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アトピーには「保湿剤」ではなく「肌本来の保湿力」を高めることが重要だった!〜現役看護師アトピーっ子ママの、脱ステロイド奮闘記Vo.2 脱保湿編〜

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こんにちは。看護師のほんのりです。
2児のママであり、こどものアトピーをきっかけに、自然に沿った暮らしを実践中です。

わたしがアトピーの娘に対して、実際にやってきた自然のお手当ての方法を、体験に基づいてお伝えします。
これは、あくまでわがやの場合のハナシ。
アレルギーはあらゆる要素が複雑に混ざり合っているため、一辺倒には行きません。
わが家の体験を基に、共通する要素をお伝えしています。

前回は脱ステロイドの実際をお伝えしました。
今回は脱保湿・スキンケアに関してお伝えします。

〜前回の記事はこちら〜
辛かったけど後悔なし!看護師だけどアトピー薬物療法やめました|現役看護師アトピーっ子ママの、脱ステロイド奮闘記 Vo.1~

まるでもぐらたたき?アトピー標準治療の実際


アトピー性皮膚炎に対しての、標準治療の柱の一つとして、
入浴と保湿のスキンケアはとても重要なポジションを占めています。

娘も以前通っていた病院では、
段階別に分けられたステロイド入りの軟こうを赤くなっている箇所に塗り、
乾燥しがちな全身皮膚には保湿剤を塗っていました。

でもこれがまた一苦労。
入浴の後、逃げ回るこどもを追いかけまわして塗ったり、
歌を歌いながら楽しい雰囲気を出して気をひいたり・・・
日々試行錯誤。昨日うまく行った方法でも今日はダメだったり、こどもの機嫌に左右される毎日でした。

また、汗をかくとかゆみが増すため、汗は大敵でした。
医師からも、なるべく汗はすぐ流しましょう、との指導でした。

夏場でしたから、朝起きて一番にすることはシャワーを浴びせること。
出勤前のバタバタな時間のなかでシャワーをするのはとても大変で、
わたしにとってもとてもストレスいっぱいでした。

そして、やっかいなのが、赤い所のみにステロイド入り軟膏を塗っていたのですが、
これでいったんは赤みは引くものの、2,3日すると元通り赤くなってきます。そして、また塗る、の繰り返し。
更に、昨日は赤くなっていなかったところが今日赤くなって来たり、
まるでもぐらたたきのようにここを塗れば翌日は違う場所、その次はまた元の場所、と続きました。

次第に、薬を塗り続けた皮膚はなんとなく色が黒くなって、分厚く、ごわごわしてきます。
そう、ステロイドの副作用です。


段々と、軟膏塗布の治療に疑問を抱き始めました。
上記のことに加えて、
喘息発作の頻発や妹の出産に伴いアトピー状態の悪化があったため、脱ステロイドを決意しました。


アトピーに大切なのは、一時しのぎの水分量ではなく、肌本来の保湿する力



脱ステロイドをしてそのリバウンドがすさまじく、親子共々見るのもつらい状態でした。
ステロイドはやめたものの、
自然由来のものでアトピーに効くような保湿剤やクリームなどをネットで調べてアレコレ試している日々でした。
けれども、炎症がひどい時期にそんなものはちっとも効くはずがありません。
そんなとき、脱保湿という考え方を知りました。

皮膚の表面には、天然の保護膜があります。
それは、本来不必要と思われる垢や汗も含めて、
天然のクリームとして私たちの肌のバリア機能を支えているのです。
垢(角質層)には、セラミドやフィラグリン、汗には保湿因子としてよく知られている尿素、
抗菌ペプチド、乳酸など、たくさんの肌バリア機能を強化する物質がふくまれているのです。

これらの物質が、乾燥や感染から肌を守っているのですが、
それを頻回の入浴や、洗浄力の強いボティソープなどで流してしまうと、
せっかくの天然のバリア機能も一緒に落としてしまっていることになります。

さらに、保湿剤を使用することは、
一時的には肌はしっとりとするのですが、肌本来の保湿する力が高まる訳ではありません。
本当に大切なことは、一時しのぎの肌の水分量ではなく、肌本来の保湿する能力なのです。

実際にアトピー患者が全国から訪れている藤沢皮膚科の院長も、著書で
乾燥肌に保湿剤はイメージ先行の机上の空論
と言い切っています。

参考:9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方 藤沢皮膚科院長 藤沢重樹  より


こうして、見た目はステロイドのリバウンドでひどい皮膚の状態でしたが、
自然由来で、アトピーに効きそうな何か製品をアレコレ試す、ということはやめました。

娘のからだの本来の力を取り戻そう、
自分で治せるようにサポートして行こう、

何か製品に頼るのではなく、からだの立て直しをアトピー治療の軸として行きました。

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まだあった!アトピー標準治療の隠れた弊害。
 汗をかけないこども


上記で述べましたが、それまでは汗は大敵でした。
しかし、考え方や方針を変えていざ気が付いてみると、
娘はこどもなのに普通の子に比べてずっと冷え症で、汗をかかない体質になっていました。

肌の炎症もひどかったので、おそらく、全身の皮膚の毛穴の状態や、
汗腺の機能も不十分だったこともあったと思います。
実際、アトピー患者には汗腺の機能低下が認められているそうです。
この事実にはわたしも愕然としました。

汗は代謝の目安。
普段、わたしたちは尿や便・汗などで、日々の毒素を排出しています。
ですが肝臓が疲れていたり、負担が大きいと、
処理しきれなかったものを、応急処置として湿疹として出すのです。

いつの間にか汗を上手にかけなくなった娘は、
毒素の排出も上手にできていなかったのではないでしょうか。
アトピーという症状を通して、からだの中の毒を必死に出していたのだと思います。


アトピーは内側から潤す!ほんのり流スキンケア実践編



もちろん、脱ステロイド+脱保湿をして、そのまま放置していたわけではありません。
わたしが、娘のからだの立て直しをサポートするために心がけていたことをいくつかご紹介します。

汗をかくこと

前述したとおり、これまでとは一変して汗をかくことはかなり意識しました。
外が暑いから、という環境の理由ではなく、
内側からからだが温まって汗をかく、ということに視点を当てて過ごすようにしました。

毒素の排出だけでなく、
皮膚には少量の垢や汗も含めて天然の保湿クリームとして成り立ているのです。

運動、食生活、冷たい物は最低限に、からだを冷やさないような恰好、など。

急激な発汗ではなく、
日々の生活の中でじんわりと汗ばむような習慣を作れるように配慮して過ごしました。


入浴の工夫

それまでは朝起きたらシャワー、
夜に入浴という1日2回の生活でしたが、朝のシャワーはやめました。

入浴の頻度をもっと減らす、という考えもありますが、
わが家は汗をかく・リラックス目的のために入浴の回数を減らすことはしませんでした。

ボディーソープをやめて石鹸にしましたが、皮膚のバリア機能を弱めてしまうため、
石鹸の使用頻度も減らしました。

実際に、お湯だけでもからだの汚れは80%以上も落ちるのです。

また、アーユルヴェーダ式入浴法で、入浴前にオイルを全身に塗って
(炎症がひどい所は避けて、正常の皮膚のところのみ)
マッサージを行ったあとに入浴してからだを温め、汗をしっかりかくよう努めました。
毒素のデトックスになり、汗もかくので内側から潤います。

お湯のみだとやはり皮膚は突っ張ってしまいがちですが、
このオイル入浴法は、浴後も皮膚はしっとりとなります。

オイルもいくつか試しましたが、ホホバオイル、ココナッツオイル、スイートアーモンドオイル、などが
アトピーの炎症に効果的でかつ比較的手に入りやすくリーズナブルな値段で手に入ります。

手触りもベタベタしすぎず使用しやすいです。
もちろん、肌に触れるものなので良質なものを使うようには心がけました。

継続して同じものを使い続けると皮膚からの吸収で蓄積し、
アレルギー源となってしまうことがあるため、わが家はシーズンでオイルの種類を変更するなど工夫しています。

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洗剤、シャンプーなどの日用品の見直し

洗剤、シャンプー、石鹸など肌に触れるようなものは、
化学成分の少ない、自然のものに変えました。
ボディソープは界面活性剤を多く使用しているので、やめて固形の石鹸にし、
選ぶ基準もシンプルな材料と製法で作られたものにしています。

また、洗濯洗剤や柔軟剤も、ケミカルなものをやめました。
こどもは体表面積が大人に比べて大きいですし、娘はバリア機能も未熟で炎症のある皮膚なので、
からだによくない成分も体内に侵入しやすいです。
肌に触れるものなので、安心して使える成分のものを使用するようにしました。

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食生活改善

和食中心にし、好んで食べていたパンや麺類も、1週間のうち3割程度まで減らしました。
調味料も、添加物の入っていないシンプルな製法で作られた質の良いものを選択するようにしました。
また、料理で使う油も考え直しました。

α―リノレン酸は、炎症物質であるプロスタグランディンの生成を抑える効能があるため、
α―リノレン酸の多く含まれるような油を使用するようにしました。

アレルギー源となるものの摂取の機会を減らすことや、
また、肌はダメージを負っているわけですから、修復するためには、良質な食事であることが大切です。

当時娘は卵・乳製品・小麦・大豆など代表的なものは
全てアレルギー反応は出ていましたが、除去食にするほどではない状態でした。
除去しすぎて栄養が摂れなくなってはいけないので、たまに食べるぐらいに頻度を減らしました。

でも、いざ意識してみると、食事内容は昔ながらの日本食そのもの。
今までの、当たり前のようにパンやパスタ、洋食が並ぶような食卓の方が
日本人の体質に合ってなかったんだなぁ、と学びました。

アトピーからからだの力を取り戻す


脱ステロイド+脱保湿を実際に行ってみて、しばらくはステロイドのリバウンドで本当にひどい皮膚状態でした。
それだけ、娘のからだはすでに外側の薬や保湿剤といったものに依存していたということを実感しました。

自然派で有名な医師、本間真二郎先生の著書にて、

病気の原因は、日常生活の積み重ねにある。
病気を予防することは、特別何かをすることではなく、
普段の生活をどのように整えるのかということなのです。
~中略~
日常生活の一つ一つを丁寧に考え、より自然に沿った、人にも環境にも優しいものを選択し、
こども達のからだを作り、免疫力・抵抗力・解毒、排出力を最大限発揮できるように導くことである。


と述べています。

引用:自然に沿った子どもの暮らし・体・心のこと大全 七合診療所所長 本間真二郎著 より

わたしたちに本当に必要なのは、魔法の様な薬や魅力的なケア用品ではなく、日々の生活の在り方、過ごし方。
より自然に沿う生活が、不自然な生活から失ったからだの力を取り戻し、本来の力を発揮できるのです。


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