綺麗なジュエリーの裏側で多くの命が失われているとしたらあなたはどうしますか？ジュエリー業界の裏側と、広がる「エコ＆サスティナブル」の流れ

皆さんは、「コンフリクト・ダイヤモンド」という言葉を聞いたことがありますか？
直訳すると「紛争ダイヤモンド」。

内戦や紛争が行われている地域で採掘されたダイヤモンドのことで、
その売上は武器の購入など、戦いを続ける資金源とされています。

今、ジュエリー業界では美しいジュエリーの裏側にある、
このような社会問題に対する取り組みが広がっています。

わたしたち消費者に求められている「エシカル（倫理的な）」行動は、
ジュエリーを選ぶ際にも求められているのです。

今回は、サスティナブルな社会を目指すジュエリー業界の取り組みをご紹介していきますね。

輝くジュエリーの裏側には社会の闇が隠れている！？

紛争ダイヤモンドが世界規模で知られたきっかけは、
2007年に公開された映画「ブラッド・ダイヤモンド」です。

内戦化のアフリカで発見されたピンクダイヤモンドを巡る戦いを描いた作品で、
その後多くのエシカルジュエリーブランドが誕生する分岐点ともなった映画です。

購入することで多くの命が失われるとしたら…あなたは買いますか？

ダイヤモンドが反政府組織などの資金源となっているということは、
つまり、
ダイヤモンドが多くの人々の命を奪っているということ。

戦いを後押しすることで、たくさんの子供たち、一般人が犠牲になります。
また、多くの成人男性が戦いへと向かうため、厳しく危険な採掘作業を幼い子供たちが行っています。

目の前のダイヤモンドが通ってきた道を知らなければ、
ただの美しいダイヤモンドかもしれません。

しかし、
たくさんの命と悲しみ・苦しみを背負ってやってきたダイヤモンドだと知ったら、
あなたは欲しいと思うでしょうか？

ダイヤだけじゃない。すべてのジュエリーたちが多くの社会問題を抱えている

紛争ダイヤモンドのような事例は、
すべての宝石・金・銀・プラチナなどの素材の採掘地で見られます。

紛争や内戦への資金源だけでなく、児童労働・過酷な労働環境・貧困といった人権問題から、
劣悪な方法による採掘での環境破壊など、実に様々な社会問題が起こっているのです。

残念なことに、先進国で天然宝石が求められるほど、
途上国では多くの人権侵害や環境破壊が起こってしまっているのです。

出典：Wikipedia「紛争ダイヤモンド」

世界のトップジュエリーブランドがエシカルジュエリーへの取り組みをけん引

このような採掘地域での社会問題にいち早くアクションを起こしたのは、
世界有数のトップジュエリーブランドたちです。

「ブラッド・ダイヤモンド」が公開される1年前の2005年、
彼らは共通のある団体に加盟し、その団体の認証を取得し始めたのです。

それが、RJC認証。

RJC（Responsible Jewelly Council＝責任ある宝飾品業のための協議会）は、
ダイヤモンドとゴールドに関わる全ての人に対し、倫理・社会・環境の明確な基準を定義し、
素材の調達から小売までにおける様々な問題改善を目指すことを目的に発足した団体です。

発足メンバーはカルティエを含む14社。

その後、ブルガリ・ショパール・ピアジェなど、
名だたるトップブランドがその取り組みを支持し、加盟しました。

日本ではまだまだ認知度の低いRJC認証

海外のジュエリーブランドのRJC加盟は増え続け、今では1,100社を超えています。

しかしながら、「ジュエリー×社会問題」というテーマ自体が浸透していない日本においては、
加盟ブランドはやっと2社になったところです。

ちなみにその2社はというと…
・HASUNA　
日本で初めてRJC認証を取得したブランド。
国際協力を学び、数々の途上国を訪ね歩いたデザイナーの白木夏子さんは、
日本にエシカルジュエリーを根付かせる活動を続けるトップランナー的存在。

・エフ・ディ・シィ・プロダクツ
ジュエリーブランド「4℃」を運営する4℃ホールディングスグループのひとつ。
ダイヤモンド取引におけるキンバリープロセスや環境問題に対する取り組みも積極的に行っている。

たった2社？と思われるかもしれませんが、
日本でも、RJC認証取得に前向きなジュエリーブランドが増えています。

出典：繊研新聞電子版「エフ･ディ･シィ･プロダクツ　国内2例目のRJC認証取得」
出典：Chopard公式HP
出典：Cartier公式HP
出典：BVLGARI公式HP
出典：PIAGET公式HP

まだまだある！エシカルジュエリーを選ぶ際のキーワード

RJC認証以外にも、エシカルでサスティナブルなジュエリーを示すキーワードはあります。

まずひとつめが、

ゴールド採掘現場の人権を守る！フェアマインド認証

フェアマインド認証は、
国際NPO団体ARM ( Alliance of Responsible Mining＝公正な採掘のための連盟)によるもの。
ARMは、公正な労働環境下にある小規模鉱山と独自に提携し、
その鉱山で採掘されたゴールドに対し、フェアマインド認証を与えています。

ARMは、採掘現場の労働環境改善や人権保護の取り組みだけでなく、
労働者やその家族へ、生活向上のための対価や奨学金を支払うということも行っています。

採掘現場で働く人の家族や未来に貢献していると思うと、
一層価値あるジュエリーのように感じますよね。

このフェアマインドゴールドは、
海外ではショパールなどのビッグメゾンも次々支持しているため、
その調達量の多さから、ゴールドの採掘～販売全体の流れを変えつつあります。

日本では、RJC認証も取得している「HASUNA」や、
同じく設立以来一貫してエシカルジュエリーを手掛けている、
「R ethical jewelry」がフェアマインドゴールドを使用しています。

出典：HASUNA公式HP
出典：R ethical jewelry公式HP
出典：Fragments「日本初ゴールドのFairmined認証ラベル「R ethical jewelry」が取得」

メーガン妃ご愛好で人気急上昇！合成ダイヤモンド

英国王室に嫁いだメーガン妃は、
地球環境に配慮したサスティナブルなブランドを好んでよく身につけています。
世の中への意識向上を目指しているそうで、
メーガン妃に選ばれたブランドは、各国のファッション誌から常に注目の的となっています。

ジュエリーももちろん、エシカルジュエリーを選んでいますよ。
お気に入りブランドは、「KIMAI」。

KIMAIで使用しているダイヤモンドは、合成ダイヤモンド。
通常鉱山で採掘されるダイヤモンドとほぼ同じ品質で、
工場で生産される合成ダイヤモンド（ラボグロウン・ダイヤモンド）は、
環境負荷が低く、サスティナブルな宝石だと人気が高まっています。

近年、高品質な合成ダイヤを生産する高い技術を持つスタートアップ企業が各国で誕生しており、
ビッグメゾンからの問い合わせや買い付けも殺到している企業もあるそう…

見た目も美しく、天然のものより低価格で、環境にも優しいとなれば、
ぜひ買ってみたいですよね。

出典：KIMAI公式HP
出典：VOGUE UK「7 Times The Duchess of Sussex Supported Sustainable Fashion」
出典：WIRED「Silicon Valley is on a quest to grow the perfect diamond」

これからのジュエリー選びは自分と世界のだれかのために

自分へのごほうびや、大切な記念日に購入するジュエリー。
これからは、サスティナブルな社会への貢献も兼ねて、
それぞれのジュエリーの持つストーリーで選んでみてはいかがでしょうか？

そのジュエリーの向こう側に、
たくさんの笑顔や豊かな自然が見えるような、
そんなジュエリーを身につけていれば、
毎日がきっともっとハッピーになるはずです！


☆動画コンテンツIN YOU Tube『ドクターに訊くオーガニック的 電磁波対策』

オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market

IN YOU Market

IN YOU Marketのサスティナブルなアクセサリー

この記事を読んだ方にオススメの記事

最近よく耳にするSDGsって何？サスティナブルな未来を実現するために今あなたが出来ること【前編】

サスティナブルな未来を創るなら、サスティナブルな会社と事業でなくてはならない

環境問題と、他人事にとらえていませんか？地球より小さい人間なんて、真っ先に壊れます。サスティナブルな社会を作るためには。

IN YOUライター募集中！

あなたの時間を社会のために有効活用しませんか？
年間読者数３０００万人日本最大のオーガニックメディアの読者に発信しよう！

　IN YOU Writer 応募はこちらから