【オーガニックのよくある質問】
「子どもにオーガニックは贅沢品なのか？」
オーガニックレストラン経営者の現役ママがお話しします。

こんにちは、ヨウコと申します。
オーガニックレストランを夫と経営しています。

私は調理担当で、夫は有機JASの認証を受けて
店でお客様に提供するオーガニック野菜を作っています。

お客様の殆どは子育て中の方で、
皆様とオーガニックや料理についてお喋りをすることは、
私の楽しみのひとつです。

その中で、考えさせられたこと、発見したこと、面白かったことなど、
キッチンで一人黙々と作業をしていると、思い起こすことがあります。

これを、IN YOU読者の皆様、
特に私と同じく子育て中の方と共有できたらと思い、
筆を執りました。

今回考えてみたいことは、
「子どものためにオーガニックは贅沢なのか」です。

『オーガニックに興味があるけど、
子育て中なので贅沢ができません』

これは実際に私が何度か、お客様にいわれた言葉です。

食料品店の店頭に並ぶ、オーガニック製品と非オーガニック製品。

殆どの場合、オーガニック製品のほうが値段が高い…。

こんな仕事をしてはいますが、実は私も、お店の売り場で、
財布の中身とにらめっこなんてこと、しばしばあります。

ですから、正直に私はこう答えます。

「確かに。オーガニック製品、高いですよね」

そして、こう続けます。

「だけど、子どものためにこそ、オーガニックを選んで下さい。
オーガニックは贅沢品ではありません」

値札を前に内心たじろぎつつも、
私がこのように答える理由は2つあります。
以下にその理由を述べますね。
子育ての中にオーガニック製品を取り入れることに
悩みや迷いがある方のヒントになると嬉しいです。

大切な人にこそ、大切に作られたものを

590種類と37種類

突然ですが、この数字は何でしょう？

590は、日本で登録されている農薬の有効成分の数。

（H30.9.30現在　出典：「農薬工業会」：https://www.jcpa.or.jp/qa/a4_05.html）

37は、有機JAS規格で使用が認められている農薬の数（※）です。

（出典：「有機食品の検査認証制度」https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html）

※登録製品数ではありません。

有機農法では基本的に、化学的に合成した農薬は使用禁止です。

が、やむを得ない時に限っては使用が出来ます。

その数を意外に多いと思われるかもしれませんが、
これらの中には、防虫菊や、重曹、お酢などの食品、
病害虫の天敵を利用しているものも含まれます。

ただし、あくまでも使用を推奨するものではないので、
用途も捕虫器を使用する場合のみ認めるなどの、細かい規定があります。

そして慣行農法で用いられる農薬にも、
「農薬取締法」の他、使用にはルールがありますが、

有機農法における農薬のルールは、
それとは比べ物にならないくらい厳しいのです。

その他にも、有機農法では、種を蒔く時の土から、鍬の洗浄方法まで決まりがあり、
全ての作業は記録されます。

年に一度、第三者からの検査も必須です。

農産物以外の加工食品についても同様の厳しい規定があり、
それを満たしたものだけがオーガニック製品として認められます。

ですから、子どもには少しでも安全なものを食べさせたいという方には、
オーガニック製品が断然おすすめだと、私は思います。

食事は日々のメッセージ

ですが、私がこの記事で一番お伝えしたいのは、
「このような苦労を買ってでも、安全な食べ物を皆さんに届けたい」という、
生産者の熱い思いのことです。

オーガニックが商業主義に陥っている、とか、
有機野菜だって無農薬じゃないから、という話も耳にします。

確かに、そういう面はあるかも知れません。

しかし、私の夫も含め、多くの有機農家は、
「安全なものを皆さんに食べてもらいたい」という一心で
オーガニック農業に取り組んでいます。

大事に大事に、日々、あなたのために野菜や果物を作っています。

仕事で、たくさんの親子を見てきた中で感じることですが、
大切に作られたものを食べることで、大人も子どもも、
自分が大切な存在だと知るのだなぁと感じています。

安全面だけでなく、あなたは大切な存在だよというメッセージを
日々の食事を通して大切な人に伝えられるから、
それがオーガニックをおすすめする理由のひとつです。

オーガニックは、地球上の全ての生き物が
幸せになるための仕組み

オーガニック製品はただの贅沢品じゃない

ここで、ちょっと視点を変えましょう。

先ほども少し触れましたが、お客様とのお喋りの中で感じるのは、
オーガニック製品は贅沢品、との認識の方が多いことです。

「贅沢品」というのは、実際は“不要なもの”なのに、
必要以上に物事や金銭を使うことです。

これをそのまま、値段が高いという理由で、
オーガニック製品に当てはめることが出来るでしょうか。

いいえ。

オーガニックは、“必要なものごと”に対し、
正当な手間や金銭をかけるものだと私は思います。

だから、一見、値段が高いとはいえ、贅沢品とは言えません。

では、その“必要なものごと”とは何でしょうか。

オーガニックの4原則

世界約120国、800あまりの加盟組織を代表する
有機農業運動の世界的組織「IFOAM（国際有機農業運動連盟）」が
掲げるオーガニックの原則、

1　健康
2　エコロジー
3　公平性
4　ケア（配慮）

に従って考えると、オーガニック製品は、

人間から微生物に至る、地球上の全ての生き物の健康と、環境に配慮したものであり、

またそれらは、

住む地域や、生きる時代によって、不利益を被る人がいないように配慮されなければならない

ということが分かります。

細かい内容については、IN YOUの記事で夫が解説していますので割愛します。

ご興味のある方は【「オーガニック」は一体、誰のためのもの？本人が知らない、真のオーガニックの４原則とは】をお読みになってみてください。

このことを、ルイボスティを例に具体的に考えてみましょう。

オーガニック・ルイボスティを選ぶ意味

子育て中の飲み物にはノンカフェインのものを、ということで、
ルイボスティを選ぶ方が多くなっています。

皆さんは、ルイボスティが、どこからやってくるか、
どんな人が作っているか、ご存知ですか？

ルイボスは、世界で唯一、南アフリカ共和国のセダーバーグという場所の周辺にのみ生育していします。

この地域は乾燥や気温差、土壌性質などの条件が厳しく、営農はできませんが、
フィンボスという針葉樹の灌木が自生しています。

ルイボスもその一種で、近年はこれを栽培し、各国に輸出していますが、
その中にもオーガニックと非オーガニックの製品があります。

オーガニックのものであれば前述の通り、農薬やポストハーベストの点で信頼が持てます。

それだけではありません。

長年に渡るアパルトヘイト政策の結果、大きな貧困の差が生まれた南アフリカ共和国では、
貧しい小農民の経済的自立が求められています。

その手段の一つとして、ルイボスティでオーガニック認証をとり、
フェアトレードで所得を向上させるための取り組みが行われています。

オーガニックルイボスティを購入することが、現地への経済支援となり、
教育や、生活の質の向上に役立ちます。

また、同地のように雨が少ない地域でもし農薬を使うと
雨による洗い流しが期待できず、土中に残留する危険性があります。

その意味でも、この地域の持続的な発展のために、
私達は環境への負荷が少ない農法による製品を選ぶべきでしょう。

つまり、オーガニックルイボスティを選ぶことは、私たちの身体にとって安全なばかりではなく、
それを生産する国の人達の生活を守ることや、自然環境を守ることにつながります。

これは、消費者が当然負うべき責任です。贅沢や道楽ではありません。

なぜ激安商品は激安なのか

そして、激安商品はなぜ激安なのかを考えてみたことはありますか。

それはあの手この手で、コストを下げようと企業が頑張っているからです。

しかしその裏では、どこかの、誰かの、何かを犠牲にした上で、誰かが利益を得ています。

そこで、犠牲になるのは

目に見えない微生物かもしれない。

遠い国の青い海かもしれない。

あの子に支払われるべき賃金かもしれない。

あなたの健康かもしれない。

あなたが、激安商品を購入することは実は、
これらを犠牲にすることに賛成の一票を投じたということになります。

たかだか買い物一つで…と思われるかもしれません。

ですが、買い物は企業へのメッセージです。

人生は選択の連続、今取るべき行動とは？

私が子どものためにこそ、オーガニックを選んで欲しいという理由がおわかりいただけましたか？

ここで言う「子ども」というのはあなたのお子さんであり、遠い国の子ども達でもあります。

子どもが幸せということは、その国の未来が幸せであることですよね。
もちろんそうなると、私達大人も幸せです。

何か一つを、オーガニック製品に変えるだけで、未来は変わります。

人生は選択の連続です。

今日の買い物でオーガニック製品を選択することで、たとえわずかかもしれませんが、
より良い未来と地球に繋がっていきます。

これを繰り返すことで、「少し良い」未来が「とても良い」未来に繋がっていく、
そう私は確信しています。

オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market

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