鍼灸師が教える、副鼻腔炎の裏側|東洋医学薬膳の観点から副鼻腔炎の改善方法を伝えます。
鼻水、鼻づまり、
鼻に関する悩みは多くの方が持っていると思います。
蓄膿症、という言葉もよく聞くのではないでしょうか?
大人の副鼻腔炎(蓄膿症)は、どのくらいの期間続くのでしょう。
抗生物質や炎症止めの薬を飲んでいるけど、
良くなっている気がしない・・・
鼻が詰まってから歯の痛みも出てきた・・・
副鼻腔炎は、鼻が詰まった状態のことを言います。
この鼻づまり状態の副鼻腔炎。
放っておくと、様々な症状を引き起こしてしまいます。
こちらの記事では、
副鼻腔炎の原因と東洋医学から見た対処法について書いていますので、
ぜひ参考にしてくださいね。
副鼻腔炎とは
鼻の中の通路である副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる排泄路が炎症によって閉塞している状態です。
副鼻腔炎の症状
- 頭痛
- 鼻づまり
- 鼻汁
喘息がある場合、副鼻腔炎によって悪化することがあります。
副鼻腔炎を悪化させる主な原因
- 不衛生な環境にいる
- 人ごみに行く
- 喫煙をする
鼻水の種類
慢性副鼻腔炎の病態および予後に好酸球が大きく関与していることが示唆された.
~慢性副鼻腔炎における Eosinophil Cationic Protein 濃度の検討~ 春名 眞一、他6名
好酸球とは細菌などに感染した後に増えるリンパ球の一種です。
鼻水は、ウイルスや細菌から身体を守る役割を持った液体です。
基本的に無色透明ですが様々な原因によって色がつきます。
透明で粘りがある鼻水は、
細菌やウイルスが侵入か花粉症などのアレルギー反応です。
黄色い鼻水は、細菌やウイルスが体内に侵入し、
白血球や免疫細胞が鼻水に含まれることで黄色っぽく見えています。
鼻炎や副鼻腔の炎症の場合は黄色い鼻水が出る場合がほとんどです。
ウイルスや細菌の感染は急性の鼻炎に分類されるので、
風邪が治りかけた時に黄色い鼻水が出る場合はもうすぐ改善します。
対して、アレルギー性鼻炎の鼻水は無色透明ですが、
鼻炎の症状が強くなるなど悪化すると鼻水が黄色っぽくなる場合があり、基本的には慢性化します。
急性副鼻腔炎はウイルスや細菌の感染によりますが、
体調不良や疲労などが原因となって発症する場合もあります。
慢性副鼻腔炎の場合は広い範囲に膿がたまりやすくなっているので、
- 頭痛
- 嗅覚低下
- 歯痛
また、糖尿病患者は副鼻腔炎の発症率も高まるとされています。
基本的に副鼻腔炎は生活を改善することで治る場合もありますが、
耳鼻咽喉科での治療や手術が必要な場合があります。
最近では、
- 内服薬
- 点鼻薬の処方
- 副鼻腔の洗浄
- 粘膜を減量する鼻腔粘膜焼灼術
副鼻腔炎が悪化するとどうなる?
意外と知られていませんが、
副鼻腔炎が原因で歯痛や歯茎の痛みが起こります。
虫歯や歯周病ではないのに、
歯がしみたり噛むと痛んだりなどの症状が副鼻腔がきっかけで起こります。
実は身体の一ヶ所で炎症が起こると、他の部位でも炎症が起こりやすくなります。
そのため、花粉症で副鼻腔炎が起こっている時期に起こる
歯痛や歯茎の痛みは副鼻腔炎が原因の可能性が高いのです。
花粉症を発症すると鼻の中が腫れて黄色い鼻水がたまります。
その粘膜が鼻と副鼻腔がつながっている部分を塞いで細菌が溜まると炎症を起こします。
そして副鼻腔は奥歯の近くに位置しており、
炎症を起こす事で歯に圧がかかり、歯痛をもたらすことがあります。
他にも、
- 目や耳の痒み
- 喉の違和感
- 皮膚炎
そのため、花粉症の時期には喘息やアトピー性皮膚炎なども重症化する傾向にあります。
副鼻腔炎の難しい所は細菌を殺す抗生物質を投与しても思うように改善しないことがあるからです。
さらに慢性副鼻腔炎患者の方は抗生物質の投与期間が長くなり腸内環境の悪化が懸念されています。
東洋医学から見た副鼻腔炎
東洋医学では副鼻腔炎(蓄膿症)の原因が鼻だけにあるとは考えません。
慢性副鼻腔炎(蓄膿)になると10年以上も患っている人は珍しくありません。
もし原因が鼻だけにあるのなら、そんなに長期では患わないのです。
良くなるのも悪くなるのも子供は早いのに大人はいつまでたっても治らないからです。
この違いを考えた時に鼻の作りなどだけでは説明できないからです。
副鼻腔炎を改善させるために必要なこと
東洋医学で重視するのはどんどんと排膿させることです。- 鼻水などを止める
- 鼻詰まりを解消する
そのため膿である黄色い鼻水をどんどんと排泄させることを重視します。
最近ではドラッグストアでも見られる排膿散(はいのうさん)と呼ばれる漢方薬はまさに膿を出す根本治療のための薬です。
そのため、
- 化膿性皮膚疾患
- 歯肉炎
- 扁桃炎
ポイントとなるのは炎症を起こしている原因を特定して、
炎症を慢性化させている膿を排出させることなのです。
炎症を起こす主な原因は
- 痰湿
- 瘀血
- 腎虚
副鼻腔炎を根治する薬膳とは
昔からの治療でも炎症によって
溜まった膿を排出するには切開が一般的な方法でした。
また、イボやコブのような状態は、
焼灼灸(しょうしゃくきゅう)と呼ばれる皮膚を焼き切る方法で排膿するのも一般的でした。
副鼻腔炎にオススメな刀豆茶やハト麦茶
ですが、副鼻腔炎のように身体の奥に潜む炎症と
それに伴う膿を出すためには刀豆茶(なたまめちゃ)やハト麦が用いられてきました。
そのため、副鼻腔炎が起こりやすい春には刀豆茶やハト麦茶がおすすめです。
刀豆茶は蓄膿症によく使われる排膿作用の高いお茶です。
歯周病などの歯茎の病気は、炎症を起こす口腔内の病原菌が歯茎で炎症を起こした状態です。
そこに白血球の免疫細胞が集まってきて、これを排除しようとします。
その結果、病原菌と免疫細胞は死滅しますが、その残骸が膿となって溜まったのが蓄膿です。
- 鼻詰まり
- 眼の圧迫感
- 歯痛
刀豆茶は排膿を促すことでこれらの症状を改善します。
そもそも刀豆には尿素を分解する働きのある酵素であるウレアーゼが多く含まれています。
ウレアーゼが腎臓でしっかり働くと腎機能が正常になり膿の排泄を促します。
そのため、ウレアーゼの豊富な刀豆茶を飲むことで腎機能を改善し排膿効果を高めるのです。
そもそも膿は白血球などの死骸で体内の老廃物のひとつなので、腎臓によってろ過され体外へ排出されます。
漢方の教科書である本草綱目の中でも腎臓を強くする生薬として刀豆茶は紹介されています。
一日に一杯200ml以上を飲むのが効果的で1000ml飲んでも問題はないそうです。
ハト麦は大麦の一種ですが漢方ではヨクイニンとも呼ばれ生薬としても使われます。
主に痰湿や瘀血などの改善に効果を発揮します。
ハト麦茶は、
- 肌荒れ改善
- 疲労回復
- デトックス効果
- 整腸作用
ハトムギの歴史は古く、4000年前に栄えたインダス文明における
歴史書のリグ・ヴェーダの中に登場し滋養強壮食品として重宝されていました。
さらにハト麦茶の美容効果から世界三大美女の楊貴妃からも愛されていました。
ハト麦はご飯と一緒に炊いて食べるハト麦ご飯も有名です。
ハト麦茶も一日に1000ml飲んでも問題はないようですが、下痢をする人は500mlくらいが目安です。
基本的に水分は午前中を多めに寝る前は控えめにするのが基本です。
副鼻腔炎は早期に対処しよう
副鼻腔炎は細菌の感染やアレルギーがきっかけで起こります。ですが、本来なら一定期間で終わるのですが慢性的な症状になると問題が起こります。
慢性症状になると鼻に膿が溜まり頭痛や歯痛などの様々な不調が現れるので早期の対処が必要です。
慢性症状になるという事は身体が痰湿や瘀血、腎虚の状態です。
そんな時は排膿を促し身体を改善する刀豆茶や
ハト麦茶などのお茶を普段から飲み慢性的な炎症を鎮める事が大切です。
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