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IN YOU Market

日本にある大量の放射性廃棄物はどこに行く?高レベル放射性廃棄物から身を守るために今できること。

放射性物質管理区域

夏休みを利用して、さまざまなPR活動を行うNUMOに地層処分の必要性を刷り込まれる子供たち。その思惑とは?


全国的に夏休みもいよいよ後半となりましたね。
都市部の小学校では、8月いっぱいが夏休みでしょうか?

ここ信州では若干が都市部に比べて小学校の夏休みが短く、
既にお休みが終わった学校が多いです。

夏休みは、全国のアミューズメントパークや公共施設で、
子供や親子を対象とした色々なイベントやワークショップがが開催されていますよね。

お子さんの宿題や自由研究を手伝ったり、
親子で体験できるイベントなどに出かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

子どもの手

IN YOU読者の皆さんは
夏休みに親子や子どもを対象として行われているイベントのひとつに、
NUMO(原子力環境整備機構)が主催している地層処分技術の体験講座があることはご存知ですか?

この夏、NUMOのホームページでは科学技術の展示施設入場券が当たるゲームや、
親子で地層処分に使われる技術を体験できるイベントの告知が行われています。

既に学校教育の現場でも
NUMOによる放射性廃棄物の地層処分を啓蒙する取り組みが行われていることは、
こちらの記事でもお伝えしましたが、覚えていらっしゃいますか?

放射性廃棄物があなたの家の近くにも埋められるかも。 ”核のゴミ”を地下深く埋めれば安全性は問題ないのか? 未来の子どもたちに負の遺産を残さない為に、今私達ができること。


放射性廃棄物?地層処分とはそもそも何?


「地層処分」とは、日本の原発から出た使用済み核燃料を
ガラスで溶かし固めて高レベル放射性廃棄物として、
地下300m以上の場所に埋め100年以上に渡り保管する処分法
です。

地下水汚染や地殻変動により長期に渡り安全に保管することが難しく、
安全性が確立されていません。

現在、全国では地層処分候補地を選定するための対話型説明会が開催されていますが、
地層処分の安全性に疑問を感じる住民が多く、用地選定は一向に進んでいないのが実状です。

候補予定地には地域興補助金などがおりることがPRされているにも関わらず、候補地は決まる目途は立っていないのです。
しかし、地層処分を行うための研究はJAEA(日本原子力研究開発機構)により着々と進められています。


今回は、このJAEAが行ってきた研究開発の最新情報を元に
地層処分候補地選定について考えます。

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JAEAが岐阜で行っていた高レベル放射性廃棄物の地層処分研究終了を突如、延期!!思惑に迫る!?

原発

日本で原子力発電の研究開発を行ってきたJAEAは、
岐阜放射性廃棄物地層処分の研究所を持っています。

北海道と岐阜の研究所は、それぞれ以下の目的と条件で運用が行われてきました。

北海道・幌延深地層研究センター:
地層処分における地殻変動の影響などを検証することを目的とし、
2021年度末で研究を終了する。

岐阜・東濃地科学センター:
岩盤や地下水調査技術及び工学技術の基盤整備を行い、
2022年までに土地を返還する。



参照:日本原子力研究開発機構 お知らせ

  • 記事解説「8月4日北海道新聞社説「幌延深地層研 期間延長は約束違反だ」
  • 記事解説「8月8日NHK(岐阜ローカル)「核ゴミ処分研究施設の閉鎖を延長」」



  • 2021年・22年の返還が予定されていたこの2箇所の研究施設に関してJAEAは、
    今月初旬に施設の利用延長を自治体に申し出ました。
    その結果、瑞浪市では研究所の閉鎖が、
    幌延町では研究継続が約6年延期されることになりました。


    放射能って、怖い!

    「研究開発施設がなし崩し的に地層処分候補地となるのでは?」近隣住民の不安に対する答えは?

    トンネル

    この2箇所の研究施設は、研究所開設当初に住民から
    「なし崩し的に放射性廃棄物地層処分が行われることになるのでは。」
    という不安の声が出た施設です。

    JAEAは北海道・岐阜の両施設に関して
    「最終的な地層処分場とすることはない。」と表明しています。

    しかし、瑞浪市の研究所開設に関しては
    以下のような岐阜県弁護士会から重大な指摘がなされています。

  • 予備調査のみの場合に必要となる深層ボーリングが行われていないこと。

  • 研究所開設の際に、
    JAEAが瑞浪市と結んだ協定では研究所内には放射性廃棄物を持ち込まないとしているものの、
    処分場計画が持ち上がった場合の方針は明らかではない。


  • 出典:岐阜県弁護士会 公害対策環境保全委員会プレシンポジウム「高レベル放射性廃棄物は安全に処分できるか」


    現に東濃地科学センターは当初の返還期限であった2022年に研究施設の撤去後に、
    一旦は土地土地建物の賃貸契約を終了するものの、
    一部の土地については環境モニタリング調査のために改めて賃貸契約を結ぶ方針
    を示しています。

    契約

    JAEAは幌延深地層研究センターに関しては、
    今後も明確に放射性廃棄物の地層処分候補地となることはないと明言していますが、
    東濃地科学センターでは明確に地層処分候補地となる可能性を否定はしていないのです。


    また地層処分用地選定返のために作られた「科学的特性マップ」では、
    東濃地科学センターの瑞浪市付近は地理的な危険性が低い場所とされています。

    還期限延期により研究所施設撤去や坑道の埋戻しが行われたとしても、
    他に地層処分候補地が見つからなかった場合の方針については依然として不透明なままです。

    放射性廃棄物

    東濃地科学センターがある瑞浪市を始め、日本は全国各地に多数の活断層が存在する地震列島です。
    それにも関わらずNUMOが発表した地層処分の30年以内にマグニチュード6から7の地震が発生する可能性が高い活断層は、全国に30箇所も存在します。


    参照:政府地震調査研究推進本部 主要活断層の評価結果


    活断層の多さを考えればどの地域で放射性廃棄物の地層処分を行ったとしても、
    大きなリスクがあることは、INYOU読者の皆さんなら簡単に想像がつきますよね?

    では、私たちの生活や自然環境を守るために地層処分を中止させるにはどうしたら良いでしょうか?

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    あなたがお住まいの地域に放射性廃棄物拒否条例はありますか?今すぐ確認してみよう!

    ルール

    今回の北海道と岐阜の研究施設使用延期報道を受けて、
    JAEAは住民の不安を払拭するためのコメントをホームページに掲載しましたが、
    その内容には大きな違いがありました。

    北海道・幌延深地層研究センターついては、
    今後とも放射性廃棄物処分場が作られることはないことを明言したのです。

    実は北海道は幌延研究センターが開設される前年に、
    特定放射性廃棄物を道内に持ち込ませないとする条例を制定しています。


    また北海道庁・幌別町・JAEAは三者で協定を結び、地層処分だけでなく
    研究目的放射性廃棄物の中間処理施設や最終処分場は建設しないことを約束しています。

    以下を御覧ください。

     北海道における特定放射性廃棄物に関する条例

    北海道は、豊かで優れた自然環境に恵まれた地域であり、
    この自然の恵みの下に、北国らしい生活を営み、個性ある文化を育んできた。

    一方、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物は、
    長期間にわたり人間環境から隔離する必要がある。

    現時点では、その処分方法の信頼性向上に積極的に取り組んでいるが、
    処分方法が十分確立されておらず、その試験研究の一層の推進が求められており、
    その処分方法の試験研究を進める必要がある。

    私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、
    将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況の下では、
    特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する。



    出典:北海道における特定放射性廃棄物に関する条例
    幌延町における深地層の研究について



    ペン

    現在放射性廃棄物を地域に持ち込ませないことを目的とした条例は、
    全国22の自治体で制定されています。

    参照:2018・8・28朝日新聞 核ごみ拒否条例広がる「処分地の適地」公表後5自治体

    あなたもお住まいの自治体の条例を確認し、もし無い場合は市会議員さんなどに、
    条例制定に必要な手続きについて相談してください。

    多くの自治体が相次いで条例を制定することにより、
    地層処分そのもの見直しに繋げていきましょう。

    自分でできる放射能対策

    JAEAも行っている地層処分の子ども向けPR作戦。子ども達が洗脳されないようにするには、どうしたらいい?

    モグラ

    地層処分の候補地選定のための活動は、今や大人への説明会だけに留まりません。

    NUMOによる子ども達向けに地層処分のPRが行われていることは、
    これまでの記事でもお伝えしてきましたが、
    実はJAEAも子どもや学校関係者に向けに放射性物質の安全性をPRする活動を積極的に行っています。

    JAEAのホームページにも
    NUMOと同じモグラのキャラクターを使ったゲームやクイズなどが掲載されています。

    子どもが放射性廃棄物や地層処分に対する危機感を薄れさせるような内容のコンテンツは、
    スマホやパソコンのフィルタリング機能を利用して、なるべく目に止まらないようにしましょう。


    本当の意味で後世に負担を残さないエネルギーのあり方とは?夏休みの終わりに子どもたちと語り合ってみませんか。

    家族

    NUMOは放射性廃棄物の地層処分に関して
    「後世に管理負担を残さない安全で合理的な処分方法である」としています。

    自然放射線と原発から出る放射線を
    同様の物質であるかのような説明が掲載されたNUMOやJAEAのホームページに
    疑問を持てる子どもは少ないのではないでしょうか?

    現在のままNUMOやJAEAによるPR活動が進められていけば、
    子どもたちが成長し大人になった時、
    原発や地層処分のリスクに気づかないことも考えられます。

    そんな危機的な未来を作らないために、
    私たち大人が子どもにしっかりと原発や地層処分のリスクを伝えて行きましょう。


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