オゾンホールのこと、忘れていませんか? 紫外線防除の海外事情は?肌を守るために使う日焼け止めの選び方
![sunscreen 1461335 640](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/sunscreen-1461335_640-6-e1565658983502.jpg)
いつも行くドラッグストアで化粧品をチェックすると、
紫外線対策のものが多いことに気が付きます。
帽子に、UVカットの上着に、
ファンデーションにサングラスなどをそろえてこれで
ばっちり紫外線対策をしていると思っている人も多いでしょう。
でも、なぜ、そこまでしっかり紫外線を防除しないといけないのか、
その理由の一つであるオゾンホールのことを忘れていませんか。
紫外線除けのつもりで使っている品が、実は肌や環境に悪いこともあります。
正しい対策の取り方を覚えましょう。
まだ終わっていないオゾンホールの問題。紫外線があなたに降り注ぐ!
オゾンホールのことを忘れている日本人
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/penguins-3705343_640-e1565660519317.jpg)
オゾン層の観測が行われている南極大陸の8月は、日本とは逆に冬です。
8月から9月にかけて、オゾンホールが発生します。
オゾンは消毒などにも使われる気体で、成層圏に薄い層を作っています。
これが有害な紫外線の一部をカットしてくれているのですが、
オゾンの量が減ってしまうことがあります。
「オゾン全量」が220m atm-cm以下となる状態がオゾンホールだと気象庁は定義しています。
紫外線(UV : ultraviolet)は、
波長の違いによる生物学的影響の違いも踏まえ、
光の波長によりUVA( ultraviolet A : A領域紫外線、長波長紫外線 ; 波長320-400nm)、
UVB( ultraviolet B : B領域紫外線、中波長紫外線 ;
波長290-320nm)、UVC( ultraviolet C : C領域紫外線、短波長紫外線 ;
波長 200-290nm) の三種類に分けられます(中略)
地表から10キロから50キロメートルの高度にある成層圏のオゾン層を、
太陽光線(日光)に含まれる紫外線の内、UVAは通過、UVBは一部通過し、
地表に到達(UVAは約90%が到達。UVBは約10%が到達)するのに対し、UVCは通過せず、
地表に到達しません。太陽光線(日光)による紫外線対策としては、UVA、
UVBに対する対策が必要です。なお、地上では、溶接アーク灯や殺菌灯などからUVCの発生が見られます。
UVBについては、成層圏のオゾン層を通過する距離が長ければ長いほど、地表に届くUVBは弱くなります。
「紫外線と皮膚・眼について 横浜市」
1980年代に問題が大きくなり、オゾンを破壊するフロンガスが問題視されるようになりました。
家庭用のエアコンや冷蔵庫に使われていたガスです。
1985年 ウィーン条約
1987年 モントリオール条約
等によってフロンガス排出の規制の国際的な枠組みが出来上がり、
現在の家電製品には使われていません。
この二つの条約ですべてが解消したわけではなく、代替フロンとして使われたガスが、
今度は温室効果ガスとして問題になるなど、現代に続く問題なのです。
ただ、日本では2013年に、フロンガスを排出しないように法律が定められており、
諸外国も排出しなくなったため、今世紀末にはオゾン層の希薄化は解消すると言われています。
問題は今です。
業務用に使われていた機材が老朽化したり、違法に廃棄されたりすると、
フロンガスが発生する可能性があります。
フロンガス再生業者は登録することが義務付けられていますが、
法律だけで、すべての排出を抑えられるかは疑問です。
未だにオークションでフロンガス製品が簡単に発見できるのですから。
オゾンホール自体はまだ発生していますので、
南極に近いオーストラリアや南米に行くときには、紫外線対策をしっかりしなければいけません。
日本は比較的オゾン層が厚い場所ですが、8月、9月はオゾン量が減りますので、油断はできません。
特に都会はビルのガラス窓の販社などで、常時紫外線が強くなります。
冬場も注意が必要ですよ。
オゾンホールは学校で習い、終わった話だと思っている人が多いですよね。
かくいう私も春先に短時間だからと軽い対策だけして外出したら、
頬が真っ赤になってしまって慌てたことがあります。
紫外線によるダメージで皮膚の下の毛細血管が切れていたのです。
オゾンホールがある状態で、紫外線対策をしないとどうなるか
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/parasol-112408_640.jpg)
オゾン層の消滅は、どんな影響を及ぼすのでしょうか。
・プランクトンが減って漁獲量が減る
・作物が育たず、飢餓が起きる
こういった可能性があります。
また、紫外線が人の体に過剰に降り注ぐと、次のようなことが起きます。
・皮膚がん
・光アレルギー
・メラノーマ(悪性黒色腫)
・シミ、そばかす
・皮膚の老化
・脱毛
・紫外線性結膜炎
・免疫力低下(過剰に浴びた場合)
・白内障
紫外線性結膜炎はかかったことがありますが、
目が赤くなって涙が止まらず、しばらくカスミ目が酷かったです。
あれは痛いですよ。バイト先の照明のハロゲンライトがしみて何も見えない状態でした。
悪性黒色腫と紫外線
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/blue-2705642_640.jpg)
悪性黒色腫はメラノサイトという細胞が関わる目と、
皮膚に出来るがんで白人の方が私たち有色人種よりかかりやすい物です。
日本人でもタレントのピーコさんがかかって、片方の目を摘出するなど話題になりました。
大人になって浴びる紫外線量というより、幼少期に浴びた紫外線の量が問題という研究があり、
早いうちから紫外線をカットする必要があります。
成層圏のオゾンが10パーセント減少すると、4500人患者が増えるという試算もあります。
メラノーマの発生には遺伝的背景と環境因子の両者が重要である。
表在拡大型メラノーマの発生が半数以上を占める白人ではメラノーマの家族歴、スキンタイプ、
雀卵斑の密度、皮膚・眼・毛髪の色などの遺伝的因子とともに、生涯を通じて(特に小児期)の強い日焼けと、
日焼けの頻度・回数が危険因子であることが数編のメタアナリシスから明らかになってきている1〜3)。
(中略)
一方、ヒスパニックや黒人などの有色人種においては、
メラノーマの発生と紫外線曝露を関連付ける疫学的な調査は存在しない8)。
日本人においても、メラノーマの約半数が肢端部に発生するため、
メラノーマの発生に関する紫外線の関与は少ないと考えられるが、
近年白人におけるサンスクリーン剤のメラノーマ予防効果についてエビデンスレベルの高い研究7)が出現したため、
推奨度をC1 とした。
「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン(第2版) 第1部 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版」
日焼け止めに発がん性物質が入っている可能性?サンゴも壊滅させる?
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/fish-2659613_640.jpg)
「紫外線が問題なら、日焼け止めを塗れば良い」そう思っていませんか?
実は、この日焼け止めが人体にも、環境にも悪影響を与える可能性を秘めています。
日本では許可が下りている物質が、
海外では化粧品に使用してはいけないものだということはよくあります。
代表的なのは、酸化チタン(二酸化チタン)です。
紫外線を反射させて、肌に到達させない紫外線散乱剤として使用されています。
しかし、厚生労働省のリスク評価で、発がん性がある可能性があるという見解が示されました。
同様に、紫外線散乱剤として使われる酸化亜鉛は、日本では危険性がそう指摘されていませんが、
ナノ化されたものへの安全性の担保がないとして、EUは化粧品への使用を許可していません。
オキシベンゾンとオクチノキサートといった紫外線を吸収する紫外線吸収剤は、
パラオ、アメリカハワイ州、オーストラリアなどで禁止されています。
サンゴに悪影響を及ぼし、白化させてしまうからです。
海外の人はどう紫外線をしのいでいるか
皮膚がんになるかもしれないのに日焼けをする欧米人
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/beach-455752_640-2.jpg)
皆様、髪色は黄色がかっていますか?それとも黒ですか?
紫外線から組織を守るために、生成されるのがメラニンですが、
実は種類があってそれで髪や肌の色が決まります。
フィオメラニン ブロンドや黄色が入った髪色の人が多く持つ
ユーメラニン 黒髪の人が持つ暗赤色の色素
日本人でも両方持っている人は多いです。
日焼けにも赤くなる日焼けと、黒くなる日焼けがあります。
サンバーン
赤くなって時に皮むけ水ぶくれなどを起こすサンタン
メラニン色素が組織を守るために表面に出て黒くなる人によってどちらが起きやすいかは異なりますが、
サンバーンの方が早く生じて色白の人に起こりやすいです。
太陽光が年間を通して少ない北欧などでは日光浴の習慣があります。
しかしながら、全世界の紫外線を浴びすぎた結果、悪性黒色腫になって亡くなる人は、
1年に4万8000人いると世界保健機関が警告しています。
自律神経を整えたり、免疫機能を向上させたりするために紫外線は必要ですが、
がんになる程浴びるのはやりすぎですね。
日焼けしたい、小麦色の肌が格好良いという感覚が欧米の人の一部にはあります。
反対に、日本の美白ムーブメントは、アンチエイジングを重視するアメリカからやってきたものです。
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/girl-3141766_640-7.jpg)
その背景にはアンチエイジング(抗老化)の価値観の普及が存在する。
1990年代前半に「光老化」という語が日本語に初登場した。
当時、近くその到来が予想されていた高齢社会では、できるだけ長く健康な状態を維持し長寿を全うすることへの欲求が高まることが予想されていた。
そこで、医療や健康産業、美容産業では、この点で世界を先駈けていたアメリカのウェルネスやフィットネスといった思想と運動の強い影響の下、健康長寿に対する研究開発が急激に発達した
「美白」意識の解釈学的現象学 石 田 かおり*
価値観が両極端なのです。
ただ、日光浴をする方も、目を守るためにサングラスはきちんとするのが欧米の特徴です。
日本人は紫外線の目への影響が大きいのですが、自分には似合わないなどの理由でサングラスを使わない人が多いです。
これが大きな違いですね。
最近は日常使いできるデザインのものも増えていますので、日焼け止めと一緒に使うと良いですよ。
UVカットと同時に少し色をガラスに入れることでまぶしさも軽減できます。
モロッコ美人の秘密?アルガンオイル
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/morocco-827830_640.jpg)
この間、モロッコ旅行から帰ってきた知人があちらの女性の肌がきれいだと教えてくれました。
フランス系の人が多く、白人に近い人が多いと聞いて、
アフリカの国でどう日焼けを防いでいるのか気になるところです。
そのモロッコで用いられているのがアルガンオイルです。
筑波大学大学院の磯田博子氏がモロッコ大学との共同研究で、
アルガンオイルの成分がメラニン生成の邪魔をするということを発見しました。
美白効果があるということですね。
英語のやや長い論文ですが、アルガンオイルの人気を裏付けるものとなっています。
他にシミ、しわなど光老化によって起きるトラブルの改善の助けにもなります。
食品としても使えるオイルですよ。
クレオパトラが愛した4つのオイルとは?
紫外線から肌を守るには
すべてシャットアウトすることを考えない
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/hat-4249606_640.jpg)
アトピー性皮膚炎の人は、紫外線を避けた方が良いとする医師もいますが、
ある程度日光浴をすると、免疫力が向上してかゆみがおさまることもわかっています。
他に自律神経系の病気、うつ、不眠症に関しても、
紫外線量が少なくなると発症しやすくなるので日光浴は必要です。
強い日焼け止めで、すべてシャットアウトしてしまうのは体にかえってよくありません。
紫外線吸収剤の方が、紫外線散乱剤より肌を紫外線からガードする機能が高いのですが、
肌荒れなどの危険性があります。
紫外線散乱剤の方が、肌に負担はかかりません。
その中でも、植物由来の品などがありますので、試して見ると良いでしょう。
「ケミカルフリー」「ノンケミカル」という名称の日焼け止めは、
化学製品を使っていないという意味ではなく、
化学的に合成した紫外線吸収剤を使っていないという意味です。
ファンデーションは日焼け止めと併用することが前提
UVカットBBクリームを愛用したりする人が多いですね。でも、本格的に外に出る人は、下地やファンデーションとは別に日焼け止めを使う必要があります。
SPF50~50+・PA++++:外でのレジャー
SPF30・PA+++ 通勤、通学
SPF10~20・PA+~++:室内での仕事、家事など
SPFは肌を赤くする 光を防ぐもの
PA は肌を黒くする光を防ぐ
体質によって赤くなるか、黒くなるかは異なりますので、
自分の体質に合わせて日焼け止めを選びましょう。
ファンデーションと組み合わせる場合は、その紫外線カット率を考慮します。
体自体にも、紫外線のダメージから回復する機能がありますので、
何が何でも焼けまいと、SPFやPAが高い化学物質が多いものを使うのは考え物です。
標高も考える
![](https://cdn.pixabay.com/photo/2017/08/06/12/06/people-2591874__340.jpg)
高所に行けば行くほど、紫外線量は増加します。
300メートル標高が高くなるごとに5パーセント紫外線量が増加すると言われますので、
自分が出かける場所に合わせた日焼け止めを選びましょう。
夏のレジャーだけではなく、秋の行楽の時もオゾン量は少なめなので、注意してください。
化粧品は落としやすさに注意
洗う時に、強いクレンジングが必要な日焼け止めを使ってしまっては、
肌の乾燥や皮脂崩れが生じてしまいます。
そのため、石鹸で落とせる弱さのものを使いましょう。
落とし損ねることで、アレルギーや毛穴のつまりによる炎症が起こりますので、毎回洗って落としてください。
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/soap-dispenser-2337697_640-2.jpg)
塗り方も確認
粘度やパッケージの形状は日焼け止めによって異なります。
乳液
クリーム
ジェル
スプレー
ゴミがどこまで出るか、塗りやすさをチェックして選びましょう。
日焼け止めを安全に使えるのは開封してからせいぜい1年です。
日焼け止めと一緒に黒など濃い色の服やショールを使う
SPFが低い刺激が少ないものと濃い色の服を合わせて使いましょう。
ショールの類は紫外線を防除するのと同時に空調による冷えを防いでくれます。
また、アレルギーで皮膚の炎症が起きている場所は、
日焼け止めを塗れないので、その部分は服で覆いましょう。
個人的には、絹の品が肌へのあたりが柔らかくて良いです。
通気性の良さなら、ざっくりとして洗えば洗うほど味が出る麻が素敵です。
アフターケアをきちんとする
日焼け止めを使った後は、洗顔を行い、保湿をしっかりします。
炎症を抑えるために、冷蔵庫で化粧水を冷やしてパッティングした後、
オイルやクリームで脂分を補いましょう。
日焼けに対しては昔はアロエベラの葉の中身を張り付けたりする民間療法がありました。
実際に科学的研究で効果は実証されていますが、合う人と合わない人がいます。
紫外線を浴びたあとのケアはこちらもご覧ください。
市販ビタミンC誘導体コスメでシミ取りは本当に安全?紫外線を浴びた後に|
「ビタミンC」をオーガニックな方法で外と内から摂取する方法。
今の紫外線防除をしながら、
未来へのツケを少しでも減らそう!
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/sunblock-1461397_640-3.jpg)
海で遊びすぎてサンバーンを起こして、全身皮膚がずる剥け、
子供でも使える日焼け止めが少なかったころにはよくあった話です。
今は、オーガニックな化粧品を気軽に購入できる時代になりました。
フロンガスの排出とオゾン層へのダメージ、
日焼け止めの紫外線吸収剤によるサンゴの白化は私たち大人に責任がある出来事です。
自分や子供たちを紫外線から守りつつ、いかに環境リスクを減らしていくかを考えることが大切です。
次の世代に残してしまう「社会のつけ」を一つでも減らしていくことが、次代への愛情です。
便利なだけで物を選ぶ時代はもうおしまいですね。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
![](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/5off-slider.png)
環境にも肌にも優しい日焼け止めを選ぼう!IN YOU厳選オーガニックアイテム
紫外線対策が気になる方はこちらの記事もおすすめ!
常識化されつつあるココナッツオイルは日焼け止めよりも〇〇に使うのが正しかった!栄養士が語るココナッツオイルの正しい使い方紫外線対策と腸内環境の意外な関係性|私が紫外線対策にプロバイオティクスを勧めたい理由とは?
紫外線から肌を守る食べる日焼け止めレシピ3選|夏のオーガニック野菜は抗酸化ビタミンの宝庫!
参考
「がんと共に働く:[国立がん研究センター がん情報サービス]」
「23651027 研究成果報告書 – KAKEN」
「Activation of MITF by Argan Oil Leads to the Inhibition of the Tyrosinase and Dopachrome Tautomerase Expressions in B16 Murine Melanoma Cells」
「酸化チタン (Ⅳ)の健康障害防止措置 について 厚生労働省」
「紫外線に 対す る意識 とサン グ ラス装着の実態 」
「改正フロン法施行について(平成27年4月1日施行予定) / 熊本県」
「環境省_オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」
「二酸化チタン – 安全科学研究部門」
二酸化チタンの発がん性評価
「環境省_フロン排出抑制法(平成27年4月施行)」
「紫外線による皮膚障害 – 日本臨床皮膚科医会-ひふの病気」
「19550020 研究成果報告書 – KAKEN」
「日光に当たると良くなる病気 – 海外邦人医療基金」
![](https://inyoumarket.com/public/media/img/market_logo.png)
![sunscreen 1461335 640](https://macrobiotic-daisuki.jp/cms/wp-content/uploads/sunscreen-1461335_640-6-e1565658983502.jpg)
この記事が気に入ったら
いいね!しよう