メニュー

  • LINE
  • facebook
  • Instagram
  • twitter
  • お気に入り

メニュー

Organic Life to all the people.

  • LINE
  • facebook
  • Instagram
  • twitter
  • お気に入り
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ IN YOU Market 本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
IN YOU Market

【現場からの声】国が推進するスマート農業に違和感あり!農業は効率よく質の高い農産物を作ることだけがすべてなのか?

あなたは「スマート農業」という言葉を聞いたことがありますか?

現在、国(農水省)が全力で進めている重要な政策で、
農水省は以下のような説明をしています。

「スマート農業とは、
ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、
省力化・精密化や高品質生産を実現する等を
推進している新たな農業のこと」(※)

このスマート農業については、農家の間でも、
肯定的に考えている方、否定的に考えている方さまざまです。

この記事を書いている私も農業をしていますが、
スマート農業について反対の立場です。

なぜならスマート農業は、
農業を食料生産の手段としてしか
考えていない政策だと思うから
です。

日々、水田や畑で農業をしている多くの有機農業者は、
農業という仕事を単なる食料生産とは考えていません


国が進めるスマート農業が、
日本の農業をどのように変えようとしているのか?
一農家として現場で真剣に考える毎日です。

もし、あなたが日本の農業を心配しているのであれば、
この記事は必ず役に立つはずです。

私と一緒に、日本の農業の未来について考えてみませんか?

筋が通らない!農水省がスマート農業を推進する理由


農水省がスマート農業を推進する理由、
これは、私たち農家には到底理解できないものです。

もちろん、国が説明している日本の農業の現状は、
正しいと言えます。

しかし、だからと言って、
スマート農業を推進するためにいくら予算を突っ込んでも、
日本農業の現状が変わるとは思えないのです。

国がスマ-ト農業を推進する理由を解釈してみた

農水省がスマート農業に取り組む理由は、
以下のサイトで分かりやすく紹介してくれています。
>>消費者相談「スマート農業とは、どのような内容のものですか。活用によって期待される効果を教えてください。


要点をかいつまみ、分かりやすいように
箇条書きで整理してみますね。

・日本の農業の現場では、高齢者ばかりで新しく農業を始める人も少ない

・また、人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多い

・このため、省力化、人手の確保、負担の軽減が重要な課題となっている

・農業を強くして、魅力ある産業にするには省力化や軽力化が必要

・他産業が、ロボットやAI(人工知能)を使って成功した

・これからは、農業も他産業も見習って最新技術を取り入れていきましょう

・「スマート農業」を活用することにより、農作業における省力・軽労化を更に進められる事が出来る

・他にも、新規就農者の確保や栽培技術力の継承等が期待でき、いいことばかり

言っている一つ一つは事実ですが、
今の日本の農業の課題と「スマート農業」を関連付けることが
あまりにも強引に思えるのは、私だけでしょうか?

国が求める大規模農業と現場に多い小規模農業のギャップ

そもそも、個々の農家レベルと国レベルでは、
考え方があまりにも違いすぎます。

スマート農業は、大規模農家向けの農業で、
私の周りの有機農家の多くのは、
家族で経営している方が非常に多いです。

例えば、現場レベルでは、下の写真のように
「無人の田植え機」を使うくらいの
広いほ場を持つ大規模農家は、圧倒的少数派です。


写真:農林水産省WEBサイトより

また国は「新規就農者は少なく高齢者ばかり」
と説明しています。

しかし、私が現場を見ている感じでは、
農業に魅力を感じて他産業から農業に移る若手が
最近多いように思います。

根拠になるようなデータがありましたので、
引用して掲載しておきますね。


出典:【日本の農業人口の現状】若者の新規就農が増えているワケ

ただ、多くの新規就農者は、
当然ながら細々と小さく始めます。

ここが国と現場のギャップでして、
結局、国が目指しているのは、国として競争力を高める農業です。


もっと詳しく言えば、
大規模で効率よく経営を行い、
食糧供給能力を高めるため生産性や品質が高い農業
です。

しかし、
現場の農家はそんなことは思っていません。
日々の生産活動で精一杯なのです。

「猫の目農政」で翻弄され続ける農家と現場

皆さんは、「猫の目農政」という言葉をご存じでしょうか。

農水省が打ち出す農業政策は、
明るさで形が変わる猫の目(瞳孔)のように、
コロコロと変化する日本の農業政策を揶揄した言葉です。

農業者ばかりが見る記事ではないので詳細は割愛しますが、
これまでの農水省の政策によって、
農家や市場関係者は翻弄され続けてきました


私は、今回のスマート農業も今までと同じように思っています。

農水省職員は所詮、国家公務員であり、
「国全体としての農業」を常に考えている集団
です。


個々の農を生業としている農家のことは考えないので、
農政はいつも農業の現場から離れてしまいます


だから、高齢者ばかりで農業の担い手が少なければ、
「ロボット(AI)を使って農作業を効率化すればいい」
といった短絡的な答えが出てくるのでしょう。

有機農家だから分かる!スマート農業で失われる『大事なもの』


皆さんに、1つ質問があります。

「農業は食料を生産するだけの産業なのでしょうか?」

私たち多くの農家は、
農業をそんな風には思っていません。

確かに、農家には生産性や効率を上げて、
高品質な農産物を市場に送り出す責務はあります。

しかし、

スマート農業を本気で進めていくと、
多くの大事なものが失われる気がしてなりません

農業は「感情」で行われていることを無視している

案外、私たち農業者は、感情で日々の仕事を進めています

結局、
感情のないロボットの作業は
無機質であって温かくないのです。


以下、いくつか具体例を挙げますね。

感情的な判断はロボットでは難しい

ロボットになくて農家(人間)にあるもの。
それは「感情」です


例えば、露地トマトを全て収穫し終わり、
支柱も抜いて片付けようとします。

ですが、その支柱には鳥たちがいつも止まって、
休憩し餌を探すために眺める場所となっています。

これを知っている私は、
敢えて支柱を片付けずに、残しておきます。

それは、生態系の中で、動物、植物、昆虫、人間、
全てがお互いに配慮し合うことが大事だと考えているから
です。

「鳥の生活環境を壊したら可哀そう」という感情があるので、
敢えて支柱を残そうと判断したのです。

このような突発的に発生する感情的な判断は、
ロボットやAIのスマート農業では難しいですよね。

集落の維持にはコミュニケーションが重要

農村生活では、人間関係のようにスマート化できないものも多くあります

ロボットが畑の管理・見回りをして、
農家は自宅のモニターで・・・

このようなこともスマート農業では可能ですが、
農村生活では作業や見回り中に
ご近所さんと顔を合わせて話すことも大事なものです。

現在は、集落内で協力し合い、
農村機能を維持している所も多くあります。

スマート農業を導入する農家としない農家で、
農村集落のコミュニティー機能が分断されてしまう恐れもあります。

国が説明しているように、
スマート化して農業の未来が明るくなることばかりではなく、
失われるものもあることを覚えておいていただきたいのです

安全性と効率性は交わらない!スマート農業と有機農業の不整合


農業で生産性や効率性を求め過ぎた結果は、
歴史が証明しています。

環境汚染や残留農薬などによる、
人間への被害が見られるようになりましたよね。

その反省があって、慣行農業を見直し、
有機農業が注目を浴びるようになります。

安全な農畜産物は、
効率性や生産性とは離れたところにあり、
同じ土俵に乗ることはありません

スマート農業では、農産物の安全性は考えられているのか?

スマート農業では作業効率や生産性ばかりが追求されて、
肝心の農産物の安全性は置き去りにされていないか?
これは、多くの有機農業者が懸念していることです。

農薬の散布について言えば、
農家も農薬散布は自分でしたくないと思っています。

なぜなら、散布する自分自身も危険だし、
口にする消費者にとってもよくないと認識しているからです。

そのことについては、私の以前の記事でもお伝えしました。
日本での農薬使用は絶対になくならない!消費者までもが無意識的に農薬を求める驚愕の事実

「スマート農業の導入で、
ロボットが農薬を散布するようになったから、
農家は農薬を浴びなくてよくなるし、
散布する罪悪感もなくなった!」

このような恐ろしい可能性を、
スマート農業は秘めていると思うのです。

スマート農業と有機農業、両分野の不整合は当たり前!その理由とは?

そもそも、同じ農水省が管轄する
スマート農業分野と有機農業分野では、
政策に不整合が起きて当然です。

なぜなら、農水省内部でもスマート農業を推進する部局と、
有機農業を推進する部局は全く異なり、
完全なる『縦割り行政』だから
です。

有機農業を推進する部局は、農薬や化学肥料を使用せず、
できる限り環境への負荷を低減した農業が政策イメージです。

一方、スマート農業を推進する部局は、
大規模ほ場で大型機械を使用し、農薬や化学肥料を使用して
効率よく農業することを政策のイメージとしています。

私が農水省で働いていたときも、
隣の部局が何をしているのか分からないことも当たり前で、
自分の課で作った資料が、隣の課で作った資料と
整合性が取れていないことは日常的に起こっていました。

スマート農業は一過性。地に足をつけて現場視点で農業を見つめよう!


今までの農政がそうであったように、
おそらく、10年後の農政では「スマート農業」という言葉は
使われていないことでしょう。

私たち農家、そして消費者は、
一過性である国の政策に振り回されてはいけません。

農業の持つ、食料生産以外の機能にも目を向ける必要があります。

実は、農水省も
「農業の持つ、食料生産以外の機能の重要性」を知っているんです。

農水省のWEBサイトから、引用しておきますね。

農業・農村は、私たちが生きていくのに必要な
米や野菜などの生産の場としての役割を果たしています。

しかし、それだけではありません。

農村で農業が継続して行われることにより、
私たちの生活に色々な『めぐみ』をもたらしています。

このめぐみを「農業・農村の有する多面的機能」と呼んでいます。

例えば、水田は雨水を一時的に貯留し、
洪水や土砂崩れを防いだり、多様な生きものを育み、

また、美しい農村の風景は、私たちの心を和ませてくれるなど
大きな役割を果たしており、

そのめぐみは、都市住民を含めて国民全体に及んでいます。

こうしためぐみは、お金で買うことのできないものであり、
農業・農村の持つ様々なめぐみを思い、
支えていくことが必要であり農林水産省では、(以下略)

出典:農業・農村の有する多面的な機能(農水省ホームページ)

間違いなく、スマート農業を推進している部局とは
違う部局が管轄しているのでしょうが、

私たち農家からすれば、これらの機能は
食料生産と同じくらい大事なことだと思うのです。

国家のような大きな視点で、
競争力のある効率よい農業を目指すのもいいですが、

農業現場に多くいる小規模農家の視点で、
日本の農業の役割を考えることが重要だと私は思うのです。


スマート農業、
あなたはどう思われますか?

オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market

IN YOU Market

IN YOU読者が応援すべき農業は明らか。驚くべき美味しさを味わってください!


超貴重な有機基準レベルのりんごセット(1箱 10~12個) |りんご好きにお勧め!
¥ 4,167 (税抜)

オーガニックじゃがいも・きたあかり(北海道産)【期間限定】|有機JAS認定!各所で引っ張りだこの絶品グルメ。ホクホクした甘みがあって極上の味わい。
¥ 2,980 (税抜)

【数量限定】自然栽培「採れたてマコモダケ」|色々使える神秘のマコモの葉付
¥ 2,480 (税抜)

自然栽培野菜セット(ファミリーセット)|山梨県産!農薬不使用!超希少な固定種・塩とオリーブオイルだけでも超絶美味しい野菜
¥ 7,389 (税抜)

オーガニック野菜セット(北海道産)【期間限定】|有機JAS取得!朝一番に収穫した新鮮野菜を現地発送!広大な大自然で収穫された絶品野菜
¥ 4,680 (税抜)

こちらの記事もおすすめです!

日本での農薬使用は絶対になくならない!消費者までもが無意識的に農薬を求める驚愕の事実

現役有機農家が教える、本当に安全で美味しい野菜の選び方|野菜は“小さくて色が薄いもの”こそを選ぶべき理由。世間の常識は有機農家の非常識だった!?

【有機農家直筆】“有機農家”は“勇気農家”!消費者が知らない、有機JAS認証農家の実態。

この記事のタグ
お気に入り登録する
シェアする

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

あなたにお勧めの記事
関連記事
ページ上部へ