【イタリア発レポート】衝撃!日本食はコロナ禍のイタリアで大注目され習慣にまでなっていた。現代の日本がイタリアから逆輸入する日も近い?
【イタリア発レポート】衝撃!日本食はコロナ禍のイタリアで大注目され習慣にまでなっていた。現代の日本がイタリアから逆輸入する日も近い?
現在私が棲んでいるイタリアでは、COVID19によって、多い日には一日千人近い死者数を出し続けました。
眠ることもなく、飲まず食わずで毎日連続10時間労働をし続けた医療従事者。
分刻みに依頼の電話が鳴り続け、ノイローゼになった葬儀屋さん。
死者を最小限に食い止めることはできなかったのか。
自分で自己免疫を高めることはできないのか。
そんな思いが渦巻く中、実はこの地で日本の伝統食文化が注目を浴びているんです!
コロナに見舞われたイタリアの悪夢、2020年3月・4月
イタリア北部の小さな町、コドーニョでイタリア人感染者第一号が出て一年。
死者、重症者を多く出した北イタリアでは、まだその傷跡が癒えることはありません。
わたしの住む小さな町は人口5000人。
2020年3月以前は、救急車が町の中を走るなど、一か月に一回でもあれば多いほうでした。
以前、住民は救急車のサイレンの音が聞こえると、
「救急車が〇〇さんの家の近くで止まった。おばあちゃんに何かあったかしら。電話してみよう。」
または、近くの工場地帯でサイレンの音を聞くと、
「〇〇さんの会社の近くだ。仕事中に従業員のだれかが怪我したかもしれない。」
高速道路の入り口近くで聞けば、
「あの高速は事故が多いから。大事に至らければいいけれど。」
そんなふうに、サイレンの音がする場所によって想像していました。
しかし、2020年3月以降は一日に5台も6台も救急車がサイレンを大きく鳴らしながら、夜中でも町内に進入してきました。
ロックダウンが施行されて静まり返っている町では、その音はより大きく聞こえ、死神が迎えに来たかのように感じたものでした。
皆、「次は自分かもしれない」という恐怖で慄いていました。
今でも、北イタリア人の誰もが、救急車のサイレンを聞くと、
「コロナの重症者を搬送するために来た。」
と、あの頃の恐怖に苛まれます。
第一次ロックダウンは規制がとても厳しく、飲食業だけでなく、産業もストップ。
買い出しも「アウトチェルティフィカツィオーネ」という、なぜ外出しているのか記載した自己申請書を持ち歩きました。
食材、日用不可欠な消耗品以外は購入も販売も許されませんでした。
例えば、トイレットペーパーや電池はいいけれど、お皿や物干しはダメ、という具合です。
そして、自分の住む町以外の商店には出かけられませんでした。
(その後、規制が緩まり、どうしても近くで見つからない必要不可欠な消耗品がある場合のみ、隣町まで行くことを許されました。)
現在のイタリアの普段の生活。ロックダウン、学校、買い物、仕事
2021年2月現在も、緩くなったものの、規制がしかれています。
産業やスーパーなどは普通営業に戻りました。
しかし、流通がストップしているところもあるため、自転車操業を強いられている事業主もいます。
仕事以外で、州を出ることを許されないため、観光業も苦しい状況が続いています。
職場や学校で、陽性者がでたときは、大掛かりです。
友人の中学生の女の子は、クラスメートが陽性になり(無症状)、一斉に学級閉鎖。
2週間後PCR検査でクラス全員陰性。
登校を始めて約一週間後、また陽性(無症状)の生徒がでて、二度目の学級閉鎖。
2週間後PCR検査した際、友人の子供は陰性でしたが、いつも一緒に遊んでいるご近所で同じクラスの男の子が陽性反応(無症状)。
結果、友人の子供も、濃厚接触者として自宅隔離となりました。
こんなことバカげている、と思う人も多いかと思います。
しかし、こんな例もあります。
先日、友人のお母さんがCOVID19肺炎が原因で亡くなりました。
他にも多くの基礎疾患があった方ですが、元気になさっていました。
亡くなったお母さんは、二世帯住宅で夫と息子家族と住んでいましたが、お母さん以外全員、PCR検査では陰性。
しかし、お母さんの容態が悪くなる一週間前に、近くに住む娘と孫が2時間ほど遊びに来ていたそうです。
その後、娘と孫は陽性だとわかりました。
誰を責めることができるでしょうか。
孫はおばあちゃんにコロナウイルスを移して、死なせてしまったという責任を負わなくてはいけないのでしょうか。
当時と現在のイタリアの飲食業。分かれる運命、バレンタインデーの悲劇
第一次ロックダウン直後に、デリバリーを始動した飲食店は、今でも生き残っています。
新たな仕事体系として、そつなくこなしています。しかし、その波に乗れなかった飲食業は不幸な道をたどることになります。
大きいチェーンのスーパーもすぐにデリバリーのトラック台数を増やしました。
思えば、第一次ロックダウン中、寝ずに働き続けたのは、医療関係者とトラックの運転手だけでした。
私がよく利用するオーガニックのお店もすぐにデリバリーを開始。
通常の2倍の売り上げがあったと言っていました。
今回のように世界が混沌とする中、デリバリーやオンラインに切り替えた人たちは逆に大きな成功を遂げています。
先日、飲食業は土日のみの営業再開が許可されたのもつかの間、感染者数拡大により、バレンタインデー直前に営業中止の命令がありました。
ちょうど、今年のバレンタインデーは日曜日で、多くのレストランなどが開店し、つかの間ながらバレンタインデーというイベントの営業のために材料を大量に仕入れたばかりでした。
多くのレストランは、営業中止を拒みました。
そして、今現在、残念ながらクラスターがあちこちで噂され、再び完全ロックダウンへの道を辿っています。
イタリアでも待たれるコロナワクチン
EUとイタリア政府は、EMA欧州医薬品庁(European Medicines Agency)の厳しい検査を通った安全性の高いワクチンだとして、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ(1月末現在)のワクチンを国民全員無償で提供すると約束しています。
まず、医療従事者、老人ホームなどの従事者及びお年寄りへのワクチン接種を優先的に行っていく、としています。
今のところ、ワクチン接種の義務はないと言明しています。
参考:イタリア共和国保健省 Ministero della Salute
私の住む人口5000人足らずの町でも、60歳以上のお年寄りへのワクチン接種が始まろうとしています。
わたしの夫の77歳の母親は「これで助かった」と喜んでいました。
イタリア人はコロナワクチン接種についてどう思っている?
ワクチン接種については、大きく分けて2派に分かれると思います。
◆COVID19に自分が罹ることを恐れ、早くワクチンを打ちたい。または、家族に老人や病人がいるので、移さないようにワクチンを打ちたい。
◆今こそ自己免疫力をつけて、COVID19に罹ったとしても、打ち勝つだけの体力をつけておきたい。ワクチンは信じていない。
残念ながらこの2派の意見は交わることはなく、平行線を辿っています。
しかし、上記の友人のお母さんの例もあるので、考えさせられるところです。
コロナ禍のイタリアでは日本食で免疫力強化?!今こそ先人の知恵に習え、日本の発酵食文化
先にお伝えした、
「今こそ自己免疫力をつけて、COVID19に罹ったとしても、打ち勝つだけの体力をつけておきたい。ワクチンは信じていない。」
という考えの人たちの中で、なんと「日本食」を実践する人が増えているのです!
私自身はイタリアで、がん予防、生活習慣病予防を日本の伝統食やマクロビオティックを基礎に考えられた、新しい地中海料理を提唱している疫学と予防医学のイタリア人医師の食事法を実践してきました。
今まさに、多くの医師、栄養士、料理人が賛同し立ち上がり、日本のオーガニックの味噌、醤油、甘酒、梅干し、漬物などを日々の食事に取り入れて、季節の野菜、玄米、胡麻などで健康な身体作り、炎症を抑え、自己免疫の強化をしようとしています。
(手作り有機玄米塩麹 ひよこ豆味噌 By Simonetta Barcella)
今ではほとんどの日本人が、味噌も梅干しも自分では作らないと知った彼らは残念がっています。
「こんなに素晴らしい、最先端の食事法が大昔から存在するのに!」と。
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イタリアといえば、海の幸山の幸が豊富で、食材を生かした地中海料理を思い出しますが、イタリアの発酵文化は以外に乏しく、数年前まで腸内環境が健康に及ぼす影響があまり注目されてきませんでした。
どちらかというと、食材を長持ちさせる意味の発酵という考え方だったと思います。
現代のイタリアでもジャンクフード、ファーストフード、添加物の入っている、簡単で短時間で「美味しい」インスタント食品がよく売れています。
そして、体調を崩していく人が多くいる中、昔からある地中海料理を見直し、異文化の良いものを取り入れて合体させる考え方が広まっています。
そこで注目されているのが、日本の食文化であり、発酵文化です。
イタリアの健康意識の高い方たちは、腸の健康が免疫と関係していることを知っています。
ですから、一日に一回はオーガニックのお味噌汁(お味噌を自分で作っている人も多くいます。)、浅漬けを作って毎食少しずつ摂取するようにしています。
季節の野菜を少々の塩で揉み、最低2時間重石で発酵させ乳酸菌などの菌を増やします。
お味噌にニンジンやダイコンといった野菜を一夜漬けておく人もいます。
(イタリア人が作る日本の伝統食)
また、お味噌の菌が高温では死んでしまうことを知っている人も多く、一度火を止めてから味噌を溶かすなど、日本人でも今ではあまり知らないようなことを知っています。
健康意識の高いイタリア人がお味噌汁を作る時は、なんと、昆布と椎茸の出汁からとります。
昆布は大西洋のものより、日本の昆布がいい、など使い慣れた人たちは言います。
かつお出汁は使いません。
そして、お味噌をとく時は、お味噌の菌を殺さないように、一度、すり鉢に出汁を入れて、すりこ木で味噌を溶かしていきます。
もしかすると、日本の伝統食をイタリアから逆輸入する日も近い?
(すり鉢の中のごま塩とフェンネルのオーブン焼き)
つい先日、イタリア人のマクロビの先生で友人が、自身のFacebookで語っていたことです。
「この間、パン屋さんの列に並んでいると、わたしの前の見ず知らずの青年が、機嫌悪そうにイライラと溜息をついていました。
わたしはすぐに、人に話しかけてしまう性格なので、どうしたのかと聞いてみたんです。
すると、その青年は、もう何か月も胃の調子が悪く、エコーや精密検査を受けたけれど、原因がわからない、と言うんです。
だから、わたしは彼のメールを教えてもらい、『Ume Sho Kuzu」の作り方を送って、副作用はないから、辛抱強く飲み続けね。と、書き加えました。」
Ume Sho Kuzuとは、梅干し、醤油、本葛をお湯に溶かしたマクロビレメディです。
そして、彼女はこう続けます。
「そして、今日、その彼からメールが届いたのよ!
『このメールが君に届くといいな。君に教えてもらった方法が上手くいっている。
まさか、こんな方法で治るなんて思ってもいなかったよ!
本当に本当にありがとう!』ですって。効くの当り前よね!」
人懐っこいイタリア人が、日本人でも忘れている日本古来の手当を、イタリアのある街角のパン屋さんでこんな風に語っているのを知り、正直嬉しく思いました。
現代の日本人だったら、胃の調子が悪ければ、自宅の台所を覗かず、薬局に真っ先に行くのではないでしょうか?
★南高梅のオーガニック梅干し|添加物ゼロ!
イタリア人が好んで取り入れている、簡単なお味噌や梅干しの使い方
(梅干し入りフムス ごま塩をかけて By Simonetta Barcella)
お味噌とタヒーニを1対4で、そのままパンに塗って食べたり、田楽のように食用のセロリの根、セルリアックをオリーブオイルで全体にならしてから塗り、オーブン焼きにしたりします。
梅干しは、ひよこ豆のフムスにレモンの代用として使ったり、消化を助けるために用いられたりします(外食などで食べ過ぎたときに、くき茶などと一緒に摂取します)。
または自然の保存料として、余ったお米などの穀物の容器の真ん中に梅干しを乗せる人もいます。
「日本ではこうして自然に食べ物を保存しているでしょう?すごいわね。」
と言われて、知らなかった私は恥ずかしい思いをしたものです。
今だからこそ、先人の知恵にならって身体の持つ自然治癒力を見直そう!
海外でこんなに注目され、習慣にすらなっている日本の伝統食文化。
手に届くからこそかえって見えないのかもしれませんが、今こそ日本人に古来から受け継がれた健康法を見直してもらいたいと切に願わざるを得ません。
祖国を離れて四半世紀。
日本に住んでいる時には自国の素晴らしさに見向きもせず、遠い外国ばかりを見ていた私。
それが、海外にでて外国人に教えてもらった日本の知、食文化。
今、このコロナ時代といわれる時こそ、健康は医者まかせ、薬まかせにせず、先人の知恵を用いながら身体の持つ自然治癒力を見直してみたいものです。
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