もしも毎年ラウンドアップ除草剤が家の前に撒かれたら、あなたはどうする？散布を完全ストップさせた私の奮闘体験談をお伝えします！

IN YOU読者の皆さんもよくご存知の『ラウンドアップ』。

これは、モンサント社(2018年、バイエル社によって買収、吸収が完了)が製造するグリホサート入りの除草剤ですが、毒性や発がん性が指摘されながら、今も日本全国で散布され続けています。

それは、私の身近にも、そしてあなたの身近にも起こっています。

すでにIN YOUでは多くのグリホサート関連記事がありますが、個人レベルでの身近な体験談は見かけません。
一体どれほどの方が、この問題を身近なものとして捉えているでしょうか？

実は、私はこの数年間、毎年定期的に
自宅の目の前にラウンドアップを撒かれていました。

今回は、私がどのように除草剤の危険性に興味を持ったのか？
そして、散布をやめてもらうまでの体験談と、そこから考えたこれからの健康と暮らしについて、どこにも載っていない体験談をお伝えします！

ぜひ最後まで読んでください！

私がラウンドアップ除草剤の危険性に興味を持った理由

喘息やアトピーに苦しんだ子ども時代

私は子どもの頃から、喘息とアトピー持ちでした。
今は喘息は治りましたが、アトピーは今も症状が完全に収まってはいません。

そのため、私の母は毎日の食べ物や化学物質などにかなり気を遣っていました。

極力、自然由来のものを使用し、芳香剤などや消臭スプレーなども含めて化学製品はほとんど家にありませんでした。

市販のお菓子などは食べましたが、普段の食事は添加物や化学調味料などが極力含まれていない食材を使っていました。

化学物質が含まれる製品を使いまくった高校時代

子どもの頃からそんな状況で育ったので、私の心の中には自然由来のものに対して反発がありました。

なんで周りの子たちが食べてるもの、使ってるものが、家ではダメなのか？
そんな不満が限界まで膨らみ、高校の頃に爆発しました。

匂いの強い消臭スプレー、整髪料、洗顔料など、化学物質がたくさん含まれている製品を買いまくりました。

大学に入って一人暮らしをするようになると、より自由に自分で選べるようになるので、食べ物は添加物まみれになり、シャンプーなどもかなり香りの強いものを使用していました。

化学物質に心も体も汚染されていた私を変えた偶然の出会い

大学2年生のときにゼミに入りました。

ゼミのテーマは環境と文化だったのですが、特別興味があったわけではありませんでした。

ただ、ゼミの先生の人間的な魅力に魅かれてしまって、そのゼミを選びました。

結果的に、その偶然の出会いが全てでした。

その先生は、環境活動家もやっている人だったのですが、
本当に知らなかったことをたくさん知りました。

◆鶏が、人間に食べられるためだけに、狭い小屋にギュウギュウに押し込められて飼育されていること

◆牛肉の生産によって物凄い広さの森林が失われていること

◆モンサント社のような一部の大企業が食を支配し、そして人間の自由を支配しようとしていること

◆自分が使っているパーム油製品によって、オランウータンが生きる場所を奪われていること

◆世の中のありとあらゆる場所が自然から切り離され、私たちの生活は化学物質に汚染されていること



私は単純に、小さい頃の反発で化学物質を求めていただけだったので、色々な事実を知って、そういうものを使うのは簡単にやめました。

（もちろんお金の問題もあるので、全てをやめるわけにはいきませんが）

自分の健康がどうかという問題もありますが、自分が何も考えずに食べ物をたべたり、化学物質を使用しているだけで生き物が犠牲になり、森が犠牲になり、地球が死んでいく。

そのような事実を知って、今まで自分が感じてきた世の中への違和感がしっくりきた感覚があったのです。

あらためて、ラウンドアップ除草剤の主成分グリホサートって？危険性は？

一旦ここで「グリホサートって何？」という方がいらっしゃるといけないので、あらためて除草剤グリホサートの危険性についてまとめておきます。


2015年、とある遺伝子組み換えゴールデンライス推進ロビイストがフランスTV局のインタビューにて、

『ラウンドアップは安全。１リットル飲んでも安全』（※）

と断言したものの、インタビュアーに「それじゃあここにグリホサートがありますが、飲み干せますか？」と言われてグラスを差し出されたのですが、「私はバカじゃない！」と言って慌てて逃げだしたという滑稽なニュースがあったのをご存知の方も多いと思います。


そんなグリホサートですが、一体どのような除草剤なのでしょうか？

最新の研究で分かり始めた除草剤グリホサートの恐ろしい影響

今月の9日、こんなニュースがありました。

『グリホサートは遺伝子変化を引き起こし、孫やひ孫の世代の様々な病気を発生させる可能性がある』（※）

ワシントン州立大学の研究グループによると、ラットを用いて行われた実験で、グリホサートは精子に影響を与え、後の世代のラットの前立腺や腎臓などの、様々な病気を引き起こすことが明らかになりました。

今回の実験は精子に焦点を当てていましたが、同様に女性の生殖機能や卵子などにも影響を与えることが考えられるので、これからも研究されていく必要があります。

これまでの研究では、グリホサートは半減期が短い上に体内ですぐ分解されるので、人が摂取したとしても毒性が限られていると言われてきましたが、この研究をはじめ、動物を用いた他の研究でも、グリホサートが健康に与える影響が次世代以降に受け継がれる可能性が示唆されるようになってきているのです。

今後研究が進めば、さらに多くのことが明らかになると考えられます。
グリホサートが様々な存在に対して与える影響については、今後も注視していきたいですね！

ラウンドアップ製造のモンサント社は、ベトナム戦争で使用の枯葉剤製造企業

毒性や発がん性が指摘され、ヨーロッパなどでは規制が進んでいるグリホサート成分を含んだ除草剤、その代表的な一つである「ラウンドアップ」を製造・販売しているのがモンサント社です。

世界に逆行してグリホサートの基準を緩和している日本は『グリホサート汚染国』と言えます。（※）

2018年にモンサント社はバイエル社に買収されていますが、モンサント社の遺伝子組み換えやラウンドアップなどによる悪い評判を隠すことが、一つの大きな狙いであると言われています。（※）

もともとモンサントは人工甘味料であるサッカリンを製造しており、その後殺虫剤の成分であるDDTを製造するようになります。

ベトナム戦争時には、大量散布によって多くの死傷者を出した枯葉剤を供給しています。（※）

地球も人々の体もグリホサートに汚染されている？

ラウンドアップなどのグリホサート入り除草剤は、私たちの健康に甚大な被害を与える恐れが指摘されています。

日本ではほとんど報道されませんが、モンサント社のラウンドアップ除草剤による健康被害に対する訴訟は世界各国で起きています。（※）

2019年には、日本の国会議員を含む28人の毛髪を検査した結果、なんと19人の毛髪から、グリホサートまたはグリホサートを分解してできる成分が検出されたという衝撃のニュースがありました。（※）

ラウンドアップは健康被害だけじゃない！食と人間を支配する除草剤ビジネス

もちろん、先にお伝えしたような健康被害は大問題ですが、除草剤ビジネスの本当の恐ろしさは別のところにあります。

それは、資本主義と結びつき、私たちの安全と暮らしを支配されてしまう可能性があること。

「食」は人間の一番根っこにあるもので、何も食べずに生きていける人間は存在しません。

そこに目を付けたのが除草剤ビジネスです。

ベトナム戦争終結で枯葉剤の需要がなくなると、モンサント社は農業に目を付けます。

グリホサート入りのラウンドアップ除草剤と、ラウンドアップ耐性を持った遺伝子組み換え大豆（特許遺伝子大豆）をセットで売り出すというものです。

大豆畑にラウンドアップを撒くと特許遺伝子大豆以外の草が枯れるので栽培が楽になりますが、除草剤は土が本来持っている生命力を弱らせて脆弱な土壌にするので、次第に作物は育たなくなっていきます。

それに加えて、自然界では変異しながら生存していくので、除草剤に耐性がある草が生えてきます。

そうなってしまえばいたちごっこです。



生産者は大企業から遺伝子組み換えの種と、より強力な除草剤を購入し続けるしかなくなり、大企業は永遠に儲かる仕組みができます。

土壌は生命力を失い弱っているので、遺伝子組み換えから固定種に戻すことも不可能になります。

その結果、生産者は借金まみれになり、市場には遺伝子組み換え食品ばかりが並びます。

私たちは選択肢を奪われ、大企業の支配の下でしか生活が成り立たなくなるのです。

現実に1996年の時点で全米の2%に過ぎなかったモンサント社の特許遺伝子大豆は、2008年の時点で全米の90%を占めるまでになっています。

このままでは、世界の全ての大豆がそのうち遺伝子組み換えになってしまうだろう、と言われています。（※）

日本は除草剤でグリホサートまみれ？私たちの身近に潜む危険

とても悲しいですが、日本は自分の身を守ることすら難しいほどのグリホサート汚染国です。

世界各国がグリホサートの規制を強める中、2017年に日本はグリホサートの残留基準値を小麦が従来の6倍、ライ麦が同150倍、トウモロコシが同5倍に緩和しました。（※）

どのくらいグリホサートが身近になったかということについては、もう皆さんもご存知だと思います。

ホームセンターに行けば、入口の一番目立つところに大量に陳列されています。

私の近所の家にも玄関に置いてありました。

数年前に屋久島に行ったのですが、島の小さなホームセンターですらラウンドアップが販売されていることに愕然としました。

そのくらい、日本は企業から一般家庭までグリホサートが蔓延しており、もはや避けることは難しいのです。

店でもインターネットでも、目に付くのは安全性を謳う宣伝ばかり。

その危険性については自分で調べない限りは分かりません。

ラウンドアップ散布にこうして立ち向かった！私のグリホサート奮闘記

それでは、ここまでグリホサートが蔓延した国で、私たちはどのように生きていけばいいのでしょうか。

ここからは、私の実体験をお伝えします。

ある日突然、家の目の前にラウンドアップ除草剤が撒かれだした

私は、住宅街にある一軒家に住んでいて、家の前には大きな雑木林があります。

家の前はやっとすれ違いができるくらいの道路になっていて、その向う側は雑木林です。

数年前からだったでしょうか、夏が近づき雑草が伸びてくると、定期的に除草剤が撒かれるようになりました。

この雑木林は私や近所の人の所有ではなく、少し離れたところに住んでいる人が管理しています。

数年前までは、定期的に草刈り機で手入れがされていましたが、所有者が高齢になり手入れが大変になったので、草刈りより手間の少ないグリホサート除草剤が撒かれだしました。

ちなみに、グリホサートは公園などでも使用されていますので、関係のない人は一人もいません。

ラウンドアップ除草剤を撒かれるのは嫌だがどうしていいか分からない。とりあえず見て見ぬふりをした

私の家の近所でグリホサート除草剤の危険性を認識している人は、おそらく誰もいません。

そもそも、私の家の近所から雑草が伸びて迷惑だという声があったので、グリホサートを撒くようになったそうです。

雑草が伸びる季節になると、ひと月に一回くらいのペースでグリホサートが撒かれるようになりました。

嫌だなとは思いつつ、私も一体どうしていいのか分かりませんでした。

そもそも撒いている人も近所の人も、グリホサート除草剤の危険性を認識していないので打つ手がありませんでした。

グリホサートを撒きにくると、急いで窓を閉め洗濯物を取り込む、そんな風にしてやり過ごします。

トラックの横に置いてあったボトルを見ると、そこには「ラウンドアップ」と大きく書かれています。

冬になればグリホサート除草剤は撒かれなくなるのでいったん忘れ、でも忘れた頃に暑い季節がやって来て、またグリホサート除草剤が撒かれます。

そんな風にしてどうすることもできずに数年が経ちました。

「ラウンドアップ除草剤を撒くのをやめてほしい」と直接お願いすることを決断

長い冬が終わり、今年もまたグリホサート除草剤が撒かれる季節がやってきました。

今年はじめてグリホサート除草剤が撒かれた後、雑草をじっくりと観察してみました。

グリホサート除草剤を浴びた雑草は、数日で色が不自然な茶色になって枯れていきます。

もちろん自然に枯れるときも茶色になって枯れていきますが、色が不自然なのです。

何とも言えず、いきなり病気になってしまったような、そんな感じになります。
（グリホサートを浴びない状態の雑草と比べてみると、不自然さがよく分かります）

「根こそぎ枯らす」が宣伝文句なわけですが、根こそぎ枯れてくれるわけでもないということに、驚きました。

自宅の前の雑木林では、雑草は完全に枯れずに不自然に茶色くなった状態で中途半端に残っているのです。



発がん性や毒性が世界中で指摘されている上に、実は根こそぎ枯れてくれるわけでもない。

これではただ単純に何の意味もなく有害物質を吸い込むだけじゃないだろうか？


そして私は、グリホサート除草剤の散布をやめてもらうようにお願いする決断をしました。

ラウンドアップ除草剤を撒くのをやめる代わりに、私が草刈りをすることになった

雑木林の管理者は近所に住んでいるわけでもなく、連絡先も知らないので、グリホサート除草剤を撒きにきた時に、家族と一緒にお願いしにいきました。

そのとき、こうも言っていました。

「管理するのも大変だから、土地を売ることも考えている」

管理者が土地を売ってしまえば、おそらく雑木林はなくなります。実際に、家の近くの雑木林はパチンコ屋になりました。


私は自分の部屋から眺める雑木林の緑が好きでした。

何より無意味に森林が破壊されてしまうのは嫌だったのです。

グリホサート除草剤を撒くのをやめてもらう代わりに、

これから私が草刈り機を使って、広大な雑木林の草刈りをすることになりました。



そこは、一軒家が8軒分くらいの広さがあります。

熱中症になりかかかって、ヘロヘロになりながらもなんとか雑草を刈り終えました。

もちろんこれは、一回だけやれば終わる話ではありません。

来年以降も私がやることになります。


正直に言えば、絶望的な気持ちや怒りも沸いてきます。

もし、ここがアメリカのポートランドだったなら、グリホサート除草剤の危険性に賛同してくれる人も一緒になって手伝ってくれる人もいるでしょう。

しかし、日本ではそんな風にはいきません。一人で戦わなくてはいけません。


何でこんなことやらなくてはいけないんだとも思いますが、昨年から猫と暮らし始めたのと、近所には自分より小さい子どもが住んでいるので、これからもやっていくつもりでいます。

これが、追い詰められた私から生まれた精一杯の抵抗です。

私の小さな抵抗で、大きく世界が変えられるとは思っていません。

それでも、何もしなくては、当たり前の日常さえ奪われてしまうのです。

そんな気持ちが、私の心と体を動かしました。

個人の暮らしでラウンドアップから身を守るためにできること

最後に個人でどのように対策していけばいいのかをお伝えして、終わりにします。

グリホサート濃度低減のため、オーガニック食材を選んでください

最新の研究によって、オーガニックの食材を食べると、体内に残留するグリホサートなどの量が、
大幅に減少することが明らかになっています。

国際環境保護団体の「地球の友」に所属する米国の科学者が行った研究で、参加者に普段通りの食事を5日間摂ってもらい、6日目からは朝昼晩全ての食事を農薬や化学肥料を使用せずに生産した、オーガニック食材のみを使った食事に切り替えたところ、食事をオーガニックに切り替えた2日後に、体内のグリホサート濃度が大幅に減少したと報告されています。（※）

今さらオーガニックな食材に変えても意味がないなどと思わず、今からでも食事を少しずつシフトさせてください！

すべての人がオーガニックな暮らしができるための行動をそれぞれの場所から始めてください

コロナが世界中を覆い、町には失業者が溢れています。全ての人がオーガニック食材を買えるわけではありません。

お金がなければ、それが体に悪いとは分かっていても選ぶ選択肢すらありません。

すべての人が当たり前のようにオーガニックに触れられる世界になるために、私がIN YOU読者の皆さまにお願いしたいのは、

それぞれの場所から行動していただきたいということです。


もちろん消費は意思表示でもあるので、オーガニック製品を買うこと自体も素晴らしい行動です。

でも、それだけでは世界は変わりません。

私はたまたま、家の目の前にラウンドアップが撒かれる状況になったので、自分で草刈りを引き受けました。

これが、私なりの『抵抗』です。

何も行動しなければ、オーガニックという選択肢すら奪われてしまうような未来は、すぐそこまで来ているのです。

◆企業に対して電話やメールなどで抗議の声を届けてみる

◆政治家にグリホサート除草剤を規制してもらうように声を届ける

◆自分の身近な人に世の中の状況を伝える

どんなことからでもいいんです。

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