腸内環境を改善するために知っておきたい短鎖脂肪酸とは?発酵食品や食物繊維がなぜ良いのか、原理を知って腸活しよう!
お正月から早くも1週間が経ちましたね。
親族で集まっておせちやお雑煮などを、
たくさん食べる機会が増える時期。
私も、大好きなお餅をここぞとばかりに毎日食べていました。
そこで気になるのがお正月太り。
だらだら食いのクセがついてしまったり、
年初めのお仕事がだるくなっていませんか?
今年の目標として、ダイエットを掲げている方も多いのではないでしょうか。
腸内環境を整え、きちんと排出できるからだになれば、
太りにくい体質に近づくことができます。
ここでしっかりお正月太りを食い止めて
脂肪を溜めにくいからだづくりを今からしていきましょう。
腸内環境と短鎖脂肪酸
ダイエットは、あくまで健康に害することなく、無駄な脂肪を落とすことがとても重要です。
なにも食べなければもちろん痩せますが、
腸内環境は荒れ、こころは情緒不安定になりがちになってしまうでしょう。
腸内環境を整えて、からだに必要な栄養をしっかり摂り、
腸内で吸収・排出をしっかりできる環境を作れば、
気持ちも穏やかなまま自然と余分な脂肪が落ちていくでしょう。
腸内環境を整えるには、善玉菌が豊富な発酵食品と
善玉菌のエサとなる食物繊維が大事ですね。
テレビや雑誌でもよく、
「便秘には食物繊維」
「腸内環境を整えるにも食物繊維」
「健康のために発食品を摂ろう!」とよく見かけます。
ではいったい食物繊維と発酵品の何がいいのでしょうか。
そこには短鎖脂肪酸という成分が深く関わっていました。
腸内環境についてはこちらの記事もご参考になさってください。
腸と血の関係性。 汚れた腸は汚れた血しか作れない。 美しい血を作るための方法とは
短鎖脂肪酸とは
脂肪酸というのは、三大栄養素である脂質を構成する主成分のこと。
炭素という物質が鎖のようにくっついてできているのですが
この構成している鎖の長さによっても、種類が分けられています。
長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸とは、名前の通り長い鎖の脂肪酸。オリーブオイルなどの一般的な植物油や、ラードなどが含まれます。
中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸はMCTオイルともいわれていますが、長鎖脂肪酸よりも長さが短いため分解されやすく、
体への吸収や分解が早く、体に残りにくい油とされています。
ココナッツオイルはここに含まれます。
短鎖脂肪酸
短鎖脂肪酸は、大腸の中で、腸内細菌が食物繊維を発酵して生成されます。
食べ物や油から摂取するのではなく、体内で作られるということ。
主に、酢酸・プロピオン酸・酪酸という脂肪酸。
つまり、人の力(消化酵素)で分解することのできない食物繊維は、
腸内細菌によって分解発酵され、短鎖脂肪酸へ変換されいるのです。
ちなみに、腸内細菌は短鎖脂肪酸の他にも、
ビタミンB群やアミノ酸も合成してくれます。
疲労回復や美肌作りのためにも、腸内細菌を増やすことが大切ですね。
短鎖脂肪酸を合成するには
ビフィズス菌とオリゴ糖
わたしたちの腸内には約1000兆個の腸内細菌が住んでいるといわれていますが、その中でも、ビフィズス菌が短鎖脂肪酸をたくさん作ってくれます。
ビフィズス菌などの善玉菌は、発酵食品に多く含まれています。
毎食に少しずついろんな発酵食品を摂取していきたいですね。
そして、特にビフィズス菌が餌とする食物繊維はオリゴ糖。
オリゴ糖は、人間の消化酵素ではほとんど分解されないため、
大腸まで到達し、ビフィズス菌のえさになってくれます。
オリゴ糖が豊富に含まれているのは、バナナ・玉ねぎ・ごぼう・豆類など。
腸内細菌を増やすためにも、発酵食品と一緒に摂取していきましょう。
難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)
レジスタントスターチとは、食べたものが口から大腸までの間で消化されにくいでんぷんのこと。
大腸まで分解されずに届くので、腸内細菌たちが発酵させて、短鎖脂肪酸を生み出してくれます。
レジスタントスターチは特に酪酸の原料となります。
全粒の穀物や豆類、いも類、未熟バナナなどに多く含まれています。
また、冷やご飯や冷やし麺・ポテトサラダなど
一度加熱されたでんぷんが冷えことにより成分が変わり、レジスタントスターチが増えます。
常に食べるとからだを冷やしてしまう恐れもありますが、
適度におにぎりなどを食べていくと良いですね。
短鎖脂肪酸が腸内で増えることのメリット
食欲のコントロール
短鎖脂肪酸は、腸内である細胞と反応することで、
食欲を抑制してくれるペプチド化合物(PYY)という、
ホルモンの分泌を促すことが報告されています。
出典:Nestle Health Science
参考:医薬品情報21:http://www.drugsinfo.jp/2007/08/14-155000
腸内を弱酸性にして善玉菌を増やす
短鎖脂肪酸が生成されることにより、体内のpHが低下、つまり腸内が酸性になります。
pH(ペーハー)とは、体内の酸とアルカリのバランスのことで
pH7を中性として値が低いと酸性になり、高いとアルカリ性を示します。
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は弱酸性の環境下だと活発になり、
悪玉菌が活動しにくく、増加を防ぐことができます。
善玉菌が優位の腸内環境を整えることが大切です。
中性脂肪を燃焼
短鎖脂肪酸が受容体を刺激することにより、脂肪燃焼や脂肪蓄積の防止にもかかわっています。
短鎖脂肪酸が、短鎖脂肪酸受容体(GPR41)を刺激して
やる気や興奮にかかわる交感神経であるノルアドレナリンを活性化させ、
代謝を上げてエネルギーの燃焼を促進します。
また、短鎖脂肪酸による受容体(GPR43)の刺激によって、糖や脂肪の蓄積を抑えることもわかりました。
体内に脂肪を蓄える白色脂肪へ取り込まれるのを抑制し、
肥満を予防してくれる効果が期待できます。
出典
●腸内細菌と宿主の肥満をつなぐ受容体:木村郁夫(東京農工大学)
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/086/research/1.html
●脂肪酸受容体GPR41によるエネルギー調節機構の解明
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110426_1.htm
蠕動運動の促進
すっきりした体を目指すには、排便をして不要なものをしっかり出すこともとても重要ですよね。蠕動(ぜんどう)運動とは、腸壁が収縮をして、食べ物や便を送り込む動きのこと。
この動きが悪くなることによって、便秘や下痢を引き起こします。
この蠕動運動は自律神経によって動かされるため、意識的に調整することは難しいのです。
強いストレスを感じたりすると、便秘になる方もいらっしゃるかと思います。
短鎖脂肪酸の一種である酪酸が腸を刺激してくれることにより、蠕動運動が活発になり、
便を押し出してくれます。
特に朝食後に起きやすいといわれているので、朝ごはんをしっかり食べるということも大事ですね。
☆動画コンテンツIN YOU Tube『良かれと思っていたが腸内環境が悪化する意外な食習慣と腸内環境を良くする方法』
厳しい糖質制限は腸内環境の悪化させる
ダイエットといえば、糖質制限というイメージが大きいですよね。確かに、糖質をすれば痩せることができると思います。
ですが、果たして健康的に痩せることができるでしょうか。
炭水化物とは、糖質と食物繊維が合わさっているもの。
糖質と聞くと太るイメージが強く、お米などを避けがちになりますが
そうすると、食物繊維の摂取量も減ってしまいます。
また、3食の食事が糖質の代わりにと、たんぱく質や脂質(脂肪)に偏ってしまうと、
腸内に悪玉菌が増え、肝臓機能の低下につながる恐れもあります。
炭水化物は、私たちにとって大切なエネルギーです。
適度に摂らなければ、腸内細菌を減少させてしまい、逆効果となるのです。
精製されていない糖質を摂ってみよう
炭水化物を摂取する際に意識すると良い点は、
玄米や全粒粉パンなど、精製されていない食品を選ぶ、ということ。
毎日頑張らなくてもいいのです。
週1回だけ玄米を炊いて食べてみる、
パン屋さんで選ぶときは1個だけでも
全粒粉かライ麦パンにしてみる、など。
少しの意識・積み重ねが明日のあなたのからだをつくってくれますよ。
外食も楽しみつつ、前後のお食事で調整していきましょう。
☆動画コンテンツIN YOU Tube『体に優しい焼かないチョコグラノーラの作り方』
最後に
腸内で生み出される短鎖脂肪酸には、たくさんのパワーが秘められています。そして、わたしたちは腸内細菌たちの助けによって、健康に過ごすことができているのです。
微生物たちに感謝しながら、日々食べるものを意識していきましょう。
参考
●雑誌論文The Lipid vol.27 No.2 2016.4 腸内細菌と短鎖脂肪酸
●腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20131114/index.html
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