便秘の原因にもなる、しつこい宿便を出すためのマクロビオティック的改善法
毎日、排便はあるものの、大腸内におかしな異物感を感じるなんてことはありませんか?
実は、どれほど健康な方でも大腸の中に便がこびりついていしまうこともあります。
それが少しずつ増えていくと、大腸内部に異物感を感じるようになります。
この記事では、そんな腸に長期間溜まってしまっている「宿便」を体外に排出する方法についてご紹介します。
大腸内に生じる「宿便」とは?
「宿便」は次のように説明される現象です。単に「便秘」によって消化管内に内容物が停留していることを意味するのではなく,通常の排便では排泄できない消化管内の貯留物を想定したものである。
引用:宿便についての一考察|寺澤 捷年、土佐 寛順、平崎 能郎 、小林 亨、地野 充時
つまり、普段の排便時には出てこない古い便、滞留便であると考えられています。
大腸は上の画像のようにヒダ状になっているめ、その溝の部分に便が溜まってしまうことがあります。
イメージしてみてください。真夏の時期の生ゴミを放置しておくと嫌な腐敗臭が発生します。
その状態が大腸内ではずっと生じているのが「宿便」がある状況です。
常に36~37度前後に温度が保たれているわたしたちの大腸内部。
真夏と同じような温度条件下で生ゴミよりもたちが悪い便が蓄積し続けている状態を想像するだけで恐ろしくなりますね。
続いては、この「宿便」についてさらに詳しく説明する前に、
悩んでいらっしゃる方が多い「便秘」についてまずは解説していくことにします。
実は、「宿便」の改善にはまず、「便秘」を解消することが不可欠だからです。
腸内にこびりついている「宿便」は、「便秘」を解消してからでないと剥がれ落ちにくい傾向があるのです。
「宿便」とともに悩む方が多い腸内の不調、
「便秘」の定義とは?
「便秘」とは一般に、「食物のカスが腸内に長く滞留しているため水分が吸収されて固くなり、排便をしにくくなる状態」だと説明されています。
一般的には3~4日以上、便通が無い場合のことを指します。
「便秘」のタイプは、大きく分けると2つある
「便秘」には大きくわけて次の2種類があります。
①「器質性(きしつせい)便秘」
②「機能性(きのうせい)便秘」
「器質性(きしつせい)便秘」とは?:
「器質性便秘」は大腸の疾患によって起こる「便秘」です。例えば、腸閉塞や腸の腫瘍や炎症などが原因となります。
「機能性(きのうせい)便秘」とは?:
一般的に「便秘」という場合はこちらを指し、胃や腸などの消化器官の機能低下が主な原因です。さらに「機能性便秘」は、
①「弛緩性便秘」
②「痙攣性便秘」
③「直腸性便秘」
④「食事性便秘」
の4つに分類されます。
「弛緩性便秘」
「弛緩性便秘」は大腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱くなることで生じます。筋肉力の衰えも一因となるため、年配の方や出産回数の多い女性に多く見られます。
そして、症状の改善には食物繊維の多い食事や適度な運動が良いとされています。
「痙攣性便秘」
「痙攣性便秘」は副交感神経の緊張などの原因により、腸が過度にこわばってしまい、便が移動しづらくなっている状態の「便秘」です。
ことらの場合は、改善のために食物繊維を制限する必要があります。
「直腸性便秘」
「直腸性便秘」は腸内刺激をしているにも関わらず、排便を我慢をすることによって便意を感じにくくなることによります。「食事性便秘」
「食事性便秘」は、偏った食生活に伴う食物繊維の不足により、腸壁に繊維物という刺激がなくなって排便を促すことができない状態です。
野菜嫌いで、お肉やお魚だけをメインで食べている方は要注意です。
「便秘」の主な原因は4つある
「便秘」は上で解説したように5種類あり、種類によって
その原因はさまざまでしたが、それらをまとめると次のようになります。
<一般的な「便秘」の原因>
①水分の不足
②食物繊維の摂取不足
③腸の動きが弱いこと
(運動不足や過度の緊張、ストレスによる)
④便意の慢性的な我慢 (排便反射の鈍化)
そのため、「食事療法」と言って水分や食物繊維の摂取を促すことで改善を図るケースは非常に多くなっています。
しかしそれは通常の「便秘」へのアプローチ方法。
もし原因がはっきりとしていない場合には却って症状が悪化することもあるため、
病院で診察を受けて、具体的な原因を明らかにすることも大切です。
「便秘」の原因がよくわからないのに、食物繊維たっぷりの食事をして便意をもよおすことがなかった現象を
経験された方もきっといらっしゃることでしょう。
人によっては水分不足で「便秘」が起きているも関わらず、多量の食物繊維をとってしまい症状が
悪化してしまうということもあります。
また、水分や食物繊維をしっかり摂っているのになぜか「便秘」が起きているというケースもあります。
そういった方は食事の際に食べ物を噛み過ぎていることや運動不足が原因である可能性もあります。
その人にとって何が原因で便が蓄積しているのか異なります。
「便秘」には様々な種類があるのです。
続いては、本題である「宿便」を体外には排出するための具体的な方法」をご紹介していきます。
「宿便」の症状を改善するための3つのポイント
大腸にこびりついている「宿便」を排出するための有効のポイントには次の3つがあります。
①よく歩く
②食べ物を十分に噛む
③食材選びに気を付ける
そのそれぞれについて順に詳しく見ていきましょう。
「宿便」改善のためのポイント①よく歩く
「宿便」の改善のためにまずは、腸を動かすことが大切です。腸を動かすためにはよく歩くことが欠かせません。
腹筋などの筋力の衰えから、便を押し出す力が弱まっている可能性もあります。
そのためには歩くという有酸素運動が大切なのです。
「宿便」改善のためのポイント②食べ物を十分に噛む
最低でも一口ごとに最低50回は食べ物を噛むようにしましょう。その回数についていろいろな考え方がありますが、この「50回」という数字は、
様々な健康合宿に参加してきた私の個人的主見解です。
咀嚼の回数は消化管に運動を高める上で間接的に作用していると考えられており、
食べ物をよく噛むことで腸に間接的な影響を与えてくれます。
「宿便」改善のためのポイント③食材選びに気を付ける
まず、安全・安心で健康にもよい、オーガニック食材を選ぶことが前提となります。可能であれば、野菜は無農薬無化学肥料で栽培されたものを、加工食品も古来からの製法で作られたものがよいでしょう。
宿便の症状改善に効果的なおすすめの食材は「梅干し(天然天日塩で作られたもの、
天日干しで仕上げる古来の製法で作られたもの)」と「大根」です。
「梅干し」と「大根」を使った私のおすすめ料理は次のように作ります。
1)大根は前日の夜から水につけ、火を通しておきましょう。
2)翌日、鍋でコトコトと煮た大根を煮汁と一緒に器に盛り、梅干しを加えて食べましょう。
これを5回程度食べると良いのですが、あくまでそれは、ポイント①の「よく歩く」ことと
ポイント②の「食べ物を十分に噛む」ことをした上でのことです。
この大根と梅干しに加え、3年熟成の味噌を加えてもかまいません。
また、さらに食物繊維が豊富なキャベツ、人参、大根の蒸し野菜も食べることもおすすめです。
上記のポイント3つは以前、私がが半断食合宿で実体験したときに「宿便」がドロドロとで出てきた時のやり方です。
詳しくは記事最後の「おまけ:半断食合宿によって大量の宿便が出てきた話」を御覧ください。
「宿便」症状の改善に役立つ、
二つの物質をご紹介
食材以外にも排便を促すものはあります。
例えば、
・オリゴ糖
・水酸化マグネシウム溶液
などです。
期間を区切って行う「オリゴ糖断食」や「水酸化マグネシウム溶液断食」などの方法が有効なのですが、
それが習慣化してしまうと、肛門の締まりが悪くな流などの不具合が生じる可能性もあります。そのため、注意が必要です。
どうしてお腸が動かない時は
均整師さんを頼るという方法も
内臓や筋肉など体のことをよくご存知の方であれば、経験豊富な「均整師」と呼ばれる専門家に
「宿便はがし」と呼ばれる施術をしてもらってもよいでしょう。
私自身も、「宿便が」原因で腎臓や子宮、肝臓も弱っていた際に腸にこびりついた宿便を剥がしてもらった経験があります。
しかし、こちらの処置は、熟練した均整師に行ってもらう必要があることに注してください。
おまけ:半断食合宿によって
大量の「宿便」が出てきた私の体験談
私が何度か参加したことのある「半断食合宿」。
それは毎日、急坂を登るなど14キロメートル以上歩き、指示された食事を1食だけ18時ごろに摂るというものでした。
食事のルールも厳しく決められており、一度に口に入れることができる食べ物の量は親指の第一関節程度。
それを最低100回は噛み続けるという苦行のような体験でした。
食事全体の量は少ないにもかかわらず、1食にかかる時間はゆうに2時間。
これを3日間継続します。
最初は本当にこんなことで宿便が出るのかと半信半疑だったのですが、
最終日にこの記事でもご紹介した大根を煮たものに梅干しと味噌を加えたもの、蒸したお野菜を食べること30分。
ついに便意をもよおし、トイレへ駆け込むと見たこともない色の便がとめどなく出たのです。
再度食事を進めていくと、また便意を催し
、これを繰り返すこと8回。
本当にすっきりとしたことを思い出します。
そして便を止める時は葛粉で固めた人参ゼリーを食べました。
科学的根拠では言い表せることができない身体の神秘を感じた体験でした。
この「半断食合宿」はマクロビオティックをベースに考案されており、マクロビ実践者の方にはきっと納得のいくものだと思います。
マクロビオティックの実践には深い知識と正しい理解とが必要なため、
「半断食合宿」は確かな専門家の指示のもので、実践しないといけません。
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