春からは見えない発がん性物質「カビ毒」に要注意!カビを発生させない対策とカビ毒の分解・デトックスに効果的な食べ物を解説します
春からは見えない発がん性物質「カビ毒」に要注意!カビを発生させない対策とカビ毒の分解・デトックスに効果的な食べ物を解説します
立春が過ぎ、春の訪れを待つばかりとなりました。
春に近づくにつれ気温も少しずつ上がり、やがて梅雨、夏へと季節は移行します。
そんな季節の移り変わりで意識しておきたいことの1つが「カビ毒」なんです!
目に見えるカビとは違い、カビ毒は肉眼では見つけることができない猛毒。
カビ毒に関しては、ローグレードの安い輸入コーヒーに混入している危険性を以前お伝えしましたが(※)、仮に良い食品であっても、購入後の保存方法が間違っているとカビ毒を発生させてしまうケースがあるのです。
今回はカビ毒を発生させない正しい保存方法と、購入の仕方、またカビ毒に負けない体にするために意識して摂取したい成分を解説していきます。
カビ毒の中でも最も猛毒なアフラトキシン
そもそもカビ毒とは?
猛毒と呼ばれるカビ毒ですが、どのようなものなのかをおさらいしましょう。カビには毒素(カビ毒)を作るものがあります。
カビ毒の多くは食後すぐに嘔吐や下痢を起こすような急性の中毒が少なく、長期間連続して摂取すると大きな障害を起こし得るということです。(※)
このようにカビ毒があまり知られていない理由のひとつに、すぐに体に異変が起こるものではないから認知度が低いという傾向があります。
これまでインユージャーナルでもカビ毒に関する情報をお伝えしてきました。
カビ毒と聞くと思い浮かぶのはマイコトキシンかと思います。
中でもマイコトキシンの中でも最も危険度が高く、猛毒と呼ばれるカビ毒が「アフラトキシン」です。
アフラトキシンは最も発がん性の高いグループに分類される
国際がん研究機関(IARC)では、アフラトキシンB1は最も発がん性が認められるグループ1に分類されています。(※)
アフラトキシンの毒性は、発がん性・肝毒性・催奇形性・免疫毒性などが挙げられます。(※)
アフラトキシンの猛毒性が発見されたきっかけは1960年、イギリスで起きた10万羽以上の七面鳥の大量死です。
その原因がアスペルギルス・フラバスと呼ばれるコウジカビの一種であったことから、アフラトキシンと名付けられました。
以来、アフラトキシンは天然物の中でもっとも強力な発がん性物質として知られています。(※)
先ほど、急性中毒は少ないと申し上げましたが、急性中毒の死亡例もあります。
(注)急性中毒とは、摂取直後から摂取後数日以内に現れる毒性
1974年インドでは肝炎によって106名もの死亡例、ケニヤでも急性中毒の事件が発生しています。
アフラトキシンを含むマイコトキシンに潜む問題点はこれだけではなく、もう2つあります。
一つ目は、目に見えないため気がつきにくいという点です。
カビは目に見えますが、カビ毒は目に見えないので知らず知らずのうちに摂取してしまいがちです。
さらに前述の通り、急性中毒が少ないため体に蓄積されると、やがてはガンなどの疾患となって表れるのがカビ毒の怖さです。
カビ毒が体内に入ってきた!という感覚はほとんどなく、知らずして健康を蝕んでいく慢性的に毒性があります。
二つ目は、カビ毒の残留基準が急性的だと判断されたもののみということです。
基準値については後ほど詳しくお伝えします。
加熱しても無毒化されない
アフラトキシンのみならずカビ毒・マイコトキシンは熱を加えても分解されません。
目に見えるカビが死んでも、カビ毒は残ったままなのです。
分かりやすいように、カビの生えた餅を例に挙げてみます。
お正月には餅つきをして鏡餅を作る家庭も多いでしょう。
自宅でついたお餅は無菌状態の環境ではないのでカビが生えやすく、気がついたらお餅がカビだらけになっていた、ということはありませんか。
中には生えた部分だけを切り取って食べていたという話も聞きます。
『もったいない精神』がはたらいたと考えられますが、カビ部分だけを切り取れば大丈夫なのでしょうか。
結論は、「間違いなく危険!」です。
お餅につきやすいカビは小さな胞子を空気中に飛ばして拡散します。
お餅からお餅、もしくは他の食品に胞子が飛ばされ、集まった菌が増殖して初めて目に見えるカビとなります。
目に見えるカビは熱に弱いのですが、カビを作るマイコトキシンは210℃ほどの高温加熱でも死滅せず、食品自体に毒素を持ってしまっているのです。
表面上のカビを取っても、猛毒は残ります。
少しもったいない、と感じるかもしれませんが、カビを発見したら絶対に口に入れないでください。
カビ毒に関する日本の基準値
カビ毒については各国で基準が設けられています。(※)国内におけるアフラトキシン基準値は、総アフラトキシンとして10μg/kgという規制が適用されています。(※)
株式会社食環境衛生研究所では、カビ毒最大基準値を、
・加工原料用木の実 15 μg/kg
(総アフラトキシン (B1+B2+G1+G2) として)
・直接消費用木の実 10 μg/kg
(総アフラトキシン (B1+B2+G1+G2) として)
・小麦、大麦、ライ麦 5 μg/kg
(オクラトキシン )
(総アフラトキシン (B1+B2+G1+G2) として)
・直接消費用木の実 10 μg/kg
(総アフラトキシン (B1+B2+G1+G2) として)
・小麦、大麦、ライ麦 5 μg/kg
(オクラトキシン )
カビ毒は微量であっても人体に有害であるため、基準値が低く設定されているとのことです。
ここで、基準値はゼロではないの?と思われる方もいらっしゃると思います。
ゼロ基準は飢餓状態を発生させかねない、そうしたリスクを抑えるためにも急性中毒にならないリスクでの基準が設けられています。
カビ毒はどういった条件で発生しやすいか
カビ毒はどのような要因で発生するのでしょうか。
カビ毒は海外からの輸入段階に起きているものと、購入後の保管方法で発生しやすくなるものがあります。
以前インユージャーナルで、市販の安いコーヒーにカビ豆が使われている可能性がある、とお伝えしました。
★缶コーヒーやインスタントコーヒーが安い価格で飲める本当の理由。栽培中の農薬だけではない、収穫後に存在する複数の落とし穴とは?コーヒーを愛するライターがお伝えする最新情報(後編)
前者はオーガニック認証を受けた食品を選ぶことで防ぐことができますが、後者の場合は仮に安全な食品を購入しても保存方法が間違っているとカビ毒を発生をさせてしまうことがあります。
どのような条件がカビ毒を発生しやすくするのでしょうか。
カビ毒が発生しやすい条件
・温度20度から30度、25度前後がもっともカビが活発となる
・湿度70%を超えた時(梅雨どきは要注意)
・高温多湿での水回りでの保管(シンク下など)
・湿度70%を超えた時(梅雨どきは要注意)
・高温多湿での水回りでの保管(シンク下など)
上記の条件を満たした際にカビ毒の増えやすい食品
【注意】
上記に示す食品を食べてはいけない、とうったえるものではありません。
なぜなら正しい消費方法、保存管理方法を知っておくことが最も重要だからです。
私も好んで摂取する食品ばかりです。
ナッツもコーヒーもオーツ麦も毎日を彩る食品ばかりで、それぞれの栄養価も素晴らしいものです。
良いものを良い状態でいただくには正しい管理方法を知っておきたいですね。
オーガニック食品を楽しむならなおさら、正しい保存方法を知っておく必要があります。
オーガニックでない場合、安売りしていたからといって大量購入、大量ストックを持つことはあまりおすすめしません。
★オーナーが厳選した無農薬豆をていねいに手作業で焙煎!香り豊かな深煎りオーガニック珈琲豆
カビを発生させないための保存方法
カビの増殖しやすい時期になる前に食品の保存方法を知っておきましょう。
正しく保存することで、カビ毒だけでなく食品を劣化させずに美味しくいただくことができます。
カビ発生防止のために意識すべき点
・加工食品の場合、食品表示記載の保存方法を守り、消費期限や賞味期限以内に食べきる。開封後はなるべく早めに食べきる
・カビの発生しやすい10〜30度の温度を避けて保存(冷蔵庫内、もしくは冷凍庫)
・湿度70%以上を避けるため、乾燥剤を使用するか、冷蔵庫内に保存
・オーガニック食品は無添加なので購入後早めに使い切るようにしましょう (※)
・カビの発生しやすい10〜30度の温度を避けて保存(冷蔵庫内、もしくは冷凍庫)
・湿度70%以上を避けるため、乾燥剤を使用するか、冷蔵庫内に保存
・オーガニック食品は無添加なので購入後早めに使い切るようにしましょう (※)
見落としやすいのがナッツ類の保存方法です。
栄養満点のナッツ類は、おやつにお菓子作りの材料に料理にと大活躍する万能食品です。
私もナッツを間食としていただいています。
これから暖かくなるにつれて保存方法もしっかりと確認しておく必要があります。
ナッツは常温保存が可能なのですが、それは冬季の間のみと考えておくのがオススメです。
密閉容器に入れておいても部屋内が高温多湿になる場合、カビの原因になります。
ナッツを美味しく頂くなら、開封後は冷凍庫保存を心がけましょう。(※)
特に非加熱の生のナッツはカビが生えやすいので注意してくださいね。
購入段階で意識できることは、やはり大量買いを避けるのも一つの手です。
冬場はよほど問題ない場合でも、梅雨以降は気をつける必要があります。
カビ毒をデトックスする方法と意識して摂取したい成分
そんな猛毒・アフラトキシンを完全にデトックス方法はあるのでしょうか。結論から申し上げると、完全デトックスできるものはないそうです。
しかし、カビ毒を体内で分解するために積極的に摂取したい成分が存在し、また食べ方にもポイントがあります。
積極的に摂りたい乳酸菌
乳酸菌が体にいいことはご存知かもしれませんが、実はアフラトキシンを分解することでも知られています。
食品安全科学研究室によると、
もし万が一、食べ物がアフラトキシンに汚染されていても乳酸菌を一緒に摂ることで結合し、体外に排出されるという仕組みになっています。(※)
アフラトキシンを分解する菌の調査も進められています。
東京大学大学院農学生命科学研究所ではアフラトキシン生産阻害物質生産菌を用いた調査が行われました。
アフラトキシンに吸着する乳酸菌はラクトバチルスという菌が有効だと発表されています。(※)
乳酸菌が豊富に含まれている身近な食品は、味噌、納豆、酢、キムチ、ぬか漬け、チーズなどの発酵食品です。
インユージャーナルでは過去に本物の発酵食品の見分け方や、乳酸菌の摂取方法などをご紹介しました。
こちらの記事も参考にしてくださいね。
スーパーに並ぶキムチ・梅干し・味噌などの発酵食品は添加物だらけ。本物の発酵食品の選び方と無添加オーガニックの発酵食品の魅力とは
よくわからず飲んでいませんか?IN YOU Marketで安定の人気!ヴィーガンプロバイオティクス乳酸菌に寄せられる質問に徹底解説!
食品をよく噛んで唾液分泌を増やす
噛んで唾液を出すことで発がん物質を抑制させるという効果は、かなり以前からすでに明らかになっています。
1995年、岩手医科大学歯学部口腔整理学講座の誌面では咀嚼(そしゃく)と発がん物質の抑制を次のように示しています。
「食品をよく噛むことは消化の負担を減らすためばかりではなく、発がんとの戦いにおいて重要な予防的働きをするであろう。したがって咀嚼は健康を維持する上においていかに大切であるかを理解して頂きたい」(※)
唾液の変異原性の抑制効果は年齢によって強弱はあるものの、噛んで唾液を出すことで健康寿命を長くすることができます。
カビ毒にも大きく関連する!私がなぜオーガニックを選ぶのか?
食品に含まれる化学添加物は長期間摂取すると発がん作用がはたらくと言われています。
私がオーガニック食品にこだわる理由のひとつでもあります。
特に発がん性の危険が疑われる、
・合成保存剤(安息香酸ナトリウム等)
・合成甘味料(アスパルテーム等)
・合成着色料(食用赤色2号、黄色4,5号)
・発色剤(亜硝酸Na)
・酸化防止剤
これらは避けるべき添加物です。
発がん性物質にわざわざお金を出す必要はありません。
不安を煽ってほしくない。
そのお気持ちは十分に理解しています。
過度な不安は心の負担にもなってしまいますよね。
私も文章でみなさまにお伝えするために様々な情報を収集する中、時には気が滅入ってしまうときもあります。
そういうときに自分の感情と向き合うようにしています。
私はこのような事実を知ることでどんな感情を抱いたのか、を丁寧に理解してあげることが大切です。
不安だ、心配だ、つらくなる。
外部からの刺激によって受けたこのような感情を無視するのではなく、理解してあげることにまずは徹してみましょう。
そこから本当に感じたい感情を感じられるような行動を効率的に取れるようになります。
健康面でいうと、安心という感情がほしいですよね。
自分が望む未来を客観視してあげることで、自然と欲しい感情のための行動に移れます。
今は何が健康を害する要因になるかわからない時代です。
知識のひとつとしてこのような情報を得ておくことも大切にしておきたい、と考えています。
例えば子育てしていらっしゃる方であれば、子どもの食育としても知識をつけていくにもいいですし、そのためには大人自身が健康でなくてはなりません。
また、オーガニック食品を選ぶことは環境保護のためでもありますし、オーガニックに関わる生産者を応援するためでもあります。
オーガニック食品は探れば探るほど奥深く、口に運ぶたびに新しい発見があります。五感をフルに使って味わえる、この感覚はオーガニック以外では得られないと思います。
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