噂や過大広告に騙されず、正しい食材選びをするための基礎知識その4酢|一人暮らしのマクロビ料理
マクロビを始めたばかりの方でも、普段通りの生活をしながら少しずつ食生活を整えていけるようにと、また、人からのメディアからのお薦めされたものばかりでなく自ら良いものを選べる力をつけていけるようにと、情報をお伝えしてきたこのシリーズですが、早くも第4回です。今回は『酢』のご紹介をさせて下さい!・・・まだまだ基礎調味料の中の折り返し地点。飽きずにお読み頂けると幸いです!
これまでの記事はこちらから⇒ 砂糖編 塩編 塩との付き合い方編
酢の選び方
酢の売り場にいくとは、穀物酢や米酢、りんご酢など、いろいろな酢が並んでいます。何を買えばよいか、迷ったことはありませんか?基本的には、作りたい料理の味に合わせて選ばれていることと思いますが、やっぱり『酢』にも原料による違いもあって、味の違いに加えて、選ぶ基準にしたい知識もあるのです。醸造酢と合成酢の違い
まず一般的によく言われているのが、醸造酒と合成酒の違いです。醸造酢・・・農作物を原料としており、穀物種ならば1種または2種以上の穀類を使用したもので、その使用総量が醸造酢1リットルにつき40g以上のもの。果実酒ならば、原材料として1種または2種以上の果実を使用したもので、その使用総量が醸造酢1リットルにつき果実の搾汁として300g以上のものと規定されています。穀類・果実と酵母の発酵の力で作られた酢もあれば、アルコールが使われている酢も含まれます。
合成酢・・・いわゆる工業アルコールと呼ばれている、主に天然資源のエチレンガスを原料として、化学合成によって造られたものが使われている酢です。
健康に気をつかうなら、できれば醸造酢をいただきたいものですね。醸造酢か、合成酢かどうかはJAS規格でパッケージに表記しなければならないので、非常に分かりやすいです。合成酢はここ最近ではあまり見かけなくもなりましたが、それでもいくつかは流通しているので要注意ですね!
なぜ醸造酢がいいの?
ちなみに原料が穀類や果実など天然のものであるからこそ、醸造酢には、合成酢に比べてグルコン酸など、酢酸以外の有機酸がはるかに多く含まれていることが分かっています。醸造酢のまろやかな深みのある風味は、酢酸以外の様々な有機酸の量に関係があると言えます。有機酸のほとんどは体内でクエン酸に変化し、食欲増進、疲労回復、殺菌作用、脂質の酸化を抑える、細胞の老化防止、便秘解消などに役立つ優れものです。また、合成酢は醸造酢よりも、酢の大切な働きのひとつである体をアルカリ性に保つ効果が弱いという研究結果もあります。純がつく酢
醸造酒の中でも、さらに純度の高い、良質なお酢もあります。純米酢・純玄米酢・純りんご酢など、スーパーなどで見かけられたことはありませんか?純がつくものとつかないものの違いは、原料にプラスしてアルコールが加えられているかいないかの違いになります。もちろん純のつく方がアルコールを加えていないものです。
酢の作り方は、原料に酵素と酵母を混ぜて、原料に含まれるデンプンを糖を経てアルコールに変えて、さらにそこに酢酸菌を加えることでアルコール成分をお酢の主成分である酢酸に変える・・・というような工程を経て作られています。原料にアルコールを加えると、製造にかかる日数を抑えることもできるのですが、原料に含まれている色々ないい成分を活かすのであれば、原料だけで作られたものの方がよいですよね。
例えば米酢であれば、米酢は1リットルにお米が40g以上含まれていればOKであるのに対して、純米酢はその5倍の200g以上が含まれていることが殆どで、その分、先ほどご紹介した有機酸の含有量も増えます。また、加えられているアルコールについても、天然由来で作られた天然アルコールなのか、合成アルコールなのかの表記はあまりされることがないので、純のつくお酢を選ぶと安心かもしれません。
有機・オーガニックなど
醸造酢のなかには、原料の農作物をつくる段階で農薬を使用していない有機・オーガニックなどの酢もあります。有機・オーガニック製品の場合は、作り手の方の思い入れが強いからか、比較的、純米酢や純りんご酢のように、純のつくお酢が多い気がします。穀物酢・果実酢などの違い
お酢の有効成分を種類別に比較した表をご紹介します。お酢の有効成分比較表 | |||||||
分類・名称 | 原料 | 酸度 | アミノ酸 | エキス分 | |||
穀物酢 | 穀物酢 | 麦など穀物 | 中 | 少 | 少 | ||
米酢 | 米酢 | 米 | 中 | 中 | 少 | ||
玄米酢 | 玄米 | 中 | 中 | 少 | |||
黒酢 | 黒酢 | 米(玄米) | 中 | 多 | 中 | ||
香酢 | もち米(砂糖、塩) | 多 | 多 | 多 | |||
きび酢 | さとうきび | 中 | 多 | 中 | |||
果実酢 | リンゴ酢 | リンゴ | 中 | 少 | 多 | ||
(アルコール) | |||||||
ぶどう酢 | ぶどう酢 | ぶどう | 多 | 少 | 少 | ||
ワインビネガー | (ワイン、アルコール) | ||||||
バルサミコ酢 | ぶどう | 多 | 中 | 多 | |||
(キャラメル) | |||||||
柿酢 | 柿 | 中 | 少 | 少 | |||
いちじく酢 | いちじく | 中 | 少 | 少 | |||
梅酢 | 梅、塩、(シソ) | – | – | – | |||
もろみ酢 | タイ米、黒麹菌 | 少 | 多 | 多 |
※酸度(酢酸量)とは
酸度とはお酢に含まれる酸の割合を表しています。お酢に含まれる酸は酢酸が最も多いので酢酸量とも言います。
※アミノ酸量とは
体を構成する重要な働きをするアミノ酸をどれくらい含んでいるかを示します。黒酢、もろみ酢、香酢に比較的多く含んでいます。
(黒酢の有効成分)
(お酢ダイエットの秘密)
※エキス分とは
お酢に含まれるエキス分とは、クエン酸や糖分などお酢のおいしさを決める成分です
※表中の酢の有効成分比率表記について
比較項目別にそれぞれの言葉を具体的な数値で表します。酸度(酢酸量)
少 ・・ 1~3%
中 ・・ 4~6%
多 ・・ 6%以上
アミノ酸量
少 ・・ 0.1%以下
中 ・・ 0.1~0.5%
多 ・・ 0.5%以上
エキス分
少 ・・ 1~3%
中 ・・ 3~10%
多 ・・ 10%以上
味の違いなど
穀物酢
このお酢が1番一般的なお酢です。クセがなく、酸味もすっきりとしているので、色々な用途に使える万能なお酢です。 また、比較的値段も安いので、まな板を殺菌したり水回りの掃除などにも使えます。米酢
まろやかでコクのある味わいが特徴です。穀物酢のようにクセがないので、寿司、酢じめ、主に和食で多く使われます。大腸がんなどの予防に効果があるとも言われています。黒酢
他の酢に比べて、酸味もまるみのある味わいが特徴で比較的飲みやすい酢と言われています。他の酢と比べてアミノ酸が多く含まれていて、酢の中でも抗酸化作用が強いのが特徴です。 また、長い間熟成、発酵させることで麹菌がそれとともに琥珀色になっていくので色が黒いんです。和洋中のどれにでも合うので、色々な料理に使うことができます。香酢
中国のお酢で、原料はもち米です。このもち米を熟成させて造ることで、うま味、やさしい香りが出るのが特徴です。 料理で使う際には、小籠包や肉まんなどの点心のタレに使用するのが主です。ワインビネガー
原料はぶどうの果汁から作られていて香り高い味わいが特徴です。ワインと同じように赤、白の2種類があります。 料理にも赤と白で肉料理に使うのか魚料理に使うのかで分けられます。りんご酢
原料はりんごの果汁から作られています。そのため、りんごのフルーティーな酸味が特徴です。 軽い酸味なので料理もマリネやドレッシングや飲み物に適しています。 りんご酢には、カリウムが多く含まれるので、塩分を出してくれる効果があり、便秘改善の効果があります。バルサミコ酢
原料はぶどうの果汁を煮詰めたものを木樽に入れて12年以上熟成させたものです。 ぶどうの甘みとコク、まろやかな酸味が特徴です。もろみ酢
もろみ酢は、一般的に使われてる穀物酢と違い、主成分がクエン酸でできておりアミノ酸が豊富です。普通のお酢とは違い酸味はあまり感じません。次回は、和食に欠かせない醤油編です!
引き続きよろしくお願いします!
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