間違ったカルシウムサプリメントを摂取し続けると人体にどんな影響が出る?カルシウムとの上手な付き合い方教えます!
間違ったカルシウムサプリメントを摂取し続けると人体にどんな影響が出る?カルシウムとの上手な付き合い方教えます!
現代人はミネラル不足と言われており、積極的にミネラルを摂取することで健康上の利益が得られます。
更年期の女性にとっても、カルシウム、オメガ3、ビタミンや亜鉛などミネラル摂取は健康のカギだと言われていますよね。
ここで注意したいのが、不足分を補うためのカルシウムサプリメントの摂取方法です。
食材からの摂取の方がもちろん好ましいのですが、食品からだけではどうしても不足してしまうという場合は、カルシウムを「どこから、どのように」摂取することが体に合っているのかを再度認識し直すことが重要です。
今回は、下記の内容をご説明しながらカルシウムとの賢い付き合い方をお伝えします。
・間違ったカルシウムサプリメントは疾患リスクを増加させる
・カルシウムサプリメントには善玉と悪玉の2種類がある
・カルシウムとの上手な付き合い方
・カルシウムサプリメントには善玉と悪玉の2種類がある
・カルシウムとの上手な付き合い方
間違ったカルシウムサプリメントは疾患リスクを増加させる!
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、カルシウム推奨量は成人男性30代以上で750mg以上、成人女性で650mgとされています。(※)
更年期前の方や更年期の方は骨量の減少には注意したいですよね。
骨を形成する栄養素はカルシウム以外にもマグネシウムやビタミン、亜鉛など様々な栄養素が相互に関係しあって形成されているのですが、不足を補うためにサプリメントを検討される方も多いでしょう。
世の中には安全な原材料でできているサプリメントも存在するわけですが、間違ったカルシウムサプリメントもあるわけです。
間違ったカルシウムサプリメントが人体に与える影響1: 心臓発作のリスク増加
間違ったカルシウムサプリメントに関する健康リスクへの報告は兼ねてから指摘されてきました。
一部の医師は、カルシウムサプリメントを継続的に服用すると、心臓発作のリスクが高まる可能性があると指摘しています。
間違ったサプリメントは、その特性から動脈の脂肪性プラークに移動して硬化させ、脂肪性プラークの硬化は心臓への負担を増加させる可能性があります。
国立衛生研究所によると、カルシウムサプリメントを摂取した男性は心臓発作、脳卒中、心血管疾患のリスクが高いことが判明しました。(※)
間違ったカルシウムサプリメントが人体に与える影響2:心筋梗塞のリスク増加
ブリティッシュメディカルジャーナルの2010年に公開された研究では、間違ったカルシウムサプリメントの摂取は心筋梗塞のリスクを31%増加させる可能性があると発表しています。
研究内容は、平均40歳以上の参加者100人に、ビタミンDの同時摂取なしでカルシウムサプリメントを1日500mgを摂り続けたところ、心血管疾患で通院、入院、死亡が報告されたとのことです。
研究結果によると、ビタミンDの同時摂取なしのカルシウム単体での摂取は、心筋梗塞のリスク増加と深く関係していることが判明、カルシウムサプリメントの役割を再度認識し直すことが必要だということでした。(※)
間違ったカルシウムサプリメントって何?
これまで、何度も「間違った」カルシウムサプリメントと繰り返しておりますが、これは一体どういうこと?と気になりますよね。
一体どのような成分で作られたサプリメントが心疾患のリスクを高める傾向にあるのでしょうか。
カルシウムサプリメントには善と悪の2種類が存在する
体にとって良いカルシウムと、そうでないカルシウムに分かれます。体にとって良いカルシウムは「食材由来のカルシウム」です。
カルシウムが多く含まれる食材は、例えば藻類、大豆、野菜、魚介です。
これらの食材から摂取するカルシウムは骨までゆっくりと届き、積極的にとってもいいとされるカルシウムです。
一方、先ほどの研究結果に出てきた「体に良くないカルシウム」は「悪玉カルシウム」と呼ばれ、カルシウム剤乳製品から作られたものです。
後者のカルシウムは骨に吸収されないどころか、筋肉や神経、血管にとどまってしまい、心血管リスクや心筋梗塞のリスクを高める可能性が考えられます。
この2つのカルシウムの大きな違いは、人工的に変化させられたものかどうかという点です。
善玉カルシウムとは
骨まで届きやすいカルシウムは「善玉カルシウム「と言われます。これはイオン化されていないカルシウムであり、人工的に変化させられていない天然の状態のカルシウムです。
天然のカルシウムは体内に入ることでイオン化し、ゆっくりと消化されて体に必要な栄養素として吸収されます。
天然のカルシウムは藻類や豆類、野菜、魚介類です。
悪玉カルシウムとは
すでにイオン化(活性化)しているカルシウム、「骨に吸収されないカルシウム」です。市販のカルシウムサプリメントやカルシウム剤のほとんどは、この悪玉カルシウムと言われています。
分かりやすい例が「卵の殻」です。
卵の殻はカルシウムが含まれますが、そのまま食べても体には吸収されません。
そこで、吸収させるために素材を高温で焼き上げるなど、人工的に炭酸カルシウムに変化させ、カルシウム自体を変化させます(カルシウムのイオン化)。
人工的に変化させられたカルシウムは、体に入る前にイオン化されているため、骨に届く前に血液や細胞に沈着します。
(参考)イオン化されたカルシウムとは?
カルシウムとの上手な付き合い方
食材から摂取するカルシウムは安全?
先ほど、カルシウムサプリメントの継続摂取が心疾患リスクを増加させるという研究をお伝えしましたが、普段の食事から摂るカルシウムは大丈夫なの?と心配される方もおられるでしょう。実は、食事から摂取するカルシウムは心筋梗塞リスクが30%低くなったことを示した調査があります。
食事から摂取するカルシウムは心筋梗塞リスクが30%低い
欧州の癌と栄養に関するハイデルベルクコホート研究で、食事中のカルシウム摂取における人体への影響について23,980人を11年間追跡調査したところ、食事から1日にカルシウムを820mg摂取した場合、心筋梗塞リスクは30%低くなったことがわかりました。
一方でカルシウムサプリの使用者においては、統計的に心疾患リスクが86%増加した結果が出ており、食事からのカルシウム摂取とサプリメント摂取の人体に与えるリスクの差は顕著だったと報告されています。
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カルシウムを日々の食事から安全に摂取するポイント
骨を強くしようと思って、カルシウムだけを摂っている方がいるかもしれませんが、健康のためにはカルシウムだけ意識すればいいというわけではありません。
骨を丈夫にするためにはゴールデン・トライアングルという3つの主要成分をバランス良くとる必要があります。
【骨のゴールデントライアングル】
●カルシウム(骨の材料となる)
大豆製品、海藻類、骨まで食べられる小魚、殻ごと食べられる小エビ、うなぎ。貝類、骨まで食べられるサバ缶など
●ビタミンD(カルシウムの吸収を高める)
きのこ類、サケ、マグロ、サバ。牛レバー、卵黄
●ビタミンK2(カルシウムが骨に沈着することを助ける)
納豆など発酵食品
●カルシウム(骨の材料となる)
大豆製品、海藻類、骨まで食べられる小魚、殻ごと食べられる小エビ、うなぎ。貝類、骨まで食べられるサバ缶など
●ビタミンD(カルシウムの吸収を高める)
きのこ類、サケ、マグロ、サバ。牛レバー、卵黄
●ビタミンK2(カルシウムが骨に沈着することを助ける)
納豆など発酵食品
他にも、マグネシウムは体のミネラルバランスを整える重要な働きをしているので、マグネシウムも積極的に摂る必要があります。
マグネシウムが多く含まれる食品を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
★奇跡のミネラル「マグネシウム」の意識的な摂取が健康長寿のカギに?今すぐ摂るべき食品と効率的に吸収できる食事法を解説します
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カルシウムと賢く付き合う方法
今回は、間違ったカルシウムサプリメントを選ぶことで心疾患リスクが高まるということについて、様々な研究結果からお伝えしました。もちろん、一概に全てのカルシウムサプリメントが悪者であるとは言い切れませんが、健康維持、予防を目的にするにはやはり基本は食事をベースに考えられた方がいいかもしれません。
焦ってサプリメントに頼る前に、普段の食生活が合っているのか、栄養素の組み合わせは大丈夫かを見直すきっかけとなりましたら幸いです。
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