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遺伝子組み換え飼料を食べた家畜の肉は本当に安全か|無意識のうちに食べている遺伝子組み換えのデメリットとは

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お肉を食べるとき、皆様は何を気になさいますか。
産地、価格、部位、量、脂肪の比率など様々な要素があります。
国産品だけにこだわる人もいますね。

でも、お肉のもとになる家畜が何を食べているかは気にしていますか?
遺伝子組み換えコーンの現状を考えてみましょう。


遺伝子組み換えコーンを食べた家畜の肉は本当に安全か?行政は安全という日本の現状は

何故遺伝子組み換えをしなければいけないのか



遺伝子組み換え作物はなぜ必要なのでしょうか。
普通の作物の中から、
優れた性質を寄せ集めて一つの作物にすることで多くのメリットを得るためです。


・害虫に関する毒のあるたんぱく質を作らせる
・除草剤(グリホサート等)を撒いても枯れないようにする
・収穫量を増やす
・寒冷地でも育つ植物を作る
・機能性の作物(特定の栄養素を強化した作物)を作る
・病害に強い農作物を作る



2019年は、雨が多く寒い夏になりました。
そうしますと、米、果物に病気が流行るのです。

そういうことをなくすためにも、遺伝子組み換えをするのです。


遺伝子組み換え飼料の問題点とは。環境へも影響



遺伝子組み換え作物は、
以前は農薬を使わないで済むから環境への影響が少ないと言われていました。

でも、よく育ったり病気に強い遺伝子を持つという事は
その植物がはびこってしまう危険性があるという事です。

農水省は花粉を少なくする遺伝子組み換えをすることも出来ると言っていますが、
そうすると、花粉を食べている蜂の仲間が「あれ、ごちそうがない」となってしまいます。

蜂が少なくなったら、果樹などの受粉が出来ません。

毒のあるたんぱく質を作る植物に関しては、無関係な種まで殺してしまう恐れがあります。
また、害虫には必ず捕食者がいて、
さらにそれを食べる上位捕食者がおり、彼らが減少する可能性が高くなります。

下手に遺伝子組み換え作物を持ち込むと、生態系バランスが大きく狂ってしまうのです。
ほかに、農薬の耐性が付くので、農薬を撒き放題になるという由々しき問題があります。
大ダメージを受けるのはやはりミツバチなど蜜や花粉を集める虫たちです。


遺伝子組み換えコーンの日本での安全性評価とは



遺伝子組み換え食品本体は安全なのかと聞かれたら、
回答は農林水産省の安全性評価では問題がないとなっているというものになります。
遺伝子組み換えコーンなどの飼料を食べた鶏肉や豚肉、牛肉に関しても同様です。


遺伝子組み換え飼料を食べた家畜の肉が及ぼすとされる健康問題とは



どんな健康問題があるのかという事に関して、
とりあえず「人間が即死してしまうような事例は発表されていない」ことはわかっています。

家畜の例で危険視されたものは多くあります。

・遺伝子組み換え大豆を食べさせたラットの子供の発育不全および死亡
・豚の繁殖率の低下
・ヤギなどの死亡



①2003 年、カナダ・オンタリオ州のグエルフ大学の研究者が実施した動物実験で、
GM トウモロコシを摂取した鶏が 42 日間の飼育で死亡率が 2 倍になり、
成長もバラバラになるという結果が出た。

用いたトウモロコシはバイエル・クロップサイエンス社の「T25」( 除草剤耐性) である。

モンサント社が開発した Bt コーン「MON863」について、
ドイツの裁判所が情報公開を命じたことから、
同社が行ったラットによる動物実験の詳細が明るみに出た。

それをフランスの統計専門家が再評価したところ、
モンサント社は問題ないとしていたが、体重では雄が低下、雌が増加していた。
また肝臓と腎臓、骨髄細胞にも悪影響が見られた。



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1つの結果が導き出されたとき、原因を同定するのは相手が生物の場合は非常に困難です。
死亡や免疫力低下などにつながる要因は山のように考えられます。
実験室ではほかのファクターを排除できますが、自然界ではうまくいかないのです。

遺伝子組み換え作物が原因で健康被害が起きたかもしれないという事は可能ですが、
健康被害が必ず起きるというほど強い証拠がないというのがメーカー側の主張です。


遺伝子組み換え飼料を食べた家畜の肉に関して、農水省と市民の間の見解に差がありすぎる理由



「遺伝子組み換え食品、そして遺伝子組み換え飼料を食べた家畜の肉」
に対する安全性の認識は、
市民と農林水産省、厚生労働省などとの間でかなり差があります。

生活協同組合の幾つかは、遺伝子組み換え食品を使わないと表明しています。



健康被害を引き起こす可能性があります。
遺伝子組み換え食品の危険性の一つに、「予期せぬ」成分の生成による被害が想定されています。

したがって、私たちは、
不安な遺伝子組み換え作物が原材料に使われているかを知ることが必要で、
すべての食品を対象に表示がされることを望んでいます。

表示の信頼性を高めるためには、
コメや牛に確保したトレーサビリティを遺伝子組み換え作物にも確保する必要があります。

また、日本で一番使われている畜産の飼料にも表示を要望します。
遺伝子組み換えトウモロコシ(Btコーン)はアメリカでは農薬として登録されているものです。
それを日本の家畜が一番食べているのです。


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前項であげましたが、遺伝子組み換え飼料にまつわる疑惑はかなりあるのです。

いくつか市民団体などのホームページを見ると、
見解の差には消費者と学者、官僚の立場の違いが出ています。


・消費者側には飼料に関する表示がなく、肉を食べるときの判断基準が十分ではないことが問題視されている
・市民サイドの食に対する情報収集能力が上がって、場合によっては政府より早く情報を入手できるのに情報開示がない
・情報改ざんがされているのではないかという疑いがある
・農業には金銭が絡み、農水省は商取引としても遺伝子組み換え食品や飼料、そのほかをアメリカから購入している。



こういった事柄が複雑に絡み合って、信頼が揺らいでいるのです。

問題視されているのは「肉」本体というよりも「情報」と「情報の出どころ」です。
よくオーガニックの愛好者に「意識高い」という揶揄がされることがあります。

でも、食へのこだわりというのは「生命や快適さを維持したい、
だれにも脅かされたくない」という本能なのです。

パブリックコメントを寄せた方や、遺伝子組み換え飼料、
遺伝子組み換え食品への不安を抱く人は「自分のあたりまえに生活をする権利」
をその食品によって脅かされるかもしれないという怒りや不安を心理学的には持っているわけです。


その不安はデーターを見せれば解消できるものではないですね。
表示の在り方などを変えていく必要があります。

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消費者として知っておきたい遺伝子組み換え飼料と肉の関係性

肉を食べることは遺伝子組み換え食品を食べること?畜産飼料に占める遺伝子組み換え作物の割合



遺伝子組み換え作物GMOは大豆、小麦、そしてトウモロコシなどが飼料として使われています。
我が国の畜産飼料の自給率は20パーセントほどですが、
そのほとんどが牧草などの粗飼料です。

トウモロコシは、濃厚飼料に属し、濃厚飼料は90パーセント近くが輸入品です。
そして濃厚飼料の半分は、トウモロコシが占めています。
輸入トウモロコシの量は1240万トン(平成18年)ほどです。

アメリカの場合は、GMOのの表示義務が日本ほど厳しくないのです。

国産の肉であろうと、輸入の肉であろうと、
何かしら遺伝子組み換え食品を食べた家畜の肉である可能性もあります。


遺伝子組み換え飼料を家畜に食べさせることに対する世界の考え方



倫理上の観点から、遺伝子組み換えコーンを考えてみましょう。

世界的に見ますと、一神教、
特にキリスト教カソリック総本山バチカンでは遺伝子組み換え自体が罪だとされます。
命を弄り回すことだという事です。

遺伝子組み換え飼料の場合


・植物には動物と同じように尊厳があるのか(動物や人間のクローンは制限がかかる)
・将来的に遺伝子組み換え技術が問題を起こした時、人間は対処しうるのか
・植物に使われた技術が、人間に応用されて後戻りできないレベルにならないか
・自然にない遺伝子を生み出すことは善か、悪か



という事で遺伝子組み換えに関して倫理学上の論争もだいぶ起きているのです。
開発段階で動物実験を大量にしているという事実も問題ですね。

私見ではありますが、
生態系の多様性の消失に繋がらないかという懸念があります。

遺伝子組み換えで、世界の飼料に一つの属性が備わったとしましょう。
寒くても暑くても育って、虫に強い、一気に栽培面積が増えますね。

もし、それで環境の変化が激しく起きて、
作物が枯れてしまったら私たちや家畜は食べ物が無くなって全滅です。

同じ属性を持ち、同じ遺伝子を持つということは同じ病気や気候変動に弱いということです。
通常は、固定種といって、その土地ならではの作物があるのですが、
遺伝子組み換え作物の強靭さに押されてしまう可能性があります。

大げさなように聞こえますが、恐竜は一気に滅んでしまって、
違う性質を持った哺乳類が進化したことを考えると可能性は皆無ではありません。
気候や病害虫の危機にその都度、
遺伝子操作をしていくことで切り抜けるとしたら、どれぐらい費用や時間がかかるでしょうか。

現実に多様性の消失を恐れる声は学者からも上がっていますよ。


飼料に関しての遺伝子組み換え表示はないことが多い



皆様も「この商品の大豆は遺伝子組み換えではありません」という表示を見たことがあるでしょう。
では「この豚肉(鳥、牛)のもとになった家畜は遺伝子組み換え飼料を一切口にしていません」
「この作物は遺伝子組み換え飼料を食べていない牛の牛糞を堆肥にして作りました」
といった表示は見たことがありますか?



遺伝子組換え食品は、厳正な科学的評価により安全性について問題がないとされたもののみ、
食品衛生法の規定に基づき、食品としての流通が認められている。

遺伝子組換え食品の表示については、食品表示法により、
「遺伝子組換え」又は「遺伝子組換え不分別」との表示の義務付けや、
「遺伝子組換えでない」との任意表示を規定。

○ 諸外国においては、①米国では、遺伝子組換え食品表示情報開示法
(平成28年7月に成立)により、遺伝子組換え食品に対し、情報開示が義務付けられることとなった。
(ただし、情報開示の対象や表示方法については、成立から2年以内に制定する基準で規定。),

②EUでは、トレーサビリティ制度を導入するとともに、
遺伝子組換え農産物に由来する全ての食品に表示を義務付けているなど、様々な対応が見られる。
○ 消費者庁では、平成23年9月に
遺伝子組換えパパイヤを表示義務対象品目に追加し、同年12月から完全施行



「遺伝子組換え食品の表示義務」


この引用に使った資料が、
表示に関しては分かりやすいのですべて目を通すことをおすすめします。

個別の品目は多いですからね。

ごらんのとおり、任意表示、表示の仕方は販売者の裁量に任されるという状態です。

有機農法で家の庭で野菜を作っている父は、最初は鶏糞を堆肥として使っていたのですが、
「何が入っているか分からない」と植物メインの肥料に切り替えました。

食品としては遺伝子組み換え食品を食べない努力は出来ますが、
肉や堆肥ともなると、現代日本で遺伝子組み換えと一切かかわらないのは無理です。

少し事情が違うのがEUです。かなり表示規制が厳しく食品には「非遺伝子組み換え」の表示が付く国が多いです。
フランスなどでは、農場で「遺伝子組み換え作物チェックリスト」を使用して混入を防いでいます。


非遺伝子組み換え飼料に、遺伝子組み換え飼料が混入する事故もある



遺伝子組み換え飼料は、輸入する場合、
日本の基準で安全性を評価して認められた種以外は飼料として使えません。

安全が確認されていない遺伝子組み換えコーンの1つはbt10というのですが、
これは本来商品化するはずではない遺伝子組み換え作物だったため、
企業サイドに安全性のデーターが十分になかったという問題点があります。


一応、卵で安全性の確認はされていますが、現状家畜に与えてもいい種ではありません(日本では)
こういった安全未確認の種が安全性を確認された飼料に混入するケースもあります。
後は非遺伝子組み換え飼料と書いてあるものに、遺伝子組み換え作物が混ざってしまうパターンです。
これは法令違反になります。

農水省や、消費者庁がパブリックコメント、
一般の人の意見を募集することがありますが、この混入を恐れる声がずいぶんあります。

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表示を当てにできない現代で、遺伝子組み換えコーンの害から身を守るには

信頼でき、情報開示をしている生産者から肉、卵、牛乳を買う



国際がん研究機関が「赤味肉は発がん性がある疑い」という報告を出している以上、
肉の産地や育成方法は、チェックしてから購入したいものです。

卵や牛乳の味は、飼料によってかなり変わります。
ベジタリアンの方でも、卵や牛乳は召し上がることが多いので、
安全で美味しいものを作る農場を探しましょう。

農家の中には、鶏を放し飼いにして自分の家で食べる分だけ採卵しているところもあります。
そういったところで分けてもらう手もあります。
自分のところで食べる分なら、餌にあまりおかしなものは入れません。


もし、信頼性が高い業者が見つからないときは、肉類の摂取量を減らす



日本では飼料の遺伝子組み換えに関しては、先述の通り、表示の義務はありません。
不安な方は、肉類の摂取自体を減らすしかありません。
加工品や、出汁の類も注意が必要です。

ただ、慣れない方は一気に肉断ちをするのはやめておいた方が無難です。
ヴィーガン食はきちんとした栄養の知識が必要ですから、無理は避けましょう。


大量生産型の畜産の食肉には手を出さない



外食の時、基本的に私は肉類を食べません。
何故かというと、その場で食べるものには食品表示がないからなのです。
密封してある食品の場合は、書いてあります。

ただし、先述の通り、遺伝子組み換え飼料を与えた動物かは分かりません。
ブロイラー等安く生産できる肉が混ざっている可能性がありますからね。
必ずしも安かろう、悪かろうだとは言いませんが、安いものには理由があります。

・薬の投与
・安い飼料をただひたすら食べさせる
・ぎゅうぎゅう詰めにして育てる
・人件費を削る
・汚水などの処理費用を削る


等、原価を安くする方法は畜産にはいくらでもありますからね。
出所が分からない肉類を食べるのはやめた方が無難です。


グラスフェッド等余計な飼料を与えていない肉を選ぶ



牛肉や羊肉に関しては、草を主に食べて育つグラスフェッドもあります。
トウモロコシなどの濃厚飼料ではなく、
粗飼料は国産品のことも多いので、判断基準の一つにして下さい。

ジビエ、野生の動物の肉ならば安全なのかという疑問もあるかと思います。
それはケースバイケースでしょうね。
人間の近くにいる動物は、農家の作物を食べますし、農薬などの影響も受けます。


表に出ている情報だけで、遺伝子組み換え飼料を論じるのは危険!広い視野を持って判断すべき



食の安全にこだわって、自給自足を夢見ても、畜産だけは非常にハードルが高い、
でも、害のあるものが一番蓄積しやすいのが肉類だというのが食の現実です。

遺伝子組み換え作物の安全性に関しては否定する資料と問題ないとする資料両方があります。
ただ、ひとつ言えるのは絶対の安全性を担保する資料はないという事です。

これから作出される種が安全とは限りませんから。

そのうえで、どこまで肉を生活の中で食品として取り入れるかは個人の判断です。
また、政府等に意見を言うパブリックコメントなどの機会も生かしていくことが大切です。

情報開示を求める権利を皆様はお持ちですよ。


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参考
EUにおける遺伝子組換え食品の 表示及び監視の状況調査の結果について
「遺伝子組換え飼料のリスク管理措置について」
「遺伝子組換え食品の表示制度をめぐる情勢」
「遺伝子組み換え食品について」
「遺伝子組換え食品の表示義務」
「3月23日食品表示一元化検討会 中間論点整理に関する意見交換会資料遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン 小野南海子」
「遺伝子組換え技術に関する 「科学の外側」の問題」
「遺伝子組換え作物の安全性と倫理的考察」(近畿大学)

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