自由貿易協定がオーガニック市場にもたらす影響とは?ついに最終合意を迎えた日米貿易協定の最新情報をお伝えします。
食料自給率が過去最低を記録し、遺伝子組み換えや農薬が氾濫する日本。TPP11やEPAの市場開放により脅かされた食の安全の影響はオーガニック先進国にまで及ぶ!?
前回はSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)
2019年達成率1位となったデンマークの環境対策やライフスタイルについてお伝えしました。
SDGs達成度ランキング下降中の日本。ランキング1位とのデンマークと日本の違いは?教育やライフスタイルのあり方に迫る!
私たちが有機無農薬や自然農で栽培された安全な野菜やお米を食べ続けるためには、
SDGsの目標として掲げられている陸上の生態系や環境を保全する取り組みも必要となります。
そしてSDGsの目標を達成するためには、
農薬や遺伝子組み換えなどに依存せず環境に負荷をかけない農業を推進していくことが求められます。
私が住む長野県でも、
日本の農業政策に危機感を抱いている消費者や農業者が協力し合いながら、
安全な農業を推進する取り組みを始まっています。
しかしその一方で、日本では外国との自由貿易協定が次々と発効され、
関税撤廃による遺伝子組み換え作物や農薬の市場拡大を狙う多国籍企業の進出が懸念されます。
以下が既に日本で発効されている主な自由貿易協定とその影響です。
日本で発効された貿易協定その⓵ 2018年12月30日発効 TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
交渉から離脱したアメリカを除くオーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,
マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポールの11か国による貿易協定。
2018年に食料自給率が過去最低の37%まで低下している日本は、
今後もTPP11により遺伝子組み換え作物生産面積世界第4位のカナダなどから、
遺伝子組み換え大豆や小麦などの輸入が拡大する可能性が高いです。
参照:農林水産省 平成30年度食料自給率について
バイテク情報普及会 遺伝子組み換え作物世界各国の法制度・カナダ
日本で発効された貿易協定その⓶2019年2月1日発効 日欧EPA(日本・EU経済連携協定)
チーズやワイン、醤油などの食品に対して
即時及び段階的な関税撤廃が盛り込まれた貿易協定。
遺伝子組み換え作物を原料で作られた食品や農薬に
汚染されたお茶などのEUに対する輸出拡大に繋がる恐れがあります。
海外の食品が安く購入できるとして話題になったこの二つの自由貿易協定は、
実は日本だけでなくオーガニック先進国である
EUの食の安全まで脅かす事態を引き起こす可能性を孕んだ協定なのです。
更に日本は、TPP11から離脱したアメリカとの間で
2018年9月に発表された日米共同声明に基づいて
新たな経済連携協定・TAG(日米物品貿易協定)の交渉を進めてきました。
9月25日にはこの日米貿易協定が最終合意に至りました。
私たち日本の消費者、そして世界の食の安全に対して
この自由貿易協定はどのような影響を及ぼすでしょうか?
今回は発効が現実味を帯び始めた
日米貿易協定の最新情報と日本や世界市場へ影響を詳しく分析します。
来年年明けの日米貿易協定発効を目指すアメリカ。発効までに更なる譲歩を迫られる可能性も・・・。
2018年9月に開催された日米首脳会談で交渉開始が表明された日米貿易協定は、
アメリカで来年年明けから発効される見通しとなっています。
TPP11以上の関税撤廃をが行われる可能性が専門家により指摘されていましたが、
最終合意ではTPP11と同程度の関税撤廃に留まりました。
では、日本の市場への影響はそれほど大きな物ではないのでしょうか?
以下が日米貿易交渉の最終合意で決定された小麦の取引内容です。
日米貿易協定合意内容:アメリカ輸入枠
小麦:最大15万トンの輸入枠を設定。輸入価格に上乗せし、輸入差益をTPP11同様に削減。
出典:2019.9.27 日本農業新聞「日米貿易協定最終合意 TPP並みに開放」
この『輸入差益』とは事実上の関税で、
これまで国内小麦農家の支援に充てられてきたお金のことです。
この輸入差益が削減されるということは、アメリカからの小麦の輸入が増大し、
日本の小麦農家への支援が減ることを意味します。
では、それにより私たち消費者の食卓はどのように変化するでしょうか?
早速チェックしてみましょう。
既に日本の食パンや小麦粉から検出されているグリホサート。小麦の関税撤廃により汚染が拡大する可能性も!
最近日本の食パンや小麦粉から検出された農薬の有効成分・グリホサートは、
今年3月に国会議員が自主的に行った毛髪からも検出され、
私たち日本の消費者体内にも取り込まれている可能性が高い化学物質です。
日本でもその危険性が認知され始め、
大手100均ショップからグリホサートを主成分とする除草剤が撤去されていることは、
意識の高いIN YOU読者の皆さんなら既にご存知ですよね。
しかし、危険な除草剤の販売が減少したからといって、
安心するのはまだ早いようです。
日米貿易協定による小麦の関税撤廃は、
知らぬ間にグリホサートを私たちの体内に取り込む可能性を
これまで以上に高める結果に繋がるかもしれません。
昨年カリフォルニア州裁判所で認められたグリホサートの発がん性を米環境保護庁(EPA)は否定。カリフォルニア州の警告表示を禁止に。
グリホサートが含まれた除草剤「ラウンドアップ」を販売している
アメリカの企業モンサント社に対し「癌の発病原因となった」として
カリフォルニア州在住の男性が訴訟を起こしたことは、IN YOUの記事でも大きく取り上げました。
しかし、この訴訟により認められたグリホサートの発がん性を
アメリカ環境保護庁は否定し、カリフォルニアで行われていた警告表示を禁止しました。
参照:米環境保護庁(EPA)公式発表
日米貿易協定が発効されれば、アメリカ産のグリホサートが使用された小麦が
これまで以上に日本に輸入される可能性が高まることがことが予想されます。
かつてない窮地に陥っている日本の農業と食の安全。私たちが消費者食の主権を守るためにできることは?
TPP11以上の厳しい条件を強いられなかったからといって、
日本の食の安全が更なる窮地追い込まれていく可能性がなくなっていないことがお分かり頂けたでしょうか?
では、この危機的な状況に対して
私たち日本の消費者ができることは何でしょうか?
輸入小麦の独自検査に必要な条例制定を都道府県や市町村に求める。
ついに日本と自由貿易協定の合意を結んだアメリカは、
今後も日本の食品表示や規制のあり方を自国の農業団体や
多国籍企業の意向により緩和するよう求めてくる可能性があります。
既にOECDが定めた国際的な計算基準や策定方法に基づいておらず、
検査をパスした小麦粉であっても絶対に健康被害が出ないとは言い切れない
日本の農薬基準値の元で開始される農産物の輸入に対しては
都道府県や市町村単位で自衛策を講じることが大切です。
IN YOU読者の皆さんは主要農産物種子法が廃止された後、
北海道・新潟・長野などの都道府県で種子法に変わる条例が制定されたことを覚えておられますか?
この種子法制定の動きは各都道府県の農家や消費者が根強い危機感を覚え、
学習会を開催したり積極的に請願や陳情を行った成果です。
更に全国に広がりを見せるこの活動を参考に、
都道府県や市町村に独自の農薬検査基準制定などを求めましょう。
こうした活動は自由貿易協定そのものへの反対への意思表示となり、
協定発効の影響を少しでも食い止めることにも繋がります。
来年のアメリカ大統領選の動向をチェック。アメリカの友人に手紙を書こう!!
TPP11以上の譲歩を迫られるとみられていた日米貿易協定が、
TPP並みとなったことに要因にはアメリカ側が早期の合意を求めたことがあると一部メディアでは報道されています。
協定が最終合意を迎えても、2020年に大統領選が控えているトランプ大統領は、
支持母体である農業団体の意向を汲んで今後も日本に更なる譲歩を求めてくるかもしれません。
アメリカで農薬に加え、遺伝子組み換えやゲノム編集食品が流通し健康被害を生み出してしていることは、
ゼン・ハニーカットさんが代表を務める市民団体「マムズ・アクロス・アメリカ」などの活動により日本にも伝えられています。
アメリカでは一般有権者から投票で選ばれた選挙人が、
大統領候補に投票を行う形式で行われます。
アメリカに国籍をもつ友人がいらっしゃる方は、
手紙やメールなどで遺伝子組み換えや農薬などの危険性を伝え、
大統領選の際は食の安全を重視する選挙人を選ぶように促しましょう。
あなたが食の安全に関する情報をアメリカの友人と共有することが、
日本とアメリカの消費者の健康を守ることに繋がるのです。
とりあえずミネリー飲んどく?
本当に強い農業とは?世界各地で独自の気候にあった農産物を自給できることが人類が共存しながら生き残る道!
島国である日本が海外との貿易協定により多くの食品を輸入に頼り、
安全性の不確かな物を口することの影響は、健康被害にとどまりません。
長年培われてきた地域の気候や風土にあった食文化や農産物が失われ、
自然環境にも著しい変化を及ぼすることを意味します。
本当に強い農業とは、世界各地で自分が生まれ育った地域の食文化や
独自の気候風土に育まれた農産物を維持しながら、
高い自給率を維持することができる農業ではないでしょうか。
様々な自由貿易協定により経済のグローバル化が進み、
食料生産も多国籍企業の独裁体制が進むなかで
私たち人類が本王に共存できる農業のあり方を、
私たち日本の消費者も改めて見つめなおす時を迎えているようです。
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