です。
五味から観たあなたの体の状態
東洋医学には、五臓の概念があります。
詳しい五臓の解説はこちら
https://macrobiotic-daisuki.jp/gozo-172521.html
「特定の臓器が疲れると、その臓器は特定の味覚を欲します。そして、その時に欲している味覚を摂ることによって、その特定の臓器を癒すことが出来る」
東洋医学では、そのように考えます。
これは、人間の体と自然界のあらゆるものが対応関係にある、と考える東洋医学的な知恵です。
では、実際に五臓と五味の関係性についてみていきましょう。
五臓と五味の関係性
・肝は酸っぱいものと関係があります。
・心は苦いものと関係があります。
・脾は甘いものと関係があります。
・肺は辛いものと関係があります。
・腎は塩っぱいものと関係があります。
「今、〇〇な食べ物が食べたいな」と思ったということは、五臓のうちのどれかの臓器が疲れ、助けを求めているということです。
そんな時は、積極的に欲している食材を摂りましょう。
それが健康への近道です。
五臓のタイプ別・食べた方が良い食材リスト
五臓が疲れている時に摂った方が良い食材をご紹介します。
東洋医学には、五臓が疲れた時に摂るべき「果物・野菜・穀物」が存在します。
それぞれ、
・果物…五果
・野菜…五菜
・穀物…五穀
と呼ばれるものです。
それも合わせて覚えておきましょう。
スーパーで日常的に手に入る一般的な食材〜伝統的に東洋医学が勧める食材まで、丸ごとお伝えしますね。
酸っぱいものが食べたいあなたは…
酸っぱいものを欲する場合、肝が疲れている可能性があります。
パソコン仕事で目を酷使したり、ストレスから怒りの感情を抱えていると、肝が疲労します。
肝に溜まった疲労を回復させるためには、酸っぱい食べ物が有効です!
・一般的な食材…梅干し・レモン・お酢
・五果…李(すもも)
・五菜…韮(にら)
・五穀…麦
これらの食材を適宜摂ることで、肝の疲れが取れ、目の疲れやイライラ感の解消に効果が期待できます。
苦味のあるものが食べたいあなたは…
苦味を欲している場合は、心に疲れがある可能性があります。
精神的なトラブルや味覚に異常がある時などは心が疲労しています。
心の疲れを取るためには、苦味のある食べ物が有効です。
・一般的な食材…ゴーヤ・セロリ・春の時期の山菜
・五果…杏(あんず)
・五菜…薤(らっきょう)
・五穀…黍(きび)
これらの食材を取ることで、心の疲労を取り、精神的な安定に効果が期待できます。
甘いものが食べたいあなたは…
甘いものが食べたい場合は注意が必要です!
もしかするとそれは、単なる習慣的なものかもしれません。
白砂糖は中毒性を持つ食材なので、もう一度しっかり自分の体の声に耳を傾けてみてください…。
それでも甘みを求めていたあなたは、脾が疲れている可能性があります。
消化器系の疲れやむくみ、体のだるさがある場合は適正な甘味を摂取してください。
・一般的な食材…ハチミツ・精製されていない糖
・五果…棗(なつめ)
・五菜…葵(あおい)
・五穀…粟(あわ)
これらの食材を摂取することで、脾を癒してくれます。
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辛いものもクセになるものですよね。
味覚は慣れてしまうものなので、注意しましょう。
くれぐれも、どんな食べ物にも七味唐辛子をかけてしまう人にならないように。
気分が落ち込みやすかったり、皮膚の乾燥が目立つ時は、肺が疲れている可能性があります。
そんな時は、毛穴を開いてくれる辛みを持つスパイスで肺を養いましょう。
・一般的な食材…生姜・ニンニク・各種スパイス香辛料
・五果…桃
・五菜…葱(ねぎ)
・五穀…稲
これらの食材は肺を癒し、皮膚の乾燥トラブルに効果が期待できます。
皮膚の乾燥は、水分不足でも起こりうるので、その点は注意が必要です。
塩っぱいものが食べたいあなたは…
塩っぱいものが欲しい時は、腎が疲れている可能性があります。
老化に伴う諸症状や耳・歯・骨のトラブルが頻繁に起こる時は、腎の疲労が疑われます。
下記の食材で、健康的にアンチエイジングしてくださいね。
・一般的な食材…天然塩・醤油・海苔
・五果…栗(くり)
・五菜…藿(豆の葉っぱ)
・五穀…豆
これらの食材は、腎を養い、
血圧の高い方は、塩分摂取量にはくれぐれもお気をつけて!
もちろん、食べ過ぎには注意が必要です!
ある特定の味の食べ物を食べたいからといって、過剰摂取は逆に体を傷めることになってしまします。
東洋医学はバランスを重んじる医学体系です。
足せばいいというわけではありません。
過不足のない、プラスマイナスがゼロになることが、「健康」という状態です。
「たくさん摂取したら、健康になれるんじゃないか?」と思ってしまう気持ちも分からなくはありませんが、あくまでも適量が大切です。
必要なものを必要な分だけ。
それがひいては地球環境のためにもなるのですから。
五味を知ることは健康への第一歩
世界はたくさんの食材で溢れています。
その食材たちは、あなたの体を養う働きを持っています。
必要な時に、必要な五味を体に取り入れましょう。
そうすることで、あなたの五臓はバランスを取り戻し、健康への一歩が踏み出せます。
人間にとっての食事の意味
人間にとっての食事の意味は、体を作るだけではもちろんありません。
人間は社会的な生き物なので、
「何を食べるか?」とともに、「誰と食べるか?」「どこで食べるか?」も大切ですよね。
体に必要なものをせっかく食べるのなら、大切な人と食べたいものです。
笑顔あふれる食卓は、人の精神的な活力になります。
五味を知って、実践する時はそんなところにも注意を向けると、より一層元気になれますよ。
あなたはどんな人生を望みますか?
「自分は今、どんなものが食べたいのか?」
それは、注意深く体の声に耳を傾けると、自然に体が教えてくれるものです。
そのためには、体をナチュラルな状態に保っておくことが大切。
「お手軽だから」「忙しいから」といって、くれぐれもファストフード漬けの毎日を送らないように気をつけてくださいね。
「人は食べたものでできている」という言葉は真実です。
あなたが食べようとしているその食品は、「あなたの体を作るにふさわしい食べ物」ですか?
あなたはどんな健康状態で、どんな生き方をしたいのですか?
それは毎日の食材の選択から始まっているのです。
食べるものに気をつけ、自分にマッチしたオーガニック食材を選び、健康な毎日を送りましょう。
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