実家の醤油は甘くて添加物だらけだった!南九州出身の私が伝えたい「真の醤油とは何か」
実家の醤油は甘くて添加物だらけだった!南九州出身の私が伝えたい「真の醤油とは何か」
問)これは何の原材料でしょう?
早速ですが、下の表をご覧下さい。
とある食品の実際の成分表示を抜粋したものです。
Aが私の実家で使っているもので、右のBが私が使っているものです。
Aだけを見て、これが何の食品か、お分かりになりますか?
添加物だらけで、何が何だか分かりませんが、Bのラベルを見ると分かりやすいかもしれません。
そう、答えは「醤油」です。
一体なぜこんなにも違いがあるのでしょうか?
醤油のことがもっと知りたい方はご一読下さい。
九州では甘い醤油がもてはやされる不思議
私は、生まれも育ちも南九州。
県外の人によく驚かれるのが、醤油が甘いということです。
地域内でも好き嫌いはありますので、ひとくくりには出来ませんが、刺身にも、納豆にも、冷や奴にも甘い醤油がでてくることが多いです。
甘くない醤油は、辛いと避ける人もいるほどです。
九州では、味噌も、甘い麦味噌が好まれるように、全体的に甘い味付けが好まれます。
それは、本能的に暖かい地域ほど甘い味を美味しく感じるからという理由や、歴史的に甘いものが最高級のごちそうだったという理由があります。
問題なのは、これらの醤油が添加物たっぷりだということです。
私は、子供が生まれてから添加物に気をつけるようになったのですが、添加物の入っていない甘い醤油は殆ど見たことがありません。
冒頭に挙げた私の実家で使っている醤油もまさにその典型です。
一体、甘い醤油とは何なのか、そう考えるうちに、本物の醤油とは何かを考えるようになりました。
この記事はその記録です。
ここからは、
✓醤油の作り方
✓大豆と脱脂加工大豆の違いと添加物
✓安全な醤油の選び方
について説明します。
まずはおさらい 基本の醤油の作り方
始めに、醤油の作り方と種類の違いについて説明します
基本的な醤油の材料は「大豆、小麦、塩、麹、水」です。
1、大豆を蒸す。小麦は炒って、ミキサーで細かく砕いておく
2、1に麹菌を混ぜ合わせる。4日ほど置いて、麹菌が育つのを待つ→醤油麹の完成
3、2の醤油麹に塩水を混ぜ合わせ、もろみにする
4、もろみを熟成、発酵させる(天然醸造なら2年ほど)
5、圧搾して液体と固体に分ける
6、5で得られた液体に火入れする(それ以上発酵しないように)
7、完成
4の熟成、発酵の過程で、大豆のタンパク質はアミノ酸に、小麦のでん粉がブドウ糖に変化し、醤油の旨味や風味が作られます。
文字にしてしまうとこれだけなのですが、醤油が完成するまでには微生物の力を借りなければなりませんので、長い月日がかかります。
薄口醤油やたまり醤油など、様々な醤油がありますが、基本的には同じです。
大豆と小麦の割合を変えたり、水の量を変えたり、熟成期間を短くしたり長くしたりして、色々な醤油ができます。
ここまでが醤油の基本の話です。
醤油に使われる丸大豆と脱脂加工大豆
それでは、冒頭で挙げた、表のAの醤油の成分を見ていきましょう。
まず気が付くのは、基本の材料である丸大豆の字が見当たりませんね。
Aの醤油は、丸大豆の代わりに脱脂加工大豆を使っています。
脱脂加工大豆はエコ
大豆は成分の35%がタンパク質、脂質が19%含まれています。丸大豆のまま醤油を作ると、熟成の過程で油が浮いてきます。
その油がまろやかさや旨味になると言う考え方もあるのですが、一般的には製造の過程で除去され、廃棄されます。
これがもったいないということで、予め大豆に含まれる油を除去したものが、脱脂加工大豆です。
除去された油は、大豆油として利用することができます。
つまり、大豆の使用率が上がるのです。
また、脱脂加工大豆は油分が除去された分、タンパク質の含有率が上がります。
そのため、効率よく旨味を引き出すことができるので、便利なのです。
つまり「油の再利用と加工の効率」という点でエコロジーであり、エコノミーなのです。
安心を求めるなら丸大豆
しかし、この脱脂加工大豆には2つの問題点があります。
1つは、大豆油を抽出するのに、ヘキサンという石油から出来た溶剤を使っているという点です。
ヘキサンは蒸発しやすいので油には残らないとの考えから、米油、サラダ油など様々な油の製造に使われています。
しかし、実際は、少量は残留すると考えられていますし、積極的に食べ物に使いたいものではありません。
また、2つ目の問題点として、その生産過程を追うことが難しいという側面があります。
それは、脱脂加工大豆は、主に海外で油を搾っているからです。
もし禁止農薬を使用していたとしても、それをトレースする方法がありません。
さらに、
日本では遺伝子組み換え作物の栽培は禁止されていますが、海外で栽培されたものを輸入することは禁止されていません。
そんな落とし穴があるのです。
脱脂加工大豆は輸入がほとんどであるという実態を考えると、遺伝子組み換えの大豆が含まれていてもそれを区分することは難しいことは頭に入れておきましょう。
ちなみに醤油は、醸造期間の間にタンパク質が分解されるという理由で、遺伝子組み換えの表示義務がありません。
ですから、
「遺伝子組み換えでない」という表示がないものは、遺伝子組み換えの大豆が使われていると思っておいたほうがよいでしょう。
脱脂加工大豆のほうが、効率よく美味しい醤油ができるという意見もありますが、安全性を考えたときには、遺伝子組み換えでない丸大豆を使った醤油を選びたいですね。
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JASで認められるアミノ酸液入り醤油
先ほどの醤油に戻りましょう。
原材料名を見てみると、はじめに来るのが「アミノ酸液」だということに驚きます。
これはもはや、脱脂加工大豆ですらないのです。
アミノ酸液は、強い旨味を足す液体調味料です。
4の熟成の過程で、大豆はアミノ酸になると述べました。
それでは旨味が足りない場合に、アミノ酸で旨味を足すのです。
大豆と小麦を発酵させたものが醤油だという基本に立ち返った時、これはもう醤油と言って良いものなのか考えさせられます。
世の中には信じられない方法でアミノ酸液を得て醤油を作る方法もあります。
さすがに、現代の日本ではそのようなことはないとは思いますが、そんなことも頭の片隅に入れておいてください。
先程の基本の醤油の作り方の項で示した方法を本醸造といいます。
図の「もろみ」のところにアミノ酸液を足したものを混合醸造法式といい、できた醤油にアミノ酸液を足したものを混合方式といいます。
これは、日本農林規格(JAS)で定められています。
醤油に使われる添加物の安全性は、完全には保証されていない
続いて、カラメル色素でそれらしい色味を足し、甘味料で甘みを足しています。
カラメル色素、甘味料のサッカリンは発がん性のリスクがあると考えられています。
この醤油にはありませんが、とろみを付けるための増粘安定剤が入っている場合や、日持向上剤が使われているものもあります。
どれも食品衛生法で認められたものではありますが、危険性が指摘されているものもありますし、複合的な危険性、また、多世代に渡る影響の評価が不十分なものもあります。
なぜ添加物まみれの醤油が跋扈しているのか
最初に述べたように、本来はシンプルな材料で作られるはずの醤油に、こんなにもたくさんの添加物が含まれるのはなぜなのでしょう。それは、より安くという消費者のニーズがあるからにほかなりません。
安くで利益を上げるためには大量に販売しなくてはなりません。
そのため、より安い材料を使い、より短期間で製品を完成させ、利益を生んで行かなければならないのです。
「どうしてこんな醤油を…!」と憤る前に、消費者としての私たちの行動を振り返ってみなければなりませんね。
安全な醤油とは何か
おすすめは有機JAS認証品
それでは、安全な醤油とは何でしょうか。私は、間違いなく有機JAS認証を受けた有機醤油だと考えます。
それは、有機の加工食品は原材料と、生産過程それぞれに信用が持てるからです。
有機加工品は「塩と水を除いた、95%以上が有機JAS認証品」である必要があります。
有機JAS認証品は、化学肥料や農薬を使用しないで栽培された非遺伝子組み換え作物です。
また、産地はもとより、栽培履歴までトレースできます。
どんな人が・どんな場所で・どのように育てたかが分かるというのは、大変信頼できます。
また、有機認証において、加工の分野で認証をとった場合、農産物の有機JAS認証と同じように、第三者から年一度の検査があります。
非有機のものが混ざらないか、記録は取ってあるかなど、細かいチェック項目をクリアしなければならないのです。
有機JAS認証の醤油といっても、海外の有機JAS認証の大豆や小麦を使ったリーズナブルなものから、国産の有機大豆や小麦にこだわったものまで色々とあります。
あなたに合ったものを探してみましょう。
醤油に使われている「塩」にこだわるのもgood!
また、先ほど述べたとおり、有機JASの加工品は「水と塩は除く」という規定があるのですが、塩にこだわった醤油というものもあります。
もし興味がある方はこのようなものを選ばれるのも良いでしょう。
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醤油だけじゃない!毎日使うものこそオーガニックのものを
「毎日使うものをオーガニックに変えるなんて、お金が続かない」という声を耳にします。
しかし、それは間違いです。
毎日使うものだからこそ、いいものを選ぶべきです。
丁寧に作られたものは、使う方も丁寧に使うように思います。
毎日使ううちに、品物の良し悪しの違いも分かるようになるはずです。
ちなみに、甘い醤油が作りたい方は、あなたが選んだこだわりの醤油に、煮切ったみりんやザラメなどを合わせて作って下さい。
実はとっても簡単です。
南九州生まれの私にとっては、甘い醤油をやっぱりおいしく感じたりもするのです。
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