薬に頼らず頭痛を和らげるための方法｜現役看護士が教える頭痛お手当「タイプ別頭痛のホームケア」8選

IN YOU読者のみなさまこんにちは。
看護師のほんのりです。

過去記事「おうちでお手当てシリーズ」では、
熱や咳・鼻水のホームケアをお伝えしてきました。

熱が出た！その薬、使う前に/現役看護師がお伝えする、あなたの中に眠るドクター＝自然治癒力を高める方法とは？

大人もこどもも試してみて。看護師が教える実はこんなにたくさんあった！おうちでお手当て「咳のホームケア」７選

鼻水の質や種類によって対策は変わります/看護師が教える「おうちでできる鼻水・鼻づまりホームケア方法５選」

さて、今回のテーマは「頭痛」です。

「頭痛持ち」「疲れ」「ストレス」…
頭痛の原因は本当にそれだけ？

現在、日本人の人口の4人に1人は頭痛を患っていると言われており、
とてもポピュラーな症状です。

いつも頭痛薬を常備薬として持ち歩いているという方も多いのではないでしょうか？
私も以前、頭痛薬によく頼っている時期がありました。
生理は予測できますが、頭痛は予測できないですよね。

はじめは薬を飲むほどでなくても、
時間を過ごすうちにだんだんと痛みが強くなってくることも多く、
まるでお守り代わり。
持っていないと不安を感じるほどでした。

他の不調も重なり、本格的に漢方薬を飲んだのがきっかけで頭痛はすっかり治ったのですが、
その時に東洋医学的な頭痛の分類を見て、
初めて「これ、わたしのことだ！」と感じたのです。

これからお伝えしますが、私はまさに「痰濁」タイプでした。
いつも左の脳が布で締め付けられるかのようにぎゅーっと痛むし、
ひどい時は吐き気も出てきてしまう状態でした。
検査してもとりわけ異常はなし。

ですが、これを知った時、
頭痛の原因は「頭痛持ち」や「疲れ」などで単純に片づけられるものではなく、
西洋医学には無い視点から見た原因が分かって、
とてもすっきりしたのを覚えています。

あなたの頭痛のタイプは？東洋医学的視点から原因を見てみよう

単に”頭痛”といってもその原因は幅広く、
冷えや肩こりからくる血流の悪化であったり、
命に関わるほどの病気が潜んでいることや、
心因性の原因など、多種多様です。

原因となる病気が特定できずに慢性的になった頭痛については、
まさに東洋医学の特性が生きる分野です。

痛む場所や痛みの種類、痛む時の状況などをチェックして、
頭痛の原因を探ってみましょう。

刺すように痛む：瘀血タイプ

瘀血（おけつ）とは、血が停滞し（血滞）、
血の機能が発揮できなくなった状態のことを言います。
血行不良ということです。
瘀血を起こした場所で痛みなど、不調が生じます。

このタイプは、痛む場所が大体いつもきまっていて、
ズキズキ・チクチクと刺すような痛みがあり、
運動した時や夜間に痛みが増します。


☆血行がよくなってぽかぽかが続く！　完全オーガニック入浴剤「ミネリーバスタイム」

吐き気を伴う頭痛：痰濁タイプ

吐き気を伴い、頭が布で締め付けられるように痛むのは、
体内に溜まった”痰”が原因。

胃がムカムカして頭がぼんやりし、めまいを起こすこともあります。

痰濁とは身体の中のいらない水分やネバネバした病理産物のことを言い、
体内の水分代謝が低下している証拠です。
食生活の乱れや、胃腸の機能低下が原因です。


痰濁という状態は、文字通り、「淀んで濁ったもの」を意味します。
余分なものが体内にいっぱいある状態なので、毒素を生み続けてしまいます。
これが頭痛の一因となるのです。

張るように痛む：肝鬱気滞

ストレスなどがきっかけで、
頭全体あるいは頭のあちこちが張るように痛むのは、
ストレスで気を巡らせる機能が失調しているのが原因です。

ストレスや心配事で悪化し、頭がふらつき顔色も悪くなります。

めまいがする：肝陽

怒りやイライラでカーッとなると、
気が上昇して頭痛を引き起こすことがあります。

側頭部が張るように痛み、
耳鳴りやふらつき、目の充血なども伴います。

高血圧や更年期障害、自律神経失調症による頭痛もこのタイプに含まれます。

上半身が興奮状態にあるのとは反対に、下半身に力がなくなったり腰が重だるくなったりもします。

おうちで頭痛のお手当て・養生法

瘀血タイプ

血の滞りが原因なので、
全身の血のめぐりを良くすることが大切です。

特に、頭部の瘀血を改善させることで、痛みは緩和します。
痛いからといってよくわからずに冷却シートなどを貼る人もいますが、
逆に冷やすと悪化することがあるので、要注意です。

☆足湯にも使える！「ミネリーバスタイム」

ホットタオル

温かいタオルを首の付け根に当てて温め、血流促進させます。

瘀血は、血そのものが冷えている場合も多いため、温めた方が効果的です。

ホットタオルは副交感神経を優位にさせ、リラックス効果もあります。

頚部はたくさんの神経も集中しており、また大きな動静脈も度追っている大事な場所です。
指圧のような刺激よりも、じんわりと温めて緩める方が大切です。

ツボ押し

「阿是穴(あぜけつ)」というところがあります。
中国語で「あ、そこ!」という意味があり、
経絡上のツボとは別に押して軽い痛み(圧痛)のあるところ、気持ちいいところのことをいいます。

頭部の全体、押して痛むところ全てが、頭痛に効くツボ。

マニュアルに頼らずに、自分の感覚を感じ取りながら押してみてください。

痰濁タイプ

胃腸の機能が低下していることが一因なので、
食生活を見直し、胃腸の機能を回復させることが大切です。

また、”痰”と呼ばれる余分なネバネバとした（病理的）水分が停滞している状態なので、体内の水分のめぐりも良くしておく必要があります。


☆塩水療法に最適！2億５千万年前のヒマラヤ地層から採掘されたクリスタル岩塩

食べ物・飲み物

体内の水分のめぐりを良くして、痰を取り除く作用のある食材が良いでしょう。

食材：あずき・緑豆・ハスの葉・玄米・海藻類
お茶：ウーロン茶・ハトムギ茶・プーアール茶・トウモロコシ茶

などが適しています。

胃腸の機能が低下しているので、
よく噛むことや冷たい物を避けること、なども意識してみてください。

ツボ押し

・陰陵泉
足の内側をひざ下から膝に向かってさすっていくと、
膝の内側辺りで大きな骨にぶつかる部分です。

水分代謝を高めて、水分の排出を促します。

・豊隆
外くるぶしと膝の中間にあるツボです。
体に滞った老廃物を出す作用があります。

肝鬱気滞タイプ

気のめぐりが悪く、気が滞っている部分で張るように痛むため、
全身の気のめぐりを良くすることが大切です。

ストレスの原因は人それぞれでありますが、
なるべくストレスをためないように心がけ、
自分なりの発散方法やマネンジメント方法を見つけると良いでしょう。

睡眠をとる

ストレスを緩和させることにおいて、睡眠は重要な位置を占めます。
何か体内に痛みが生じると、痛み刺激で神経も緊張し、非常に体力を消耗します。

疲れや睡眠不足は、それだけでも頭痛の引き金となるため、
まずは睡眠不足を解消することを最優先させることをおススメします。


☆完全オーガニック入浴剤でストレス解消・質の良い睡眠

食べ物・飲み物

気のめぐりを良くする食材を選びましょう。

そば・油菜・大根・セロリ・みかん

などが適しています。

肝陽タイプ

怒りや興奮などで気が上昇していることが原因なので、
興奮を落ち着かせ、気の上昇を抑えることが大切です。

バンダナ・タオルを巻く

気は上へ上へといく傾向があります。

目には見えませんが本来全身を潤滑に巡るべき気が
頭部に集中してしまっている状態なので、
めまいや耳鳴りなど、頭部のその他の症状も出現することがあります。

そんな時、タオルやバンダナなどで頭部を巻くと、
上昇して浮ついた気が少し落ち着いてきます。

あまりきつくもゆるくでもなく、
適度に頭を包み込むように巻いてください。

人間、何かにぎゅっと包まれているのは、無意識に安心し、鎮静するものなのです。

足のマッサージ

頭痛と関係が無いと思われがちですが、
このタイプの場合は気が上昇していることが原因となっています。

下半身の気が足りなくなるために、
足の力が抜けたり腰が重くなったりと、症状が付随してきます。

前述しましたが、気は本来全身を巡っているもの。
頭部に流れがちな気を下半身に下ろしていく為に、足のマッサージは有効です。

頭部の浮ついた気をタオルなどで治めた後、
マッサージなどで気を下に下ろすようにケアできるとより効果が増すでしょう。


参考：よくわかる図解東洋医学　平馬直樹・瀬尾港二・稲田恵子　監修　

頭痛薬以外にも、治療の選択肢を持てるように！

今の私は、頭痛で薬を飲むことは滅多にありません。
以前風邪で頭痛がひどい時に仕方なく市販薬を飲んだことがありますが、
あれってカフェイン入っているんですよね。

頭痛は止まった代わりに眠れなくなるという代償も経験しました。


痛みがあると、程度によっては生活に影響が出ますし、
仕事や育児など、休んでいられないことも多いでしょう。

しかし、それだけでは根本解決になりません。
ただ、自分のからだが一時的に鈍感になっているだけですから。


頭痛のタイプにもよりますが、薬を飲む前にできることはたくさんあります。

頭痛でお悩みの方は、
ぜひ東洋医学の視点からの自分の頭痛の原因を知って養生法を試し、
薬はあくまで最終手段にする。

そんな習慣を持っていただきたいと思います。

皆さまにとって、少しでもお役に立てたら幸いです！

【注意！】
激しい痛みや、長続きする痛み、吐き気が伴う強い痛み、
殴られたような痛みなどがある場合は、
緊急を要する可能性もあるため、専門家にご相談ください。

また、直前に頭を強打してその後痛みが取れない、
吐き気が出てきたなどの場合も命の危険がありますので、
早急に医療機関へ行かれることをお勧めします。

薬に頼る前に試してみて！
IN YOUが自信を持っておすすめするアイテム

こちらの記事もおすすめです

その常識、50年前のものかも？｜トータルヘルスコンサルタントが語る頭痛の意外な原因５選

あなたの頭、硬くない？髪の美しさだけでなく頭痛や肩こり、顔のタルミ、シワにも影響する○○の硬化。 今日から始める簡単お手入れ方法とは？〜IN YOU Marketが私に教えてくれたこと vol.13〜

肩コリや頭痛、胃腸障害は「肝」のお疲れのサイン！？｜東洋医学陰陽五行から紐解く「木」の人の体質的特徴