コーヒーの紙フィルター消費は1日でなんと7億5,000万枚！ペーパーレスドリッパーで本当にごみゼロになるかバリスタが検証してみました

皆さんコーヒーはお好きですか？

自分で淹れる1杯は格別ですよね。

私もコーヒーが大好きで、1日2杯はハンドドリップでコーヒーを淹れます。

しかし毎日ハンドドリップをするうちに、ペーパーフィルターのゴミが気になりだしたんです。

1日2杯なら、1年で720枚ものペーパーフィルターを捨てていることになります。


「できるだけゴミを増やしたくない」

そう思って解決法を模索した結果、ペーパーレスドリッパーの存在を知りました。

さっそくステンレス製のものを購入し、ペーパーフィルターのゴミは出なくなりました。

ですが、使っていて気付いたのが、使い勝手やコーヒーかすの処理などのデメリットもあるということです。

果たしてペーパーレスドリッパーはゴミ削減・ゼロウェイストにつながるのか。

コーヒーが大好き、バリスタ資格*を持つ私が、ペーパーレスドリッパーの特徴やメリットデメリットなどに触れながら解説します。

現在ペーパーフィルターを使ってコーヒーを淹れている方や、ペーパーフィルターを捨てる時にちょっと抵抗を感じるけど使い続けている方、ゼロウェイストに興味のある方などのお役に立てれば幸いです。

*バリスタの資格はオーストラリアで取得したものです。

意外と知らない、コーヒーのペーパーフィルターのゴミ問題

ペーパーレスドリッパーの魅力の1つは、ペーパーフィルターのゴミが出ないことです。

以前ペーパーフィルターを当たり前のように使用していた頃は、

「ペーパーフィルターはどのくらい消費されているのか？」

「ペーパーフィルターを捨てた後はどうなるのか？」

なんてことは頭に浮かぶこともありませんでした。


しかし環境問題がクローズアップされるようになったと同時に、捨てるたびに上記のことを考えるようになりました。

具体的な数や処理方法を知ったことで、「ただ考えるだけ」から『行動』に変わりました。

まずは、ペーパーレスドリッパーの紹介の前に、ペーパーフィルターのゴミ問題を解説します。

コーヒーのペーパーフィルターの消費量ってどのくらい？

世界中でペーパーフィルターは1日で約7億5,000万枚も消費されていると言われています。
（参考：セラフィル）

膨大な数です。

毎日1杯ハンドドリップで淹れると、1年で365枚のペーパーフィルターを消費します。

もし日本人口の10人に1人（日本人口の10%）が1日1杯淹れれば、単純計算すると1,000万枚以上のペーパーフィルターが1日で消費されていることになります。

1日に1杯以上ハンドドリップする人もいるので、実際はもっと多い数になるでしょう。

ペーパーフィルターはまさに「塵も積もれば山となる」もので、毎日莫大な量が消費されているんです。

コーヒーを淹れた後のペーパーフィルターの行方は？

ペーパーフィルターを使用後は、コーヒーかすと共に生ゴミとして捨てる方が多いでしょう。

生ゴミの行方は以下です。

１，ほとんどが焼却処理をされる。
２，灰になったものは、埋め立てられたり溶解施設へ送られたりする。
（中にはリサイクルする市町村区もあるが多くはない。）

使用後のペーパーフィルターの多くは生ゴミとして燃やされ、焼却後の処理も簡単ではないのです。

紙ゴミを出さずにコーヒーが淹れられる！ペーパーレスドリッパーってどんなもの？

一方、ペーパーレスドリッパーには、ドリッパー自体にフィルター機能が付いているので、ペーパーフィルターを使わずにコーヒーを淹れることができます。

特徴は以下の通りです。

・金属や樹脂のメッシュでできている
・円錐形が多い（ハリオ式やコーノ式など）
・ペーパーフィルターが不要
・おしゃれなデザインのものが多い

主な素材は、

・ステンレス
・セラミック
・純金メッキ

などがあります。

セラミック製には「有田焼」で作られたというユニークなドリッパーも。

特にステンレス製のドリッパーが多く流通している傾向です。

私もステンレス製のものを愛用しています。

個人的に安定した味を出せるのと、デザインもスタイリッシュなので1番のお気に入りです。

ステンレス製は洗剤で洗えて錆びることもないので、最も使いやすい素材だと思います。

コーヒーのペーパーレスドリッパー、メリットとデメリットは？

どんな物事にも一長一短があるように、ペーパーレスドリッパーにもメリットとデメリットがあります。

ポイントはメッシュが粗めであることです。

自分はどうしたいかを念頭におきながら、消費選択の参考にしてみてください。

ペーパーレスドリッパーのメリット

ペーパーレスドリッパーの最大のメリットは「ペーパーフィルターが不要であること」です。


その他「豆本来の特徴を味わい尽くせる」のもメリットになり得ます。

ペーパーレスドリッパーはペーパーフィルターに比べてメッシュが粗いので、コーヒーオイルも抽出されるんです。

ペーパーフィルターだとコーヒーオイルは抽出されにくいので、ペーパーレスドリッパーならコーヒー豆がもつ個性を消さずに楽しめます。

ペーパーレスドリッパーのデメリット

ペーパーレスドリッパーの最大のデメリットは「手間がかかる」ことでしょう。


コーヒーかすは取り除く時に飛び散りやすく、排水口が詰まる原因にもなります。


★コーヒーかすが飛び散る解決策★

スプーンでコーヒーかす取った後、残りかすはドリッパーに水を入れて茶こしで回収するのも手です。

ペーパーフィルターであれば捨ててドリッパーを洗えば完了ですが、ペーパーレスドリッパーはコーヒーかすを取り除いて洗浄する必要があります。

★コーヒーかす除去後の洗い方★

1.　大きめのボウルにぬるま湯を入れる

2.　ドリッパーを左右にゆすって微粉を除去

3.　洗剤をつけた手でやさしく洗う（ブラシで洗うと傷がついて抽出に影響が出る可能性あり）

4.　ボウルのぬるま湯を替え、2と同じ洗い方でよく洗い流す

洗い残しがあると目詰まりを起こし、詰まったコーヒー粉が酸化すると次に淹れるコーヒーの味に影響するので注意が必要です。

味の観点からデメリットを考えると、

・コーヒーの微粉も抽出される
・ざらつく舌触り

など、メッシュが粗い関係で、微粉も通過するためスッキリとした味でないのが難点です。


★微粉が沈殿する解決策★

コーヒーサーバーなどに淹れて微粉が底にたまるのを待ってから、上のコーヒーをコップに移す。

細挽き〜中挽きのコーヒー粉は一緒に抽出されやすいので、粗挽きにしたりコーヒー粉を茶こしに入れて振り落としたりする。


微粉の調整やコーヒーかすの処理、ドリッパーの洗浄など、ちょっと手間がかかるのがペーパーレスドリッパーの醍醐味でもあります。

「手間さえも楽しみたい」と時間や気持ちに余裕があるときは、ペーパーレスドリッパーは探究心や好奇心を満たすのにピッタリとも言えるでしょう。


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コーヒーのペーパーレスドリッパーはゼロウェイストになる？

果たしてペーパーレスドリッパーはゼロウェイストになるのか？

私が出す答えは『ノー』です。

なぜなら、ごみゼロにはなりにくいから。

ペーパーフィルターのゴミ問題はなくなったのですが、使ってみて私が痛感したのがコーヒーかす問題なんです。

ペーパーフィルターであればコーヒーかすを散乱させることなく処理できたのに対し、ペーパーレスドリッパーにしてからはコーヒーかすの微粉が排水口へ流れて処理しきれませんでした。

コーヒー豆は油分を含むので、油脂がくっついて排水口が詰まる原因になります。

またコーヒーかすは、作物の成長を阻害することがあるという研究データもあるんです。

参考：コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究

ちなみにコーヒーかすは、消臭用や防虫用にリサイクルも可能です。
参考記事：コーヒーの残りかすは捨てたらもったいない！生活で使いまわせる意外で嬉しい万能活用法テクニックお伝えします。

しかしペーパーフィルターにしてもコーヒーかすにしても、

「ゼロでなくてもいい」

と思うのです。

ゴミゼロを目指すと、なんとなくマイナス感情が芽生えてしまうことがしばしば。

「コーヒーかすが流れたからゼロウェイストじゃないや。」

と考えるか、

「コーヒーかすが流れちゃった。でも流れない工夫はした。次はこうしてみよう。」

などと考えるかでは、日々の幸福度も変わると思っています。



ゼロウェイストという完璧さを求めるのではなく、レスウェイストでもいい。

ちょっぴり良くなる方向へ。

そのツールの1つとして、ペーパーレスドリッパーを選ぶ価値はありそうです。

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ペーパーレスドリッパーで淹れたコーヒーで丁寧な時間を楽しもう！

普段のお手入れが必要なペーパーレスドリッパー。

コーヒーを淹れるたびに丁寧に洗わなくてはいけないのは、面倒ですよね。

しかし「時間をかけて丁寧に過ごす」ことも、時には大切な時間だったりします。

忙しい時は「コーヒーに時間なんてかけてられない」と思うかもしれません。

ごもっともです。

時間がある時でいい。

丁寧に時間をかけてコーヒーを淹れてみると、味もですが、自分の感覚も変わります。

ぜひペーパーレスドリッパーと一緒に、丁寧な時間を楽しむきっかけにしてみてください。

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IN YOU Market厳選のコーヒーで、丁寧な時間を楽しもう！

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