現代人の肥満が増えているのはなぜ？
あなたと、その大切な人の体型と健康を
守るためにはどうしたらよいの？

40年前の1980年代に比べて現代人の食事の摂取カロリーは約200kcal減少、
糖質の摂取量も減少しているにも関わらず肥満の人は増えています。

運動量にもそこまでの大きな変化は見られません。

では、なぜ、肥満は増えていっているのでしょうか？

代謝の低下が肥満増加の要因

その原因は昔に比べて人の代謝が落ちてしまっている、
つまり、（太っても）痩せにくい体になってしまっているということにあります。

代謝が落ちてしまう原因になっていることは大きく、次の3つ。

以前と比べて、
食事から栄養を摂ることが難しくなっていること、
活性酸素を浴びる機会が増えたこと、
代謝が落ちてしまうほどに自律神経が乱れていることです。

そもそも代謝とは何なのか？

＂代謝が良い状態＝よく汗をかくこと＂だと思う方が多いかもしれませんが、
実は、必ずしもイコールではありません。

私達の体にある37兆個もの細胞一つ一つには、ミトコンドリアという小さな器官が存在しています。
ミトコンドリアはATPというエネルギーを作り出してくれるのですが、
そのATPが生まれることを代謝といいます。

ATPは全ての細胞活動（生命活動）の源となりますので、
ATPが生み出されれば、体温が上がり、脂肪が燃焼され、免疫力も上がり、
ホルモンバランスも整い、お肌が綺麗になるなど、様々なことが可能になります。

代謝に必要な３つのもの
「栄養」「酸素」「酵素」

ミトコンドリアがATPを作り出すためには栄養・酸素・酵素の３つが不可欠です。

「栄養」である糖質が不足している方は少ないかと思いますし、
脂肪も私達の体に体脂肪として蓄えられていますので、
栄養についてはまず問題ないはずです。

特に、注意したいのは「酸素」と「酵素」です。

「酸素」は、血液中の鉄によって細胞のミトコンドリアまで運ばれていくため、
鉄が不足すると、代謝は活性化しません。

特に女性は月経もあるので鉄が不足しがちで、男性の2倍は摂取しなければなりません。
そもそも鉄は吸収率が高くありませんが、レバーや赤身のお肉など動物性のものから
摂取すると、比較的しっかりと体内に吸収することはできます。

また植物性の鉄しか摂られないヴィーガンやベジタリアンの方は、
ビタミンCを一緒にとることを忘れないようにしてください。

そして「酵素」。酵素は亜鉛とマグネシウムから作られ、
ビタミンB群がないと上手く働きません。

亜鉛は貝類(特に牡蠣)に多く含まれ、マグネシウムは豆腐やアーモンド、ひじきなどに、
ビタミンB群は玄米や豚肉に多く含まれています。
 

現代の食品の栄養価は低下している

ただし、現代は品種改良や農薬を使用した農作業により、
食べ物自体の栄養価はかつてと比べ、ぐんと下がってしまっていると言われます。

そのため、在来種の野菜や果物を食べたり、オーガニック食品を選ぶことが
ミトコンドリアの活性化、代謝アップに繋がると考えられます。

活性酸素と代謝との関係

活性酸素は私たちの体を老化させる原因になるものです。
そして病気の90%は活性酸素が原因とも言われています。

現代の暮らしは活性酸素発生の温床

活性酸素はタバコ、大気汚染、紫外線、ストレス、アルコール、激しい運動、食品添加物…
そして現代では欠かせないスマホなどの電子機器から出る電磁波、さらに呼吸しているだけでも
生まれてしまうのです。

この活性酸素がミトコンドリアを攻撃してどんどん劣化させてしまうと、
代謝が落ちてしまいます。

現代は昔に比べて活性酸素を浴びる機会が多くなり避けることは非常に難しいです。

だからこそ、発生してしまった活性酸素をなくすケアをすることが大切です。

そのためには抗酸化力の高いビタミンC、ビタミンE、ファイトケミカルなどを摂り入れるようにしましょう。
ベリー類、生姜、緑茶、アーモンド、赤ピーマンなどがオススメです。

自律神経の乱れが
代謝を低下させる仕組み

「自律神経」とは、「指を動かす」「歯を磨く」「速く歩く」
というように自分でコントロールが出来るものではなく、
「心臓を動かす」「食べた物を消化する」「代謝（基礎代謝）」といった、
循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整し、
自分の意思とは無関係に24時間働き続けるものです。

自動的に反応する神経のため、「呼吸」「血液循環」「体温調節」
「消化」「排泄」「生殖」「免疫」などの機能を無意識に調整しており、
生命維持には欠かかすことができません。

ストレスや疲労、生活習慣の乱れが、
自律神経の働き（バランス）を狂わせる

自律神経のバランスが崩れる誘因には、
人間関係や仕事のプレッシャーなどの精神的ストレスや過労、
さらには光や音、温度などの身体的ストレスが挙げられます。

また慢性的な寝不足など、不規則な生活や偏った食事などが
生体リズムとともに、自律神経の乱れに繋がってしまいます。

それが結果的に代謝の不活性化を引きこすのです。

消化の負担が大きい、現代の食生活に要注意

そこで注目したいのが、現代人の食生活は消化の際の体への負担が大きいということです。

白砂糖、食品添加物、過酸化脂質やトランス脂肪酸、動物性タンパク質はいずれも、
消化に負担がかかるものばかり。皆さんはこのようなものばかりを食べていませんか？

そのうちのひとつ、例えば「白砂糖」は、ショ糖というブドウ糖と果糖が
結合したものでできています。
どちらも単体であれば体にとってそこまで負担にはなりませんが、
両者が結合すると、その構造がとても複雑になるため、
消化をしようとすると、私たちの体内にある消化酵素が大量に使われてしまいます。

そして白砂糖はタバコと同じぐらい体にとって悪いとも言われていますので、
日常から出来る限り排除しましょう。

「食品添加物」は保存、着色、味をよくするなどの目的で使用されますが、
人工的に作られた不自然なものなのを私たち人間が簡単に消化することは出来ません。

添加物の摂取を意識的に避けている方でも年間4kg、
意識していない人では年間20kgも摂取していると言われているほどです。

「過酸化脂質」は名前の通り酸化してしまったあぶらのこと。
時間が経った揚げ物や使い回した油、天かす、スナック菓子がこれに当てはまります。
「トランス脂肪酸」は人工的に合成された油で別名を“プラスチック油”とも呼ばれ、
マーガリンやショートニングが当てはまります。

「動物性タンパク質」は体にとって必要なものではありますが、
例えばステーキ１枚200gを消化するのには24時間もかかってしまうほど消化による
体への負担が生じます。
タンパク質だからと摂れば摂るほど良いというわけではなく、
適切な量を意識していかなければなりません。

自律神経を整えるために、
食生活の上で気を付けたいこと

これらのような消化の負担が大きな食べ物たちが
自律神経を乱れやすくします。

ただし、「消化」は自律神経が司る体の仕組みの中で唯一、
私たちのコントロールが利くものです。

例えば、白砂糖をきび糖、てんさい糖、蜂蜜、メープルシロップ、
アガベシロップというような自然の甘味料に変えてみましょう。

食品のラベルを見てできる限り添加物が少ない物を選ぶようにし、
揚げた物はすぐに食べたり、調理には酸化しにくい油を使用、
外食では揚げ物を控えるようにしたり、トランス脂肪酸をできる限り避けてみてください。

「動物性のタンパク質」を摂る際は生野菜も一緒にしっかり摂とり、
摂取量の目安は肉200g/週、魚300g/週、卵5個/週にできるよう意識してみましょう。

まとめ：ポイントを押さえた食生活が肥満回避の第一歩

まとめましょう。

私たちが痩せにくくなってしまっている原因は代謝の低下。
代謝が落ちてしまう原因は、食品から栄養を摂ることが難しくなっていること、
活性酸素を浴びる機会が増えてしまったこと、
自律神経が乱れてしまっていることにあります。

その全てに対し、完璧に対策を取ることは難しいかもしれませんが、
出来る限り食事の栄養バランスを良くするように心がけ、
活性酸素を減らすようにし、消化に負担をかけない生活を送るというように、
自分の欲を満たすためだけでなく体のことを考えた生活を送るようにしてみましょう。

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