更年期の疲れとイライラに悩んでいるあなたに知ってほしい|健康管理士が教える食事で更年期を和らげる方法
朝、起きた瞬間から身体がダルい、
疲れが残っている感じがして何もする気が起きない・・・
それでも女性の朝は慌ただしいものです。
そんな疲労感も心の中では「更年期?」と思っていても
認めたくない心理も働き、
「きっと昨夜飲み過ぎたせい。」「暑さのせい。」だと考えたくなるものです。
更年期とは一般的に閉経の前後5年、
約15年間の時期を指し45歳から55歳くらいの時期を更年期といいます。
更年期には様々な不調が起こりやすくこれを更年期症状と呼び、
更年期症状の種類は約200を超えると言われていますが、
今回は最も多くの人が感じる取れない疲労感についてご紹介したいと思います。
気づかない睡眠不足は自律神経の乱れから
なかなか眠れない、夜中に目が覚める、
早朝に目が覚めるなど分かりやすい不眠症状はなくとも、
知らず知らずのうちに睡眠の質が低下している可能性があります。
自律神経が乱れやすい更年期
広辞苑によると「更年期とは成熟期から老年期へと移行する時期」だとされています。
排卵のメカニズムと更年期
女性の身体はとても繊細で複雑なシステムによってコントロールされています。
卵子のもととなる原子卵胞は生まれる前、
つまりお母さんのお腹の中にいる間に一生分の数が卵巣に蓄えられています。
その数は誕生時に約200万個、
思春期には10~40万個、
生理が始まる思春期以降になると1ヶ月に約1000個ずつ減少していきます。
そして順調に生理のある間は、脳の視床下部から脳下垂体へと指令が出され
ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の一種であるFSH(卵胞刺激ホルモン)や
LH(黄体形成ホルモン)が卵巣に働きかけ、
卵胞が発育し始めるのと同時にエストロゲンを分泌します。
ところが45歳くらいになると、
毎月減少し続けた卵子の残りが少なくなり、
卵巣から成熟卵子の放出がスムーズにされなくなってしまいます。
それでも視床下部からは卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌が続くために、
視床下部の影響を受ける自律神経に混乱が生じてしまうのです。
自律神経が乱れ、交感神経が必要以上に優位になってしまうと
本人は気づかないまま睡眠の質が低下し、
脳や身体の疲れが充分に回復されず頭がボーッとして気力が出なかったり、
充分な睡眠をとったはずなのに疲れがとれないという症状が出やすくなってしまうのです。
更年期の心理状態とは
願望と現実の狭間。更年期が「ゆらぎ世代」と呼ばれる所以
いつまでも若々しくいたい!多くの女性が望むことですよね。
冒頭にも述べましたが、
身体に更年期のサインが現れてもそれを更年期だと認めたくはないもの。
イライラしても「きっと身体が疲れているからイライラしてるだけ。」
そう思いたいものですよね。
そしてある程度、ヘルスリテラシーの高い人なら、
疲労感を軽減するための食事などに気をつけることもあるでしょう。
しかしそれでも以前のように回復しない疲労感に
「なぜ?」とさらにイライラを募らせてしまう。
しかし更年期のイライラは女性ホルモンの変動が原因となっているので、
こうした負のスパイラルに陥らないためにも、
素直に自分の身体と向き合った方が気分的にもかなり楽になります。
不要なイライラは消化器官にも影響が
もちろん不要なイライラは身体にも負担がかかり、
特にストレスから交感神経が優位になると「ストレス性胃炎」と呼ばれる症状があるように、
消化器官に影響が出やすくなってしまいます。
するとせっかく「身体のために」と摂った食材が
正常に消化吸収出来なくなり、意味の無いものとなってしまいます。
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気をつけたい!更年期に取りたい食事
更年期に避けるべき食品
加工食品
身体の疲れから、
ついお総菜や加工食品で調理の手間を省きたくなるものです。
しかし冷凍食品などの加工食品やコンビニの総菜だけでなく、
スーパーのお総菜も必ずしも店内で作られているとは限りません。
例えば煮物にしても、工場で作られ冷凍された煮物を仕入れて
それを温めてパックしてあるだけというものも少なくないのです。
当然の事ながら「アミノ酸」と表示されるグルタミン酸がたっぷり使われています。
グルタミン酸は昆布やトマトなど自然な食材から直接摂るには
他のアミノ酸やミネラルと一緒に摂れるので何の問題もありません。
しかし合成のグルタミン酸がたっぷり含まれたお総菜や加工食品では、
グルタミン酸だけを過剰摂取することになります。
するとグルタミン酸は脳を興奮させ、
攻撃的な気分になったり睡眠を阻害したりして
更なるイライラや疲労の原因になりかねないのです。
遺伝子組み換え食品を含むもの
遺伝子組み換え食品は除草剤、
グリホサートに耐性を持たせるために作られたものです。
すなわち遺伝子組み換え食品には高濃度のグリホサートの残留が考えられます。
そしてグリホサートはホルモン代謝への影響も指摘されているのです。
私たちが知らずに摂取している遺伝子組み換え食品として挙げられるのは、
小麦製品や大豆製品など非常に身近なものばかり。
未だオーガニック=無農薬野菜というイメージを持っている人が少なくありませんが、
野菜以外のこうした食品にも充分な配慮が必要です。
更年期に摂るべき食品
大豆
一時期、大豆イソフラボンが女性ホルモン様作用があると話題になりましたよね。
しかし大豆イソフラボンは、腸内でエクオール産生菌により代謝され始めて
エクオールとなり女性ホルモン様作用が発現します。
残念ながら日本人にはエクオール産生菌を持っている人が少ないと言われています。
しかし食物繊維の多い丸のままの大豆を摂れば、
腸内環境が改善されエクオール産生菌も増えるという報告もあります。
海藻類
海藻類には奇跡のミネラルとも呼ばれるマグネシウムを始め多くのミネラル類を含み、
さらに水溶性食物繊維も多いため腸内細菌によって短鎖脂肪酸が産生され、
腸内環境の改善に役立ちます。
発酵食品
糠漬けやキムチなどの発酵食品は腸内環境の改善につながり、
その結果、食べた物の消化吸収が良くなり、怠さや疲労の回復に役立ちます。
日本人の腸内細菌はヨーグルトなどの動物性の発酵食品よりも、
植物性の発酵食品の方が良いと主張する研究者も少なからずいます。
ベリー類
ブルーベリーやクランベリー、ラズベリーやマルベリーなど様々な種類がありますが、
いずれも食物繊維やポリフェノール、ビタミン・ミネラルが多く含まれます。
マルベリーと呼ばれる桑の実は日本でも古くから食されてきた食品ですよね。
ベリー類には腸内細菌が改善されたという報告の他、
更年期に低下する代謝を上げる作用があるため、疲労回復効果も期待出来ます。
ただし皮ごと食べるベリー類は特にオーガニックにこだわりたいもの。
ドライのブルーベリーやクランベリーでは
防かび剤が使用されていることもあるので、そこもしっかりチェックして下さいね。
できることから一つずつ実践していこう
実は筆者も52歳。
年齢的には更年期真っ只中。
今回は筆者が実践していることも交えてご紹介させて頂きました。
食事やメンタルの他、筆者がその効果を感じたのはウォーキング。
最初は「仕事で疲れているのにウォーキングなんて。」と正直思っていたのですが、
有酸素運動が更年期の症状に有効だという論文を複数見つけたために、
食事療法と合せて実践したところ今では講演にカウンセリング、
プライベートレッスンに執筆作業と多くの仕事をこなしながらもしっかり家事まで出来るようになりました。
最初から全てを実践しようとすると、
疲労感が解消される前に嫌になってしまう可能性があります。
なので、「自分の年齢を受け入れる」といったメンタルからでも
食事の改善からでもいいので、ひとつずつ無理なく実践していって下さいね。
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