中国産はダメ、国産野菜を選択するという人へ。 もはや日本の農薬規制緩和は中国産野菜の残留農薬どころではありません
2004年に中国産冷凍ほうれん草の残留農薬事件があって、それまで不安視されていた中国産野菜に対する危惧が実際のものとなって、現在でも中国産の食品に対して買い控えをする人たちは多くいます。
しかし、国産だからと言って果たして安心なのでしょうか?
中国産と国産は実際にどの程度の差があるのでしょうか。世界で比較した時、中国産と日本産の農薬使用量はどう違うのか?
農薬工業会の公開している主要国の年間農薬使用量の推移では、1990年から2010年の20年間の推移を公表しています。
2010年時点で、中国は農薬使用量1位ですが、日本は3位で2位の韓国とそこまで差があるように見えません。
それに対して、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスは農薬し使用量の推移はずっと低いままで、日本と比較にならないほど差があることがわかります。
また、同ウェブサイトの農薬集約度ランキングでも中国、韓国に続き日本は3位です。
さらに、オーガニック農業の耕地面積でいえば日本は韓国にも中国にも劣っています。
今年の3月に農林水産省が発表した有機農業に関する資料では、2016年時点の有機農業面積割合は日本は有機JASのみだと0.2%で、韓国が1.2%、中国が0.4%と比較した6か国中最下位です。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/29yuuki-2.pdf
イタリアが14/5%であることを考えると、その差は70倍以上と驚愕の差があり、気候条件や生産者不足などの実態があるとしても、平成18年に有機農業の推進に関する法律が成立して12年経っていることから考えると、あまりにも政府の取り組みが不足していると言わざるを得ません。
更に、有機農業面積が日本で伸び悩んでいるだけでなく、世界で規制されているネオニコチノイド農薬が日本では世界と逆行して規制緩和されているという信じられない現実もあるのです。
中国産野菜の残留農薬どころではない、日本のネオニコチノイド規制緩和問題
ネオニコチノイド系農薬は、ハチの大量死や赤とんぼの激減の要因と言われており、タバコに含まれるニコチンに似た成分をベースろする殺虫剤で、現在世界で一番使用されている農薬と言われています。
環境問題だけではなく、神経発達障害との関連など人体への影響から海外では規制や禁止が為されていますが、日本ではそれと逆行してネオニコチノイド系農薬を緩和するという信じられない状況下にあります。
2013年にEUが学習障害や脳神経の構造に害があるおそれがあると発表して以降、世界各国ではネオニコチノイド系農薬の禁止や規制がされてきました。
ADHDや自閉症との関連も示唆されています。
また、ハチの免疫を抑制し感染症に罹りやすくなるという報告もあり、そのほかの昆虫や植物など生態系全体への影響が懸念されています。
更には、成分が長期間残留し、毒性成分が土壌や水に蓄積しやすいという性質があるのです。
その結果として、水や土壌に浸透したままそこで育った植物の組織の隅々にまで毒性成分が浸透し、洗っても落ちない農薬としての脅威や、ハチに神経毒性をおよぼしたり地下水汚染が拡大して被害がどんどん拡大していくという構図が出来上がるのです。
そうした悪影響から世界全体がネオニコチノイド系農薬に対して禁止や規制をしているのに、日本ではEUで禁止されたネオニコチノイド系農薬を広範囲で使用できるようにしたり、アメリカで禁止された新種のネオニコチノイド系農薬を解禁したり、子供や妊婦に推奨される残留基準を高くしたりとまさに正気の沙汰ではない所業となっています。
その背景には、巨大な世界的農薬メーカーと政府ぐるみでの利害関係があるとされています。
私達日本国民は、ネオニコチノイド系農薬の危険性についてあまりにもメディアで取り沙汰されないことに疑問を感じられるほど、その情報自体がありません。
そうして政府は国民が知らないのをいいことに、国土や国民の安全を危険にさらしているのです。
ただでさえ、少子高齢化がすすんでいるこの日本に、子供にADHDや脳神経毒性があるとされる農薬が広まっていいわけがないのです。
参考:一般社団法人アクと・ビヨンド・トラスト
農薬や中国産野菜の問題だけではない、遺伝子組み換え作物の問題も
農薬や中国産野菜も問題ですが、遺伝子組み換え作物も問題です。
日本は食糧自給率が38%と先進国最低水準、輸入に頼らざるを得ないのが現状です。
そして、その輸入されている穀類の大半が遺伝子組み換えであり、トウモロコシや大豆、菜種は90%以上が遺伝子組み換えなのです。
遺伝子組み換え作物については、生態系への悪影響とともに人体に有害であると世界中で危惧されており、
・発がん性
・アレルギー
・ホルモンのかく乱
などのリスク要因になるとされています。
ヨーロッパはアメリカなどで反対運動が起こり、規制や禁止がアジアやロシアなどでも世界各国で現在も続いているのに、日本ではその危険性に関する情報すら乏しく表示義務もも5%未満であれば免れるという非常に緩いものです。
ただでさえ日本はがん、アレルギーが国民の2人に1人といわれる国家であるのに、ここまで情報がすくないのは異常です。
そこには、企業と政府による利益のために国民の健康を危険にさらしているという構図が見えます。
中国産食品だけでなく、危険な食品から身を守るために
もはや中国産、国産といった線引きでは安心できない日本の食卓。
それでは、安心できる方法はどこにあるのでしょうか。
オーガニックなものを購入する
まず、オーガニックな商品を購入することです。国産だからと言って安心はできません。
低コストな化学肥料や農薬を使用しているものが日本では大半であり、トレサビリティが導入されていても必ずしも安心はできないのです。
表示を過信せず情報を積極的に収集する
消費者としては、ついつい表示を見て安心しがちです。しかし、そこには必ず国家や企業の利益を優先させるための抜け道があることを忘れてはいけません。
自国の国民の健康を優先させるどころか、危険にさらしている国を信じてはいけません。
本当に必要な情報を出さず、私たちの知らないところで日々重大な決断が為されているこの日本では、自らが情報を収集して危険に備えることが必要なのです。
中国産、国産の区分だけではなく本当に安心できる選択を
農薬、遺伝子組み換えなど食卓に直結している情報がなかなかえられない日本。
かつて中国産の食べ物や商品をさんざん日本のメディアは危険だと煽ってきましたが、国内のそうした情報は本当に少ないので、私達消費者はついつい安心だと思わされがちです。
しかし、安心できる状況であれば、こんなにがんやアレルギーが蔓延しているでしょうか?
農林水産省はオーガニック製品はそうでない製品に比較して高いので消費者の需要があまり伸びないとしていますが、それは農薬や遺伝子組み換え作物に関する危険性への情報があまりに少ないからともいえます。
私たち自身の身をまもるためには、オーガニックな生活を送り、常に情報を得ていくことこそ大切なのです。
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