オーブンがなくても大丈夫!簡単でねっとり甘く美味しい焼き芋の作り方。
1 お芋掘りをたのしむアイディア
春先に挿したさつま芋の芽。
夏の日差しを浴びて、繁茂する芋の葉。
広がるつるを返し、涼しくなる頃上の葉が少し黄色くなってきました。
いよいよ収穫の季節です。
こどもたちが小さい頃は、芋掘り前に、絵本や童話を読んだものでした。
『おおきな おおきな おいも』
(作・絵 赤羽末吉)、『ねずみの いもほり』
(作・山下朋生 絵・岩村和朗)など、スケールの大きな夢の広がる作品は、気分が盛り上がりおすすめですよ。ところで、芋掘り体験は土が見えている状態からスタートします。
当然ながら、自分たちの畑の場合は、つるを前もって刈っておかねばなりません。
ちなみに、芋のつる「芋づる」といえば、戦時中・戦後の貴重な食糧として有名ですが、きんぴらにすると本当においしいですよ。
フキに匹敵する食物繊維、ほうれん草を上回るビタミンEとカロテンと栄養も豊富。
採りたてならそのまますぐに調理可能。
時間の経ったものは、さっとゆで、つるの先の方からぴーっと皮をむき、お好みの油で炒めて、醤油を回しかけ、ごまを散らすとできあがりです。
お芋が掘れたら、収穫祭はいかがでしょう。
あぜ畑で、おむすびをいただくだけで十分です。
宮城県の小学校時代の収穫祭は素敵でした。
外の畑の芋掘りから帰ってくると、運動場に大きなキャンプファイヤーが用意されており、「火の神様」が点火してくれるのです。
大きな炎のあたたかさとわくわく感と焼き芋のおいしさ。
今思えば、4クラス×6学年の児童数が楽しめるよう、すべて先生方が用意くださっていたのです。
「学校」は、教科の学習だけでなく、「余白」こそが、何年もかけてそれぞれの中で熟してくるのだなあと感じています。
「秋の実り¬=いのち」だった昔、「秋の祭り」は収穫期に神様に感謝する大切な行事でした。
あんなに短かかった芋の芽が、大地、太陽、水、微生物のおかげで、大きなお芋になってくれたということ。
現代の便利さを享受しながらも、昔からの心は忘れたくないものですね。
2 どうしたらいい?保存している間も傷まず、甘みを増す保存
さて、さつま芋をしばらく保存しているうちに、外は大丈夫なのに「切ったら茶色い!」「黒い!」「芽が出てしまった!」
こんな経験はありませんか?
傷ませず、甘みを増す保存方法を確認しておきましょう。
<水洗いしない>
水分は傷みの原因になります。掘ってきた芋についている土を、水で洗わないようにしましょう。
スーパー等で購入したさつま芋は、出荷段階ですでに水洗いされています。そのまま保存しましょう。
<天日干しする>
芋についている土の湿気も、傷みの原因になります。風の通るところに新聞紙を敷き、並べ、土が乾燥するまで3~4日天日干ししましょう。
購入したさつま芋は天日干しの必要はありません。
<密封しない>
どの野菜もそうですが、収穫後も呼吸しているので、ビニール袋などで密封しないように。新聞紙に包んで、空気の行き来ができるようにしましょう。
<冷蔵庫に入れない>
さつま芋にとっての適温は13~15℃くらい。冷蔵庫に入れると「低温障害」を起こし、傷みやすくなります。新聞紙、段ボールなどに入れ、風通しのいい室温においておくといいです。
寒い地域に住んでいる友人は、発泡スチロール箱に入れ、冷えすぎないようにしているとのことで、傷んだことは一度もないそうです。
<すぐに食べない>
特にこどもたちと掘った芋は、その場ですぐに頂きたいものです。けれど、保存して熟成させると2つの理由でよりおいしくなります。
まず、芋のデンプンを分解する酵素が、収穫直後から働き始めるので、ゆっくりと糖化が進み甘みが増すのです。
そして、保存の間にゆっくり水分が蒸発し、甘みが凝縮されるしくみです。
ですから、掘ったお芋はお持ち帰りにして、熟成させておいたお芋を焼いて食べると最高ですね。
3 さつま芋の栄養を逃さずに甘くするポイント
さつま芋は、「デンプン」のイメージが強いですが、細胞の老化防止が期待される
ビタミンB,ビタミンC,ビタミンE、葉酸、カリウム
の他、整腸作用のある食物繊維
が豊富です。より詳しくは過去記事をご参照くださいね。とはいえ、いくらよいものでも、入れるばかりではよくありません。
空腹の時間を作ることで、内臓の動きを活発にし、排泄を促し、腸内を空っぽにすることで、お肌や体調が元のよい状態に戻る力が引き出されるのです。
では、焼き芋の栄養を逃さずに甘くするポイントを確認しておきましょう。
<水にさらさない>
さつま芋を切ると、白っぽい汁が出てくることがあります。それが「アク」と呼ばれ、料理が黒ずむ原因になるので、黄金色を優先する料理の場合にはさらして、取り除きます。
けれど、その成分は、腸の動きをよくすると言われている
ヤラピン
身体の酸化防止の手助けをすると言われているポリフェノールの仲間のクロロゲン酸、タンニン
。また、水溶性ビタミンも溶け出すので、もったいないですね。そのまま焼きましょう。
<ゆでない>
ゆでる際、上記と同じくお湯の中に栄養が抜けてしまうので、できれば避けたいですね。ゆで汁をそのまま頂く料理や、煮含めてしまう料理は大丈夫です。<低温でじっくり>
電子レンジ、蒸し焼き、揚げなどの短時間高温調理は、βアミラーゼが働きを停止させてしまうため、火は早く通るけれど甘くなりません。さつま芋のデンプンは、酵素
βアミラーゼ
によって分解され麦芽糖
になります。βアミラーゼが最も活発に働く65~70℃でじっくり加熱するのがポイントです。
<水分を飛ばす>
ル・クルーゼ、ダッチオーブンは、材料を入れて、じっくりことことするだけで、とろけるようなおいしい料理を作ってくれます。蒸気で密封調理してくれる特長は、焼き芋には向きません。焼き芋は水分を飛ばすことで、甘みを増すからです。ふたをせず、もしくはふたをずらして蒸気が逃げるようにしてから、じっくり焼くようにしましょう。
<皮ごといただく>
全体を頂くことは、そのものへの感謝を表します。でも、観念だけでなく、栄養面でも大切な部分なのです。
さつま芋の皮には、抗酸化作用の期待できる
アントシアニン、カルシウム
が多く含まれています。上述の栄養も、皮のすぐ下に多く含まれているのです。皮をむかずに、まるごと身体に取り込みたいものですね。
4 オーブンがなくても大丈夫♪簡単で甘い焼き芋の作り方
今回は、「魚焼きコンロ」を使い、たった2ステップでできる方法です。
オーブンがない方も、電気オーブンの使用を控えたい方もぜひお試しください。
(4-2)
(1)洗ったさつま芋を、キッチンペーパーなどで包んで、水で濡らし、アルミホイルで包みます。
*土が乾いたお芋は、たらいの水に入れて泥を柔らかくしてから、たわしでこすると水の節約になります。(2)魚焼きコンロに入れ、一番弱火で、45分―60分焼いたらできあがり。
*時間は、さつま芋がより大きく、数が多く、グリルが片面焼きであるほど、長くなります。*巨大なさつま芋でグリルに入らない場合は、輪切りしてから同じように包みます。
焼き時間が短くなるので、竹串で刺して、焼き時間を調整してください。
*写真の焼き芋は、両面焼きグリルで、15分までのタイマー式なので4回焼きました。
その都度、さつま芋の向きを変えるとまんべんなく焼けます。
*安納芋や紅はるかなど、水分の多い芋は、焼き時間を少し長くするとよりねっとりに。
5 おわりに
さつまいもの花が開くのは、熱帯・亜熱帯。温帯である日本は、沖縄以外、通常の条件では開花しないのですが、今年初めて畑で花が咲いているのを見ました。
広範囲で大自然の大きな影響を受けている昨今。
農業も例外ではありません。こんな時こそ、真摯に取り組んでおられる農家さんから購入するなど、生産者さんと消費者で共に乗り切る時期ではないでしょうか。
秋の食物で、身体とこころを満たし、すこやかに過ごされますように。
[参考: 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構HP]
自然栽培カカオバターと一緒に食べてみよう。
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