「乳幼児の風邪に抗生物質を使わない病院に報酬。」もはや、ここまでしないと無駄な処方が減らない時代遅れの日本。ガン発症リスクさえ指摘される抗生物質の危険性について私たちがもう一度学ぶべきこと
報酬制にしない限り抗生物質の乱用を抑止できないという40年間変わらない日本の風邪治療の現状
つい最近、朝日新聞よりこんな記事が報道されました。
厚生労働省は誤った使い方によって薬が効かなくなる「耐性菌」の広がりを抑えるため、
医師が乳幼児の風邪や下痢に抗生物質を使わずに適切な説明をすれば、
医療機関に報酬を支払う新たな仕組みを設ける。
4月からの診療報酬改定に盛り込む。
国内でよく使われている抗生物質には、
セファロスポリン系のフロモックスやフルオロキノロン系のクラビット、
マクロライド系のクラリスなどがある。
肺炎などを引き起こす細菌を壊したり増えるのを抑えたりするが、
ウイルス性の風邪やインフルエンザには効かない。
耐性菌は人の体内や環境中に一定数存在する。
抗生物質を使って他の菌を死滅させても、耐性菌は生き残り増えてしまう。
(中略)
保護者らが薬を求めれば、
「ウイルスに効かない。副作用が出たり長引いたりする場合がある」
「大部分は自然に良くなる」といった説明で理解を促す。
病院内で抗生物質を適正に使うよう教育したり、
耐性菌の発生率を調べたりする医師、薬剤師らのチームを設置した場合の報酬も新たに設ける。
厚労省の担当者は「抗生物質の使用を最小限に近づけていきたい」と話す。(野中良祐)
皆様はこの記事を読んだ方はどんな風に感じましたか?
私はようやく・・・という気持ちと同時に、ここまでしないと抗生物質の処方を処方するという医療の現場に怖さを感じました。
しかもその抗生物質を使用せずに説明をした医師に支払われる報酬の負担は国と患者です。
日本では風邪に対して抗生物質を処方するという傾向が40年以上変わらず続けられています。
医学も科学の研究も進歩して明らかになっていることもあるのにも関わらず、
風邪治療に関しては全く進歩がないということ、
それらを私たちが享受しているという事は考えただけで恐ろしいことだと思いました。
今回の厚生労働省の発表でも明らかにされているように、
抗生物質は細菌に効くことはあってもウイルスに効くことはありません。
思えば人類の歴史は細菌やウイルスとの戦いを繰り返してきました。
抗生物質の功績として一番有名なものはペニシリンです。
人類は、このペニシリンの存在によって、細菌の脅威から少なからず解放されたことは事実です。
もちろん梅毒や肺炎、高熱が続く副鼻腔炎など、細菌が体内に増殖する危険性がある症状の場合には、
応急的に抗生物質が有効なこともありますが、放っておけば治癒する風邪には全く効力はないのです。
参考:Appropriate Antibiotic Use for Acute Respiratory Tract Infection in Adults: Advice for High-Value Care From the American College of Physicians and the Centers for Disease Control and Prevention.
風邪に抗生物質は科学的根拠がなく、アメリカでは風邪に抗生物質の使用は考えられない
アメリカでは軽い風邪で病院に行ってもよほどの症状でない限りは薬の処方をしません。
なぜなら大抵の風邪は安静にしていれば3日で治るから。
また、インフルエンザの様なウイルス性の症状に対しての処方に関して、
日本では簡単にタミフルを処方するのが当たり前となってしまっていますが、
アメリカでは2歳未満の幼児や高齢者や他の慢性疾患の悪化が懸念する場合でなければ、
むやみやたらに抗ウイルス剤で対応することはないそうです。
こんな風に薬を処方する日本とアメリカ違い、それは大きく分けて医療保険制度だと思います。
アメリカでは日本のよう国民皆保険制度ではないため、民間保険に入らないままに、
通院ごとに驚くほど高額な医療費を支払う人がたくさんいるためコスト関する考え方は非常にシビアなので、
患者側がしっかりとその必要性を確認することもあり、
また医師の方も高額な薬の処方をする場合はしっかりとその処方の理由を明記する必要があります。
そのため時間が経てば自然に治癒する風邪に抗生物質という無駄な処方が自然に淘汰され、
結果的に日本とアメリカの風邪治療の診断に差が生じてきたのかもしれません。
時間外診療や小児科以外の子供に処方される傾向にある、抗生物質の乱用
小児科では比較的抗生物質の処方には慎重な傾向にありますが、
クリニックや小児科以外の場所ではいまだに抗生物質の乱用傾向にあると言われています。
もちろんどちらにしても判断は医師個人によるものなので、
小児科以外の医師が危険というわけではありませんが、
お子さんを風邪などの症状で病院に連れて行く場合には、
親御さんがしっかりとその症状が抗生物質が必要な細菌に感染しているものなのか
ということを医師に確認して対応をしてもらうことが大切です。
抗生物質が処方されやすい傾向にある患者の年代と性別、時間の研究結果
4歳〜5歳:1.7倍
男児:1.1倍
時間外診療:1.5倍
処方されやすい抗生物質の割合第3世代セファロスポリン:38%
マクロライド系:26%
ペニシリン:16%
アミノグリコシド:7.1%
キノロン:3.7%
参考:
・Prescription of antibiotics to pre-school children from 2005 to 2014 in Japan: a retrospective claims database study
・東京医科大学医院 感染症科 http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kansen/data/luncheon_20160511.pdf
・日本薬局方 http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051804.pdf
治る病気が治らない耐菌性ができてしまった現代の私たちは昔よりも抗生物質が効かなくなっています
乳幼児はもちろんのこと、
風邪のように軽い症状でも抗生物質によって闇雲に抗生物質を処方されてきた私たちにとって、
一番怖いのは、本当に抗生物質による治療が必要な時に、抗生物質が効かなくなってしまう事だと思います。
日本だけでなく、大陸全体でも抗生物質が乱用されてた結果、
近年では抗生物質が効かない「耐性菌」が増殖していることへの危機意識が高まるようになりました。
例えば、妊娠中の女性に巷で広がる耐性菌が感染した場合、
それがお腹の中の赤ちゃんに感染し、それが赤ちゃんの髄膜炎や脳、
呼吸障害の症状となって現れて命の危険性がある事もあります。
アメリカのプリンストン大学が2014年の7月に発表した、
「抗生物質使用の世界的傾向」の論文によると、
2000年から10年間にかけての抗生物質の使用は、36%の増加傾向にあったということを発表しています。
この研究結果により多少、抗生物質使用への懸念が広まってきたものの、
3年経った今でも一部では抗生物質信仰が払拭できないという現状を問題視しなければいけません。
抗生物質信仰を払拭するための第一歩は副作用を知ること。
抗生物質信仰が未だあるのは「治る」という信頼をおいてしまっているかもしれません。
先に挙げたように、「耐性菌」ができてしまうという事が私たちの未来を脅かす一番の副作用です。
その他に直接的に症状として現れる副作用以下になります。
腸内細菌を殺す
抗生物質は細菌を殺す非常に強力な薬です。そのため腸内にある大切な善玉菌まで殺してしまい結果的に免疫力をダウンしてしまう危険性があります。
ガンの発症リスク
2008年、INTERNATIONAL JARNAL OF CANCERによると、フィンランドの研究により、
抗生物質の使用期間や頻度が高いほどにガンの発症リスクが上がる事が発表されました。
自己免疫疾患
2016年州立大学の発表により、抗生物質の使用により腸内細菌のバランスが崩れる事で、クローン病やセリアック病、過敏性腸症候群などのリスクが高まる事が分かりました。
スティーブン ジョンソン症候群
これは、皮膚や粘膜に蕁麻疹や口内や顔の腫れなどの症状を引き起こす重篤な病気です。2002年、カナダで行われた研究により、
抗生物質によるスティーブン ジョンソン症候群の因果関係がある事以外に、合併症のリスクがあるということです。
アレルギー症状の誘発
抗生物質の使用により喘息、湿疹、鼻結膜炎などのリスクが高まると言われています。また、食物アレルギーと抗生物質服用の因果関係もあるといわれています。
アメリカで、サウスカロライナメディケイトという医療補助制度に登録している、
7499名の乳児を対象にした調査をしました。
食物アレルギーを持つ子供と、そうでない子供を分析対象者のうち、
1504名が食物アレルギーという診断がなされ、
その中で生後1年以内に抗生物質を処方されたことのある子供が、
処方されたことのない子供に比べて1.22倍も多かったそうです。
参考: Antibiotic prescription and food allergy in young children https://aacijournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13223-016-0148-7
ここまで危険性があることが発表されているにもかかわらず、いまだに乱用されている抗生物質ですが、
大切なことは私たち一人一人が抗生物質に頼らないで生きる事のできる方法を見つけることです。
これ以上耐性菌が地球に生まれる可能性を防ぐために、
一人一人が抗生物質の危険性を認識して、
むやみやたらに乱用することがないようにしていくことが大切です。
自然から頂く「天然の抗生物質」があることを知って、体の負担のない形でウイルスと戦う方法
世の中には薬を使わなくても「天然の抗生物質」と呼ばれる植物の力が存在します。そこで今日は抗生剤の過剰摂取を控えるにあたり、
天然の対策方法として気軽に取り入れられるオススメグッズをお伝えします。
風邪対策に使える天然グッズ
エキナセア
エキナセアは北米のインディアンに親しまれた天然のハーブです。
最新の研究結果でも抗ウイルス性や抗菌性、免疫強化性も証明されているそうです。
インフルエンザや風が流行る時期のから2週間ほどエキナセアのハーブティー、またはサプリを摂ることで症状を防いだり軽くすることができます。
*キク科のアレルギーのある方、自己免疫疾患、肺結核、糖尿病、エイズの疾患がある方は使用を控えてください。
マヌカハニー
マヌカハニーに含まれる「食品メチルグリオキサール」による強力な殺菌作用で
特に風邪の初期に出る喉の痛みや咳などの症状がではじめた時に効果を発揮してくれます。
マヌカハニーにはよくUMFまたはMGOという表記で抗菌濃度が示されておりますが、
UMFはニュージーランド政府認可であり、MGOはニュージーランドの大手蜂蜜会社Manuka Health社による認証という印です。
人気のためニュージーランド産以外のもので安価で販売されているものもありますが、マヌカはニュージランドでしか生息しない植物です。
ニュージランド産以外のものは偽物の可能性があるのでUMFやMGOのブランド表記があるもので選ぶと安心です。
*蜂蜜でアレルギーが出る方や1歳未満の乳幼児は摂取をしないようにしましょう。
☆高い効果を期待したい方へ!無農薬マヌカハニーMG500+
オレガノオイル
カナダでは天然の抗生剤として親しまれているオレガノオイルは抗菌性、
抗ウイルス性のほか抗アレルギー作用があり、特に鼻や気管支、肺の感染症に効果を発揮するそうです。
オリーブオイルで希釈された液体のものやカプセルのものも販売されており、
液体のオイルの場合は舌下に数的垂らして水を飲む形で経口摂取します。
オリーブの葉
オリーブオイルの有効性は日本でも親しまれていますが、
実は、オリーブの葉もヨーロッパでは古くから伝承医療として活用されてきました。
オリーブの葉には、「オレウロペイン」という強力な抗酸化作用の働きがあるエキスが含まれていて、
強力な殺菌効果の他、血糖値を低下させたり老化防止、抗がん作用など多くの効果があるとされています。
また、一般的なウイルスの他にレトロウイルスなどの病気の治療にも効果的だとされています。
オリーブの生育は日本の気候ではなかなか難しいため少ないのですがオリーブの葉を乾燥させて作ったお茶葉や粉末がとして販売されています。
にんにく
今回ご紹介した中では一番お料理で使用することも多い食材ですが、
特に生のにんにくはバクテリアやウイルスの感染症に効果絶大だと言われています。
にんにくに含まれている、「アリシン」や「アホヘン」には強力な殺菌作用があり、
この効果で体内に侵入した病原体やウイルスを撃退してくれます。
普段からにんにくを食べる人は、食べない人よりも1.5倍も風邪にかかりにくいというデータもあり、
風邪に負けない免疫力を強化してくれます。
体調不良で病院に行った時、「病名」や薬の名前が書かれた「処方箋」で治る切符をもらえた気になって
精神的に安心するのか、特に日本は「お土産」をもらいたがる患者が多いようです。
抗生物質や鎮痛剤はどの病院にかかっても割と簡単に処方されてきたお薬ですが、
皆さんは医師から副作用について詳しい説明を聞いた事ってありますか?
処方箋をもらい、薬剤師さんから、初めてどんな内容の薬で、
どんな副作用があるのかを聞かされることはあると思いますが、薬は安心安全なものではありません。
本当は診断時に、担当医師に直接どんなお薬を処方するのか、
そしてその薬はその症状のどんな部分に必要なのか、
副作用のリスクはどれくらいあるのか、しっかりと言葉で伝えてもらうことはとても大切なことです。
担当医師の判断に刃向かうことになるかも・・と少し怖い気もしますが、
しっかりと質問することは私たち患者の権利でもあります。
つい最近友人が仕事中に熱が出てしまい職場の近くの小さな診療所に駆け込んだそうです。
てっきり解熱剤や風邪薬を出してくれるものと思っていたらその医師は微笑みながら
「君の風邪はもう少しすればすぐ治るよ。
熱もほっとけば下がる、顔を見たらわかるから今回は薬を出さないよ。」と言ったそうです。
ほんの少額の診療代を支払ったのち自宅に帰った後ゆっくりとしたら
本当にみるみる熱は下がり大事には至らずに次の日元気に出勤できたと言っていました。
こんな風にしっかりと患者さんの顔を見て、自己治癒できそうな場合にあむやみやたらに薬を処方しない。
こんな医師をきっと本当のプロフェッショナルというのかもしれないなと感じました。
色々質問することを嫌がる医者も多いと思いますが、それでも自分や大切な家族が摂取するものです。
将来の自分が無駄なお薬で蝕まれないためにできることを、
一人一人が対等に医師に向き合っていくことで、無駄な処方をする医師も減ってくるかもしれません。
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